問題児たちが異世界から来るそうですよ?~えっ、俺も問題児?~ 作:しましまテキスト
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お気に入りが30件を突破いたしました。ありがとうございます。
あと、投票してくだっさた方、本当にありがとうございます。
まさか本当に来るとは思っていなかったので、正直ビックリしています(笑)
さて、今話はようやく戦闘らしい戦闘が書けると思います。
筆者の拙い文章力でどこまでいけるか分かりませんが、頑張っていきたいと思います。
それでは今話をそうぞ。
「さて始めるとするかの。」
という白夜叉の一言が言い終わると同時に祖国の前に一枚のギアスロールが現れた。
【ギフトゲーム名”極夜の終わり”
・プレイヤー一覧:大宮祖国
・クリア条件:白夜叉の打倒。
・クリア方法:白夜叉の殺害、屈服。
・敗北条件:プレイヤーの戦闘続行が不可能となった場合。
宣誓:上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名のもと、ギフトゲームを開催します。
”サウザンドアイズ”印】
書かれた内容を見て、祖国は軽口を叩く。
「はっ、脳筋丸出しな内容だな。」
「策を弄す余地のないゲームで、圧倒的な力をもってして敵をねじ伏せる。それが魔王のあり方だからの。」
「まあ、負けた時に下手に言い訳されないだけマシか。」
「なに?」
と、祖国の勝利を確信しているかの様な物言いに白夜叉は不快感をあらわにする。
だが、そこは元といえど最強の魔王。余裕を持った物腰で「まあよいか」と笑みを浮かべ、そして祖国に言い放った。
「来るがよい人の子よ!元”魔王”にして人類最終試練の一端を担うこの白夜叉が全力で相手になろうぞ!」
「そうかい、なら遠慮なく。」
そういうやいなや、祖国は自らの右腕を上から下に振り下ろした。
とたんに白夜叉を巨大な雷が襲う。
水神をも一撃で倒したその一撃は、しかし白夜叉の持っていた扇子に軽々と弾かれる。
「ほお、雷の恩恵か。これ程の威力とは、おんし良いギフトをもっておるの。」
「そりゃどうも。」
口では祖国のギフトを褒めながらも、だがいとも簡単に彼の雷を弾いた白夜叉を忌々し気に睨みながら、祖国は次に自身の右手の指をパチンと弾いた。
すると今度は凄まじい威力の爆炎が白夜叉を襲った。
その威力たるや凍った雪原一帯を一瞬で焦土と化し、むき出していた岩石が所々溶けてマグマとなっている。
しかしそんな祖国の一撃を受けても
「今度は炎熱系の恩恵か。なるほど、これもなかなか。」
と服が多少焦げた程度で、傷らしい傷を負っていない白夜叉が悠然と立っていた。
「ちっ、まじで効いてねえのかよ。」
と祖国は白夜叉の圧倒的なタフさに心底ウンザリしながら、追撃をかける。
祖国が自らの左腕を右から左に横に振るうと、突然、常人では立っている事さえ出来ない程の暴風が発生した。
風速にして80メートルは下らない暴風は進路にあるもの全てを巻き込み、砕きながら、白夜叉へと肉薄する。
だが白夜叉は相変わらず余裕の笑みを浮かべたまま扇子を開くと、事もあろうにただの一振りで殺人的な暴風を相殺して見せた。
「雷、炎に続き風とは、天災を引き起こす恩恵か何かかの?」
と、淡々と祖国のギフトを解析していく白夜叉の発言に耳も貸さずに、祖国は先ほどの三つの動作を同時に展開する。
つまり、右腕を上から下に振り下ろすと同時に右手の指を弾き、さらに左腕を右から左に振るったのだ。
すると、白夜叉の目の前に圧倒的な熱量と雷を纏った暴風が、一瞬の内に完成する。
触れた物全てを灰塵に帰さんほどの威力をもつその攻撃に、問題児たちや黒ウサギも驚きを隠せない。
流石にこれなら白夜叉にも届きうると、白夜叉の数々の伝説を耳にしている黒ウサギでさえ思ったその攻撃を、
「なるほど、合わせ技まで会得しているとは芸が細かいの。だが、………小賢しい!」
