宇宙世紀を制したのは地球連邦でも、ジオンでもなかった。
ティターンズでも、エゥーゴでも、アクシズでも、ネオジオンでもない。
地球圏を統一したのは、テム・レイ軍だった!

テム・レイによる地球圏統一後、平和の訪れた地球圏にスーパーロボット大戦の洗礼が襲い掛かる!



テム・レイ編でギレンの野望アクシズの脅威Vをクリアした後のイメージです。

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テム・レイ軍ED後風の地球でスパロボ

 人類が宇宙に進出し、世代を重ねた宇宙世紀0079。

 スペースノイドの独立を掲げ、同朋のスペースノイドも容赦なく虐殺したジオン公国と、スペースノイドを数世代に渡って搾取し続けた地球連邦政府の戦いは、地球連邦の勝利に終わった。

 さらに宇宙世紀0087、スペースノイドの弾圧を進める地球連邦の精鋭特殊部隊ティターンズと、スペースノイドやジオン残党を中心に結成されたエゥーゴによる新たな戦いを制したのは、ガンダムの生みの親テム・レイ博士率いる技術者達だった。

 

 各勢力の技術とソレを活かす技術者、科学者達が居るとはいえ、戦力と人材において他勢力に大きく劣るテム・レイ軍は、見る間に蹂躙されると思われたが、その予想は大きく覆される。

 一部、オーバーテクノロジーに相当するMSやパプテマス・シロッコ、コウ・ウラキといった少数のエース達の奮闘と、戦いの最中、カミーユ・ビダン、ジュドー・アーシタ、アムロ・レイといったエースオブエース達の助力を得たことにより、テム・レイ軍が地球圏を制覇したのである。

 

 戦いの後、テム・レイは自ら開発した管理システム『ハロ9000』に地球圏の統治を委ねると、研究室に引き籠って新たなMS、新たなガンダムの開発に熱中した。

 システムによる統治や各勢力の残党らによる反発はあったが、地球圏の発展と平和的な統治を最優先事項とするハロ9000は、効率的に反乱の芽を摘み、アースノイド、スペースノイドの区別なく統治し、客観的に見て地球人類は平和を謳歌することとなる。

 

 過剰な貧富の差は是正され、製造から年月が経ち不具合の増えてきたスペースコロニーを修理し、難民達に最低限の衣食住を保証して職場を与え、軍人崩れやテロリストの捕縛に

リソースを注いだ。

 核融合炉の莫大なエネルギーと万単位のMSを生産可能な膨大な資源、職を失った数えきれない人々は、スペースコロニーの再興ばかりでなく、火星の移民事業、木星の開拓に赴き、人類は地球圏の復興と太陽系を飛び立つ用意を始めたと言えよう。

 

 激動の時代を超えて平穏な時の流れを歩む地球だったが、新たな騒乱の火種は地球圏の中からではなく、太陽系の外から齎された。

 宇宙要塞アクシズ。元々はジオンに所属する資源採掘兼中継基地だったが、後に軍事要塞化され、エゥーゴとティターンズによるグリプス戦役、その後の戦乱にも関わっている。

 

 今も地球圏に留め置かれて、軍事要塞として活用されているアクシズに、警戒網を抜いて突如として出現し、急速に接近する複数の機影があった。

 青い装甲に鋭角のパーツが多々目立つ人型、女性を思わせる上半身にブレード状の両腕とブースターそのものの下半身の機体、両肩に巨大な砲塔を持ち、手には棘付き鎖鉄球という装備の大型機、そして特撮映画の中の怪獣そのものの金色の機体。

 

 それにウニかハリネズミを思わせる機体と、曲線を繋げたような人型の機体の混成部隊が追従している。

 どれも地球圏では見られない機種であり、地球とは異なるセンスを感じさせる機体群だ。それらがアクシズの警戒網の内側異突如として出現し、アクシズを守る艦隊の警告を無視して距離を詰めている。

 

「アレが地球人共の要塞か。まずはアレを足掛かりに連中を監督してやらねばな」

 

 怪獣めいた機体ガルガウのパイロット、禿頭と白目が特徴的なヴィガジはモニターに映るアクシズを目にして、地球人への嘲りをたっぷり乗せた言葉を吐く。

 青い機体グレイターキンのパイロット、左頬の三本の傷跡にも見える赤い模様が特徴の所為ねんメキボスがヴィガジに応えた。

 

「連中、デカい戦争が終わって落ち着いている頃だ。これで不意打ちが失敗したら、目も当てられねえな。その時はお前の責任だな、自称リーダー」

 

「ふん! 我々が地球人などに後れを取るものか! それとメキボス、俺は自称でもなんでもなく事実として、この四人のリーダーだろう!!」

 

