問題児たちが異世界から来るそうですよ?~えっ、俺も問題児?~   作:しましまテキスト

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こんにちは、しましまテキストです。

お気に入りが100件を突破いたしました!!!
超うれしいです!
誠にありがとうございます!



突破しましたが…
前に言った通りヒロイン考えないといけませんね…。
全くいい案が思い浮かばないw
まあ、ゆっくりと案を練っていきたいと思います。

あんまりにも思い浮かばなかったら、アンケートしたいな~と思います。


前置きから何だか緩い感じになってしまいましたw
どうぞ今話もよろしくお願いします。



ヤンデレ?登場

耀は一人自室のベッドで横になっていた。

祖国との会話が一段落つき、帰ってきた黒ウサギたちの所へ向かおうとした耀を祖国が心配して引き止めたのだ。

 

ー今は安静にしろ、と。

 

もう大丈夫だと文句を言う耀に対して、しかし祖国はまるで耳を貸さなかった。

 

「ペルセウスからレティシアを取り返すにはお前の力がきっと必要になるはずだ。その時のためにも今は回復に専念してくれ。」

 

という祖国の推測だらけの言い訳に今更ながら頬を膨らせる耀。

 

”心配ならそう言ってくれればいいのに…。”

 

と内心で祖国の不器用さに少し不満を覚えるが、だがその祖国の言い分が全くの嘘っぱちとも思えなかった耀は、しぶしぶ祖国の言葉に従ったのだ。

そう、従ったのだがー

 

”なんでだろう?”

 

耀は自らに疑問を投げかける。

なぜ祖国の言葉は不思議と信用できるのだろうか?

さっきの苦し紛れの言い訳にも従おうと思えたのは何故だろうか?

 

だがいくら考えても答えは出ない。

祖国を信じているからか?

祖国が強いからか?

祖国が自分を認めてくれたからか?

 

思い浮かぶ限りの解答を頭の中で列挙してみるものの、どれもいまいちピンとこない。

 

”うん、分かんない。”

 

そしてついに考える事を止めた耀は、今までの人生で経験した事の無い胸の高まりを感じながら、深い眠りについたのだった。

 

 

 

所変わって本拠の廊下。

耀を強制送還させた張本人である祖国は、ただいま黒ウサギたちの元へ向かっている所だった。

耀が未だに体調万全でない事は、医学の専門的な事など何も知らない祖国ですら容易に見て取れた。

 

”会話で耀の返答が遅かったのは、きっと貧血で脳に血液が回ってないからだろう。ガルド戦ではかなりの血を流したらしいしな。それに最後の方は顔もわずかに赤かったな。変な病原菌が体内に入っていなけりゃいいが…。”

 

などと見当違い甚だしい事を考えている祖国は一度本格的に乙女心を学んだ方がいいだろう。

つーか祖国まじ爆発しろ。

 

”おい、関係ない事書いてんじゃねえよ。”

 

おっと失礼。

とにもかくにも、耀にはペルセウスのゲームには万全の体調で参加してもらう必要があるため、祖国は少し強引ではあったが彼女を休養させたのだった。

 

”まったく、世話がやける奴だ。”

 

そんな事を考えながらも、祖国は黒ウサギたちがいるであろう部屋の前に到着し、そのドアを開けようとノブに手を伸ばした。

その瞬間、

 

「本気なの黒ウサギ!?あんな外道の物になるつもりだなんて!」

 

「しかし、もうそれしかレティシア様を救う方法が…。」

 

という飛鳥のお嬢様にあるまじき大声と黒ウサギの泣きそうな声が聞こえてきたではないか。

 

”はぁ。面倒事しか起こせねえのか、こいつらは…。”

 

と地雷臭がプンプンする部屋(戦場)へと、祖国は重たい足を引きずりながら入っていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、どういう事だ?」

 

祖国はソファに座り、足を組みながら対面のソファに座る二人の女性に問いかけた。

いきなりの祖国の乱入に頭を冷やしたのか、飛鳥も黒ウサギも今はしおらしく座っている。

自分が居ずとももう少し冷静に話し合いが出来ないものかと、祖国が真剣に悩んでいる所に黒ウサギが口を開く。

 

「白夜叉様の所に相談に行った件ですが…」

 

「ああ、上手くいかなかったんだろ?」

 

「……はい。」

 

「一応詳細を教えてくれるか?」

 

