とある深い、深い山。そんな寂しげな山奥に倒れている男性の隊士がいた。
「はぁはぁはぁ…」
身体中傷だらけで、片脚と片腕が骨折してしまい、動けない状態だった。
こ、殺される…!といつ襲われてもおかしくない死への恐怖と不安が身体を小刻みに震えながら息遣いを荒くさせる。そんな時、隊士の前でうねるように動く蔦がメキメキ…ときしむような音を立てながらじわりじわりと近付いてくる。小さな悲鳴を上げた隊士は、ああ…もう死んでしまうんだと死を覚悟するように目を瞑る。
その時、バサァッと烏の力強い羽ばたきと共に迫るように近付いてくる足音。上から白色から千草色まで階調された羽織を靡かせながら走る少年の姿。その羽織の下に男性の隊士が着ている同じ隊服の腰に差している刀。その刀の鍔を押せば、キラリと青く鋭く光った刀身が覗くように現れる。
「雨の呼吸 玖ノ型!」
──酒涙雨!!
そう技を唱えれば、男性の隊士の周りに急な雨が一気に強まるように降った。そうすると、隊士に襲おうとした蔦が細かく刻まれる。
ゆっくりと目を開けた男性は助かったの…か?とまだ死んでいないことを次第に理解していく。そしてふわりと目の前に千草色の羽織が見える。その羽織をなぞるようにほんのりと緑が混じったような瓶覗色、白色と上へと見上げた。雨色のような羽織を纏った少年が男性の方へ振り向いた。やっと見えたその少年の顔は生命力が漲る雨のような瞳、整った顔、千草色をした髪の毛をしている。
その少年の名は、"雨宮雫"。まだまだ剣士として活躍していた時代である。
「もう大丈夫だぜ!ここまでよく頑張ったな!後は"俺たち"に任せろ!!」
男性は怪我をして動けないからだろうか。当時の雫は齢13くらいの身体なのに、子供のような無邪気な笑みを浮かべているのに、頼もしく見えてしまうのだ。男性は雫に助けを求めるようにしがみついた。
「ここに…ここに下弦の鬼がいるんだ!参だ!目に参があった!アイツは強い!仲間も全員やられてて…っ!!」
すると、雫たちに迫りゆく蔦が再び、襲ってくる。その瞬間、うねるように力強く流れてくる水が雫たちを守るように攻撃を断ち切った。
──水の呼吸 参ノ型 流流舞
男性は唖然としていると、上から雫の「ハハッ」と笑い声がして、見上げる。
「やっと来たか、義勇!」
「…………」
雫が言う義勇という男性は雫たちと同じ隊服だが、柱の証である金のボタンが付いている。その隊服の上には赤錆色と亀甲柄を組み合わせた羽織。
「……状況は?」
「下弦の参がいるんだ、今までここに来た仲間は全員やられしまったということだ」
雫は義勇に聞かれたことを答えながら彼に近付き、横に並んだ。そして、雫は「あ、そうそう」と何か思い出したかのように倒れたままの男性の方に顔だけ振り向いた。
「もうすぐ隠が来るから安心しろよ!」
その言葉に男性は胸を撫で下ろすように疲労の色が現れた笑みを浮かべる。
「…行くぞ」
「おうっ!」
義勇の静かな掛け声に雫が答えた瞬間、彼らの姿が消えた。鬼がいる方へ行ったようだ。
あちこちから襲ってくる太い蔦を斬りながら同じくらいの速さで走っていく義勇と雫。呼吸は違えど、同じ師匠の元で鍛えられてきた彼らは鋭い判断で敵からの攻撃を受け流したり切り刻んだりしていく。
「だんだん強くなってきたな!」
いつの間にか蔦の太さがより太くなり、強さが増している。鬼に近付いている証拠だ。そして、次第に聞こえてくる鋭い音。
「この音は……葉笛か!葉笛でこの蔦を操ってんだな!」
鬼が葉を使用して、笛のように鳴らしながら蔦を操っているようだ。
すると、目の前から勢いよく迫ってくる木で作られた異形の化け物が義勇を襲うように遠くへ攫っていった。
「……っ!」
「義勇!!」
雫は義勇を助けに行こうとするが、無数の蔦によって行く手を阻まれてしまう。「クソッ」と雫は素早い剣さばきで蔦を小刻みに切った。しかし、義勇の姿が無く、見失ってしまった。でも義勇は柱だ。きっと倒して、戻ってくるだろうと信じた雫は引き続き鬼の方へ走っていった。それでも、斬っても斬っても蔦はすぐに再生し、襲ってくる。
