午後05:20 西区中央部ノースウエストセントヘレンズ地区1番街3丁目1番地 グラスト銀保管センター
「入れるんですか?」
なのはの質問にそのための令状があるのよとフィリーは言った
ここは銀を専門に保管している施設である。ちなみに防犯上の関係からパトロール捜査官が数名配置されている
こういったところは狙われやすいからである
「中央パトロールよ。裁判所から令状があるわ。エレオノール・シュバルスが預けている資産を確認したいの」
管理人にフィリーはバッジと令状を見せると管理人1人であるの男性が素直に厳重なドアロックを開錠した
そして2人は中に入っていった。この銀保管センターは20階建ての建物である
保管している銀の量は総額にして時価総額で数千兆ミッドにもなる
そのため警備は極めて厳重である
「ここの銀保管量は相当な量ね」
管理人の男性は我々にとっては重要な資産家から預かっている資産ですからと発言した
ここである人物とあってしまった
「あら、カリー。どうしてここにいるの?」
「フィリーこそ。何をしに来たの?」
カリーとシグナムがある人物が借りている銀保管室の部屋の前にいた
フィリーには関係のない人物のものではあったが
「私は押収に、差し押さえに来ただけよ」
「こっちはある人物が業者から得た資産が銀のインゴットになって保管されているとの情報を得て確認に来ただけよ」
インゴットにすれば簡単にマネーロンダリングに利用できる
「その人物の名前は?」
「マーヴェズ・タックリ。64歳。今は拘置所に収監されているわ」
フィリーは携帯情報端末で確認した
マーヴェズ・タックリは時空管理局在籍時代に業者から多額の資金をインゴットにして保管している
利口な人間である。資金で持っているよりもインゴットで保管している方が簡単に様々な形で資金に変更しやすい
「また退役時空管理局員がらみ?」
「そんな感じよ。そっちは?」
「似たり寄ったりかしら」
フィリーが扱っている案件も退役時空管理局員関係でもある
「こちらです」
管理人の男性が金庫のかぎを開けた
そこには大量の銀のインゴットがあった
「すごい量ですね」
「想像していたよりも少ないわね。台帳はあるかしら?」
フィリーは思っていたよりも少ないことに疑問を感じていた
これでも数千億ミッド分も銀のインゴットがある。それでも奴にとっては少ないはずだ
「台帳によりますと2週間前に別の場所に1兆ミッド分の銀インゴットを移した記録があります」
「押さえられていることは想定済みか。運び先は?」
「記録によると自宅になっています」
そんなバカな話はない。1兆ミッド分の銀のインゴットをどこかに隠したのだろう
こちらが押収されても他のものは押収されないようにと。それとも何かの支払いのために売ったのかもしれない
「ここにある銀のインゴットは押収するわ。当分の間は誰も入れないで」
わかりましたと言うと管理人はロック錠をかけて封印した
これで裁判所の許可なしに開封することは許されないことになる
「1兆ミッド分の銀インゴットを追いかけるしかないわね」
「簡単に見つかりますか?」
「それでも追いかけるのが仕事よ。無理なんて言葉は言わないのが私捜査部捜査官の仕事なんだから」
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東区東部セントラルクラナガン空港 セントラルカジノノース地区7番街2丁目と3丁目の間の通り
「それにしても敵もかなりの武器を持っているね!」
サイノスは銃撃戦の最前線で戦闘していた
彼にとってはこんなことは慣れっこなのでそれほど気にしていないが敵はかなりの武装をしている
アサルトライフルの銃弾をあちこちに撃ちまくっている
どんな被害が出ようと気にするつもりはないらしい。面倒な『来客』とかち合ったものだ
「SA25から東分署。ありったけの部隊を集めて!連中はかなりの重装備をしているもよう」
『こちら東分署。了解。すでに港湾パトロール海兵隊20人が向かっている。現場制圧に協力してくれるとのこと』
地上戦闘のエキスパートである彼らの協力が得られるなら心強い応援である
戦力としてはかなり期待できる
「それまではこちらで粘る」
海兵隊員が20人も来てくれるならこれ以上ない強力な戦力である
彼らがいればどんな戦場でも戦えると言える。
サイノスは港湾パトロール海兵隊で3年間鍛えられてきたので彼らの強さはよく理解している
「早く来てくれると嬉しいな」
そこに4機のヘリからロープで降下してきた港湾パトロール海兵隊20人が一斉に戦闘に参加した
