この作品はPastel*Palettesのリーダー兼ボーカル担当であり、自称[ふわふわピンク担当]の少女……丸山 彩の生誕せし日をお祝いする目的の小説です。

 そのため本編の時間軸より先に進んでおりますが、ご了承いただけますと幸いです。

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 皆様、おはこんばんにちは。

 数ヶ月程度お休みを頂きまして、誠に申し訳ございませんでした。その次第に至った経緯は数えれば数多有りますが……とりあえず、今年分の企画小説の投稿はできそうで、ほっと一安心しております。


 今回は最早お馴染みとなりました、丸山彩の生誕祭記念の小説投稿をしたいと思います。そして後書きにて大切なお知らせをしたいと思いますので、興味がある方は最後までご覧頂けると嬉しいです。


 それでは……本編スタートです。

 最後までごゆっくりお楽しみ下さい。


ふわふわピンク担当は不機嫌です?!

「ゔぅぅぅ……なんで千聖ちゃんと……」

「あら彩ちゃん、まるで私は要らないと今にも言いたそうな雰囲気ね。私は別に構わないのよ、貴女の事なんて放り出してみんなと合流しても。でも、颯樹がこの顛末を聞いたら何と言うかしら?」

「!?そ、それだけは……!」

「だったらグチグチ言わないで頂戴。みんな貴女の為に動いているんだから」

 

 

 私が一言そう言うと、今し方隣を歩いている彼女は黙り込んでしまった。口だけは素直に従っているつもりでも、態度が明らかに違う。この時の彩ちゃんは、意地でも譲れない何かがある時の様子だ。

 

 

 彩ちゃんと関わり始めて、もうあと三ヶ月もすれば三年が経とうとしているけれど……未だに彼女は私を目の敵にしている節がある。元を正せば自分のドジが招いた結果だと言うにも関わらず、そんなの何処吹く風だ。

 

 学内やお仕事中では他の人の眼もあるから、まだ軽く睨まれる程度で終わっているけど……これがそれ以外だと話が変わって来る。こんな状態の彩ちゃんを相手する私の立場にもなって欲しいくらい。

 

 

「じゃあ、軽くお昼にしましょうか。この近くのカフェは時折花音や颯樹と訪れる事があるから、ひと休みするには持って来いだと思うわよ。行きましょ」

「……うん」

 

 

 未だにご機嫌ななめな彩ちゃんを連れて、私はカフェの押し扉を開けて中に入った。中から聴こえて来るクラシックの音色が心地好い空気を創り出し、下手をすれば長時間居座ってしまいそうな程だ。

 

 そんな事を思っていると……私たちが入って来たのを見た店員さんが人数の確認をして来たので、私は今の人数を伝えた。その後に窓際の席に通されてお冷を受け取った。

 

 

「では、ご注文がお決まりになりましたらお呼び下さい。失礼致します」

 

 

 そう言って店員さんは仕事に戻って行き、私は再び彩ちゃんと向かい合う事になった。

 

 

「彩ちゃん、一体何が不満なのかしら」

「……」

「普段ならこの時期はお仕事が詰め詰めになってて、お休みすらロクに貰えないの。そんな中で出来た休みを使ってお出かけしてるのだけど……彩ちゃんは何がご不満?」

 

 

 ……ほんと、貴女には良い意味でも悪い意味でも驚かされてばっかり。特に颯樹の事が絡むと、その感覚も一入(ひとしお)。私だって彼の事になると、人一倍気にしてしまう事が無い訳じゃないから、彩ちゃんの気持ちも分かる。

 

 でも、今回は違う。

 

 一体いつまでこの不貞腐れた彩ちゃんを相手しなければ行けないのか……私としてはそれが気がかりだった。

 

 

「(はぁ……出来る事なら変わって欲しい。あのくじ引きにさえ当たらなければ)」

 

 