「この…っ、キリがねぇなっ!!雨の呼吸!!」
雫は息を吸いながら足を力強く踏み込んだ。そして地面が割るほど蹴り、勢いよく飛び上がった。
「捌ノ型 叢雨!!!」
急な雨が激しく降り出した同時に蔦が次々と切り刻まれていく。蔦を伝うように激しく切り刻んで行けば、その先にやっと鬼の姿が見えた。葉を避けたように木の幹に佇んでいるおかっぱで、オンボロな着物を纏った齢6くらいの少女姿の鬼。その鬼は無表情で椿の葉を口に軽く当てながら笛のように鳴らしている。
そんな鬼に向かって強風のように飛んで迫ってくる雫は剣を掲げた。そして、鬼の頸に目掛けて振り降ろした途端、蔦が雫を地面に叩き落とした。
「かは…っ!」
いきなり叩き落とされて受け身を取れなかった雫。それでも、鬼の頸を斬るまでは諦めずに、痛みに耐えながらふらりふらりと立ち上がった。
「はぁはぁ…」
雫の状態を無視するように蔦が容赦なく襲いかかる。次々と叩きのめすように襲ってくる蔦を必死に避けていく。息遣いが少し荒いながらも呼吸整え始める。
「雨の呼吸 参ノ型 霧風」
激しく叩きのめす蔦によって土埃と共に混じる深い霧。その同時に雨が降り出す。雫の姿はもう見えなくなってしまった。
「…………」
それでも鬼は攻撃をやめない。それぞれ「下弦」と「参」と刻まれた虚ろな目で霧と混じった土埃を眺めているようだった。
そんな時、いつの間にか目の前で雫の姿が現れていた。雫の目には鬼の頸を捉えながら剣を振り下ろそうとしていた。
「…………」
葉笛から一瞬の鋭い音を鳴らせば蔦で雫を力強く弾き飛ばす。飛ばされた雫はまた受け身を取らずに木にぶつかってしまい、口から血を吐いてしまった。
「う…っ」
苦しげな声を上げながら立ち上がろうとするが、身体が言うことを聞かない。更には目眩がしてきてしまった。
「こ、今度こそ…斬って……や…」
言葉を最後まで言えずままその場で倒れてしまった。
「…………」
鬼は葉笛で蔦を操りながら気絶している雫の身体に所々巻き付き、宙に浮かばせた。しかも力が抜けてしまった雫の手から剣を離してしまう。
「…………」
モノクロのような水の中でゆっくりと沈んでいく雫。そんな水の中で閉じていた目をゆっくりと開く。ここは…?と辺りを見渡せば何も無い。しかも水の中のようなものなのに息が出来ている。そんな時、下から泡のようなものが次々と出てくる。その泡をよく見れば、人が映っている。
少年が幼き少女に慰めるように頭を撫でている泡。
少年が幼き少女に優しく抱き締めている泡。
少年が幼き少女と一緒に寝ている泡。
少年が幼き少女と一緒に食べている泡。
少年が幼き少女と一緒に椿の葉で吹いている泡。
少年が幼き少女をおぶっている泡。
「…………」
それらの泡の中にいる幼き少女は先程の鬼と似ている。だとすると、その彼女の隣にいる少年は兄だろうか。
雫は身体を捻るように向きを変え、下へ潜っていく。潜っていると次から次へと出てくる少年と幼き少女が映っている泡が通り過ぎていく。その泡は少年との思い出だろうか。余程大切な思い出だったのだろう。
そんな時、下から僅かに聞こえてくる少女の泣き声。潜れば潜るほど少しずつ聞こえてくる。
「……ちゃん…おにいちゃん……お兄ちゃん…どこなの…?お兄ちゃん…」
泣き声と共に兄を呼んでいる声。先程の泡に映っていた少年はやはり兄だった。
「お兄ちゃん…寂しいよ……いつものように抱き締めて…お兄ちゃん…」
「…………」
雫は少女に近付くように潜っていく。そして、手を伸ばし、後ろから少女を包むようにそっと抱き締めた。抱き締められて気付いた少女は顔を上げた。その上げた彼女の顔は涙で顔がぐちゃぐちゃになってしまっている。
「お前のお兄ちゃんじゃなくてごめんな」
「…………」
「でも…お兄ちゃんの代わりに抱き締めてやる」