 メキボスはからかう口調だったが、ヴィガジは禿頭に青筋を浮かべるくらい激高していた。かなり血が上りやすい性格らしい。そして彼らの発言から分かるように、彼らは地球人類ではなかった。太陽系の外からやってきたヒューマノイドタイプの宇宙人なのだ。

 通信越しに聞こえるヴィガジの怒鳴り声に、女性型のシルベルヴィントのパイロット、この四人では紅一点のアギーハが険しめの美貌をしかめる。

 

「リーダーだったら味方を怒鳴る以外にすることがあるだろう。やっぱりダーリンが真のリーダーだね」

 

 アギーハがダーリンと呼んだ禿頭の巨漢シカログは、旧式の砲戦機を改造した愛機ドルーキンのコックピットで、沈黙を維持している。事情は不明だが、彼は滅多に言葉を発しない。直属の上司が相手でも同じ態度を通すのだから、大概だ。

 

「……」

 

 シカログは一言も喋っていないが、それでも同僚の間では意思疎通を図れるようで、ヴィガジは無口過ぎるが、信頼のおける同僚の意見を肯定した。

 

「よし、まずは様子見と行くか。アクシズを守っているのは地球人共の精鋭部隊という話だ。ロンド・ベルとやらの実力を見させてもらおう」

 

 ヴィガジの指示に従い、背後の無人機とバイオロイド兵という人造兵士の乗るガロイカとレストジェミラ達が、ヴィガジら四人の乗った機体を追い越して、アクシズの駐留艦隊と派遣されていた“新”地球連邦宇宙軍独立機動部隊『ロンド・ベル』へと襲い掛かる。

 この動きに警告を発していた新地球連邦側も本格的な戦闘行為に移行する。

 ロンド・ベルの司令を務めるブライト・ノア中将はジュピトリス級ラー・ユピテルのブリッジから、指揮下にある各艦にも指示を飛ばす。

 

 この時、アクシズに派遣されていたロンド・ベル隊はラー・ユピテルの他にラー・カイラム級四隻で編成されている。残りの艦艇は本拠地であるスペースコロニー『ロンデニオン』で待機しているか、別の任務に出払っている。

 なお現在の新地球連邦宇宙軍の主力艦艇はラー・カイラム級だ。サラミスもマゼランもことごとく解体されて資源に変わり、アイリッシュ級やクラップ級などは一隻のみが建造されて、それ以降、生産されたことはない。

 

「ミノフスキー粒子、戦闘濃度で散布開始。MS隊は接近中の不明機を迎撃しろ。どんな意図をもっての攻撃かは分からんが、あれで戦力の全てとは思えん。

 狙いがアクシズの占拠にしろ、我々の殲滅にしろ、ようやく訪れた平和を乱すとは、やってくれる。援軍が来るまで持ちこたえるんだ」

 

 ブライトはかつてエゥーゴのメンバーとしてテム・レイ軍とも矛を交えたが、戦後、ホワイトベース隊を指揮した経験やアムロからの推挙もあり、将官待遇にてロンド・ベルの司令に据えられ、現在は中将の地位につき、地球圏最強の独立機動部隊を率いている。

 テム・レイの統治システムが良くも悪くも公正であり、問題はあるがこれまでの人類の政治よりもはるかにマシであること、そして度重なる戦争の後にようやく平和が訪れたことから、ブライトはテム・レイの新地球連邦で戦う事に不満はない。

 だから、それを乱そうという輩に対しては全力で戦う気概があった。

 それはブライトに限らず、テム・レイの実子でありロンド・ベルMS部隊隊長であるアムロ・レイ大佐も同じだった。

 

 地球圏最強のパイロットとして名高いアムロの乗機は、現行のMSとしては最強と評されるクスィーガンダムだ。

 最高峰のサイコミュに加え、新兵器ファンネルミサイルや大気圏での音速飛行を可能とするミノフスキー・フライトを持つ、第五世代MSである。エースには高性能機を惜しげもなく与える新地球連邦だが、それでもこのクスィーガンダムは貴重な機体だ。

 

「悪意の源は動いていない。本命はまだこれからだ。レーン、感じているな?」

 

 ロンド・ベルにはアムロ機以外にもクスィーガンダムが配備されており、パイロットを務めるのはニュータイプでもあるレーン・エイム中尉だ。まっすぐな青年士官といった風情のレーンは、アムロからの出来て当たり前という信頼混じりの確認に即答する。

 

「はい。三つ、いえ、四つ、こちらを見ています」

 

「ティターンズやジオンの残党ではないだろう。最近の連邦の部隊の消失事件とタイミングが重なっているが、これで無関係と考える方が不自然か。

 レーン、出来るだけファンネルミサイルは温存するんだ。様子見の部隊に集中力を削がれるような真似は控えたい」

 

