魔族に生まれたが色んな魔法使いたいだろ? 作:王道の展開にニチャつく者
中央諸国がグランツ海峡沖、絶賛遊泳中のクジルマギカの背中にて。
「ライオティックも知っての通り、俺って魔族じゃん?」
「先天的種族は、ですけどね。」
「で、その中でも俺って古参じゃん?」
「古参といいますか、第一世代と称すべきでしょうか」
「そうそう。詰まる所俺って魔物が魔族になる転換点な訳よ。」
「ですね。現代の魔族から見るとその容姿はとても人のそれではないですし。」
「そこ!魔族は新しい程人に近いってのが今回の醤油なのよ」
「ミソでは?」
「伝わってるなら何でもいいの。でさ、逆説的にいえば古いと人外な訳じゃん?」
「……あ~成程。マスターは何の魔物から進化した魔族なのか、そういう話ですか。」
イグザクトリー!と指を鳴らしながら研究器具をガチャガチャと弄るジョーカーを見ながら
ライオティックは飽きれたように答えた。
「イグザクトリーとは言っても8割止まりなんだけどね。対象は俺じゃないし。」
魔族とは人の声真似をする魔物から派生したとされる生き物…そう、生き物なんだ。
所謂魔獣とよばれる魔物は今でも普通に性の営みによって数を増減させるけど魔族は違う。
体感で言えばなんかこう…生えてくる?って感じなんだよね。まさしくPOPするというか。
生き物、半有機体なのに繁殖の過程を持たないってのは結構異質だけど今回ソレは一旦おいて
おくとして…俺が言いたいのは魔族の姿が確定する要素は何なのかだ。
突然生えてくるのに姿形も魔法も違う、潜在能力だって性格だって違う。
あまりにもランダム性が高すぎる。500年を生きた大魔族とその家臣にあまり身長差が
ないかと思えばアウラの同年代の奴らの中にはクヴァール並みの背丈持ちもいた。
何かある筈、何かが魔族として出力される過程で参考にしているモノが何か必ずある。
「原始回帰の魔法…研究と鍛錬から来る魔族の自尊心を真っ向から逆撫でする魔法。
相変わらず尊厳破壊がお好きなようで…」
「そんな事いってもね~、その魔族が何の魔物から成ったのか本人が知らないんだよ?
体に聞くしかないでしょ。」
「獣へ落ちたソレは元に戻るので?」
「…?元に戻す必要ないじゃん。野放してもその時々の英雄様が何か旨い事やるって。」
取り敢えずの仮説として周辺に生息する生物を参考にするのではと考えソレが合っているかどうかを調べる為にこの魔法を生み出した。
オリジンを知りたい、過程と結果に結論を付けたいのであってエピローグとか興味ないし。
無責任かもしれないがコレでいい。南の勇者が良い例だ。
未来を見通す大魔族がいて尚、世界は魔族の世の中になっていかなかった。
南の勇者が、未来を見通す人類が対消滅させたからだ。
A:
だからもしこの魔法で世界に魔獣が溢れかえっても世界はきっとどうにかなるし同様の理由で
俺に対するカウンターもいつか現れるだろう…っていうかフリーレンがソレか。
「世界一魔獣を殺すのが上手い人類ですか…獅子王の力を持つ私はどうなりますかね?」
「ライオネルの本質は自己肯定感のゼニス化だし大丈夫でしょ。」
俺の「頂」ライオネル。
このライオティックの素体の片割れは不特定多数の願いや漠然とした意志が
生き物に見えるだけのソレを生き物として捉えるなんて芸当、それこそ魔族しか出来ないだろ。
そもそも俺のディスペクターって生体ゴーレムだし。
「失礼します。」
「お、来たねぇ。待ってたよ―――シェリー。」
海中と直通のパイプを通って現れた魔族は下半身が魚のような人型。
いわゆる人魚の形をしているがその頭にはヤギのような捻じれ角が生えそろう。
どうやら魔道具の出力を調整して上手い事やっているようだ…やっぱ顔いいよなぁ。
「あの」
「あぁいいって、アイリッシュに急かされてるんでしょ?すぐ終わるから…オデコだして」
下半身を人のソレに戻して水から上がったシェリーの額に手をかざしたジョーカーは