「…………うん…」
少し黙っていた少女は雫の言葉を受け入れるようにそっと頷いた。その時、少女の身体の中から光が溢れ出し、雫まで包むように広がっていく。
「……ず…………しず……っ!……雫っ!!」
気が付くように目を覚ませば、目の前には普段静かで殆ど無口だった冨岡が珍しく感情出しながら叫んでいた。冨岡は次から次へと襲ってくる蔦を避けたり斬ったりしながら雫に呼びかけていた。先程、義勇に襲ってきた異形の化け物は倒してきてここに来ていたのだ。
「雫!目を覚ましたか!」
「義勇…」
「俺はそっちに行けない!自分で何とかしろ!」
「……おうっ!!」
ぼんやりしていた雫は1回瞬きしてから生気が戻ったかのように返事した。まずは蔦に巻き付かれている片腕。その腕を曲げながら身体を捻らせ、蔦をちぎろうとする。
「ぅ、あああ…っ」
すると、巻きついていた蔦が少しずつ軋んでいく。ちぎるまで諦めずに全力で力を出し切っていく。しかし、動き始めた蔦が雫の腕を折った。
「あ"あ"あ"あ"あ"っ!!!」
「雫!?」
「だ、大丈夫だ!!ぐ…っ、うぅ…っ」
折れてしまった腕の痛みに耐えながら今度は足を曲げる同時に身体を捻らせてちぎろうとし始める。そんな時、蔦が雫の太腿、腰辺り、胸元、首に更に巻き付いて、力込めた。雫の身体を潰すつもりだ。
「う"ぅ"…っ!こっ、この…やろ…っ!」
ぐぎぎ…とこちらも負けじと身体を丸めるように体全体に力を込める。そして、気合いを入れるように獣のような雄叫びを上げた。すると、メキメキィッと蔦がちぎれていき、やっと解放された腕と足。しかし、彼の首に巻き付いてたままの蔦が更に力を込めると、せっかく解放された手が力が抜けるように下げてしまう。
そんな雫の姿に目を見開くように思考停止した義勇。そして思い出したくもないことを思い出す。自分の大切な人である姉と同門の親友が亡くなったことを…。
目を固く瞑ったままの雫は蔦から解放され、力が抜けるように下に落ちていく。その同時に複数の蔦が雫に目掛けて叩きのめそうとする。その状況が目に映る義勇。
ああまただ…何も出来ない……
そう心の中で呟いた途端、後ろから誰かが義勇の背中を勢いよく蹴った。その反動で動き出した義勇は一瞬で落ち着かせればいつもの無表情に戻り、そのまま雫の方へ走りながら呼吸を編み出した。
「水の呼吸 拾ノ型…」
そう唱えてから静かに飛び上がれば、剣から水で出来た龍が出てきたように現れる。そして、「生生流転」と唱えながら剣をうねる龍の如く回転させながら蔦に斬撃を与えていく。そんな時、雫の口角が静かに上がった。
「…義勇!」
「…!」
「安心しろ!生きてるぜ!!」
義勇が目にしたのは、完全に目を開き、いつものような無邪気な笑みを浮かべていた。雫は身体を捻るように回転しながら着地した。そして、すぐに木の側にあった剣に飛び込むように取った同時に空いている方の手を地面に付きながら剣を上げ、足を大きく開いた。
「雨の呼吸 捌ノ型!!」
地面が割るほど足を力強く踏み込めば、勢いよく飛び上がった同時に「叢雨!!」と叫んだ。すると、急に激しく降ってきた雨のように細やかな斬撃を与えていく。激しい剣さばきによって蔦が殆ど無くなっていき、最後に残った蔦に急に一瞬で静かな一撃を与える。
「さてと…残るのはお前だ!!」
「…………」
鬼はまた新たな蔦を編み出し、その蔦を雫たちに素早く襲いかかろうとする。雫たちは瞬時に構え、技を唱え出した。
「水の呼吸 拾壱ノ型…」
「雨の呼吸 壱ノ型!!」
すると、雫たちの周りに荒れ狂った波のようなものが現れる。そして、義勇が「凪」と呟けば、次第に静かな水面が広がっていく。続いて雫も「霖!」と唱えれば、飛び上がった同時に水面が波紋を作り出し、広がっていった。彼らが編み出した技によって蔦が一瞬にして小刻み斬られる。そんな部分的になった蔦に着地するように足を着いた雫。そんな時、鬼が無数の蔦を編み出し、壁のようなもの作り出した。それでも雫は両腕を交差するように構え、再び技を唱える。
