僕はアクション書けません。

ですから、アクションが起こりそうな導入部だけ書いておきますね。

あとはよろしくお願いします!

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すべて導入のみ


壮大に何も始まらないモンスターハンター① WILDS

 ユクモの村に落ち葉が舞う。時折吹く北風にいよいよ近づく冬を感じ、やせ細った木々の寒々しさが村人に雪支度を急がせていた。遠方はベルナの村の雲羊鹿ムーファ――文字通り、雲の様にふわふわの毛で誂えた上等な上着へ腕を通して、村長の元へ向かう。そこで聞かされたのは、酷く不穏な話だった。

「禁足地、ですか」

「ええ。遠方の大きな砂漠。人跡は未踏と思われた地域に人の営為あり、との報告が。新たな調査団が派遣され、早々にベースキャンプが設営されたとか。ご興味はおありかしら?人手はいくらあっても困りません。最近はこの村も落ち着いて参りましたし、貴方さまの後輩たちもみるみる育ってきておりますから、多少留守にしても心配は不要かと」

 ユクモにきて、はや6年経った。激動の1年目、2年目を思い返す。嵐の化身を打倒して以来、後進の育成にも力を入れてきた。頼りないと思っていた彼らもいつしか、イビルジョーの頭殻をぶち抜いて気絶させるくらいの実力を手に入れている。何より自分自身、今後の身の振り方を考えねばならないと感じていた。この地に根を張ってもいい。しかし、それで良いのか?そろそろ三十路に差し掛かる自分の内側から、そういう声が聞こえた気がした。

「……話を、聞かせてください」

「では集会浴場へ参りましょう。ギルドマスターから直々のお声がけでしたので、詳しくはそちらから」

 

 ユクモの「風絶ち」――空舞う災禍を単身で退けた英傑は、愛用のライトボウガンを背負って集会浴場へ向かう階段を踏みしめた。

 

 

***

 

 

「お嬢たちには、内緒にしててほしいんだ。チャチャとカヤンバにも」

「分かった、分かった。どうしてもと言うなら、仕方ない」

 早朝のモガの村。ザンザと打ち寄せる波の音が心地よい。涼しい潮風の中を、1人の英雄が旅立とうとしていた。彼女は、世にも珍らしい水中を主戦場とした狩人だ。雨季の水没林や孤島のモンスターたちを専門に相手取る。むろん、別に地上戦が苦手なわけではない。それでも、わざわざ水中まで追いかけて仕留める姿を見て、無謀だクレイジーだと揶揄する輩は実力で黙らせてきた。

「いつでも帰ってくるがいい。ここはもう、お前さんの家なのだから」

「うん、ありがとう。村長」

 モガの村は好きだ。村のみんなも好きだ。この海に骨を撒いてもらうのも、吝かじゃない。でも、私は行く。アイツが行くなら、私もいかなきゃ。「風絶ち」は何度となく狩場を共に駆け抜けた戦友であり、好敵手だった。まだ、あのときの借りを返していない。お互い、いつ死ぬかもわからない身だって、理解してる。でも少なくとも、私の知らない所で死なれるのは、許せなかった。

 

 タンジア港で「災厄払い」とあだ名される彼女は、不死の心臓さえ貫いた相棒のランスを担ぎ、船を漕ぎ出した。

 

 

***

 

 

