問題児たちが異世界から来るそうですよ?~えっ、俺も問題児?~ 作:しましまテキスト
突然で申し訳ないのですが、急なバイトの欠員が発生したため明日から5日間程はアップできない可能性が出てきてしまいました。
継続しか能のない筆者がたびたび自分のアイデンティティを無視していますが、どうかご勘弁ください。
今回は前々から書いてみたかった、本編とは一切関係のない、ゆるーい話を混ぜたいと思います。暇つぶし程度に読んで頂ければ幸いです。
それでは今話をどうぞ。
白夜叉との会談が予想以上にさっくりと終わってしまい店員に店を追い出された祖国は、現在暇をつぶすために町の中をうろついていた。
人間や獣人が入り混じって暮らしているこの町の文化様式は、それだけで祖国の知的好奇心をくすぐるには十分だった。
元の世界では見られぬ景色をその目に焼き付け、じっくりと堪能しながら街を歩く祖国の表情は心底楽しそうなものだった。
と、突然歩いていた祖国に後ろから声がかかった。
「そこの兄ちゃん、ちょいと遊んでいかないかい?」
周りをよく見るといつの間にか街並みは先ほどの穏やかな光景とは変わって、カジノや賭博場などの店が軒を連ねていた。
興味のある事を見つけると周りが見えなくなる自らの悪癖を戒めながらも、祖国は声をかけてきた恰幅の良い男性に答える。
「悪いが今は手持ちが少ないんだ。また今度にさせてもらうわ。」
実際、祖国が現在所持している金額はリリが念のためにと渡してくれた銅貨5枚のみ。
これでも貧困に窮するコミュニティにしてみれば大切なお金に変わりはないのだろうが、いかんせんギャンブルをするには少額すぎる。
それに他人から借りた金をギャンブルに費やすほど祖国自身堕落した覚えもなかった。
だが、そんな祖国の解答は想定済みかの様に男は構わずに続ける。
「いやいや、別に金をかけるだけがギャンブルじゃねぇ。見たところ兄ちゃんは箱庭に来たばかりのようだが、そこんとこどうだい?」
という男の発言に祖国は心底驚いたという表情で言葉を返す。
「へぇ、どうして分かったんだ?」
「そりゃ、その身なりを見れば誰でも分かるってもんだよ。」
と言う考えてみれば当たり前の発言に、祖国もそりゃそうかと納得すると先程の男の発言の意味を問う。
「金だけじゃないってどういう事だ?」
「兄ちゃんみたいに箱庭の外から召喚される奴は極稀にだが存在する。そしてそいつが外側から持ち込んだアイテムは、この箱庭では非常に高値で取引されるんだ。」
「珍しいからか?」
「その通り。この箱庭はあらゆる世界に遍在しているが、裏を返せば一つの世界を特定する事は非常に難しい。それが出来るのは箱庭広しといえど、上層の”クイーン・ハロウィン”くらいだろうな。」
「つまり、偶然現れるよそ者が持ち込む物は非常にレアってことね。」
「おうよ。兄ちゃんがいた世界の文化や流行を反映したものだと尚良いな。」
「で、それを担保にギャンブルに参加しろってことか。」
「もちろん強制はしねえ。だがどのみち箱庭で生きていく以上、金があって困ることはねえだろ?」
男の言葉も一理あった。
ノーネームに客分として招待されてはいるが、世話になりっぱなしというのは常識人の祖国としては心苦しい物があった。
それにノーネームの家計は火の車。
祖国1人の負担もバカにならないはずである。
せめて食費ぐらいは負担しようと考えていた祖国にとって、今回の男の提案は決して悪いものでは無かった。
何よりー
「俺にギャンブル(イカサマ)で勝てるとでも?」
と祖国は自信に満ちた表情で言い放った。
そして現在、祖国はテーブルの前に座っている。
彼の前にはディーラーの顔が見えない程高く積まれたチップの山が出来上がっており、祖国が只者でない事を周囲の人間が理解するには十分すぎた。
祖国がやっているのはブラックジャック。
もちろんイカサマだらけである。
祖国は自身の恩恵でディーラーの手札をのぞき見し、時にはバストするように、時には自分より手札値が低くなるように山を入れ替えるだけ。
それだけで相手は次々とチップを落としていく。
ディーラーも自身のフォールスシャッフルがなんらかの形で妨害されているのには薄々気づいている。
しかしだからと言って、それを追及しては自らがイカサマをしているのを自白するような物。
