問題児たちが異世界から来るそうですよ?~えっ、俺も問題児?~ 作:しましまテキスト
昨日はアップできなくてすいませんでした。
今話がうまく書けず、推敲しているうちに寝ていました。
マジで申し訳ないです。
結局、上手に書けた分かりませんが、一応読める形にはなってるとおもいますw
相変わらずの駄文ですが、優しい目で見守ってやってください。
それでは今回もお付き合いお願いします。
”どうしてこうなった…”
目の前の混沌たる状況を見て、はぁ、と祖国は大きなため息をついた。
箱庭に来てから溜息をつく回数が日に日に増してきている事を自覚しつつ、祖国は目の前の状況を理解しようと、その聡明な頭脳をフル回転させる。
”なんでちょっと目を離した隙にこんな事になんだよ…。”
それが祖国の偽らざる心の声であった。
たかだか数分いなかっただけで、モノの見事にトラブルを発生させるノーネーム一行に祖国は心底呆れながらも現状を頭の整理していく。
事の発端は数分前。
レティシアにプロポーズまがいの説得をし終えた祖国は、お手洗いを借りるために本拠へと一時的に戻って来ていた。
そこで偶然会ったジンにレティシアの一件を大雑把に説明し、黒ウサギたちの元へと再びやって来たのだが…
「こりゃいったいどういう事だ?」
そこには不自然に石化した大地、髪を緋色にして激怒している黒ウサギ、その黒ウサギの耳を引っ張っている十六夜、そして
ー肝心のレティシアの姿がどこにも無かった。
そんな異常な光景を見ながらも、何が起こったのかを淡々と逆算していた祖国に十六夜が声をかけてきた。
「よお祖国、遅かったな。」
「よおじゃねえよ。何があったんだ?」
「ペルセウスの連中がレティシアを取り戻しに来た。」
「で?」
「ペルセウスの奴らの態度があんまり酷かったもんで、黒ウサギがキレちまったぜ。それを俺がなだめてたって訳だ。」
「耳引っ張ってたようにしか見えないんだが。」
「物事は見る奴によっていくらでも見方があるもんだぜ。」
「都合のいい事を。」
そんな軽口を叩きながらも、祖国は十六夜の説明から大体の状況を把握した。
と同時に、自分の危機管理の甘さに心底嫌気がさした。
そもそもレティシアがペルセウスの所有物ならばノーネームにいる事自体おかしい。
ペルセウスがレティシアを取り返しに来る可能性など容易に予測できたはずだと、祖国は己を叱咤する。
”くそが。レティシアの姿が見えないって事は、ペルセウスに連れていかれたか…。”
表情こそクールな面持ちのままであるが、内心は自身がいない間にまんまと出し抜かれた事に祖国は腸が煮えくりかえる様な気持ちであった。
”やってくれたなペルセウス。………いいぜ、二度と俺らにちょっかい出せないぐらい粉々に叩き潰してやるよ。”
そんな物騒な事を考えている祖国に黒ウサギがなぜか怯えながら話かける。
「そ、祖国さん。お願いですからその殺気をどうにかして欲しいのですよ。本気でシャレにならないのです。」
「ああ、そうか。悪かったな。」
「いえ、腹がたっているのは黒ウサギも同じですので。」
「さて、今からどうすっかな。」
「とりあえず、白夜叉様の所へ相談に行くのはどうでしょう?あの方ならサウザンドアイズ幹部として顔も効きますし、何かしら手段を講じてくださるはずです。」
「なら一度本拠に戻ってから出発するか。他の連中にも詳細を話さないとな。」
という十六夜の提案を祖国、黒ウサギともに受け入れ、一行は本拠への道を歩きだしたのだった。
そして現在、祖国は本拠のソファで1人ぐったりとしている。
十六夜たちは既にサウザンドアイズに到着している頃だろうか。
いや決して祖国がハブられた訳ではない。
ハブられた訳ではない…はずだ。
”おい、そこ言い淀むなよ。”
冗談である。
もちろんこれにはキチンとした理由があった。
レティシアの件の顛末を事細かにジンと他のノーネームのメンバーに伝えた後、祖国たちはすぐさまサウザンドアイズに乗り込もうとしたのだが、