「早いね。もう発つのかい」

「うん。居ても立ってもいられなくてさ。オレだけ乗り遅れるなんてな、御免さ」

「お前さんなら、まぁ、大丈夫だろうよ」

「おうとも。村長のお墨付きがあれば、百人力だ」

 無骨な大剣をひょいと担いで「神を凌ぐが如き人(カムイクㇱコラチアンクㇽ)」は朝焼けの中を悠々とあるき出した。

 しかし、砂漠か……暖かいところだよな。美味しいものあるかな。ガレオスの肝とか良いな。熱帯イチゴも食べたいな。楽しみだな。

「また、食い物のことを考えているんだろう」

 凛としてニャンとした声が耳朶を打つ。振り返らなくても、誰だか判った。

「今朝は早いな、ネコートさん」

「やぁ。君が発つと聞いてね。餞別だ」

 丈夫なゴーグル。吹雪の多いポッケ村では必需品だが、きっと砂漠でも役に立つだろう。砂嵐が酷いらしいし。

「よく知ってたな?今から行く所」

「なに、大陸中で話題さ。腕利きたちが、こぞってあそこを目指してる。あの土地近辺で、大きな何かが蠢いているぞ、ってね」

「大きな、何か、かぁ……。楽しみだ」

「食いでがありそう、とか思っているんじゃないだろうな?」

 半分は図星。でももう半分は、別の意味がある。もう二度と手が届かないと思っていた、導きの蒼き星。新大陸に旅立った憧れの彼女に、会えるかも知れない。

 

 黒と白。二柱の神を屠った男は、少年みたいに目を輝かせ、もう一度朝焼けに向きあった。今度こそ、想いを伝えるんだ。そのために、強くなった。

 

 

***

 

 

「聞いたかい?禁足地、だとよ」

「他人事とは思えないニャル」

「そうか、そう思うか。お前さんは?」

「ええ!どんなモンスターがいるのか、興味は尽きませんね!」

「そうか、そうか。そう思うか……皆、こう言ってる。どうだろう?」

 どうだろうも何も、俺の反対意見なんぞ、なんとな〜く受け流して、船の進路を決めるクセに。加工屋の旦那と苦笑いして、肉を焼く。

 いや、本当に懐かしい。このメンツが集まるのはいつ以来だろう。エイデンくんを新大陸に送り出したのは……3年前くらいか。

 遠い砂漠、隔ての砂原と呼ばれる土地に「生きた砂嵐」が吹き荒ぶという。団長の経験則からして、未知の古龍ではないか、と。看板娘は目を輝かせ、竜人商人は商売っ気を滾らせ、料理長は砂漠の食文化に興味を示した。何であれば加工屋の旦那さえ、新たな防具が云々……とか呟いている。

 俺は……まぁ、勿論というか、正直、ワクワクしている。伊達にパンツ1丁でダレン・モーランに立ち向かっちゃいない。向こう見ずの無鉄砲は、子どもの頃からだ。ハンターの寿命はどうせ短い。それならせめて、好きなことを好きなだけやって死にたいと思う。

 

 「輪廻を絶った男」「蛇帝降し」「巨戟殺し」「バルバレの樹海マニア」「偵察で討伐しちゃうヤツ」「人類の極限個体」……妙にあだ名の多いこの男には、あだ名の数と同じだけ色々な実績があった。

 初めて赴く場所は、操虫棍を担ぐに限る。相棒のオオシナトを腕に捕まらせた『我らの団』専属ハンターは、こんがり肉に齧り付いた。

 

 

***

 

 

 集会酒場『ホーンズ』のカウンター。マスターとバーテンダーが、グラスを挟んで世間話をしている。

「彼女が、出るらしいですよ」

「そうでしょうね。何となく、わかってはいたわ」

「追いますか?」

「それも良いわね。けど、彼の地の砂嵐は、生きているとか」

「生きている?」

 怪訝そうな顔をして聞き返したバーテンダーを、面白そうに眺めてマスターはグラスを傾けた。

「時々聞く話よ。古龍は、存在そのものが"自然現象"とでもいえる存在。砂嵐を司る古龍がいてもおかしくはない……あら、美味しいわね、これ」

「新大陸から、わざわざ取り寄せたんですよ。スターブランデー……新大陸調査団の開発したものらしい」

 燃料が保てば、こっちから買い付けに行くのにネ、と呟いたマスターにバーテンダーは苦笑いを返した。あの航路は、古龍渡りのメインロードだ。空など飛ぼうものなら、あっという間に墜落させられてしまいそうだ。