 今の私の気持ちを代弁した溜め息が出ると同時に、私の思考は今から数日前に遡っていた。確かあの時は……そう、パスパレのレッスンをして帰る頃合いになった時の話だ。

 


 

 Pastel*Palettes(パスパレ)のレッスンも終わり、更衣室で着替えを済ませた私は、みんなに断りを入れて先に事務所を後にしようとしていた。

 

 

「それじゃあみんな、お疲れ様。彩ちゃんには後日みっちりレッスンして貰う様に伝えておくわ」

「あ、はい。それに関してはその通りで良いんですが……千聖さん、少しこれから時間を貰っても良いですか?」

「あら、麻弥ちゃんから話なんて珍しい。何かあった?」

 

 

 麻弥ちゃんが呼びかけたのを気付いたのか、着替えをしている途中の日菜ちゃんやイヴちゃんも私たちの方に加わっていた。ココ最近は寒さも厳しくなってきたので、対策として一つだけ石油ストーブを置いているけど……こんな狭い所だと、ストーブなんて要らない様な物だった。

 

 そして麻弥ちゃんからの話と言うのは、一度事務所を全員で出てから話すと言う物だった。これを好機と見た私は、花音に真っ先に連絡を入れて、三人を現在ルームシェアをしている部屋に招き入れる事にした。

 

 

 ……そうして彼女の口から語られた内容は。

 

 

『彩(ちゃん)(さん)の誕生日の事(ですか)?』

「はい。彩さんの誕生日まで、もう残り一週間に迫る位まで来ています……なので、彩さんが居ないこのタイミングで、少し打ち合わせをしておこうかと思いまして」

 

 

 ……確かに。今日の日付から約7日後は、彩ちゃんの誕生日の当日になる。それを考えると、今から大掛かりな事は出来ないけれど……ささやかな誕生日パーティーを用意する事はできる。麻弥ちゃんが私たちを集めたのは、その意図があっての事らしい。

 

 

「あたしそれさんせーい! せっかくだしリサちーとか友達とかたくさん呼んでさ、パーッと楽しくやろうよ!」

「ヒナさん、それは良いアイデアです! 私もタエさんやハグミさんに声をかけてみようかと「あっ、その事なんですが」」

「「?」」

「……なるほど、言いたい事はある程度わかったわ。彩ちゃんの事ですもの、他の人に情報が伝達されれば、当の本人に思わぬ形で伝わる可能性が高い……だからなるべく、このメンバーで何とかしよう、そう言う事ね?」

 

 

 私が纏めたその言葉に、麻弥ちゃんは一言添えて同意の旨を返してきた。

 

 

 だけどそうするのならば、当日まで彩ちゃんに私たちが秘密裏で動いている事を悟られない様にする必要がある。それに、もし当日まで隠し通せたとしても、パーティーを始める時間までにバレる危険性が無い訳じゃない。

 

 そうなると、一番現実的な案は……これかしら?

 

 

「ねえ麻弥ちゃん、少し提案なのだけれど」

「何ですか、千聖さん」

「パーティーをする事には賛成よ。でも、そうなるとそれまで時間稼ぎをする人が要るんじゃないかしら。成る可く彩ちゃんに気付かれない様に、且つ……時間まで確り稼げる人が」

 

 

 私の言葉に麻弥ちゃんを含めた全員が、納得と言う答えを返して来た。けどそれは、対象にその行動の意図を探る暇を与えさせない……と言う、シンプルではあるけれど、かなり頭を使わないといけない行為に他ならない。

 

 口で言うのは勿論簡単にできる、でも実際に行動に移すとなるととてもじゃないけど容易じゃない……そんな危険を孕んだ作戦を、私たちは実行しようとしていた。

 

 