「YES。ペルセウスの現リーダー、ルイオス様はペルセウスの同志がノーネームに行った無礼の数々を全て証拠不足として闇に葬るつもりです。それどころか、レティシア様を持ち出した事自体が我々の策謀ではないかと…。」

 

「そりゃまた、とんだゲス野郎だな。」

 

「それだけじゃないわ。あの外道、黒ウサギが自分の物になるならレティシアを返すなんていうふざけた取引を提案してきたのよ!」

 

「で、キレたお嬢様が先に手を出したと?」

 

まるでその場に居合わせたかのような祖国の発言に黒ウサギは驚きで目を見開いている。

飛鳥も驚いてはいるが、それよりも自分の失態を知られているという羞恥心の方が上回ったようだ。

 

「ど、ど、ど、どうして貴方がそれを知っているわけ!?」

 

と顔を真っ赤にしながら尋ねる飛鳥を見て、

 

”こういうのも新鮮でいいな。”

 

と自身のSっぷりをいかんなく発揮していた祖国であった。

だがいつまでも無駄な時間を費やす訳にはいかない事は祖国も理解していた。

少々名残惜しい気もするが、祖国は自身の推理の軌跡を飛鳥に告げる。

 

「お嬢様の性格とさっきのルイオスの提案、それからルイオスを外道呼ばわりしていた事を総合して考えた結果だ。ま、半分以上は勘だがな。いい反応が見れたぜ、ご馳走様。」

 

「---っ!」

 

祖国にまんまとハメられた事に気づいた飛鳥は怒りで肩を震わせるが、祖国がそれを制するように話題を黒ウサギに切り変えた。

 

「で、黒ウサギはどうすんだ?」

 

「はい?」

 

「だから、ルイオスの物になりたいのか?」

 

「そ、そんな事あるはずが無いのです!」

 

「そうよ黒ウサギ。あんな外道に貴方は渡さないわ!」

 

「しかし、それしかレティシア様を取り戻す方法が無いのも事実です。…やはりここはルイオス様の案を受け入れるしか…。」

 

「はぁ、黒ウサギ。」

 

「…なんでございますか?」

 

「お前バカだろ?」

 

毎度のことながら祖国の唐突な暴言に驚く二人。

いったいどんな思考をすればその様な結論に行き着くのかと二人が疑問を口にする前に、祖国がその答えを告げんと口を開く。

 

「黒ウサギ、お前はレティシアが魔王に奪われた時、いったい何を感じた?」

 

「…仲間を失った悲しみでございます。」

 

「じゃあ、お前は同じような悲しみを残されたノーネームの奴らに与える事も分かってんのか?」

 

「それは…。」

 

「お前が仲間を失えば悲しい様に、仲間もお前を失えば悲しい。お前のそれは現状に対する逃げでしかない。真に辛いのは残された者だという事を決して忘れるな。」

 

「………はい。」

 

祖国の言葉に自らの決断がいかに愚かであったかを痛感する黒ウサギ。

ー真に辛いのは残された者。

全くその通りだ。

それは自分がこの3年間身をもって体験してきたはずであった。

ー自分の決断は現状からの逃避。

返す言葉もない。

献身的という言葉にかこつけて自己犠牲に酔っていただけだ。

 

祖国の言葉は確かに厳しい。

だが、だからこそ正しい。

厳しい現実から逃げないからこそ、祖国の言葉はこんなにも自らの心に響く。

 

そして黒ウサギは決意する。

 

「申し訳ありません、祖国さん。黒ウサギも、もう少しだけ足掻いてみます。」

 

ーもう逃げない、と。

 

その言葉に込められた覚悟を理解したのは、祖国だけでは無かった。

先ほどまでの弱々しい雰囲気は消え去り強い決意に満ちた黒ウサギの様子に、飛鳥も少し驚きながらも嬉しそうに視線をむける。

同時にたった数分で黒ウサギを劇的に変えてみせた祖国の手腕に嫉妬を禁じ得なかった。

 

”本当にこの男は…。ここまで純粋にすごいと思える人は初めてだわ…。”

 

だが当の本人は先程までの真剣な雰囲気はどこへやら、いつもの気軽な態度に戻り、部屋に入った時から感じていた疑問を口にする。

 

「そういや、逆廻は?」

 

「十六夜さんなら白夜叉様に話があると支店に残られました。」

 

