問題児たちが異世界から来るそうですよ?~えっ、俺も問題児?~   作:しましまテキスト

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こんにちは、しましまテキストです。
前話の解説はお分かりいただけたでしょうか?
分かりにくければ随時補足させていただくので、遠慮なく質問してください。

さて、今回はサウザンドアイズあたりまでいければなぁ、とかんがえています。
白夜叉と祖国君が戦うかは未定ですが、とりあえずそこら辺のやり取りは次話ぐらいになると思います。
それでは今話をどうぞ。



困惑の黒ウサギ

黒ウサギは眼前のトンデモ現象を目の当たりにして、それでも大声でこう突っ込まずにはいられなかった。

すなわち

 

「なにしちゃってくれてんですかーーー、この問題児様!!!いくら試練でも主催者を殺害とかありえないのデスヨ!!!」

 

と。しかし十六夜が黒ウサギをなだめるために口を開いた。

「落ち着け黒ウサギ、これは試練じゃねえ。ただの喧嘩だ。」

「なお悪いのですよ!このおバカ様!」

と、黒ウサギが声を荒げる。

「ギフトゲームですらないのに人間が神格保持者を殺害だなんて、前代未聞なのです!

一体どんな処罰がくるか…。」

「殺してなんかねーよ。」

「はい?」

「だから、殺してなんかねえって。」

と、十六夜は確信を持った声で告げる。

「なんなら、確認してこりゃいいだろ?」

と、十六夜は小クレーターの中で倒れている水神を指さした。

黒ウサギは恐る恐る倒れている水神に近づくと、顔を覗き込みながら尋ねた。

「あのー、水神様?もしご存命でしたら返事をして頂けないでしょうか?」

水神はそんな黒ウサギの声に反応し目を開けたが、返答はなっかた。

おそらく身体が麻痺して上手く喋れないのだろうと察した黒ウサギは

 

「申し訳ございませんっ!!!」

と祖国も十六夜も、そして水神すらも見た事か無い程、完璧でダイナミックでアクロバティックな土下座を決めたのだった。

 

「我々の同胞がとんだご無礼を!彼らは異界から召喚されたばかりでして、箱庭の常識を全く知らない身でございます。勝手なお願いではございますが、どうか、どうかっ、寛大な御心で!」

と必死に十六夜と祖国の無礼を詫びる黒ウサギ。そして水神は

 

黒ウサギの目の前に大きな水樹の苗を召喚した。

黒ウサギが驚いて水神を見やると、水神はその静謐な瞳で黒ウサギを見つめていた。

それは勝者への賛辞。

自らを破った者達への神格保持者からの恩恵。

そしてそれは言外に祖国たちの暴挙を許す事と同義であった。

水神-白雪姫-、彼女は神格保持者としての誇りと矜持を胸に、倒れてもなお最後までそうあらんとしていたのだった。

そんな水神の意志を黒ウサギは瞬時に理解し、一礼して祖国たちの元へと帰っていった。

 

 

「な、死んでなかっただろ?」

と十六夜は帰ってきた黒ウサギに意地の悪い笑みで問いかけた。

「そんなものは結果論です。偶然生きていらっしゃったからいいものを、あんな威力の雷を落とすなんて非常識です!」

と祖国を見て糾弾する黒ウサギ。しかし十六夜がその言葉を否定した。

「いや、あれは必然だ。偶然なんかじゃねぇ。お前も分かっててやったんだろ?」

と祖国を見つめて言い放った。

「あいつの攻撃に巻き込まれた時に、かなり身体を近くで観察することができた。奴の鱗は蛇というより、魚のそれに近かったからな。」

と祖国は頷きながらそう返した。

十六夜は合点がいったという顔をしているが、唯一話を理解できていない黒ウサギが二人に問うた。

「一体どういう事でございますか?」

すると十六夜はめんどくさそうに説明した。

「いいか、一言に鱗といっても爬虫類、魚類、鳥類などによってその性質、構成は様々なんだよ。爬虫類の鱗の主な構成要素は角質というタンパク質だ。タンパク質は電気を通すから、俺も最初はなぜあの蛇が生きているのかわからなかった。だが、祖国が言うには、あいつの鱗は魚類の物に近いらしい。それなら納得がいく。」

「なぜですか?」

「魚の鱗は、構造的に数層に分かれているんだが、一番外側の層はエナメル質でできているからだ。エナメルは絶縁体、つまり電気を通しにくい性質だから、ある程度の電気耐性はあったんだろう。」

この時、黒ウサギはようやく十六夜の言いたい事を理解した。

そして同時に祖国という人物がますます分からなくなっていった。

”黒ウサギを助けてくれたかと思えば、キツイ言葉を投げかけてきますし、怒りに任せて攻撃したかと思えば、きちんと殺さずに相手のことを気遣っている。やってる事がチグハグなのですよ!”

 

 

そんな黒ウサギの悩みを知りもしない祖国は

「そんな事より黒ウサギ、それなんだ?」

と黒ウサギが抱いている水樹の苗を見て問いかけた。

”そんなこと!黒ウサギが貴方様のせいでこんなに悩んでいるのはそんな事程度なのでございますか!?”

と叫びたくなる気持ちを抑え、黒ウサギは祖国の問に答える。

「これは水樹の苗といいまして、非常に上質な水源でございます。これがあればもう遠くの川まで水を汲みにいかなくてもいいのでございますよ!」

「へえ、そんないい物だったのか。」

「YES、しかもこれほどの大きさとなればかなりの間水には困ることはありません。」

と、嬉しそうに告げる。

「あと、もう一つ。水神ってのは、やっぱり水中のほうが強いのか?」

祖国の質問の意図が分からない黒ウサギはあたりさわりのない解答をする。

「はい、水神は水の神。水中の方がより強く水の恩恵を受けられると聞いております。」

「治癒能力もか?」

「はい、より上質な水中であればあるほど強大な恩恵を得られると文献にはございます。」

「ならピッタリだな。」

「はい?」

最後の祖国の言葉の意味が分からず困惑していた黒ウサギの腕の中から、素早く水樹の苗をかっさらった祖国は、クレーターの端にいくと、いきなり水樹の苗を使って水神が倒れているクレーターを水で満たし始めた。

「おおっ、こりゃすげぇ量だな。」

「なにやってらっしゃるんですか!?無駄使い反対なのですよ!」

「なに言ってんだ。けが人放置していく訳にはいかねぇだろうが?」

「えっ?」

「だーかーらー、なんか後味悪いからアフターケアしてんだろーが。」

 

ますます祖国という人物が分からなくなってきた黒ウサギはとんでもない質問を投げつけた。

「そ、祖国様?もしや3回も水中に落ちたことで、ついに頭の中が吹っ飛んでしまわれたのですか?」

「お前は俺を何だと思ってんだよ?」

「えっ、問題児様では無いのですか?」

という、黒ウサギの誠心誠意、まごころ込めた素直な解答に

 

 

”えっ、俺も問題児?”

 

 

と、祖国が人生で三指に入るショックを受けていたことは、修羅神仏蔓延る箱庭においても、彼一人しか知らないのであった。

 




すいません。
今話はきりがいいので、ここまでにさせていただきます。
前書きをいきなり裏切ってしまい申し訳ないです。
今日中にもう一話をアップする予定なので、ご勘弁頂ければとおもいます。
次で白夜叉の直前になると思います。
感想、疑問、批判まってます!
それではこれで。
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