問題児たちが異世界から来るそうですよ?~えっ、俺も問題児?~   作:しましまテキスト

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こんにちは、しましまテキストです。
投稿したものを読み返して、改めて文章力のなさを痛感しました。
今後とも精進していきたいです。
前話を読んでいただいた方々、本当にありがとうございました。
今話も生暖かく見てくださるとうれしいです。


最低な歓迎

さて、現状をどう解釈したものかと祖国は現実逃避にも似た回想を行っていた。

 

いつもの通り学校から帰った彼は、いつもの通り近くのコンビニで夕飯を買い、いつもの通り帰宅した。

ただいつもと違ったのは、帰宅したマンションの自室に宛先も何も書いていない手紙がポツンとおいてあったことであった。

彼の部屋に住んでいるのは彼一人。

もちろん窓、ドアともにロックは完璧だった。

何かの手違いでポストに入っていたわけでもない。

そして、それだけで祖国がその手紙を不信に感じるのには十分だった。

しかし宛先もないため、中身を確認しなければ始まらない。

そう思い立ったのが今思えば運の尽きだったのかもしれない。

 

その手紙には、次の様に記されていた

 

 

「悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能を試す事を望むのならば、己の家族を、友人を、 財産を、世界の全てを捨て、我らの”箱庭”に来られたし」

 

そして祖国は、先ほどまでの不信感はどこへやら、心底愉悦に満ちた表情でこう呟いた。

 

「上等じゃねーか。」

 

次の瞬間、自分が高度4000メートルの上空に投げ出されるとも知らずに。

 

 

 

そして現在に意識がフィードバックされる。

よくよく回りを見てみると落下しているのは自分だけではないようだ。

だからといって状況が改善される訳もなく、祖国を含めた4人は重力に従い落下を続けていく。

このままだと間違いなく死んでしまうと、祖国は打開策を見つけるためとりあえず落下地点を見下ろし、そして泣きたくなった。

 

”あっ、こりゃ詰んだわ”

 

と、内心思った彼はやはり常識人なのだろう。彼が見下ろした先には、大きな湖が待ち構えていたのだ。

 

祖国の思考を一応説明しよう。

人間の落下速度の限界は時速200キロ、またこの速度に到達するには約高度400メートルが必要であるといわれている。

祖国たちは軽く見積もっても高度4000メートルあたりからコードレスバンジージャンプをお楽しみ中であり、余裕で限界速度に達している。

そして、その速度のまま水面に衝突すれば、水はコンクリート並みの硬さとなる。

生身の人間が時速200キロでコンクリートに直撃。

結果は言うまでもないだろう。

 

”しょっぱなからこんなふざけたイベントとか………逆にもう笑うしかねーわ”

 

と自嘲気味な笑みをこぼした彼はやっぱり常識人。

そして、彼らは速度を保ったまま水面に衝突し、真っ赤なオブジェに成り果て……

 

 

ることはなかった。

原理は良くわからないが、彼らは水面の直前で何かに包まれるように減速。

結果として水中には至極丁寧にたたき落されたのだった。

水中で祖国は自らの懸念が外れた事への安堵と、しかしあんまりにもあんまりな歓迎方法への怒りを胸に、湖畔へと泳いで行くのであった。

 

陸に上がると、先についていた3人が何やら話していた。

 

「信じられないわ!まさか問答無用で引きずり込んだ挙句、空中に放りだすなんて!」

 

「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃ、その場でゲームオーバーだぜコリャ。石の

中に呼ばれたほうがまだマシだぜ」

 

「石の中に呼び出されては動けないでしょう?」

 

「俺は問題ない」

 

「そう、身勝手ね」

 

”お嬢さん、君とは仲良くなれそうだ。そしてそこの金髪君、君はどこの孫〇空だよ。”

 

祖国が内心呟いていたのはここだけの話。

とりあえず、残りの方々もこの歓迎にはご立腹のようだ。

もう一人の少女は、飼い猫?が無事だったようで安堵の溜息をつくと

 

「此処、どこだろう?」

 

つぶやくように尋ねた。

生憎とこの中には明確な解答を持っている人はいないようで、例の金髪君が、

 

「さあな。さっき、世界の果てっぽいのが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねーか?」

 

などと冗談めかして答えていた。

 

”金亀のことかな?いや違うか……どちらにしろマニアックなボケだな。”

 

と思いつつも、それを単なる冗談だと一笑に付せないのもまた事実だと、祖国は思考をめぐらしていた。

ついつい考えこんでしまっていたのか、祖国以外は服を絞り終え、いつの間にか自己紹介を開始していた。

 

「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前たちにもあの変な手紙が?」

 

「そうだけど、まずその『オマエ』って呼び方を訂正してちょうだい。私は久遠飛鳥よ。以後気を付けて。それで、そこの猫を抱きかかえているあなたは?」

 

「……春日部耀。以下同文」

 

「そう、よろしくね春日部さん。で、そこの見るからに野蛮で凶暴そうなあなたは?」

 

「高圧的な自己紹介ありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義者と三拍子そろったダメ人間なので、用法と用量を守ったうえで適切な態度で接してくれよお嬢様」

 

「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

 

「ハハ、まじかよ。今度作っとくから覚悟しとけよ、お嬢様」

 

「ええ、楽しみにしてるわ。じゃあ最後にそこの人一人くらい殺してそうなほど目つきの鋭いあなたは?」

 

”なんで初対面でディスられなきゃならんのですかね。”

 

いきなり自身の顔面を貶された事に内心ぼやきながらも、外面上は何事もなっかたの様に自然な態度で告げた。

 

「フッ、衣食足りて礼節を知るとは良く言ったもんだな。ここにオマエの親族がいれば、今頃お前の社交性を見て涙していることだろうよ。いやはや全く大した御令嬢だな。」

 

慇懃無礼ここに極まれり。

ここまであからさまな皮肉は受けたことがなかったのか、久遠嬢は怒りで絶句している。

さしもの十六夜も祖国の予想外の発言に苦笑いを返すので精いっぱいの様子だ。

そして当の祖国はといえば、これ以上不毛な口論を避けるために本題に素早く移っていた。

 

「まあそんな事はさておき、自己紹介させてもらおうか。俺の名前は大宮祖国だ。どれくらいの付き合いになるかは分からんが、まあ一つよろしく頼むぜ。」

 

簡潔に自己紹介を終えると、祖国は顔色一つ変えることなく空を仰ぎ、そして思うのだった。

 

”ああ、またやっちまった”と。

 

そう、この大宮祖国、内面は立派な常識人。しかし外面は、十六夜たちにも引けをとらない立派な問題児という、非常に残念な男なのであった。

 

 




飛鳥さんファンの方、本当にすいません!
祖国君には弱ツンデレを付与したいと思います。

祖国君の基本ステータスは以下です
・身長175㎝、体重59キロ
・黒髪で目は切れ長、容姿としては中の上~上の中程度。ただし、やや目つきがきついため、初見の人の印象は、イケメンor犯罪者顔の二つに大別される。
・内面は常識人、外面は問題児。ただし、祖国本人は自らを常識人側だと思っている。
・好物は紅茶と洋菓子。嫌いな物は野菜系。

とまあ、こんな程度です。
疑問、批判、感想受け付けております。
それではまた。
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