と、一瞬だけ神格を莫大に膨張させて放った扇子の一閃により、白夜叉は祖国の攻撃をあっけなく霧散させた。
「ヤハハ、あの和装ロリこんなに強かったのかよ。」
と口では軽い態度で言っているが、十六夜も内心は驚愕していた。
祖国のギフトもかなり強力な物である事は間違いない。
雷、爆炎、暴風という最悪クラスの威力を持つ天災を、あそこまで十全に使いこなす祖国は間違いなく強者であろう。
だが、そんな祖国の全力をもってしても、まともに傷一つ付けることの叶わない白夜叉に十六夜は内心畏怖さえ覚えていた。
「ご愁傷様だな祖国。あの和装ロリはトンでもねえ化物だぜ。」
「で、でも祖国様の攻撃もすさまじい物ばかりでございます。それに白夜叉様は防戦一方。まだ勝負はどうなるか…」
「いや、このゲームは”詰み”だぜ黒ウサギ。もうあいつに勝ちの目はねえ。」
と、必死にフォローしようとする黒ウサギを十六夜はバッサリと切り捨てる。
十六夜が理由を説明しようをしたその時、戦っている白夜叉が高らかに宣言した。
「いやはや、全く素晴らしい攻撃であったぞ、小僧よ。あれほどの威力を持つギフトを、これ程までに使いこなすおんしの戦闘センス、あっぱれの一言だ。」
「そりゃどーも。」
「だが、この勝負私の勝ちだ。おんしの攻撃が私に届くことが無いのは分かったであろう?」
「俺がそれだけで諦めるとでも?」
「それだけでは無い。おんしのギフトには二つの大きな欠点が存在する。」
「へぇ?」
そう、それこそが十六夜が”詰み”と断じた理由であった。
決して長くはない攻防の間に垣間見えた欠点を、白夜叉は淡々と述べていく。
「まず一つ目に、おんしのギフトは発動時に一定のモーションをしなければならない。雷を落とす時は、右腕を上から下に振らなければならぬ様にの。これでは敵に、次何の攻撃を仕掛けるか教えているような物であろう。」
「もう一つは?」
「その威力じゃ。おんしの攻撃は威力が高く、広範囲に及ぶ。それは裏を返すと自身の周囲ではギフトを発動出来ない事を意味しておる。下手に発動すれば、おんし自身も自らの攻撃に巻き込まれてしまうからの。つまり近距離戦闘に持ち込めば、おんしを倒すのは容易いということ。」
「………」
「悪い事は言わん。諦めろ。おんしには才能がある。これ以上戦っても勝てぬ敵になおも挑み続けるほど、おんしは愚かではなかろう?早く敗北を宣言するのだ。」
そう、これこそがこのゲームにおける唯一の白夜叉の優しさであった。
プレイヤーの敗北条件は”戦闘不能になる事”。
つまり、プレイヤーの戦意喪失も敗北に含まれるのだ。
痛い思いをする前に諦めろという白夜叉の提案を、だがこの男 大宮祖国は
「はっ、くだらねえ。」
と、一蹴した。
「大体、白夜叉。お前の態度からして気に食わねえ。」
「なんだと?」
「お前最初に言ったよな?”全力で相手になろう”って。だがなんだ、その戦い方は?それがお前の全力かよ?俺たちがやるのは”対等な決闘”なはずだろーが。」
祖国がこのゲームが始まってから胸の内にずっと感じていたこと。
そう、つまり白夜叉は大宮祖国をナメている。
一方的に攻撃を受け続けたのも、祖国を格下と断じての行為。
祖国のギフトの弱点を指摘し敗北宣言を勧めたのも、自らがの方が強いと断じたが故。
そんな白夜叉の、とても対等とは思えない横暴な態度に祖国は強い憤りを感じていた。
そして、白夜叉をにらみ
「俺は絶対に負けを認めねえ。」
と、不退転の覚悟を口にした。
そんな祖国の決意を耳にした白夜叉は、1人静かに………失望していた。
彼我の実力差を理解してもなおも挑み続けるその愚かさに、心から失望していた。
せめてもの手向けに、殺さぬ程度には手加減してやろうと手に持つ扇子に力をいれると
「ならば、実力で黙らせるしかないの」
と言い放ち、一瞬で祖国に近づいた。
その小さな身体からは想像もつかない程の速度で近づいた白夜叉は、手に持った扇子を横に薙ぎ払い、確かに祖国の意識を刈り取る