ライオティックといくつかの会話をしたのちに魔法を詠唱し始めた。
「ゴニョゴニョ…はいおっけ~。真ん中じゃなくて右目の上側だから気を付けてね。」
「コレは…魔法印ですか。随分古い魔法様式を…」
「そりゃ俺これでも天下の大魔法使いゼーリエよか年上だし?神代の時代も今や懐かしき
在りし日っていうか?人類の魔法体系の進化系図はのきなみ使えるよ?」
統一帝国から始まった人類魔法の軌跡。その一挙手一投足は技術として俺の中にある。
例題を出すとしたらマハトを封じ込めてる例の結界、俺はアレを単騎で構築できると言えば
カタログスペックの高さは分かるだろう。まぁ構築できるのと素早く構築できるのは別問題だが。
「で、何の魔法印なんですか?」
「クジルマギカの全権スペアキー。」
「ジョーカー様!?え、あのソレって」
「狂歌のシェリーにジョーカーが命令を与える。来る日にコレを用いよ。」
「……いいのですか。」
「勿論!前に言ってたじゃん、
するよ。俺を欺くほどの隠匿技術にちょっと敬意を表してあげる。」
「マスターが肩入れするのは大変珍しい事です。存分に肩を借りなさい。…とはいえ
何故彼女をココの管理に?」
何故って…魔法使いとしてのセンスも高いし魔族の魔法のポテンシャルを余す事なく発揮できる
発想力は俺と同じ技術屋としての才に通ずる。それに俺相手に雲隠れ出来てた隠密行動力は十分
評価するべきだしなにより―――
「んなもん
「「はい!?」」
「だ~か~ら顔がいいから!美女だから!美しいから!ドゥーユーアンダースタン?」
綺麗なお姉ちゃんが受付とかしてくれたら嬉しいだろ普通。
元々シェリーを攫ったのだって半分は顔だぞ?そもそも人間化の魔道具の機能の一つ、
全盛の若い体を取り戻す機能だってほぼシェリーの為に組んだんだし。
「何そのコイツ…みたいな顔は。俺だって人並にカッコイイとか可愛いとか思うんだよ?」
「利用価値以外で推し量るのを初めて見ましたよ…」
「美醜だって立派な価値でしょ。特に
騙し殺し食う。魔族の基本的な捕食行動を助長する材料として顔の良し悪しは重要だ。
中身の性格が知れない状態なら人はまず顔から入るだろう?で顔が良ければ無意識に好印象から
スタートしていき、その後の騙しやすさが段違いになる。
よくあるファンタジーゲームでとかにいる夢魔とかの顔がいいのはそういう理由だしね。
まぁ北方じゃ流石に無理だろうけど。
「艦内の地理は隙を見て頭にいれといてね。んじゃお疲れさん」
「は、はぁ…」
先方との約束もあるからか颯爽と帰っていったシェリーの耳はほのかに赤身がかっていた。
魔法特区クジルマギカ
正規手段で仙界に入る時の数少ない入場口の役割を持つ。フリーレンのデッキケースなどは
ある種の裏口(出入りのログは残る)。
エントランスにあるポータルからカリヤドネの一般解放書庫(持ち出し不可)に飛べる。
ジョーカー
シェリーに艦長の座をやっと渡せた(探してた理由)ので随分時間はかかったが2回目のオイサースト襲撃に目途がたった。
「あとはアルマーニの仕上がり次第かなぁ…」
シェリー
いきなり重責を押し付けられた美女。帝国の魔法使い崩れというのはシェリーの自己申告。
正しくは帝国魔法使い→旧魔法協会(ゼーリエ指揮下)の1級取得→逮捕→誘拐の流れなので
崩れてはいないのだがジョーカーには言ってない。
「別に今の立場とか聞かれなかったので…」
ライオティック
ドキンダンテ(ナビ)が不調らしいのでメンテナンスに駆り出された。
「ほんたいを連れてくれば解決するんじゃ…?」
魔王討伐後の10年やそこらでフリーレンはゾルトラークを習得できるのか
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葬送のフリーレンやぞいけるいける!
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エルフにとって新しい魔法だし厳しいでしょ