「雨の呼吸 肆ノ型 梅の夕立!!」
すると、落ちた一滴の雨のような突然の速さを出し、蔦の壁を真っ二つに斬った。更に、雫の後ろから勢いよく迫ってくる義勇の姿。
「水の呼吸 壱ノ型 水面斬り」
無駄のない動きで剣を水面のように、鬼の頸に目掛けて斬った。その同時に宙に浮かび上がる鬼の頸は声を上げることも無く、ただただ黙っていた。黙ったまま、身体と共に木から落ちたのだ。
「…………」
鬼は思い出す、人間時代のことを…。
鬼、少女には兄がいた。7歳年上の兄。両親はおらず、兄と2人暮らししていた。
兄は奉公で働きに行き、少女は幼い身体ながらも料理以外の家事を働いていた。傍から見て辛そうに見えるが、そうでも無かった。少女は幸せだった。兄がいるから何でも出来る、安心できる。大好きな兄だから。
そんなある日の昼間、玄関を叩く音がした。今日は早く帰ってきたのだろうか。もしかして贈り物があるからそのために早く帰ってきたのかなと胸を踊らせた少女は明るい笑顔で兄を迎えようとし、その戸を開けた。しかし、目の前には知らない大人の男性が3人。
その男性たちは少女を強引的に連れ出した。少女は抵抗した。大声で助けを求めた。「お兄ちゃん!!」と泣き叫んだ。それでも周りにいた人たちは少女の存在に気付いているのに、少女の声が聞こえているのに、少女を見送るようなものだった。
男性たちは少女を蔦で木に縛り付け、動けないようにした。その時の男性たちの会話。
「神様…」
「今年の生贄を差し出します」
「今年の村の平和を願っておりますぞ」
当時の幼い少女はその言葉の意味が分からなかった。生贄として差し出されたことを知らずに。男性たちが去っても少女は泣き叫んでいた。何度も、何度も何度も何度も何度も何度も「お兄ちゃん!!」と泣き叫び続いていた。
その日の夜。どれだけ叫んでも兄は来なかった。今頃探しているのだろうか。心配しているのだろうか。お腹が空いた。お兄ちゃんが作った料理を食べたい。あったかい布団で一緒に寝たい。
「お兄ちゃん…ここにいるよ…」
ずっと叫び続けていた声が枯れ、大声で出す力が無くなってしまっていた。
そんな時、青白い肌の色で血のような赤い瞳を持つ男性が現れた。その男性の名は"無惨"。
無惨は少女に血を与え、鬼にした。お腹が空いたら人を喰って、喰って喰って喰いまくったのだ。こうして少女が何年も、何十年も、何百年もこの場にいるのは兄が来るのを待っていたのだ。あまりにも時が経ち過ぎたため、何のためにこの場に留まる理由を忘れ、ここに訪れてくる人を喰っていた。そうしているうちに、下弦の参まで昇っていったのである…。
「…………」
彼らによって頸斬られた少女の鬼は塵となって次第に消えていく。このまま兄に会えずに死んでいくのか…と思った途端、少女の鬼の身体が浮かんだ。何事かと状況を次第に理解していけば、雫が彼女を優しく抱き締めていたのだ。
『お前のお兄ちゃんじゃなくてごめんな』
『お兄ちゃんの代わりに抱き締めてやる』
武器だった蔦には少女の鬼と繋がっているのである。だからその蔦の中にある、無意識の意識の中で割り込んできた雫の言葉を思い出す。少女の鬼の手がピクリと反応し、ゆっくりと雫の背中に回した。
「お、お兄ちゃん…お兄ちゃん…っ!」
今まで無表情だった少女の鬼は目から涙を流し、久々に口にする大好きな兄を呼んだ。彼女は消えるまで何度も、何度も「お兄ちゃん」と愛を込めるように泣き叫び続けていた。そして最後には雫に向けてこう言った。
「ねぇ…お兄ちゃんに会いたい…会えるかな…?」
「…………」
人を喰ったり殺したりしてきた鬼は地獄に落ちてしまうだろう。地獄に落ちたら生まれ変わることが出来ない。兄に会えないかもしれない。でも、もし生まれ変われる可能性があったら、少しでも会えるかもしれない可能性があったら……。
「……会えるぜ、いつか…な」