「そうですね……彩さんになるべく気付かれず、それに加えて時間稼ぎができる人となると、ジブンたちの中から選ぶとなれば、自ずと絞られて来ますよ……」

「そうだよね……私は彩ちゃんと一緒のバイト先だし、もし彩ちゃんから何か聞かれたら真っ先に答えてしまいそう……」

「となると……花音は候補から外れるわね。まあ、そうで無くても、花音にそんな危ない真似はさせられないわ。貴女は私たちパスパレのメンバーを除けば、颯樹に限りなく近いんだから」

 

 

 そんな言葉を聞いた花音が、思わず顔を真っ赤にして俯いてしまった。それを見た日菜ちゃんとイヴちゃんは囃し立てたけど、そこは麻弥ちゃんが何とか食い止めた事で事無きを得た。

 

 

 ……花音のここ最近の様子はと言うと、高校から大学に進学した事で颯樹と離れ離れになってしまい、その穴を埋める様に休日などを使ってカフェでお茶をしていたり、または何処かへフラッと出かける事も多くなった。

 

 その場に私が居合わせる事もあるのだけれど……それはあくまでも、私がお休みを貰えていた場合になってしまう。だからこそ、最近の颯樹の様子について殆ど知っているのは花音だったりする。

 

 

「でしたら、松原さんには設営の方をお願いしましょう。必要とあらば颯樹さんの協力も得て構いません」

「わかった。それじゃあ、私は準備班に入るねっ」

「お願いします」

「そうしたら……日菜ちゃんとイヴちゃんは真っ先に候補から外れるわね」

 

 

 私がそんな事を言った瞬間、その二人から矢継ぎ早に異論反論が飛んで来た。ある程度気持ちはわかるから汲めるけど、それを差し引いても貴女たちだと不安要素がどうしても残るのよ……。

 

 

「そんなのあんまりです! 私たちだってアヤさんをお祝いしたい気持ちは変わりなく」

「勿論、その気持ちは大切よ。でも、麻弥ちゃんはさっき何と言ったかしら。彩ちゃんにこの事がバレては行けないのよ、絶対にね。それを年頭に置けば、貴女たちが一番心配の種……下手な事をして計画がパァになったらどうするの」

「……うーん、残念……あたしだったら、彩ちゃんをもっともっと楽しませられると思ったんだけどなー」

「貴女が余計に心配なのよ、日菜ちゃん。彩ちゃんを色々唆して疲弊させて、せっかくの楽しみが薄れちゃったら元も子も無いでしょう」

 

 

 麻弥ちゃんと花音が呆然とするのも気にせず、私は二人を論破した。続く代案では麻弥ちゃんは嘘をつくのが下手と言う理由で降り、私はと言うと……颯樹の事になると途端に勘が良くなる彩ちゃんを危惧して、立候補は見送る事にした。

 

 そうなってしまうと、誰も名乗りを上げる人が居なくなってしまうと言う事態になるので……。

 

 

「……仕方ありません、こうなったら。くじ引きで決めましょうか、確率は5分の1……4本は色が着いてませんが、残りの1本は赤くマークを入れてます」

「仕方ないかー。ま、これだけやるって人がいないんじゃあねぇー」

「当たりの一本……当ててみせます!」

 

 

 各々やる気も充分。なら、やるしか無いわね。

 

 そうして私たちは一本ずつくじを選んで、あとは一斉に引くだけになった。

 

 

「それじゃあ、行きますよ……せーのっ!」

 


 

 ……これが、この事態に至るまでの経緯。

 

 

 あの時点で当たりくじを引いた私は、傍から見れば運が良いと思われがちだけど、私にとってはそうでは無い。よりにもよって最悪の可能性を引き寄せてしまったのだから。そんな可能性のあるくじを引き当ててしまった事に関して、自分で自分を責めたくなった程だ。

 

 

 今現状の彩ちゃんは、私の言う事をそれとなく聞いてくれてはいるものの……何の拍子で暴れ始めるか、私としては気が気じゃない。一刻も早く彼女の機嫌を取りつつ、約束の時間まで時間を稼がねばならない。

 

