ぼっちの誕生日(1日過ぎたが)に書かない奴いる?
いねーよなァ!?
2月21日…それは隼人にとって大切な存在である後藤ひとりの誕生日だ。隼人とひとりは無事に高校を卒業…そこから同じ大学に進んだ。やがて就活に入るがひとりはこんな自分が社会に通用するのか?と悩んでいた。悩むひとりは誕生日を迎えた。そして隼人はひとりにこう告げた。
「ひとり…大学を卒業したら俺と結婚して欲しい」
「っ!…嘘っ!」
「嘘じゃない。俺さ、大手のバイクメーカーに内定が決まったんだ。だからひとり、君には家庭を守ってほしい」
「隼人君…!」
「約束するよ…君が笑える毎日を…俺と結婚してくれひとり。愛してる」
「ああ…嬉しい…隼人君…隼人君!」
この数十年、ぼっちだった自分に差し込んだ希望の光。それが小田切隼人だった。ひとりは涙を流しながらも彼のプロポーズを受け入れた。やがて隼人は大手のバイクメーカーへの就職を果たした。ひとりは家庭で家事をしながら夫の帰りを待つ妻となる…そして…
「綺麗だよ…ひとり」
「は、恥ずかしいですよ…隼人君…あまり見ないで…」
夫婦の営み…ひとりはピンクのブラジャーにショーツだけを身に付けて腕で胸を隠す。しかし隼人はそんなひとりを押し倒す。
「ひとり…!」
「ひゃ…♡…んっ…」
長年我慢した分、2人は激しく求め合う。やがてひとりは妊娠する。
「おめでとうぼっちちゃん!まさか私に続いて2人目のママかー!」
「おめでとう」
「羨ましいな…結婚か…」
「あ、あの…大丈夫ですか?喜多ちゃん…目の隈が凄いですけど…」
「あはは…昨日ね、ようやく36連勤が終わったんだ…結婚は諦めたよ」
今でも結束バンドのメンバーとは会っている。虹夏も結婚して4人の子供と素敵な夫に恵まれて順風満帆。リョウはソロで歌手デビューしそれなりに売れている。郁代は就職した所がブラック企業だったらしく、学生の頃の面影は無くなり目の隈が標準装備となった企業戦士となっている。
「郁代その…大丈夫か?」
「明日からまた25連勤だけど、頑張るよ」
「退職代行使っていいんだからな?」
隼人は生気のない郁代を心配する。結束バンドは高校生の時に解散したが時間が合えばこうして会っている。やがて月日は流れて隼人とひとりの間に娘が生まれる。
小田切チノ…ひとりを小柄にしたような少女ではあるが明るく活発な子としてすくすく成長していた。チノが4歳を迎えた頃、隼人とひとり、チノは花見に来ていた。
「お父様、質問です」
「なんだいチノ?」
「お父様はお母様の何処に惹かれたのですか?」
「…そうだね。一つの事に熱中する姿に惹かれたかな。時折見せる笑顔も好きなった…今じゃママ無しには生きられない。それくらい好きだよ」
「なるほど」
4歳とは思えないくらい静かなチノは成る程と納得する。すると髪をポニーテールにしたひとりが帰って来た。
「お母様!」
「ただいまチノちゃん。何の話をしていたんですか?」
「ん?ひとりがめっちゃ好きって話だよ」
「もう…隼人君ってば」
「ははっ…そう言えばひとり」
「はい?」
「誕生日おめでとう」
「あ…」
「これからも宜しくな…」
「…ありがとうございます…大好きです」
隼人はひとりに花束を差し出す。ひとりは赤面しつつも隼人にお返しにキスをした。
「(はわわ…お父様とお母様は何時もラブラブなのです)」
チノは両手で顔を隠しながらもその光景を目の当たりにしていたのはここだけの話。