そしてそんな出口のない出来レースで祖国が23連勝という輝かしい記録を打ち立てる頃には、既に彼の名はその界隈でブラックリスト入りしていたのだった。
ちなみに祖国が担保として差し出したのはタッチ式の通信端末。
もちろん箱庭に電波が来ている訳もなく、こちらに来てからはただの時計程度にしか使っていなかったので最早無用の長物だったのだが、その機能性の高さから金貨5枚という大金を得る事が出来た。
余談だがその日の祖国の戦果は、利子つきで担保の端末を取り戻してもなお金貨が軽く30枚程度余るほどだったという。
さらに祖国がその金貨のほとんどを食費としてノーネームの金庫に勝手に突っ込んで、後で本拠が大騒ぎになったこともついでにここに示しておこう。
祖国がギャンブル街から追い出され、もとい泣きつかれてそこを去る頃には、日はすっかり沈んでいた。
リリの夕食を楽しみにしながら祖国が本拠に帰ると、やけに建物の中がバタバタしている。
そこら辺にいた子供を捕まえて事情を聴くと、どうやら今回のフォレス・ガロとのゲーム、勝った事には勝ったが完勝とはいかず、耀がゲーム中に傷を負ってしまったようだ。
幸い命に別状はなく、安静にしていればすぐに回復するとのことであった。
祖国はほっと安堵の溜息をつきながらも、ガルド程度に負傷したという耀に内心失望を隠せなかった。
もちろん祖国はガルドを直接見たわけでもなく、ゲーム内容も二人のギフトを封じるような設定になっていたため、多少の苦戦は想定していた。
しかし個人プレーでガルドに挑み、挙句の果てに傷を負わされるなど祖国にしてみれば愚の極みであった。
そして祖国は白夜叉の言葉を思い出す。
「おんしら二人は確実に死ぬぞ。」
まさにそれが証明されたかの様な結果に、祖国は本格的に危機感を募らせる。
”逆廻はまあ良いとして、久遠はこれから自分の戦い方を学んでいく必要があるな。本人が生身の人間であるという事を前提とした戦略が必要だ。それから春日部。あいつは…、それ以前の問題だな。”
と手厳しい評価を下すと、祖国は本来の目的である夕食をいただくために食堂へと足を運んだのだった。
夕食後、祖国が談話室で1人考え事にいそしんでいると、十六夜と黒ウサギが何やら会話をしながら部屋に入ってきた。
「十六夜さんがペルセウスの主催するゲームに出てくれるのでしたら、これ程心強いことはありません。このゲームはもう勝ったも同然なのですよ!」
「ま、おチビと約束しちまったしな。っと、祖国。こんな所にいたのかよ。」
「ああ、ここのソファが気持ちよくてな。聞かれて困るなら席を外すが?」
「そうだな、今から黒ウサギと夜の営みをするから外してもらえるか?」
「しません!」
「そうか、節度を守った範囲でやれよ。」
「だからしませんってば!」
「「なっ、節度を守らないだと…。黒ウサギ恐るべし…。」」
「そっちじゃありませんっ!」
スパーンと悪乗りする二人にハリセンでツッコム黒ウサギ。
”毎回思うけどそれどこから出してんの?”
と言う祖国の素朴な疑問は解決する事なく、黒ウサギが真面目な話を切り出す。
「もう、二人とも大概にしてください。今は次のゲーム攻略について話し合うべきでしょう。」
「次のゲームって、お前らの元仲間が出品されるっていうやつか?」
「はっ、はい。ですがその情報をどこでお聞きになったのですか?」
「今日、白夜叉と会った時にな。俺も参加するように言われたぜ。」
「それでは、祖国さんもノーネームとして参加して頂けるのですか!?」
「ヤハハ、こりゃますますもって勝ち確定だな。俺と祖国でクリアできないゲームとかあんのかよ。」
「いや、俺は主に裏方としてサポートに回るつもりだ。」
「えっ、それはまたどうしてでございますか?」
「さっきフォレス・ガロとのゲーム結果を聞いて思ったんだが、逆廻はまあいいとしても女子二人は圧倒的に戦闘経験が少ない。少しでも多くゲームに参加して、戦いの経験を積む必要がある。俺が速攻終わらしたら意味ないだろ?」
「確かにな。このまま今回みたいな無茶な戦い方を続ければ、いつか取り返しのつかない事になるかもしれねえ。」
「で、ですがそれでもしゲームに負けてしまったら元も子もありません!」
「そのために逆廻がいるんだろ。仲間の実力を少しは信じろよ。」
軽い口論の様になってしまい、祖国と黒ウサギの間に嫌な沈黙が流れる。