 ついさっき麻弥ちゃんに確認の連絡を取った所、詳細的に準備班の動きが知らされた。

 

 

『今、ジブンたちはスーパーで買い物をしてる途中です。日菜さんやイヴさんが忙しなく動くので、本当に大変ですよ……。あっ、颯樹さんに関してなんですけど、急な要件で仕事が入ったとの事なので、夕方頃には合流するみたいッス』

 

 

 ……麻弥ちゃんったら……。

 

 

「彩ちゃん、何か頼みましょうか。ここのスイーツは特集が組まれる程の人気で……」

「ねえ、千聖ちゃん」

「彩ちゃん?」

 

 

 私が話題を切り替えようと、彩ちゃんに話しかけてみたところ……当の本人から声をかけられてしまった。この時の彼女は異様な勘の良さを発揮する為、まさかバレたのか……と私は内心冷や汗が出て仕方なかった。

 

 

 そして、少し間を空けた後……続けられた。

 

 

私に、何か隠してる事、あるよねっ?

 

 

「……えっ?」

 

 

 やっぱりと言うべきか、不安的中と言うのだろうか……彩ちゃんは気付いてた。颯樹の事を出したのは、ショッピングモールで言った時の数秒だけだったとは言え……ここまで見抜かれてたとなれば、私も驚く他無い。

 

 

「一応聞きたいのだけれど。何処で気づいたの?」

「ショッピングモールで颯樹くんの名前を出した時。千聖ちゃんは私の事を敵視してる……それなのに、今回は彼の事をチラつかせた。どう言うつもりなのか最初は気付かなかったよ、でも、今のやり取りでほぼ確信に変わった」

 

 

 ……そうなの、そこまで気付いていたのなら完敗ね。

 

 

「わかったわ、観念しましょう」

「……っ、それなら。私をここまで連れ回して、千聖ちゃん達は何をしようとしてるのっ?」

「そうね、貴女に関係する事よ。でも、その質問に答えるのなら……先ずはそれに相応しい頼み方があるんじゃないのかしら」

「相応しい頼み方って……それ、さっきの言葉と矛盾してるじゃんっ!」

「あら、私は観念しましょうと言っただけよ。誰も教えるだなんて一言も言ってないわ」

 

 

 私がそう言うと、彩ちゃんは心底私の事を恨めしそうな表情で見あげてきた。約三年前のファーストライブの前と、全く構図が同じ……成長が見られない。颯樹と離れて多少は頭が冷えたのかと思ったけど、この様子だと離れた甲斐は無さそうだ。

 

 

「……教えてください、千聖ちゃん」

 

 

 さて、どうしようかしら。

 

 このまま(だんま)りを決めて、彼女の中の不満を更に貯めて爆発させるのは、私としては望む所じゃない。かと言って、ここから自由にさせて問題行動を起こされた日には、私にも少なからず責任がある。陽動役の責務を果たせなかった、重罰が降るだろう。

 

 

 ……いえ、ここは心を鬼にするのよ白鷺 千聖(わたし)

 

 いつもならここで妥協してしまうけれど、今日だけは何が何でも引く訳には行かないの…っ!

 

 

「ダメよ、教えない」

 

 

 その言葉が出た時が……私の覚えている最後だった。

 

 周りの状況は粗方分かっていたし、その原因を産み出したのは私だから文句を言う義理も無い。でも、未だに叩かれた頬の痛みが引かない……余程さっきの私の答えが不服だったのね、その強さが嫌でも私に現実を突きつけて来る。

 

 

「ち、千聖さん! 大丈夫っすか、帰りにどこかへ走っていく彩さんが見えたので何があったのかと心配に!」

 

 

 ……ありがとう、麻弥ちゃん。

 

 任された役目を全うできないなんて、私ったらなんてヘマをやらかしたのかしら。仲間には心配されてしまうし、リーダーの機嫌は損ねさせてしまう。傍から見れば呆れ必至でしょうね……この、報いさえ無ければ……の話だけれどっ!