「それなら、あの娘に護衛してもらうわ」

「いや、流石に……うーん」

 無理だろう、と断言出来ないのが恐ろしい。奈落の妖星も、災厄の凶星も、要塞に座す女王も、等しく打ち抜いて見せた。

 彼女は、既に禁足地へと向かった。かつて、我らの仇「鏖魔」すらを討った天下一品のハンターは、彼の地で何を狩るのだろう。もう引退した身だが、頼もしい後輩の行く末を見守ることができる。この職業は天職だと改めて思った。

 

「しかし、砂嵐か。いささか相性が悪い」

「そうね。いくらなんでも飛行船だと、ね」

 ついて行くのは、難しそうだ。ならばせめて、我々の分身とでもいえる相棒の武器を託したいところ。

「あ、そうそう。何でもあの辺りのハンターは、狩場で武器を持ち替えてるみたいよ。複数の武器を使うのが当たり前だとか」

「へぇ…!時代は、変わるものですね」

「そう。老兵は見守るばかりよ」

 

 集会酒場のマスターはいつもよりほんの少し、ペースが早い。「二つ名狩り」の異名をもつ太刀使い――龍歴院の隠し玉に任せておけば、どんな事件も解決出来る。そこは揺らがない。ただ、近くで見守れないのが、少し寂しいのだ。

 

 

***

 

 

 百竜夜行を鎮めて、1年と少し。深淵の悪魔を討ち倒し、王国の危機を救って半年。噛生虫の騒動がやっと収まってすぐの頃。カムラの里の「猛き炎」は竜人族の受付嬢と話していた。

「んー……行かない。カムラに残るよ」

「よろしいのですか?世界各地の強者たちには、軒並み声がかかっているとか」

「全員が行くわけじゃないよね?きっとその土地の人を守ろうとするハンターだっているよ」

「ええ。きっと……」

「私は、そっち側」

「左様ですか」

 いつもは表情の薄い受付嬢も、いくぶん柔らかな顔つきになった。「猛き炎」は決して気が向かなかったのではない。彼女はただ、理解しているだけなのだ。

 世界は繋がり、連なっている。王国の異変が、大社跡に氷狼を齎したのと同じで、彼の地での異変はきっと世界各地に何らかの影響を及ぼすはずだ。それを受け止めるのは、きっとハンターの仕事だ。少なくとも、私の居場所は自分で守りたい。だから、行かない。

 彼女はもう、自分の帰る場所を理解していた。

 

 

***

 

 

 規則正しく揺れる船の上。「導きの蒼き星」はその心地よい揺れに体を預け、うたた寝をしていた。胸の辺りに収まって、同じく眠っていたオトモの耳が、ひょこんと立った。ふさふさの柔毛が顔を撫で、ふと意識を取り戻す。港が近いようだ。緩いまどろみの中で、幼馴染を思い出した。

 そういえばアイツとも、こんな風に並んで眠ったっけ。

 今は、何をやっているのだろう。体が大きくて腕っぷしは強いが、気が優しくて少なくともハンター業は向いてないだろうと思っていた。でも久しぶりの手紙に「雪の多い土地でハンターをやってる」なんて書いてあった。多くは語らない質だから、詳しいことは判らなかったが、なんだかんだ元気にやっているのだろう。

 

 声がかかった。陽気な推薦組と「将軍」から。断る理由はなかった。調査団のみんなとはしばしの別れ。新しい土地、新しい狩り、そして大陸中の強者たち。伝聞だけでワクワクする。新大陸に向かう船に乗った時以来だ。

 

 新しい野生の中で狩りが始まる。

 

 




書きたい奴リスト(すべて導入部のみ)


猛き炎vsオストガロア

二つ名狩りvsダラ・アマデュラ亜種

神を凌ぐが如き人vsガイアデルム

導きの蒼き星vs百竜夜行

我らの団ハンターvsアマツマガツチ

風絶ちvs百竜の淵源

災厄払いvsゴグマジオス

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