そんな二人を気遣ってか、十六夜がすぐさまフォローをいれる。
「ま、本格的にヤバそうなら祖国が本気を出せばいい。それまでは俺たちができる限り経験を積むって事でいいんじゃねえか。ところで黒ウサギ、出品されるお前の元仲間ってのはどんな奴なんだ?」
「っえ、はい。その方の名前はレティシア様。黒ウサギの先輩で非常に思慮深く、たくさんの事を教えてくださいました。それに加えて非常に美しい方で、黒ウサギもよく面倒をみて頂きました。」
と懐かしそうに話す黒ウサギに十六夜は
「それって、あいつの事か?」
と窓の外を指さした。
「そうです、丁度あのように綺麗な金髪をして…って、レティシア様!?」
「久しぶりだな黒ウサギ。」
と金髪幼女もといレティシアは3人を見渡しながら軽く挨拶をすると、窓から部屋の中へと入ってきた。
「どうしてレティシア様がここに!?」
「様はよせ。今の私は他人に隷属している身。”箱庭の貴族”ともあろう者が、他人の所有物に敬意を払っていては笑われるぞ?」
「んじゃ、レティシアはどうしてここに?」
「ていうより、なぜに窓から?」
とさっそく相手を呼び捨てにする十六夜。
常識人祖国は初対面ということもあり名前をぼかして問う。
「…君たちが十六夜と祖国か。いや、用事という程の事でもない。ただ新生コミュニティがどれ程の力を持っているか確かめたくてな。窓から入って来たのはジンに見つからないようにするためだ。今の私では合わせる顔がないからな。」
「そんな綺麗な顔をして合わせられないとなると、ジンの好みのハードルは相当高いようだな。」
「そうだな、今度実際に調べてみるとするか。祖国、お前も手伝えよ。」
「いいぜ。子供のくせにませた野郎だぜ。」
「いやいや、そういう事ではありませんよ!」
「「いや、知ってますけど?」」
と息ピッタリな二人にウガーとウサ耳をたてて起こる黒ウサギ。
そんな三人を愉快そうに眺めるレティシア。
そんなどこにでもありそうな、しかしだからこそ尊いこの瞬間を祖国は心の底から楽しんでいた。
”家族ってこんな感じなのかもな。”
ふとそんな事を考えついた祖国は、柄にもなく無い物ねだりをする自分を戒めレティシアに改まって問う。
「で、新生コミュニティの程はどうだ?」
「ああ、ガルドに鬼種を与え当て馬にしてみたが、何とも評価に苦しむ結果だ。二人とも才能は認めるが、今のままでは使い物にならないな。」
「で、次は俺たちを試そうって事か?」
「いや。試すのは十六夜一人だ。ここに来るために白夜叉に色々と助力を頼んだのだが、その時に祖国、君の実力は事細かに聞いている。」
「へぇ、白夜叉がな。」
「非常に高く君の事を評価していたぞ。特に茶菓子のセンスがいいそうだな。」
”そっちかい!?”
「「そっちかよ(ですか)!?」」
「冗談だ。自らを真正面から打倒した存在と言っていた。最初聞いたときはわが耳を疑ったぞ。まさかあの白夜叉を打倒できる人間がいるなど、しかも単独でだ。何かの冗談かと思ったが彼女の目は真剣その物だったよ。」
「はい、祖国さんが白夜叉様を打倒した所を黒ウサギたちも目撃しております。正真正銘、祖国さんは単独で白夜叉様に勝利されました。」
「だからこそ惜しい。君はまだ黒ウサギのコミュニティに加入していないのだろう?」
「ま、今のところはだけどな。その方が俺個人としても都合がいいんだ。」
「そうか、最後に信用できる者にコミュニティを託して行きたかったのだがな…。」
「おいおい、何言ってんだレティシア。次のペルセウスのゲームで優勝すれば、お前をを取り戻せるんだろ?」
「そうか、お前たちはまだ知らないのか…。…ペルセウスのゲームは中止になったのだ。」
「「「えっ?」」」
とレティシアの言葉にその場全員が、-祖国さえも絶句したのだった。
”俺のカステラ…”
ーもちろん違う意味で。
読了ありがとうございます。
うーむ、なかなか話が進みませんね。
とりあえず、頭の中ではストーリーの形は出来ているのですが、それをいざ言葉で表すと中々思い通りいきません。
今回もほぼ原作通りですし、文章力の無さが嘆かわしいです。
さっさとルイオス君をひどい目にあわせてやりたいw
別に嫌いじゃないけどね。
感想、意見、疑問お待ちいしています!
それでは今回はこれにて!