「まってください。ペルセウスから再び襲われる可能性も捨てきれません。祖国さんは本拠に残って有事の際に備えてください。」
というジンの最もな意見に祖国が異を唱えられるはずもなく、現在こうして暇を持て余しているのだ。
ちなみに、十六夜だけでは何かと不安が残るため、黒ウサギの補佐といして飛鳥が指名されたのだが、
”久遠のやつ、何もやらかさなければいいが…。”
と祖国は言いようのない不安に落ち着きなくソワソワとしていた。
”ま、最悪の場合は逆廻がなんとかするか。”
と祖国は自らを強引に納得させ、今自分に出来る事をしようと決意する。
「寝るか…」
まあ大げさに言ったが、結局はただの仮眠であった。
時間にしてどれ程たっただろうか。
数分かもしれないし、あるいは数時間かもしれない。
決して不快ではないまどろみの中にいた祖国は誰かに名前を呼ばれた気がしたが、気のせいだと結論づけて再び眠りにつこうとし、
「いい加減起きてよ、祖国。」
と今度こそハッキリ聞こえた声に、完全に意識を覚醒させた。
重たい瞼をこじ開け、声の主を確認すると
「おはよう、祖国。」
と無表情なままで祖国の顔を覗き込む耀の顔がそこにあった。
通常時の祖国ならば余りの至近距離に間違いなく声をあげて驚いていただろうが、寝起きで頭の働いていない今の状況では、
「…おはよう。」
と耀の行動にツッコム気力すらなかったのだった。
耀の用意してくれた紅茶を飲み、ようやく頭が回り始めた祖国は状況を整理する。
「俺はどれくらい寝ていた?」
「ざっと小一時間くらい。」
「十六夜たちの方はどうなった?」
その質問を聞いた途端に耀の表情が暗くなった。
だが祖国もそこまで空気が読めない男ではない。
十六夜たちの方の結果が芳しくないと察し、これ以上の詮索は無意味と悟った祖国はすぐに別の話題に切り替える。
「傷はもう大丈夫なのか?」
「うん。黒ウサギが用意してくれた治療用のギフトのおかげで、大分よくなった。」
「そりゃよかった。傷跡が残ったら大変だからな。」
「祖国って意外と女の子に気を遣うんだ。」
「今更何言ってんだよ。俺の信条はレディーファーストだぜ?」
「嘘くさい。」
「よく言われる。」
互いに顔をみてクスクスと笑う祖国と耀。
何も知らない人が見れば仲のいい兄弟の様にも見えたかもしれない。
だがそんな楽しい時間に終わりを告げるかの様に、祖国が重苦しい話題を切り出した。
「なあ春日部。どうしてあんな無茶な戦い方をした?」
そう、それがどうしても祖国には理解できなかった。
耀が無謀ともいえる戦いを挑んだ理由をどうしても探り当てる事が出来なかったのだ。
だが耀は下を向いたまま答えない。
「言えない事情でもあるのか?」
「それは…。」
そう言って耀は再び下を向いて黙ってしまう。
余りの膠着状態に埒があかないと考えた祖国が、
「ま、言えないなら無理しなくてもいいさ。」
と言って席を発とうとしたその時、耀が絞り出す様な声で呟いた。
「認めて欲しかったから…。」
そう、耀にとってはただそれだけだった。
耀がもともと箱庭に来た目的は”友達”作りであった。
勿論、自分に与えられた特別な力を使って何かしら競う必要がある事は薄々理解していた。
だが生命の目録という破格の恩恵を持つ自分に敵う相手などそうそういないだろうと、心のどこかで高を括っていた。
そんな中、その男 大宮祖国が現れた。
自らに戦わずして降参と言わしめた白夜叉に、たった一人で勝利した男。
そんな男と同じ地平に立ちたくて、同じ景色を見てみたくて、男と同じように”単独で”ガルドに挑んだ。
そしてその結果がこのざまだ。
無様としか言いようがない結果に、他ならぬ耀自身が一番ふがいなさを感じていた。
”こんなことで認めてくれなんて言える訳がない…。”
心に溢れる惨めさを、だがせめて顔には出さないようにする事。
それが今の耀にできる唯一の事であった。
そんな耀の気持ちを祖国はどれ程分かっているのだろうか。
一切何も読み取れない表情のまま祖国は今日何度目か分からない溜息をつくと、耀に近きそして尋ねた。