「はい、了解しました」

 

 無茶を言っている、という自覚はアムロにもあったが、レーンはそれが出来るだけの実力と出来る機体に乗っているとも知っていたからこその態度である。

 アムロは続いて特に信頼を置いているパイロット達にも、通信を繋げる。Ex-sガンダム部隊を率いるケーラ・スゥ大尉、更にフィン・ファンネルの無いノーマルのνガンダム部隊を率いるボッシュ大尉の二名だ。

 

「ケーラ、ボッシュ、敵の本命が動く前に出来る限り、敵の先遣部隊を減らす。駐留艦隊のMS部隊の動きにも注意を払ってくれ。相手の戦力次第ではフォローを入れないといけないかもしれない」

 

「了解。それにしても私達が居ると知って襲ってきたのなら、相当な自信家ですよ。今更ティターンズやアクシズの残党でもないでしょうに」

 

 ケーラの言葉は決して慢心と言えるものではなかった。テム・レイ軍による地球圏統一後に生じたいくつかの戦いの中で、ロンド・ベルは常に最前線で戦い続け、地球圏最強の称号を実力で勝ち取った。

 ケーラもアムロには到底及ばぬまでも、地球圏では間違いなく上澄み中の上澄みだ。他のどの部隊にいっても、エースになれる。それはカラバ時代からアムロについてきたボッシュも同様である。

 

「案外、宇宙人かもしれませんよ。地球でも怪しげなマッドサイエンティストや異種族が、世界征服を目論んでいるなんて、噂があるくらいですから」

 

 あながちボッシュの話も馬鹿に出来たモノではなかった。研究室に引き籠っていたテム・レイが、他分野の科学者達と積極的に交流を持ち、MSとは異なるロボットの開発を推進しているのは、アムロもよく知っていた。

 それに軍縮傾向にあったにも関わらず、最近になって新型MSの開発が進められているのも、ジョブ・ジョンやオリヴァー・マイから聞いている。ギニアス・サハリンなどは嬉々として、新型兵器の開発に勤しんでいるとか。

 

(再び地球圏に戦乱が齎されるというわけか。これはその幕開けになる?)

 

 アムロは不吉な予感を覚えていたが、それ以上に例え表面上だけでも平和の訪れた今の地球圏を乱そうという悪意に対する怒りの方が強かった。正義の怒りを燃やしている、と言って過言ではないだろう。

 

「魔除けの鈴を鳴らすような真似をして!」

 

 アムロの意識が機体を通じて宇宙を走り、クスィーガンダムのビーム・ライフルと肩部メガ粒子砲の合計三門が宇宙の闇に光の筋を描いて、まだ攻撃態勢に入っていなかったレストジェミラ三機の胴体を貫いた。

 機体のセンサー半径を超えた神業に、ロンド・ベルのメンバーはさして驚きもしなかった。

 アムロの一撃を皮切りに、戦後、ティターンズから保護された元強化人間2~4のα・アジール三機、アクシズから保護されたプルクローン1~5が乗るクィン・マンサ五機も加速して、散開するガロイカとレストジェミラに襲い掛かってゆく。

 

 ロンド・ベルの機動兵器部隊はガンダムタイプや大型MAなどで構成されるが、ではアクシズ駐留艦隊はどうか?

 ドロス級を旗艦として、かつての戦闘で鹵獲されたレウルーラ、サダラーン、グワンザン、グワダンで駐留艦隊は編成されている。所属のMS部隊はメッサーが多数を占め、一部のエースがゼク・ツヴァイやガンダムMk-Vに搭乗していた。

 また新たなMS開発の動きとして、ロールアウトされたばかりの小型MSへビーガンが少数配備されており、実戦での活躍が期待されるところだ。

 

 MSとMAばかりで編成されているとはいえ、アクシズからの支援と強力な艦隊に支えられたアムロらの戦闘能力を目の当たりにして、ヴィガジらの表情が一変するのには四ターンもとい四分も必要なかった。

 アクシズに所属不明勢力による侵攻が勃発したとの知らせは、新地球連邦政府に迅速に伝えられ、ハロ9000は創造主であり、今も名目上は新連邦のトップであるテム・レイに真っ先にこの情報を伝えた。

 

 この時、テム・レイは復興しつつある日本を訪れて、光子力やゲッター線、超電磁エネルギー研究などの第一人者達との会合に臨んでいた。

 その中には、近年、新たに設立されたDC総帥ビアン・ゾルダークと日本支部総裁シュウ・シラカワの名前もある。

 後にインスペクターのコードネームで呼称する異星人ばかりでなく、地球に潜んでいた異文明やインスペクター以外の異星人との戦いの火ぶたが切られる、直前のことであった。

 


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