CSI:クラナガン   作:アイバユウ

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新暦76年4月1日午後05:10

 

午後05:10 東区中央部 中央パトロール東分署庁舎 6階組織犯罪課オフィス

 

カレンとフェイトは携帯情報端末に保存されていたデータを見てかなり呆れていた

時空管理局の暗い過去がかなり詳細に記録されていた

これだけの事実が露見したら時空管理局犯罪捜査局は必ず捜査権を主張してくる

だがこちらにもこの4兄弟を裁きたい。できることなら司法取引などをさせることは避けたいが、

時空管理局犯罪捜査局は司法取引をネタに情報を引き出そうとしてくるだろう

それはFBIも同じである。両者はともに腐敗排除のために必要な情報を得ようと手段を問わないで行動してくる

そんなことは容易に想像できる。司法取引に徹底的な情報戦が始まることがわかる。

管轄権は中央パトロールからFBIと時空管理局犯罪捜査局に移行することは間違いない

あとはこちらの管轄権はない

 

「この事件の捜査は私たちは縁がなさそうね」

 

「どうしてですか?市内の事件ですよ」

 

「FBIと時空管理局犯罪捜査局に恩を売っておくにはちょうどいい機会よ。ここは素直に引き渡したほうが良いわ」

 

恩を売っておいた方が別の事件でいろいろと回収することができる

さらに捜査は円滑に行えるように情報提供をしてもらえる

 

「とりあえず、この情報をコピーしてこちらの情報として確保しておきましょう」

 

カレンは証拠品である携帯情報端末に入っているデータを全てメモリカードにコピーした

それはこちらで預かっておく。証拠として。携帯情報端末そのものは証拠品として扱う

その証拠品はFBI達のものなのでこちらはデータだけあれば問題ない

そこにFBI連邦捜査官であるガルード・ケッスがやってきた

 

「ガルード。相変わらず仕事が忙しそうね」

 

「まったくだ。時空管理局関係の案件で連携することが多すぎて大変だ。それで今回もその案件のようなものだろ?」

 

「大当たりよ。でも今回はHRの組織に切り込める証拠品を押収することができたわ」

 

カレンは証拠品である携帯情報端末を見せた。内容の情報を見てかなり驚愕な表情をしていた

 

「これだけあれば時空管理局の暗部にさらにメスを入れることができる。今回の案件をこっちでもらうがいいか?」

 

「異論はないわ。報告書だけをこちらに回して」

 

「了解した」

 

カレンとフェイトは引き上げることを決めた

捜査権限引き渡し書類を作成して互いにサインをすると事件の引き渡しを完了した

 

「今日は素直だな」

 

普段なら簡単に事件を引き渡しなどはしないことである

 

「疲れているのよ。休憩なしで事件を何件も担当している。少しは休憩を取りたいからあとは任せるわ」

 

そう言うと2人は刑事課のオフィスを出て行った

 

「あんなにあっさりと事件を引き渡して」

 

「良いのよ。休憩を取りに行きましょう。1階カフェテリアで食事でもしましょう」

 

2人はカフェテリアがある1階に向かった

そしてカフェテリアで簡単な食事を食べることにした

 

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西区中央部 中央パトロール西分署庁舎 6階刑事課取調室

 

フィリーは完全黙秘のエレオノール・シュバルスを崩すための何か良い証拠がないか再検証していた

些細な穴でもあればそこから一気に証言が漏れてくる。その些細な穴を見つけるのが最も難しいのである

 

「何か証言を引き出すものがあれば良いけど」

 

なのはも証拠になりそうなものを徹底的に調べていた

殺人の容疑もかかっていたが確かな物証は何もない

トービー・オリッサスは爆破されて完全に証拠になりそうなものは何もない

となると別の角度から証拠を検証するしかないのだ。

何か相手から証言を得ることができるためのきっかけが、あれば良いのだが今のところは何もない

 

「これだけ何もないのは大変ね」

 

身柄を拘束した時に持っていた物は数万ミッドが入った財布と免許証などのIDだけである

さみしいものである。逃亡生活するしか道はないことは明らかである

とにかく市外に出ることを考えていた。それだけだろう。

クラナガン市外にさえ出れば逃げるのは比較的容易だと考えたのだろう

仮に市外に逃げたとしても簡単なことではない、長距離の乗り物に乗り込むときには身分を証明するIDが必要になる

まぁたいていの長期間逃走犯は精巧に偽造されたIDを持っている

それで長い間逃走生活することができる。偽造IDは精巧なものほど高値になってしまう

それだけに安い金額で手に入れることはできない。フィリーはあることを考えていた

冬を越すためにどこかにドングリをため込んでいるのではないかと

金がなければ逃走生活はできない。どこかに隠しているはずだ

 

「なのは。エレオノール・シュバルスの金融情報を調べて。どこかに大金を隠しているかもしれないから」

 

「わかりました」

 

フィリーも同じように金融情報にアクセスして金の流れを探した。

 

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東区東部セントラルクラナガン空港 セントラルカジノノース地区7番街2丁目と3丁目の間の通り