「なあ春日部。”強さ”って何だと思う?」
「”強さ”?」
「ああ、お前の求める”強さ”とはなんだ?」
祖国の唐突な質問に戸惑う耀。
だが祖国の真剣なまなざしに他意が無いことを悟ると、素直に自らの思う強さを答える。
「私は…祖国と一緒に戦いたい。肩を並べて戦いたい。そして、それが出来るだけの力が欲しい。それが私の求める”強さ”。」
「そうか…、では質問を変えよう。お前はなぜ戦う?」
「私は…」
と耀は返答に窮してしまう。
そう、戦う理由を深く考えるには今までの耀の人生は余りにも短すぎた。
たかだか10余年しか生きていない少女にとって、しかもその大半を争いとは無関係の世界で過ごしていた者にとって、その命題はとてつもなく深いものだった。
だが、それでも耀は答えを口にした。
理論ではない。
合理性など微塵もない。
だが心の底からそうしたいと思える明確な理由が、耀の中にはあった。
即ちー
「私は…、守るために戦う。」
ノーネームを、皆の居場所を守りたいと。
その答えを聞いた瞬間、祖国は口元にうっすらと笑みをうかべた。
そして真っ直ぐに耀を見つめ、
「フッ、合格だ。お前を信じるぜ、春日部耀。」
と、まるで自分の事のように嬉しそうに告げた。
耀の返答がよほど嬉しかったのか、祖国は珍しく饒舌気味に話始めた。
「戦う理由なんて人それぞれだ。名誉、快楽、金、趣味。いくら力があろうとも理由が腐ってちゃ意味なんざねえ。力なき理想は夢でしかないが、理念なき力はただの暴力だ。そんな奴に背中を預けるなんて、俺には出来ねえさ。」
「それじゃあ。」
「ああ、お前の戦う理由。守るために戦うお前だからこそ、俺は背中を預けられる。」
素直に認めると言えないのは、きっと恥ずかしいからだろう。
そんな事を考えながらも、耀は確かに心の中が満たされていくのを感じていた。
信頼される事。
相手に信用され、相手に頼られる事。
言葉で表すのは簡単だが、それを本心から実行できる者がどれ程いるだろうか。
信頼を口では声高に謳っても、いざとなればすぐに欺瞞、不信が溢れかえる。
口約束では信頼できないからと、すぐに契約書類を差し出す者。
何かを差し出す対価にすぐにその場で金を要求する者。
もはや全幅の信頼を金にしかおけなくなった者。
人間社会が発展し整合性を追い求めるうちに、いつしか信頼という言葉は形骸化し、やがては死んでいくのかもしれない。
だが目の前の男は違った。
実力の遥かに劣る自分を、会って間もない自分を、だがそれでも信じると言ってくれた。
信じて、自らの背中を預けられると言ってくれた。
これ程までに嬉しい事があるだろうか。
きっとそこには合理性なんて物はないのだろう。
だがそれが正解なのかもしれない。
信頼とは形の無いもの。
人と人とが繋がるために根源的に必要なもの。
ならば証明などできないし必要もない。
なぜなら人がそれを、他人と繋がる事を本能的に望んでいるのだから。
だからこそ、その信頼を裏切りたくないと思う。
失望させたくないと思う。
期待してくれている祖国につりあう人間でありたいと思う。
そのためにもー
「私、”強く”なるから。今よりずっと。」
耀は自らに誓いを立てるかのように祖国に宣誓した。
その瞳には数分前の沈鬱とした影は微塵もない。
ただ強く、強く自らの信念を貫かんとする瞳があるだけだった。
そしてそんな耀の誓いに、
「ああ。信じてるぜ、”耀”。」
と、若干恥ずかしがりながらも、だがしっかりと祖国は耀の名前を呼ぶのだった。
読了ありがとうございます。
予定としては次話にはゲームinしたかったのですが、案の定無理でした。
申し訳ないです。
今までほぼ空気だった耀を一応書いてみたのですが、思いのほか膨らんでしまったのが理由です。
元をたどれば筆者の文章力が足りないせいですが…。
なにはともあれ、今後ともできる限り善処して参りますので、お付き合いの程、よろしくお願いします。
感想、疑問、批判待ってます!
それでは今回はこれにて。