はずであった。
だがそのの扇子はむなしく空を切り、当の白夜叉は目の前で起こった信じられない現象に目を見開いている。
そう”消えた”のだ。
祖国は白夜叉の攻撃を予測していたのか、白夜叉が迫る中バックステップをした。
本来ならばその程度の回避で避けきれるはずはない。
祖国の動作を感じ取った白夜叉はもちろん、祖国の移動後の位置に攻撃を変更した。
多少前後の差異はあれど、扇子を振りぬく初動のタイミングを少し遅らせる、それだけでよいはずだった。
白夜叉も祖国の行動を苦し紛れの回避だと断じ、気に留めさえしなかった。
だが、白夜叉は確かに見た。
彼 大宮祖国が不敵な笑みを浮かべているのを。
そして次の瞬間、既に祖国の姿はそこには無かった。
と同時に、白夜叉の上空から凄まじいという比喩すら生易しく思える程の雷が降り注いだ。
いや、それは雷と呼んでいい物かさえ分からない。
その威力は先ほどの白夜叉の一閃と比べても何ら劣らぬ威力を有しており、祖国が消えた事に気を取られていた白夜叉を容赦なく呑み込んだ。
白夜叉を呑み込んだ雷は、さながら巨大な光の柱の如き様相を呈し、白夜叉と共に大地をえぐり取ったのだった。
まばゆい光が止み、問題児たちと黒ウサギが状況を確認するために目をあけると、落雷地点の大地が消失していた。
水神の時の様なクレーターではない。
まるで筒状の物で抉り取られたかの如く、直径10メートルほどの円柱型の穴がすぽっりと大地に開いていたのだ。
流石の問題児たちも言葉が出ないのか、ただ目を見開くばかりだった。
だが、そんな中でも1人祖国は厳しい顔をしていた。
そしていまだ煙が立ち込めている落雷箇所を睨み、鋭い声で言い放った。
「いるんだろ?こそこそしてないで出て来いよ?」
「ばれているなら仕方ないの。まあ、そうピリピリするな。」
という声と共に、煙の中から白夜叉が現れた。
だが、さしもの白夜叉も先ほどの一撃は無傷と言う訳にはいかなかったようであり、所々に目に見える傷がついていた。
「私に傷をつけた英傑は何百年ぶりであろうかの。」
「はっ、そりゃ丁寧に仕込んどいたかいがあるもんだぜ。」
そう軽口をいうと、祖国は空を指さした。
白夜叉は祖国の指さす方向を見ると、合点がいったという表情をしている。
問題児たちの中では唯一十六夜が祖国の意図に気づいたようだ。
「なるほど積乱雲とはのう。爆風の時から仕込まれておったのか。」
「ご名答。初手で倒せなかった時から狙ってたんだがな。お前の方こそ、さっきの攻撃受けて五体満足とか、マジありえねぇ。」
「私は星から発生した星霊だぞ?私を殺したくば、星を砕く一撃を用意するのだな。」
「そうかよ。」
「だが、今の一撃はよい攻撃じゃった。私にギフトを使わせた事、誇ってよいぞ。」
「へえ、何のギフトだよ?」
「素直に教えると思うか?それに私が真実を伝えるとも限らんぞ?丁度おんしが私をはめた様にな。」
「俺は何も言ってないぜ?お前が勝手に勘違いしただけだろ?」
「小童が言いよるの。」
二人にしか分からない会話を終え、互いにケタケタと笑い終えると祖国が切り出した。
「で、白夜叉。俺もそろそろ”本気”で戦いたいんだけど、まだ俺は格下か?」
「いや、すまなかったの。大宮祖国、おんしは強い。この白夜叉に傷をつけ、あまつさえ恩恵まで使わせた者が、どうして強者ではなかろうか!今こそ白き夜の魔王は大宮祖国を対等な相手と認め、持てる限りの力全てを駆使して汝の前に立ちはだかろうでははないか!」
長いプロローグの末、大宮祖国と白夜叉の真の”決闘”の幕がようやく開こうとしていた。
極夜の終わり 前編(完)
読了ありがとうございます。
ようやく前編が終わりました。
後編もできる限り早くアップしたいと思います。
後編は決着と、出来ればギフト解説までいければなぁとおもいます。
感想、批判、疑問待ってます。
それでは今回はこれにて。