魔族に生まれたが色んな魔法使いたいだろ?   作:王道の展開にニチャつく者

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ヒンメルはもういねぇのよ

「待たせたなアウラ…フリーレンも一緒か。」

「そっちは無事終わったようね。」

 

「マスター…」

 

 

ん~…もうちょっと近くまで来てほしかったけどまぁいいか。

 

「ここまで近ければ許容範囲だな…アウラ、領内に飛ばすか?」

「いえ、先にフリーレンを殺してからでいいわ。」

 

ソレが当然かのように喋ってるが…叶わぬ願いだというのは無粋だろうか。

 

「…」

「何よ、私が負けるとでも?見なさいよアレ」

 

アゴで差し向けられた視線の先には精巧な解除魔法で首を切られた者達の魂を解き放つ

フリーレンがいた。複雑怪奇な魔法の解除ともなればそれだけ魔力を使うのは当然であり

フリーレンの魔力はみるみるへっていく。

 

「それだけ強力な解除魔法、魔力消費も馬鹿にならないでしょうに。以前は吹き飛ばしてたのに

何故こんな面倒な事するの?」

 

「あのあとヒンメルにこっぴどく怒られてね。」

 

「分からないわね。なら尚の事そんな真似する必要ないでしょ。」

 

「どうして?」

 

「どうしてって…ねぇ?」

 

肩を軽く上下しながら俺に同意を求めるアウラ。いいたい事は分かるし待ってたけども…

 

「「ヒンメルはもういないじゃない」」

 

「………ハァ」

 

数舜の静寂とフリーレンの小さなため息が場の空気をより一層凍らせていく。

目の前にいるのは人ではないのだと認識を一相改めたフリーレンの顔付きは―――マジだ。

 

 

不死の軍勢を差し向けるアウラとソレを解除するフリーレンの攻防は何というべきか

舞、舞踏のようでどこか美しかった。魔力量で魔法の是非を判定するアウラの前でなければ

良かったのにと思うほどだ。

 

そして…軍勢の半分が解除された時、戦況は大きく変わる。

 

「フフ…がら空きね?」

「!?」

 

不死の軍勢に紛れ、それとなく魔力を誤魔化したアウラがフリーレン背後から()を振るった。

幸い防御が間に合い距離をとって状況を整理する彼女(フリーレン)の瞳には…当てが外れたとそう書いてあった。

 

 

「ソレは…その装飾は」

裁人(さばと)の断頭(れん)だったかしら?そこのマスターから借り物よ。

あんまり首無しを減らされるとコッチも困るから」

 

統一帝国の処刑人、厳密には当時のロマノグリラの部下に与えてた物をリペイントした物だ。

屈強な戦士の首を切るのに直剣じゃやりずらかろうと思って貸したもんだが…中々に様になるね。

 

「意外だねアウラ、お前は自分で直接動くような奴じゃないと思ってたんだけど。」

「そうね、率先してはやらないわよ?でも今は気分が良いから。」

「一応聞くけど、何で?」

「依然私が圧倒的に有利だから。さっきも言った筈よ。」

 

 

 

アウラを交えて交戦を続行するフリーレン。首無し達を解放しながらアウラをマークし続けるのは

精神的な疲労がくるのだろう、顔に汗が見て取れる。そして

 

「(ちょこちょこ援護射撃してくるマスターがうざい…)」

 

鎌を振り終えたアウラの後隙を狙ったフリーレンのゾルトラークをゾルトラークによる相殺で

確実に潰してくるマスターの援護射撃。救いがあるとすればマスターのやる気がない為か

隙潰し以外に一切攻撃してこないことだろう。

 

余談だが当のマスターはフリーレンの魔力探知が切れたタイミングをメモするのに忙しい為

最低限の援護しかしていないだけである。

 

 

そして時は来る。フリーレンの放出される魔力量がアウラのソレを確実に下回るその時、

つまり

 

「(服従させる魔法(アゼリューゼ))」

 

不死の軍勢が軍とよべぬほどになりアウラが茶番を終わらせようとその魔法を行使する時だ。

 

「ハァ…アウラ、ぬかったな。」

「アウラ自害しろ。」

 

先ほどまでフリーレンの首を狙っていた紫色の刃がアウラの首にかけられる。

悪いなフリーレン、()()は俺のだ。無許可でどうこうしないでいただきたい。

 

魔法を強制解体する魔法(マギラデモリシュ)。」

 

アウラとフリーレンの間に繋がるアゼリューゼが強制解除され何とか一名をとりとめるアウラ。

恐怖に歪むその顔は正直な所、(笑)がついちゃうな。

 

「ハ!?私…!?体が動く!?マスター、助かっ『勘違いするな。』ウグ!!?」

 

アウラの首根っこをひっつかんでその溢れんばりの魔力を引っぺがし奪う。

門を研究施設へと繋いでふさわしい者にこの場を託すとしよう。

 

「出番だぞ。」

 

ソレはかつてから()()()()()()()()作られた玩具。

断頭台のアウラを虐げる為だけに、ジョーカーの欲求を満たすために生み出された。

そして今はその先にある目的のためにソレはあり、自らの存在意義に従い断頭台を虐げる。

 

「んん~~~~!!!これが外の空気なのね…悪くない。」

「じゃないをつけろじゃないを。」

「じゃない悪くない?」

「悪くないじゃない、だ。」

「ふーん…」

 

 

「嘘…でしょ。」

 

フリーレンのその言葉は思わず反射で出たものだ。

魔族は探知や飛行などの基礎的な魔法技術と自身の核となる物を除いて魔法を覚えず使わない。

故にアウラは分身魔法などは使わないし使えない筈なのだ。だが―――

 

「フリーレン、これは我が魔法研究が一つだ。系統としては生きるゴーレムと言える。

とはいえまだ試作の域をでなくてな、色々とエミュレート(再現)不足なのが玉に傷だ。」

 

「ご機嫌いかがかしら葬送のフリーレン。アタシは()()()()()()()この先の未来で

断頭台のアウラと呼ばれる者よ。ナカヨクしてちょうだいな。」

 

その眼にうつる魔力も姿も、紛れもなく断頭台のアウラそのものであった。




ダフトノイロウ
正式名は腐頭癒着ダフトノイロウ(断頭台+腐敗のアナグラム)。
アウラとクヴァール(青年期)のディスペクター。回収されたクヴァールの魂の一部を元に
生成された魔力炉を使いアウラっぽい人格を作って運用している。
力量だけはアウラの上位互換だがまだアウラのエミュレートがとても拙い。
この時はクヴァールに該当する部分の肉体の上に具足を付けているのでアウラにしか見えない。
ジョーカー曰く大事なのは異名なので命名ルールにアウラもクヴァールも使わなかったとの事。

裁人の断頭鎌
斬首刑に用いられた紫色ベースの大鎌型魔道具。
DS世界でデスシラズの魂が解放された後のからっぽの滅殺刃ゴー・トゥーヘルをミロクが回収し
ジョーカーがミロク式ドラグハートとして改修をほどこした。
改修の関係上ソレ単体で機能しないので使用者の物語を入力する必要がある。
ただし、現在はかつての使用者の物語が封じられておりアウラは使いこなせていない。

魔王討伐後の10年やそこらでフリーレンはゾルトラークを習得できるのか

  • 葬送のフリーレンやぞいけるいける!
  • エルフにとって新しい魔法だし厳しいでしょ
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