メダリストの世界に篠澤広がいたら…という作品です。
思いついた時にはもう行動は終わっていました。クオリティは…
【挿絵表示】
画面越しに見るその姿が私の心をギュッと掴んで、離してくれなくて、ずっと頭の中に残り続ける。
なにかボタンをかけ間違えれば「一番星」にすらなり得たその少女は微笑む。
「私も…あんなふうに……」
「えーっと…えーっと。」
足を動かして氷の上を滑る。本だと…こうだったよね。えーっと…
「いて」
まただ、また転んじゃった。まだうまく滑れない。私も他の子と同じくらい滑れるようになりたいのに。だめだなぁ。あそこにいる子すごいなぁ、私より小さいのにもうあんなに…。もっと頑張らないと、追いつかないと…。
「もういっかい…!」
私はずっと遅れてる…。もっと練習を増やせば…!立ち上がり前を向いて滑ろうと………「うわっ!」
『ドスッ』
『あわぁわ…』…誰かにぶつかっちゃった!ごめんなさい!
「ふふ……ままなら無いね……………………。」
『きゅう』
「はぁ…はぁ…」ど どうしよう… どうしよう どうしよう「はぁ…はぁ…」なんとかしないと…
「うぅ…死なないで…死なないで…」
ステージの外に連れ出す。どうしよう……
……!リュックに麦茶…。
————————————
「
「がはっ…」
『カヒューカヒュー』
「…………もう大丈夫だ…べべべべばぶべぼべ《『ビチャビチャビチャビチャビチャビチャ』》」
「!」
「ゴフッ…ガハッ…グッ…グエッ……っふう…死ぬかと思った。」
「ごめんなさい!」
「大丈夫。心配しないで、死んで無いから。」
「死んっ…」
ごめんなさい。そう思い顔を覗くと、目の前の女の子は笑う。その顔が…
「私の名前はシノサワヒロ。あなたは?」
…雪みたいな体に細い腕、足。妖精さんみたいで…とっても
「きれい……」
「えっ。」
「……?」
「………………そんなに真っ直ぐ言われると……ちょっと恥ずかしい…。」
「?………えっ…あっ!ごめんなさい!」
口にでてた?!恥ずかしい……。
「えっと…名前。聞いてもいい?」
「あっ。えっあっ。…結束 いのりです。」
「いのり。…いのりってこの辺に住んでる?よくここにく来る?」
「そう…だね。」
胸にチクリと針が刺さる。本当は
「ならちょっと聞きたいことがあってね。」
「
「アケ、アカ…
「ふぅ……そっか、ありがとう。」
そう言ってヒロちゃんは立ち上が『バタン』
ろうとして倒れてしまった。
「うぅ…寒い………」
「篠澤広」ちゃん。広ちゃんもスケートをやりたくてここにいるらしい…あと探してる人がいて、その人のスケートを見てやりたくなっちゃったって…。なんかかわいい。
私が練習するときに広ちゃん時々会うことがあるけど、靴を履いて歩くのすら難しそうにしていた…。でも氷の上で滑れた時の顔がかわいくて…。えへ、えへへ。
でも…昨日広ちゃんに…おじさんにミミズ渡してる所が
「こんにちはー。ちょっとごめんね、確認したいことがあって」
えっ、あっえっ。あああ……ぁぁああああ!!
「————————————」
やばいやばいやばい…
走る走る走る。まずいまずいまずい。こうなったら…
「ってぇぇええええ!!!!!!!」
「!…いのり。その…昨日は…。」
ひろちゃん!!!!!ぶつかる!避けないと!ってやばい。
「ぷえ。……うっ……。」
避けたのに…転ぶなんて…
「いのりっ…!大丈夫…?」
「きみぃいいい!!!大丈夫?!!!」
やばい…追いつかれた。もう終わりだ。助けて広ちゃ…
覗き込んだ少女の顔はいつにもなく真剣であった。
「明浦路…司………やっぱり……ここに…!」
少女がふと呟いた。
「……………………」
『ポカン』
と間の抜けた音が鳴りそうな程に私とオジサンは変な顔をしていた。
ー ー ー ー ー
「とにかく君!もうそんな事しちゃだめだよ!わかってるね!」
はい……ごめんなさい。
「って…その雑誌…」
私の…
「ーー年発売のスケートの雑誌。」
「君も知ってるのか!へー。最近の子は…………。」
見られちゃった見られちゃった見られ…
ー ー ー ー ー
「…これが俺が知っている名古屋のSFCと連絡先だ。クラブにはそれぞれ個性があるから相性の良さそうなところに連絡してもらいな。」
「はっ、ハイ!」
このおじさん…いいひとかも。
「……その、えっと。あなた…は、明浦路司…さん?であってる。」
?広ちゃんがすっごく真面目な顔してる。かわいい…けどかわいくないというか。
「えっと…そうだよ。僕に何か用事でもあるのかな?」
「……一つある」
「私のコーチになってください。片手間でもいいから…」
「ごめんね、実は僕はコーチをやってな「知ってる。」
……ぇえ?」
「コーチじゃ無いのも…知ってる。今頑張って仕事を探してることも…あなたの事は…全部調べた。」
え、広ちゃん…それはストーカーじゃ…。
「私、今別のクラブにいる、けどあなたに教えて欲しい。」
「いや、でも……って6時!まずい!」
「じゃあね!君たち!特に君!5年生なら選手目指すにはギリギリだぞ!しっかり親御さんに相談するんだよ!」
「俺がこの子のコーチとしてスケートを教えます!」
「よろしくお願いします!!!!」
「そこまで先生が……おっしゃるなら…」
「やったー!!!!!!」
オジサン…!
⬜︎ ⬜︎ ⬜︎
決心する。たった一言、彼に言う言葉を心の中で何度も何度も反芻する。
よし…
「明浦路司…さん。」
「どうしたの?」
「私のコーチになって欲しい…。」
「親御さんの許可は?」
「とってる。」
「前も言ってたよね。そこまで俺にこだわる理由は「あなたの事が」」
「あなたの姿が忘れられないの。全日本選手権…アイスダンスで………。昔の記録も見た、全部」
告げる。心から溢れて止まない言葉を。憧れを現実にするために。
「あはは。あれ見てたんだ。それなら分かってるはず。ダンススケートは瞳さんの実績だし、なにより瞳さんの指導で全日本大会に出てる子も…」
息を呑む。肺に暖かいだけの空気が流れ込む。
「それでも、あなたがいい」
一年と少し後…いのりはバッジテスト5級に受かっていた。
そのころ私は…
「広ちゃん!」
「やっほ、いのり。見て見て。「2回転ルッツ」」
『ふふん』
スケートのおかげで足も腕も筋肉がついたし…。1日で2回分くらいなら演技できるくらいにはなった。
「広ちゃんすごい!かわいい!」
いのりは変わらずずっと友達だし…
「笑顔が女神!」
司も…私を気にかけてくれてる。
でも、司には私だけを気にかけて欲しい。でもいのりの邪魔は絶対にしたくない。でも…
「篠澤さーん。大会に向けて練習頑張りましょ。」
声をかけられる。瞳先生だ…。
「うん、がんばる。」
「じゃあね、2人とも」
いのりと司と…どんどん離されてる気がする。このままだと、いけない。
勝利も、先生も…どっちも取るのは難しい。でも、楽しい。
待っててね。初めての勝利、とってくるから。
私は名港杯に向けて練習をし始めた。