結果はすぐに圧勝であった
「全員突っ込め!」
勢いに任せて突っ込んで身柄を確保した。カジノ強盗は全部で8人
武装にはさらにRPG-7対戦車ミサイルまでもっていた。これが使われていたらどうなっていたことか
「とにかく現場制圧は完了だね。あとは鑑識作業だけど。カジノ側は嫌な顔をするだろうね」
しばらくの間はカジノは営業できないからだ。こればかりは仕方がない
サイノスはティアナを無線で呼ぶと捜査キッドを持ってくるように言った
2人分の捜査キッド持って現れたティアナと一緒にホテルのカジノフロアに向かって行った
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北区南部 ノースクラナガン堰(ノースクラナガン第1水力発電所) 内部
エディ・サンチェス捜査官は発電所内に異変がないかチェックしていた
危険物センサーにも何も反応しない。爆弾があるわけではない
ではなぜここに来たのか。何か思惑があるのかもしれない
水力発電所内だからといって大きな水音が出ているわけではない
静音型発電タービン水車のおかげでほとんどの音は吸収されている
おまけに少量の水で効率よく発電できる水力発電システムを導入している
おかげで発電所タービン室内は比較的静かな部屋である
「何もしかけていないだろうな」
念のため水力発電所内の警備室に向かって行った
この発電所には発電装置を管理する数名の人間に警備のパトロール捜査官数名が常時配置されている
室内に誰かが侵入されたすぐに気が付くはずだ
警備室にいるパトロール捜査官に確認したが何も不審人物はいないとのことだった
だが念のため確認作業を行っていた
「本当に何もないかな」
2000万KWの発電能力がある重要な発電所である
「何もないな」
エディは警備室に向かった
「捜査部捜査官のエディ・サンチェスだ。監視カメラの映像をもう1度確認したい」
警備室には発電所やノースクラナガン席周辺の監視カメラの映像が記録されている
「何かあれば良いけど」
監視カメラの映像をチェックするとあるものを見つけた。
堰の下流側にサッカーボールのようなものが映し出されていた
ブラスト・ミッチがわざと放り込んでいた。明らかにである
「何かを投げ込んだな。回収するしかないな」
森から針を探すようなものだ。それでも探すしか道はない。
もしサッカーボールに爆弾があれば最悪な結末を迎えることになる
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中央パトロール本部庁舎 8階捜査部取調室
レックスは幼い子供を相手に取り調べをしていた
子供の名前はレナルド・ガリティ。10歳。幼い子供が相手となるといろいろと面倒になる
「君が人を殺したことを認めるのかな?」
「認めます。あのおじいさんに撃った時、胸から血が出てきたんです」
僕は人殺しになってしまったんですと絶望的な表情をしていた
今その場所に行って確認作業をしてもらっている。もし本当に死体があれば殺人罪だが、あの銃はペイントガンだ
「あの銃をどこで拾ったのかな?」
「公園で拾ったんです。打つマネをして遊んでいたらおじいさんの胸に当たって胸から血が出てきたんです」
もう僕はおしまいですとレナルド君は絶望的な顔をしていた
『ピーピーピー』
ちょっと失礼するよと言うとレックスは取調室から出た
「どうだ?」
『ホームレスの男性ですが生きてます。ただのペイントガンです。今救急隊に確認してもらっていますがどこも異常はないそうです』
「わかった。感謝する。念のため着衣を押収してきてくれ。こっちのペイントガンのインクと一致するか照合したい」
『了解です』
これで殺人罪も殺人未遂も成立しない。ただのいたずらとして処理するだけだ
レックスは再び取調室に入るとレナルド君にやさしく声をかけた
「君が撃ったのは運がよかったようでペイントガンだったそうだよ」
「ペイントガンですか?」
「そうだよ。インクがただ飛びついただけ。君は誰も殺していない。でもいたずらでもこんなことをしてはいけない」
わかったねと言うと彼は涙を浮かべて分かりましたと返答した
これで捜査部の取り調べは終了だ。あとのことは未成年犯罪捜査課に任せることにした
殺人でもなければ傷害事件でもないのだから。ただのいたずらだが少し悪質だ。
両親に来てもらってしっかりと説教をしないといけない。その役割は未成年犯罪捜査課の担当だ
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