問題児たちが異世界から来るそうですよ?~えっ、俺も問題児?~   作:しましまテキスト

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今晩は。
しましまテキストという者です。

あれだけ長い間休載していたにも関わらず、最新話を結構な方に読んでいただいて非常にうれしく思っています。
個人的には100pvぐらいいけば御の字かな~とか思っていたので、すごく感激しております。

さて今回はまたもやオリジナル展開。
いい加減原作に合流したくてうずうずしております。

そして祖国君の無双が始まるのだッ!!!(予定は未定)

まあ、今話もだらっとお付き合いください。

※あとがきに登場コミュニティの紹介が載っています。よろしければそしもご覧ください。


エウレカ

 

 かつてどこかの誰かが言ったセリフにこういうのがあった。

 

「力を持つ者は、その力を持たざる者のために振るうべし」、と

 

 ああ、ご立派な事だ。

 自らを律し、力におぼれることなく人々を正しき方向へ導こうとする。

 

 誰にでもできる事ではないし、その考えに異議を挟むつもりも毛頭ない。

 

 だが時代が変わり、人間が変わり、そして世界が変わっていく中で、その理念がいつまでも正しいとは限らない。

 特に俺がいた時代。

 いい年こいた大人たちが必死に世界中に戦火をばらまいている時代には。

 

 守るべき国民。

 愛すべき仲間達。

 

 本来己の力を振るう責任の所在であったはずの彼らは、だがいつの間にかその理念に則り、こう声高に主張するようになった。

 

「貴様は力があるのだから、力なき我々を守るべきだ」、と

 

 おかしい、と最初のころは感じた。

 己の力のあり方は、ただ己の信念によるべきだと青臭い理想を口にしたこともある。

 だがそれを口にしたところで何が変わる訳でもなかった。

 

 俺が戦いを放棄すれば戦争は止むのか?

 

 答えはノーだ。

 

 俺がこの力を振るおうと振るうまいと、この戦争は止まらない。

 戦争の原因が残り少ない資源の争奪という国の存亡に関わるモノである以上、俺一人が不戦を訴えたところで何が変わるはずもない。

 むしろ俺が戦うことを放棄すれば、本来守れたはずの存在が守れないかもしれない。

 

 そんな俺に残された道はただ一つ。

 押しつけられた理念に恭順し、思考を放棄して、ただ職務を全うする事だけ。

 

 

 そう。

 俺は、大宮祖国とは。

 彼らからしてみればただの大量殺戮兵器となんら変わりなどないのだ。

 

 

 

 そこに理念の善悪や、責任の所在など、小難しいことはいらない。

 戦火に投入し、必要な戦果を得る道具。

 それ以上でも、それ以下でもない兵器。

 

 それこそが、大宮祖国の本質だった(・・・)

 

 

 

「今日付けで君の直属の上司になった安里真由だよ。呼ぶときはお姉ちゃんって呼んでね!」

 

 

 

 あのお節介で底抜けに明るい、のちに師と仰ぐことになる彼女と出会うまでは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カタカタカタカタカタカタカタカタ…

 

 それなりに広い部屋一面にびっしりと敷き詰められた機械類。

 足の踏み場もないほどに散乱した何かの研究資料と、絶えず高速演算を続ける外界でも最先端の電子機器たち。

 およそ神秘に満ち溢れた世界であるここ箱庭では異質としかとられない光景に、長い眠りから目を覚ましたばかりの大宮祖国は思考が追い付かないでいた。

 

(…どこだここ)

 

 全体的に黒を基調としたその部屋には、いったいどこのスパコンだと言わんばかりに配置された機器たちが異様な存在感を放っている。

 窓一つない部屋の中、機械類からわずかに漏れる光だけである程度の配置を理解した祖国は、とりあえずここがどこかを確認しようと体を動かし激痛に顔をしかめた。

 

(痛ッ、なんだってんだ本当に…)

 

 激痛を訴える体を見やれば、頭から足までありとあらゆる箇所に包帯やらの治療のあとが見える。

 どうやら自分がやたらと重体である事だけは理解した祖国は、無理に体を動かすべきではないと判断し再びベッド(らしき診療台)へと身を任せた。

 

(はてさて、いったい何がどうなっているのやら…)

 

 まだ十全とは言えない体調ながら、現状を把握しようとする祖国。

 とはいえ別段彼が記憶喪失だとか決死の戦いがあったことを忘れたわけではない。

 彼の疑問はただ一つ。

 