「でも、それにしては時間が経ちすぎていないかしら?あれから1時間は過ぎているわ。」

 

「…そっか、なら意外と早く打開策がやってくるかもな。」

 

意味がいまいちよく分からない祖国の言葉に、二人とも首をかしげる。

なぜ十六夜がいない事が打開策につながるのか。

それに打開策が見つかるではなく、やってくると表現した理由も。

祖国の説明不足は毎度のことではあるが、あまりの突拍子の無さに祖国は実はコミュ障なのではないかと疑ってしまう二人は決して悪くないだろう。

 

だが祖国はそれ以上の言葉は必要ないとばかりに立ち上がると、

 

「じゃ、俺寝るわ。逆廻にサンキューって伝えといてくれ。」

 

と、だけ言って部屋をさっさと出て行ってしまったのだった。

そして十数分後、取り残された二人が十六夜の帰還によって祖国の言葉の真意を理解し、祖国が未来予知のギフトでも持っているのではないかと本気で考えたのは此処だけの話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー翌日 ペルセウス本拠

 

「くそっ!!!ノーネーム風情が調子に乗りやがって!!!」

 

バンと近くにあった椅子を蹴飛ばすペルセウスの現リーダー ルイオス。

彼がここまでイラついているのはやはり、

 

「あのウサギ野郎!僕の事をなめた目で見やがって!身の程を思い知らせてやるぞ!」

 

ペルセウスのギフトゲームへの挑戦権を持ってきた黒ウサギが原因であった。

 

ペルセウスはその伝承に則って、常時二つのギフトゲームを開催している。

クラーケンとグライアイ、どちらもペルセウスに縁がある試練である。

そしてそのギフトゲームをクリアすることで、ペルセウスへの挑戦権が得られるのだ。

先日、十六夜の帰りが遅かったのもこの二つのゲームに参加していたからであった。

 

だが、ルイオスにとっては最下層のノーネームに試練がクリアされた事など最早どうでもよかった。

彼の頭の中は彼のプライドを踏みにじったノーネーム一行をどのように処刑するか、ただそれだけだったのだ。

 

「そうだ。あいつらまとめて全員石化して、粉々に踏み潰してやる!」

 

「いやーん、物騒ね♪」

 

と、突然自分しかいないはずの部屋に場違いな声が響いた。

驚いたルイオスが声が聞こえてきた方を確認すると、どこから侵入したのか、1人の可愛らしい少女が先ほど蹴飛ばされたはずの椅子に腰かけている。

その少女の特徴的な黒いゴスロリ服はあどけなさの残る可愛らしい顔とマッチして、まるで物語の中の存在が飛び出してきたかの様な印象さえ受ける。

だがルイオスはその少女の可憐さに目を奪われる事はなかった。

なぜなら彼は本能的に理解していたのだ。

 

この少女はヤバい、と。

 

なにがヤバいのか、それすら分からない程圧倒的にヤバい。

理屈ではなく本能が、直感的にそう告げていたのだ。

プライドで辛うじて自分の強気を保つと、ルイオスは少女が何者か言及しようと口を開こうとするが、

 

「でも、大丈夫なのぉ?」

 

と、それを制するように少女は特徴的なしゃべり方でルイオスに尋ねる。

 

「何がだ?」

 

「今のノーネーム、すっごーく強いのよぉ?」

 

「はぁ?僕が高々名無し風情に負けるとでも?」

 

「うん♪」

 

と少女は何の躊躇いもなく断言する。

 

「今のままじゃ、ノーネームには絶対に勝てないわぁ♪それどころかノーネームに本気を出させる事もできないんじゃないかしら?」

 

「何だと!お前調子に乗るのもいい加減にしろよ!」

 

「いやーん、怒っちゃったぁ?でも私も何の根拠も無しに言ってるんじゃないのよぉ?