 

 

「……許さない」

「え?」

 

 

この恨み、絶対に忘れないわ……。

 

覚えてなさい、彩ちゃん…っ!

 

 


 

 

「えっ、千聖にはぐらかされたぁ!?」

 

 

 千聖ちゃんと先程まで居たカフェを飛び出した私は……当てずっぽうではあるけど、颯樹くんの居るであろう事務所の方に向かった。彼の移籍先の事務所が何処にあるかは知らなかったけど、私の中にある女の勘が道案内をしてくれた様だった。

 

 そして私は事務所に着くや否や颯樹くんを探し当てて、今現在彼が仕事をしているデスクの所で泣きついていた。あとで怒られるつもりだけど、今ばっかりはどうか……!

 

 

「だって、だってぇーーーーっ!」

「お、落ち着いて。一体何があったのさ、そこからまずは知りたいんだけど。あと、何でここが分かったの」

 

 

 颯樹くんから別の部屋に来る様に指示された私は、他の作業をしていた人に頭を下げて簡単な謝罪をし、その後事務室のあったフロアにある会議室へと通されていた。

 

 

「あっ、ありがとう。颯樹くん」

「全くもう……こっちはただでさえ、年末年始に向けての怒涛の追い込みで忙しいってのに」

 

 

 彼からボトルタイプのお茶を貰った私は、キャップを開けて一口飲み始めた。そのお茶はここまで走って火照っている私の身体を冷やし、体温を元に戻してくれていたが……私はそれよりもっと冷える体験をする事になった。

 

 

「……んで? 場所がわかんない前提で、走ってここまで来たのには、何か理由があるんでしょ?」

「う、うんっ。実はその……かくかくしかじかで…」

 

 

 私は数十分前までに起こっていた事を、颯樹くんに口頭で尚且つ身振り手振りも加えて説明した。彼がどこまで私の事情を汲んでくれるかは分からなかったけれど……恐らく頼みの綱の麻弥ちゃんや花音ちゃんですら、今回はあっち側だと思うので、颯樹くんだけが私の頼れる最後のツテだった。

 

 

 ……そして、暫くした頃。

 

 颯樹くんは私の話を一頻り聞いた後、一息吐いた後にこう答えて来た。

 

 

「まあ、今回ばっかりは仕方無しかもね……なんせ彩の事を考えての行動だと思うし」

 

 

 そこまで聞いた後、私の中で頭に疑問符が浮かんでた。

 

 それはさっき千聖ちゃんから聞いてた通りだし、彼がそう言うのなら……今回の一件に至った理由は、私が少なからず関わっているのは事実だろう。

 

 

 でも、それがあるにも関わらず、私にバレずに秘密にしたい事って……何だろう?

 

 

「あー、なるほど。こりゃ覚えてないクチかな。今年……特にここ最近は見るからにお仕事も増えたうえで、アイドルサミットでしょ? 結構忙しかったからね……個人の事情まで手が回らなくなっちゃうのは、いずれバレる事だから仕方ないと言えばそこまでか」

「あ、あはは……うんっ、そうだよね。確かに今年は特に忙しかったからね……」

「んー、教えてあげても良いけど……僕と取引しない?」

 

 

 そう言って颯樹くんは、対面の位置から私の座っている隣の椅子に移動して来た。そして先程と同じ様な、向かい合う態勢に座り直していた。

 

 

「(さ、さっきまでテーブル一個分挟んでただけなのに、近付かれるとすごくドキドキしちゃうよぉ…っ!)」

 

 

 そんな私の穏やかで無い心中など知らず、颯樹くんは私の眼を真っ直ぐ見ながらこう言って来た。

 

 

「今、事務処理の作業をしていてね。あとは諸々の確認と細かい所の修正作業を行なえば大丈夫なんだけど……そこで、だ。ダブルチェックをしたいから、それを手伝って欲しいんだよ」