「…なんで俺まだ生きてんだ?」

 

 ふいに口をついた言葉。

 ケートス戦で力尽きたはずの彼が、なぜアルゴールに殺されていないのか。

 それこそが彼にとって目下最大の謎であった。

 

(ケートス戦で気を失った俺をヤリ損なうなんてアルゴールがするはずねえ。となればわざと見逃したってことになるが…、奴が俺を見逃すメリットなんざあったか?あるいは第三者の介入でそうせざるをえなかったとかか…。まぁ、誰かに聞けば分かる話だな。)

 

 案外さっくりと事案が片付き、若干手持ち無沙汰感が否めない。

 傷に気をつかいながらモゾモゾと身体を動かすと、固定化のためか腰回りにベルトがまかれているらしい。

 しかもご丁寧に祖国からはちょうど手が届かないポジションにバックルがあるため、どうあがいても正攻法では脱出出来そうにない。

 

「おいおい、俺は珍獣か何かですか?さすがにこの状況は看過できんのですがね。」

 

「それはすまなかったね。だが我々からしてみれば珍獣というのはあながち間違いでもないんだよ、大宮祖国君?」  

 

 まさか返事が返ってくるとは思っていなかった祖国は驚いて声の聞こえた方向へと首をもたげた。

 同時に身体を大きく使ったせいか、再び激痛に顔をしかめる。

 

「ああ、あまり無理をしないほうがいい。いくら一週間近く寝込んで回復したとはいえ君の体は所詮人間なんだ。それに我々も貴重な実験体をこんなくだらないことで失いたくはないしね。」

 

「ご忠告痛み入るね。ついでにこの状況を説明してもらいたいもんだが。あと実験体云々の話もな。」

 

「なに、そんな怖い顔をしないでくれ。我々は一応サウザンドアイズ大幹部、白夜叉殿直々に君の面倒を任された者だ。べつにとって食ったりはしないよ。」

 

「…そうかい。あいつが頼んだ奴等なら、まぁ大丈夫か。」

 

「おやおや、そんなに簡単に信用してしまって大丈夫かい?もしかしたらただの偽者かもしれないよ?」

 

「偽者がそんなこと自己申告するかよ。それに寝たきりの俺をどうにかする機会なんていくらでもあっただろ。今俺が無事なのがなによりの証拠だ。」

 

「…ほぉ。」

 

 実際、祖国の弁は的を射ている。

 むしろ無茶をしないように勧める姿勢からも、この人物は少なくともあからさまな害意をもってはいないと判断していた。

 

 そして突如現れた謎の存在もまた、彼の洞察力に舌を巻いていた。

 自身が軽度ではあるが拘束されている状態でなお、このように的確な答えを導ける胆力は称賛に値するだろう。

 

「それで実際ここはどこでお前は何者なんだ?」

 

「これは失礼、そういえば自己紹介がまだだったね。私の名はアルキメデス、そしてここは私のコミュニティ"エウレカ"の研究所本部だ。一応箱庭第四桁に籍を置いているが、我々のコミュニティはちょいと特殊でね、決して戦いに優れているわけではないんだ。そういう訳だから物騒なことは控えてくれよ、大宮祖国君?」

 

 流れるような説明の中にさらっと混ぜられた言葉で、彼の表情が驚愕の色に染まる。

 箱庭第四桁、研究所本部…、驚く単語は多々あれど今注目すべきはそこではない。

 

「アルキメデスって、お前()じゃんよ。」

 

 そう、目の前のアルキメデスと名乗る人物はまごうことなき女性であった(・・・・・・・)のだ。

 

 よれよれの白衣にいったい何徹目だと突っ込みたくなるようなひどいクマ。

 ぼさぼさにの髪はゴムで適当にまとめられており、本来美しいであろう黒髪は見る影もない。

 だがそれほど酷い有様であろうとも、彼女を一目見て女性と判断できるほどに美しい容姿をしていたのだから、なお一層たちが悪いと言わざるをえないだろう。

 

 そんな彼の驚いた顔が面白かったのか、アルキメデスは笑み隠すこともせずにクスクスと笑いながら告げた。

 

「ふふ、その反応も久しいね。もともと研究で引きこもりがちだったから誰かに自己紹介すること自体少なかったが、そこまであからさまに驚いてもらえるならこれはこれで悪くない気もするよ。」