 

サイノスとティアナのコンビは通りの路肩に車を路肩駐車して待機していた

 

「カジノ街は事件が多い地区だから警戒をしないとね」

 

「だから張り込みですか?」

 

ティアナはもっと活躍したいと言いたいようだが、サイノスは張り込みも立派な仕事だよと伝えた

確かにカジノ街地区は事件が多い。欲があふれている地区なのだから当然である

 

「ティアナ。パトロールやはり込みも立派な僕たちのお仕事なんだよ。そのあたりをしっかり理解しておかないと」

 

「はい」

 

「今はこの任務を遂行するだけ。もしかしたらとんでもない大騒動になることもあるかもしれないのだから」

 

『トントン』

 

運転席側の窓ガラスをノックされた。ノックしてきたのはコンウェイ・モリルトンである

サイノスは運転席から降車して話をし始めた

 

「そっちはのんびり休憩中か?」

 

「まさか。パトロールを兼ねた張り込みだよ。コンウェイこそどうしたのかな?」

 

「ちょっと気になる情報を入手した。セントラルカジノのカジノ店を襲うとのタレコミだ」

 

「それは気になる情報だなね。何分前の話?」

 

「10分前だ」

 

カジノでの犯罪で最も多いのは強盗である。カジノがある店舗には常に1億ミッド以上の現金がある

もちろん警備のために中央パトロールのパトロール捜査官が派遣されている

これはカジノを運営しているホテルとしても拳銃を持っている警備スタッフとしてほしい人材である

一方の中央パトロールとしてもカジノで強盗事件を起こしてほしくないという考えがある

相互の利益が一致したため、1つのカジノ店には基本的には10人以上のパトロール捜査官が派遣されている

 

「了解。こっちでも警戒してみるよ。情報提供感謝する」

 

「言っておくが警戒しておけよ。今は何が起きても不思議じゃない」

 

「そのくらいわかっているよ」

 

サイノスはそう言うと車内に戻った

同時にラジオでニュース専門チャンネルに合わせて聞いていた

 

『ワンワールドバンクが発行していた時空管理局債は紙くず同然になり、老後生活資金を失った退役時空管理局員は犯罪に走る傾向が増加しています』

 

『一方で政策金利がさらに引き上げられる可能性があるという金融市場の思惑から通貨ミッドが買われる傾向にあります』

 

『一部金融関係者からはミッド高を容認しない方向で連邦政府と連邦準備銀行が動くのではないかと危惧しています』

 

「為替介入に踏み切ったら金融市場は荒れ狂うだろうね」

 

「そんなことも把握しないといけないんですか?」

 

ティアナの質問にサイノスは捜査官はあらゆる情報を記憶することが求められるんだから当然だよと回答した

ほんの些細な情報が大きく捜査の行く末を変えることもあるのだから当然である

管轄と違う情報でも把握するのは捜査官として必要なのだ

 

「金融事件を担当することもあるしね」

 

あれだけは面倒なことこの上ないけどとサイノスは漏らした

金融犯罪は書類とデータとの戦いである。金融データをひたすら見続けるのだから疲れてしまう

 

『東分署から各員へ。セントラルカジノ地区と近隣地区の警戒レベルを引き上げる。警戒レベルをイエローにする』

 

何も脅威がない時はブルーである。その一段階上がイエロー。

さらに上がオレンジ。最高警戒レベルがレッドである

 

「イエローにからオレンジにならなければ良いけど。問題は避けたいからね」

 

サイノスはそう言うと再び車内から張り込みを続けた

 

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北区南部 ノースクラナガン堰(ノースクラナガン水力発電所)

 

エディ・サンチェスは不法侵入の報告を受けて駆け付けていた

 

「この発電所へ不法侵入をしようとするとは根性があるな」

 

市内にあるノースクラナガン川を水源としているノースクラナガン水力発電所、

クラナガン川を水源としているクラナガン水力発電所は市内の電力供給にとって最も重要な発電所である

市内の非常用電源の電源であり、一般の電力回線とは独立している

他の発電所がすべてダウンした時に市内の医療機関・連邦行政機関・市政府行政機関など、

最低限必要なライフラインに電力が供給される。もちろん信号や街灯なども含まれている。

さらに市内にあるさまざまな火力発電所などの種火代わりの電力源としても機能する

それだけに警備は厳重だ。そんな施設に不法侵入されたら大騒動になる

今回はセキュリティに阻まれて無理だったがいつかは成功するだろう

その前に逃げた奴を捕まえないといけない

 

「エディ・サンチェス捜査官。顔認証ヒットしました。名前はブラスト・ミッチ。ワンワールド警備の元社員です」

 

警備会社に属する時は指紋と顔写真の登録が連邦法で義務付けられている

だからこそデータベースが存在する。その報告を受けてエディは表情を変えた

背後にワンワールドグループ企業の関係者が絡んでいるとなると慎重に対応しなければならない

 

「これは慎重に捜査をしないといけないな」

 

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