「……えっ? そんな事で、良いの?」

「人手は多いに越した事は無いからね。まあ、強制とかそう言うのでは無いんだけど……彩は千聖が何で自分に黙って行動していたかを知りたい、僕はこの仕事が終わらないと上がれない……そう考えたら、自ずとやるべき事は分かるんじゃない?」

 

 

 傍から見れば何言ってるの、と思われる光景だけど……私は颯樹くんの言った言葉が胸にストンと落ちて来た。今はお昼を過ぎて二時半。作業時間を考えると……うん、彼だけで仕事を熟すよりも二人で作業した方が断然良いに決まってる。

 

 

「……わかった、やるよっ!」

「OK、そう来なくちゃ。それじゃあ、今関係者パスは首からかけてるよね?」

「うんっ」

「よし。それなら、さっきのデスクまで戻ろうか。書類は全部あそこにあるからね」

 

 

 そう言われて私は颯樹くんの仕事を手伝う事になった。仕事の量自体はそこまで多くなかったけど、彼のお手伝いができるだけでも……私にとっては幸せな時間だったのは言うまでも無い。

 

 ちなみに余談なんだけど、その時確認をする為に纏めていた書類の内容を見て、驚きを隠せなかったのはまた別の話。

 

 

 そして作業を終えて私は颯樹くんと共に事務所を出て、千聖ちゃん達の居る場所へと向かった。その時に千聖ちゃんからすごく睨まれた上に、麻弥ちゃんと花音ちゃんの表情が苦笑いになっていたのは見なかった事にした。

 

 

「それじゃあ、主役も来た事ですし……」

「そうね。まずは」

 

 

彩(さん)(ちゃん)、

お誕生日おめでとう!!!

 

 

「えぇっ!? えへへ……ありがとう、みんな…!」

 

 

 そんな事をみんなから言われた後に、飲み物を合わせて乾杯をした。目の前には美味しそうな料理が並んでいて、私が千聖ちゃんや颯樹くんに付き合っていたその間に、テキパキと用意していたのだろうなと思うことが出来た。

 

 その料理一つ一つが美味しすぎて、千聖ちゃんから食べ過ぎだと日菜ちゃんと一緒に怒られたり……腹ごなしの余興として、ボードゲーム等を楽しんだのはここだけの話。

 

 

「彩、明日はトレーニング2倍ね」

「なんでっ!?」

 

 

 ……何だかいつも締まらないけど、私はこんなパスパレのみんなや友達に……颯樹くんの事が、大好きですっ♪




 今回はここまでです。如何でしたか?

 次回の更新は遅くならない様に尽力致しますので、どうか更新通知をお待ち頂けますと幸いです。


 それでは、また次回の更新にてお会いしましょう。

 最後に。私がメインで書いている作品をご紹介しつつ、筆を置きたいと思います。よろしければ其方も合わせてご覧頂けると嬉しいです。


[仮面と彩りの狂騒曲]
 https://syosetu.org/novel/334571/


[告知]



 初めに。今年……2024年の更新は、この小説を以て最後となります。今年も沢山の皆様に閲覧頂けた事、本当に嬉しく思っています! また来年も楽しんで貰える様なお話を制作して参りますので、どうか気長にお待ち頂けますと嬉しいです。


 次に。現在更新中の二次創作小説である……仮面と彩りの狂騒曲ですが、この小説が公開された現時刻を以て未完処分とし、次に公開を考えていたお話より、新たに始まる新規小説にて投稿を行いたいと思っている次第です(小説タイトルも粗筋も考えました)。

 内容に関しては既に考案を済ませており、あとは来たるべき時に投稿を行なうまで出来ていますので、公開をお待ちくださいます様お願い申し上げます。



 改めて最後にはなりますが……ここで、毎年年末恒例のご挨拶をば。


皆さま、良いお年を〜!

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