 

「じゃあ、お前が本物の…」

 

「なんだ、まだ信じてくれていなかったのかい?正真正銘、私がアルキメデスだ。外界にはどうやら私が男だと伝わっているようだがね、それならそれで弟子が上手くやったんだろうさ。」

 

「弟子だと?」

 

 またもや聞き逃せないワードに、反射的に疑問が口からこぼれる。

 アルキメデスはその言葉にうむと鷹揚に頷くと、祖国のすぐ近くに置いてあった椅子へと腰かけた。

 そして机の上に置かれ、もとい放置されていた、いつ淹れたのかも分からない冷めきったコーヒーをすすりながら疑問の答えを口にする。

 

「まあ、なんだ。現代っ子の君には理解しづらいかもしれないが、私がいた時代、紀元前の古代ギリシャは男尊女卑が徹底していた時代でね。女の私が科学者のマネ事なんて到底世間的に褒められたものじゃなかったのさ。女の役割といえば男に嫁いで子供を産むことだけ。そんな風潮だったもんだから昔は私も肩身が狭くてね。」

 

「ずいぶんと苦労したんだな。」

 

「まぁ、それなりにはね。そんな訳だからいかに研究で理論を完成させようとも世に普及する事はないし、機械を発明しようともそれが誰かの目に映ることもなかった。ただ私自身も根っからの研究者気質だったようでね、あまりそういった事には興味がなかったんだが。」

 

 空になったコップをコトリと置くと、含みのある苦笑いを浮かべるアルキメデス。

 その時代は彼女なりに思うところがあったのだろう。

 それ以上詳しく触れる前にさっさと次の話を切り出した。

 

「ただどの時代にも変わり者というのはいるみたいでね。私のことをどこから聞きつけたのやら、女と知っていながら私の門下に加わりたいと名乗る男が一人現れたのさ。」

 

「それが弟子か。」

 

「ああ、最初は私も断ったんだが、私が趣味で考案した機械やらを自分が広めると言って聞かなくてね。私も研究資金には困っていた時期だったから、ちょうどいいと思って強くは止めなかったのだよ。」

 

「それが思いのほか上手くいってしまったと?」

 

「察しがいいね。実物を見たり、実際に機械の汎用性を知った者の中からも私の門下に加わりたいという酔狂な奴等が出てきてしまってね、数年後には私の研究所は大所帯になっていたよ。」

 

 自身の人気を誇るべきか、あるいは強く止めれなかった優柔不断さを嘆くべきか。

 良くも悪くも彼女のコミュニティは目立ち過ぎた(・・・・・・)

 

「当然、旧態依然とした者たちには我々の存在は不愉快だったんだろう。女性の科学者とそれに教えを乞う男性たち。この構図は世間的に見ても到底受け入れられるものではなかった。」

 

「………。」

 

「だが私はともかく、私の門下たちがうるさくてね。アルキメデスの名を不当な理由で貶める者たちに屈するつもりはないと、あれやこれやと様々な方法を打ち立てていったのさ。そしてその中でも最も効果的で、そして後の人々が"アルキメデス"を男だと思い込むようになった方法、それが…」

 

「襲名性、か。」

 

 祖国の解答に今度はアルキメデスが驚嘆する番だった。

 たったこれだけの情報から正解を導き出した彼に、彼女は素直に称賛の言葉を贈る。

 

「驚いたな、まさかたったこれだけで正解にたどり着くなんてね。なるほど、あの白夜叉が贔屓する訳だよ。」

 

「別にそこまで難しい話じゃない。"アルキメデス"という名を世に認めさせるだけならば、誰かほかの"男"がその名を継げばいい。だが次ぐにしても無条件という訳にはいかない。アルキメデスが偉大な科学者の象徴とするならば、その名を冠する奴は相応の実力が必要だ。」

 

「その通り、だからこその襲名性だ。肥大化した研究所にはたくさんの優秀な科学者たちがいたからね。その中から数年か十数年おきに最も優れた科学者を選び、その者に"アルキメデス"という称号を与えることにしたのさ。私が男だと思われていた理由はそこだろう、"アルキメデス"に選出されていたのは全員が男性だったからね。」

 

 彼女の言葉に、人知れずなるほどと合点する祖国。

 アルキメデスが数学や物理、工学、天文学、発明など多くの分野で多大な功績を残したのは、これが理由だったのだ。

 つまり襲名した"アルキメデス"の中には、数学に特化した"アルキメデス"であったり、発明に尽力した"アルキメデス"など様々な人間が存在していたのだろう。

 

