YAMA育ちが行く人理修復の旅【現在一部五章完結済み】 作:柳瀬塔矢
夢を見た。これが夢である、という保証はないが。それでも、これはきっと夢なのだ。
マスターとサーヴァントはお互いの夢を見る。それは過去の景色であったり、心象風景だったりするのだが。立香は余り見ないそうだ。真名解放しても変わらないのならば、ギャラハッドに会うまで見る事はないのだろうか。それとも、カルデア式の契約では夢を見ないのだろうか。
答えは分からない。が、今のこの景色は夢なんだろう。という、謎の確信がある。
アズライール。山の翁教団の始祖。死を告げる天使の名。恐らく、最もグランドに相応しい人物。だが、この景色は何だ?何故カルデアが見えている?何故、死ぬ予定の人間がまだ生きている?マシュのその姿は・・・パラディーンか?
「夢で交信しているのか」
「らしいな・・・なんだ、ここ。酷く歪で、酷く美しい。まさにコレは最悪だな・・・」
「最悪、か。確かにこの惨状を作り出した存在は正しく人類悪なのだろうが、反面人類愛も持ち合わせている」
「報酬、か。人類を、人理を。そんな途切れてはならない繋がりを、時の流れを守り紡いだのならば。いずれ来る鋼の大地から隔離する事すら厭わない、と言うわけか」
「このカルデアはとある一秒の間に固定されている。それが可能は存在は少なく、また、心当たりも存在しない」
「・・・普通にクトゥルフ系統なんじゃないの?やらかせる神格とかは思い当たる節あるし。そりゃあ人理焼却とか漂白とかされたらキレるでしょ。それにアイツらはアイツらなりにヒトを愛している・・・いや、愛してるのか?保護してる神はいれども愛してる神・・・?」
ならば違うのか?この手のやらかしって結構アイツらだと思うんだけど。
「そもそも、今のこちらのカルデアは三女神による試練に遭っている」
「三女神・・・どの三女神だ?」
「ウルズ、ヴェルサンディ、ノルンの三女神だな」
「そこかぁ・・・これまためんどくさい所が攻めてきたな・・・」
座に干渉してデータ引き出すか?いや、もし座を介さずに出て来てたら厄介だしやめておくか
「そもそもの話。貴様が誰なのか。よく分からんのだ」
ん・・・?どう言う事?
「先に言っただろう?ログがない、と。恐らく俺のいた異聞帯に於いて、貴様は存在していないのだ」
そういうこと・・・!?えぇ・・・まぁあり得るよ?俺がそもそも異聞帯の存在なんだからそれまでに剪定されしまえば消えるってのは分かるけどさぁ・・・
「じゃあそもそもコレからどうなるかも分からないんじゃん・・・」
どうするべきかねぇ・・・ま、今の予定から変更はないんだろうけど。とりあえずまずはこの特異点を攻略。その後カルデアのレイシフトを用いてバビロニアに突撃。聖杯回収次第最終目的地へと突撃。んでカルデアスの確認と調整を済ませつつ一度里へと帰還し漂白を耐える。あとは流れだな。人理障壁とか発生しかねない事態だしどうなるのやら。
「というかこのカルデアおかしくない?なんでロマニ生きてるのさ」
「それはウルズの仕業だな。ウルズは試練と称して人理焼却解決の一年間を繰り返させた。その結果一時のみではあれどDr.ロマンが残ってしまったのだ」
「なるほどねぇ。まぁ俺がいないって事はソロモンの名前を明かしたのはゲーティア戦だろ?て事はまた指輪を返却したな?はぁ・・・てことはその対策もする必要あるんじゃんめんどくさい・・・」
「この程度の推測なら出来ると思っていたのだが、用意してなかったのか?」
「まぁ、そりゃな。指輪が揃った時に何が起こるのか俺は分かってない。奇跡を起こせるのだろうが、それがどの程度の奇跡なのか分からない。ましてや神に指輪を返却すると何が起こるのか。霊基に対する干渉程度までは読めるがその先が分からない。だから推測もしなかった」
まさか霊基返却とか。予想出来るかよ普通。頭おかしいじゃねぇか
「というかマリーのあの姿何?ハロウィン?」
「アレは獣だ」
「ビーストォ・・・!?いや、なんで!?なんでそうなるの!?」
「流石の貴様も驚くか」
「そりゃあそうでしょ!なんで!?幾らマリーだからって人類悪にはなれないでしょ!力が足りない!それならまだ俺の方があり得る!俺は俺で人類愛を持てないけど!」
「詳細は俺も知らぬ。だが、アレは獣だ。座がそう言った」
「座がそう言ったのね・・・あー・・・なんとなく理解出来た」
アレか。俺がそもそも最初からいなかった結果、冬木にてマリーはカルデアスに取り込まれたのか。まぁマリスビリーがそれを狙ってた節はあるししょうがないんだけど。
そしたらどうなるんだ?取り込まれた所でそんなに急激に霊基が変わるなんて事無いと思いたいんだけど・・・
というか人類が倒すべき悪なの?マリーって。どうもそう考えられないんだよなぁ。人類を愛してるのかは分からないけど。
「カルデアスってもしや俺の想定してるよりかなり性質が悪い・・・!?そうとした考えられない・・・!何があったらマリーが人類悪になるんだよ・・・!」
「ほう、貴様はオルガマリーと親しいのだな?」
「まぁな」
「では彼女を愛しているのか?」
「───分からない。俺はアイツを愛しているのか、俺には分からない───」
俺の数少ない・・・いや、割とあるが。そんな欠点の一つ。魔眼暴発による生殖機能の消失に伴い、俺は『愛してる』が分からなくなった。この欠点を直そうとは思ってないが、それ故に。俺は誰かを愛しているのか理解出来ない。・・・他人が他人に向ける愛は分かるのにな。俺は自分に向けられる愛と、自分が向ける愛を理解できない。
「貴様は、悩んでいるのだな」
「悩んでるのか?諦めてるんだと思う。俺は人を愛せず、理解出来ず、ただ孤独に死ぬのみである。と、定義している。そこになんの他意もない」
空間がひび割れる
「だから、さ。とりあえず」
光が刺す
「夢は終わりだ。特異点を攻略するぞ、アズライール」
「承知した」
俺が倒したのはまだニトクリスだけ。それでも、他でも殺し合いは起きてるだろうし。案外早く終わりそうかな
こんなFGOのこれからは嫌だ。
ヴェルサンディがなっちゃんの方に引っ張られた結果現代学園を舞台にした試練をしてくる
ノルンが鋼の大地を見せてくる
ラスボスが若森