 

「あ?」

 

「あそこのノーネームにはね、新人が4人加わったのぉ。♪まあ正確には一人は客分なんだけどねぇ。」

 

「だから何だ?」

 

「その新人がとっても強いのぉ!女の子2人でレギオンマスターのフォレス・ガロを潰しちゃったりねぇ、男の子1人でグライアイとクラーケンの試練をクリアしちゃったりしたんだよぉ♪」

 

「なっ!?」

 

いくら世間知らずのルイオスでも、その新人の異常さは簡単に理解できた。

特に男の方。

グライアイとクラーケンを単独討伐など、もはや最下層にいて良い実力ではないはずだ。

だがそんな事を考えながらも、目の前の少女に動揺を悟られまいと虚勢を張るルイオス。

 

「はっ、確かにノーネーム風情にしてはやるようだ。だが、僕のとっておきを持ってすれば、その程度の奴らなんてなんの脅威にもならないね!」

 

「アルゴールの悪魔でしょ?ダメダメ、そんなんじゃ彼等には勝てないわぁ♡」

 

少女の言葉に一気に二つのショックを受けるルイオス。

一つは自分の切り札が知られていた事について。

だがこれは箱庭にいる者ならば、決して知りえない情報ではない。

問題は二つ目。

その切り札、星霊アルゴールをもってしてもノーネームに勝てないと断言された事であった。

ルイオスがどういう事かと尋ねるよりも早く、少女は再び語り始めた。

 

「確かにさっき言った3人だけなら、まだほんの少しだけ可能性はあったわぁ♪」

 

「じゃあなんで!?」

 

「最後の1人、大宮祖国って言うんだけどねぇ、その子が桁違いに強いのよぉ♡どれくらい強いかっていうと、1人で白夜叉との決闘に勝っちゃうくらい強いのぉ♪」

 

「………!」

 

絶句。

もはや言葉も出ないルイオス。

白夜叉の強さは同じサウザンドアイズに属するルイオスもよく知っている。

千の神群を退け、万の天災をもたらしたという元魔王。

太陽と白夜の星霊にして、太陽主権の過半数を持つ最強の太陽神。

そんなふざけた存在にたった一人で挑み、勝利した?

それは最早最低でも3桁以上の実力者に相当する。

最下層にいてはパワーバランスがおかしくなるどころの話ではない。

そんなバグがノーネームに助力している以上、アルゴールでは勝ち目がないのも当然だ。

 

 

 

一人ルイオスが自身のおかれた状況に絶望していると、

 

「さて、そこで一つ提案がありまーす!」

 

と、その場にそぐわぬ陽気な声で少女が話しかけてきた。

 

「提案だと?」

 

「うん。私がお兄さんに力を貸して、あ・げ・る♡」

 

「何?」

 

「そう、だからちょっとギフトカードを出してくれる?」

 

ルイオスは少女の言う通り懐からギフトカードを取り出し手に持つ。

すると少女は、カツカツとルイオスに歩みよると、

 

「じゃあー、お兄さんにはこの恩恵を貸しちゃいまーす♪」

 

と言い、ルイオスのギフトカードを人差し指でピンと弾いた。

その瞬間、ルイオスのギフトカードに今まで存在していなかった名前が浮かびあがる。

そしてその恩恵の名前を見た途端、ルイオスは

 

「なっ、この恩恵は!?どうしてお前がこれを持っている!?」

 

と驚愕の声を上げた。

だが少女は相変わらず笑みを浮かべたまま、

 

「それは言えないのぉ~♪でもいいでしょ?これで星霊アルゴールは本来どころかそれ以上の力を発揮できるんだものぉ♡」

 

とルイオスの疑問には答えられないと告げる。

少女の雰囲気からこれ以上聞いても無駄だろうと悟ったルイオスは、全く別の角度からの質問をした。

 

「お前はどうして僕に力を貸す?」

 

「あなたの目的が私の目的を達成するために丁度いいからよぉ♡」

 

「目的だと?ではお前の目的はいったい何だ?」

 

その質問を聞いた瞬間、少女の美しい顔には狂喜の色が浮かびあがった。

その瞳には、まるでその目的の為だけに生きているかの様な狂気が溢れていた。

そのあどけなさが残る顔には、まるでそうしたくて堪らないといった願望が張り付いていた。

 

そして少女は満面の笑みでルイオスに告げた。

 

「私はねぇ、祖国君を殺したいのぉ♡」

 

 

 

かくして祖国のあずかり知らぬところで、彼の運命の歯車は回り始めたのだった。

 

 




読了ありがとうございます!

いや~、ようやくオリキャラを出す事ができました。
具体的なイメージ像が欲しい方は、パズドラのパンドラちゃんみたいな子だと思っておいてください。
もちろん病んでる子ですw

この子にも今後とも暗躍していってもらいましょう。
因みに名前はまだ未定ですw

批判、感想、ご意見まってます!
それでは今回はこれにて。

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