 つまり、彼がアルキメデスと考えていた存在とは、

 

「無数の優秀な科学者の集団、それが俺の知る"アルキメデス"。そして俺の目の前にいるのは、その元凶となったオリジナルのアルキメデスってことか。」

 

「元凶とは言ってくれるね。どちらかといえば私は被害者なんだが。」

 

「門下生の手綱をコントロールできなかった時点でお前の責任だろ。っと、そんで他の"アルキメデス"たちも箱庭に召喚されてんのか?」

 

「いや、呼ばれたのは私一人だ。おそらくアルキメデスという称号に功績が集約されたせいで、その元となった私がほとんどの手柄を得てしまったのだろう。実際君がいた外界でもアルキメデス一人が様々な分野で活躍していたことになっていただろう?」

 

「まあな。著作権とか印税とかそんな感じか。」

 

「そんな大したモノじゃない、これは盗人みたいなものさ。彼らの手柄はすべて私に集約されてしまう。おかげで私などより優秀な"アルキメデス"でも箱庭に呼ばれたことは一度もない。彼らとも久しく会えていないよ。」

 

 どこか自嘲気味に笑いながら、彼女はそっと目を閉じた。

 

 今でも鮮明に思い出せる、むさくるしくとも楽しかった外界の生活。

 彼ら同士とともになら、たとえ狭量な世間にだって相対していけると意気込んでいたあの時代。

 聡明なくせにどこか馬鹿で、それでいて結末はいつだって愉快だったあの頃。

 

 そのすべてが、彼女にとってどうしようもなく輝く、最高の思い出だ。

 

「ああ、いけない。どうも若い子といるとついついおしゃべりが過ぎていけないね。」

 

「あんたも見た目的には十分若いけどな。」

 

「肉体の方は召喚時に最盛期のモノで呼び出されたからね、それ以来これで固定されたままさ。」

 

「そういうものか。」

 

「そういうものさ。」

 

 いったんの区切りがついたのか、二人の間に沈黙が流れた。

 

 それにしても、とアルキメデスは思案する。

 自己紹介を兼ねていたとはいえ、ずいぶんと込み入った事情まで話したものだ。

 本来は彼がここに来た理由や、彼女らが彼の面倒をみる経緯を話すはずだったのが、どうしてこうなったのやら。

 

「本当に不思議な子だよ、君は。こうやって話すのは今日が初めてだっていうのに、ずいぶんと話し込んでしまったよ。聞き上手というやつかな?」

 

「そんなつもりは毛頭ないんだがな。ただまあ、あんたの気が晴れるならそれでいいさ。」

 

「そうかい、どうやら思っていた以上に君は優しい人間のようだね。いやいや、見た目で判断して悪かったよ。」

 

「…それは遠まわしに喧嘩を売っているって解釈でいいんだな?」

 

 暗に見た目がアレだと告げられて、一瞬訴訟も辞さないと脳内提訴しかける祖国。

 彼女がからかっているであろうことは明白であったが、だからといってそれを聞き逃すほど祖国はできた人間ではないと自覚している。

 

「そんな怖い顔をしないでくれよ、素直じゃない年上のかわいい照れ隠しだろ?」

 

 そんな彼の反応を見てクスクスと笑いながら、アルキメデスは冗談だと告げる。

 よほど彼のリアクションがツボにはまったのか、彼女の笑いが収まるまでたっぷり十数秒も要したのだった。

 

 

 

* 

 

 

 

 

 

「さて。少し真面目な話をしようか、祖国君。」

 

「俺は今までいたって真面目だったんだが。」

 

 ようやくと彼女の笑いが収まると、先ほどの雰囲気とは一転、至極真面目な表情でアルキメデスは語りだした。 

 

「まあ今までの会話は軽い自己紹介の延長だと考えてくれ。私たちは君のことを知っているのに、君が私のことを知らないのはフェアじゃないだろう?」

 

「…どういう意味だ?」

 

「順を負って説明しようか。君は今回、あの魔王アルゴールのゲームで神々の注目を集めた。その影響でこれから色々な神話からの接触やら干渉があるだろうが、それを避けるためにも強力なバックアップが必要な状態となっているんだ。」 

 

「…あの負け試合を見て、そんな評価が出回っているなんてな。不当評価もいいところだ。」

 

「謙遜はよくないよ。確かに結果こそ君からしてみれば屈辱的なモノだろうが、ゲーム内容や難易度を考慮すれば称賛されてもおかしくない出来だった。」

 

 実際、アルキメデスの評価はここ箱庭における評価と基本的に相違ない。

 

 素の性能で第3桁クラス、擬似創星図を考慮すればあるいは2桁にさえ迫るかもしれないパワーアップを遂げた魔王アルゴール。

 そしてゲームルールで召喚された、極めて高い不死性を有する魔龍ケートス。

 しまいには某クリエイトの関与さえ疑われる超難易度のゲームメイク。

 

 それを箱庭に召喚されて間もないただの人間が、たった一人で生き延びてみせたのだ。

 これで称賛されない方がよほど不自然といえるだろう。

 

「あのレベルのゲームを正面きってクリアするには、それこそ神霊級がこぞって出向く必要があるよ。」

 

「だがあいつの魔眼は神霊キラーだ。数を揃えても意味はない。」

 

「そうだね。だからこそ君や、君たちノーネームのように人間の英雄が必要とされているんだよ。っと、また話題がずれかけたね。要は君のバックアップをするために君の身元を調べて、君がどういった英雄なのかを知る必要があったのさ。」

 

「だからさっき俺のことを知ってるって。」

 

「まあね、半分正解だよ。」

 

 曖昧な解答に、半分?と怪訝な視線を送る祖国。

 彼の視線に気が付いたのか、質問を先回りするようにアルキメデスは口を開く。

 

「厳密にいうならば、君の身元調査はサウザンドアイズの仕事なのさ。なんせ彼らが君のバックアップの最有力候補だからね。」

 

「じゃあ、お前の(・・・)仕事はいったいなんだよ?」

 

「ああ、それについてはね…。」

 

 彼女がその答えを切り出そうとした瞬間、ピピピピッと部屋に設置されていたアラームが鳴り響いた。

 

「おやおや、グッドタイミングだね。君を我々に預けてくれた方が直々にお出ましだよ。」

 

「白夜叉か?」

 

「正解。ちょうどいい機会だし、3人一緒に話し合おう。そちらの方が色々と都合がいいしね。私はちょっくら白夜叉殿を迎えに行ってくるよ。」

 

「おっ、おい。ちょっと待てよ!話合うっていったい何を?」

 

 質問の途中で会話を投げ出されたうえに、勝手にどこかへいこうとするアルキメデスを呼び止める祖国。

 彼からしてみれば中途半端な状態でおあずけをくらったまま生殺し状態である。

 投げかけた言葉に多少力がこもってしまったのも致し方ないことだろう。

 

 そんな彼の疑問に対し、何をいまさらといった態度でアルキメデスは告げた。

 

 

 

 

「何ってそんなの、君の正体(大宮祖国)についてに決まっているだろう?」

 

 

 

 さも当然のごとくそう言い残すと、彼女はさっさと客人を迎えに部屋を去るのだった。

 

 

 

 

 

 




<設定>
コミュニティ:エウレカ
 箱庭において信仰や武力ではなく、技術的、文化的、あるいは学術的革命や発見をした偉人たちが集まって結成されたコミュニティ。頭脳集団としての側面が強い一方、戦闘にはそれほど秀でておらず、同じ第四桁からは階層がふさわしいかどうか疑問視する声もある。
 だが一方、アインシュタインの相対性理論のように外界に影響を及ぼしかねない理論・法則も多数発見しており、理論的面からの箱庭への貢献度は群を抜いて高い。またその博識さから、知能を主にしたギフトゲームでは無敗という伝説を誇る。
 現在の活動は、数学上の未解決問題や量子力学の命題など、人類史上の難題とされる課題に取り組んでいる。活動の性質上、研究拠点には最新の研究機器やスパコンなどが
みっしりと設置されている。(ちなみに研究所は男性が多く、部屋は基本的に掃除されず汚いらしい。)




読了ありがとうございます。
だんだんと文字数が増えてきた感じがしますね。
考えていた祖国君の正体の布石もだんだんと回収せねば(使命感

あと、感想をくれたかた本当にありがとうございます。
感想や評価は筆者のモチベーションにも影響しますので、コメント等を頂けると非常にうれしいです!

それでは今回はここまで。
感想、疑問、批判等はコメント欄までよろしくお願いいたします。


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