少女の鬼は完全に消える直前に純粋な笑みを浮かべた…。
「迎えに行けなくてごめんな」
ハッと目を覚ました少女。目の前にはずっと、ずっと会いたかった兄の姿。
「お兄ちゃん…お兄ちゃん、会いたかった!」
少女は兄にしがみつくように、離れないように抱きついた。兄も少女に大事にするようにあの頃のように優しく抱き締めた。
「お兄ちゃん…ずっと一緒にいられるよね?」
兄は優しげな口角を上げ、こう言った。
「ああ、この先もず〜っと一緒にいられるぞ」
昔から変わらない優しい兄に嬉しそうに、とても嬉しそうに微笑んだ少女。
彼女たちは抱き締め合いながら地獄の炎に溶け込んでいった…。
「…………」
雫の手元にはもう既にいなくなってしまった少女。そこにあるのは寂しげで小さな空間があるだけ。
「…………」
「戻るぞ」
義勇の薄情な呼びかけによって、ずっと黙っていた雫はそっと立ち上がっていた。あまりにも寂しげな背中をしていたため、泣いているのかと思いきや、雫が義勇の方に振り向いたらいつもの雫だった。
「そうだな!」
腕折れたからしのぶに怒られるかもな!と笑いを含んだ声を上げる雫の様子を見ていた義勇は無表情だが、何かを思ったような表情を残しながらも雫の後に付いて行った。
この任務、冨岡義勇が竈門炭治郎、その妹の禰豆子と出会うまで後数ヶ月後。その数ヶ月後には今までの雫の鬼に対する言動によって徐々に納得していくだろう。
【解説】
《少女の鬼・葉笛鬼》
●葉笛
武器にしている葉笛は兄と一緒に吹いていたことが伏線。その思い出のある葉笛を人を殺す武器という形になってしまった。また、その葉笛は兄を求めるという無意識な寂しさから来ている。
●葉笛の泡の中で映る幸せな思い出のシーン
実はこのシーン…葉笛鬼から繋がっている蔦が雫の血を僅かに吸っていたんですよ…。更には、木に記憶があるように、蔦での記憶があって、雫の意識が無意識に蔦の中での記憶に入ったということ…。それで、葉笛鬼の幸せな思い出や僅かに残っていた人間時代の葉笛鬼の存在があったんです……。
●兄と雫
兄と雫とは生まれ変わりも血の繋がりもない全くの赤の他人。でも、とある条件が関係している。
・同じ年齢(13歳)
・ほぼ同じ言葉遣い
・優しさ
…があったからこそ、鬼は雫の優しさに受け入れ、兄だと思って抱きしめることができた。
《「鬼滅の刃」の本編との繋がり》
●誰かが義勇の背中を蹴ったシーン
その"誰か"は、実は「錆兎」。柱稽古編で錆兎が義勇にビンタしたシーンに繋がっている。
●義勇の「戻るぞ」という薄情なシーン
その薄情さは那田蜘蛛山編で、斬られて消えた累が残った着物を踏んでいたシーンに繋がっている。そこから、炭治郎によって義勇の考え方が少しずつ動かしていくことになる。ちなみに、葉笛鬼を下弦の参にしたのは、義勇が少しでも苦戦した戦闘を書きたかったから!炭治郎がめっちゃくちゃ苦戦していた累に義勇があっさりと斬ったから!!あとあと、この作品での雫は当時、遊郭編の時点でのカナヲと同じ「己」だったから!なので!累よりも勝てる実力のある義勇とカナヲと同じくらいの実力のある雫なら!少しでも苦戦しながらも下弦の参を倒せると思ったから!!
●無表情の中で何かを思った表情を浮かべる義勇のシーン
雫の初めて出会いや雫の鬼への優しさを見ていた義勇は数ヶ月後に出会う竈門兄妹によって考え方が変えていくというのがこの話の伏線としてのシーンになっている!この作品での義勇は善良な鬼への納得さが低く、薄情な態度を取れるから。
《その他の意図的なシーン》
●雫の登場シーン
実は…鬼となった禰豆子が炭治郎に襲い、涙を流している時に、義勇が炭治郎たちの元へ駆け寄るシーンを少しだけ再現してたんです。義勇の弟弟子なので、走っているシーンの義勇と重なるシーンを匂わせたかったので…。
●蔦が雫の身体に巻き付くシーン
この話は18禁のものではないけど、書いてみたかったんです…雫の太腿とか腰の辺りとか胸元とかに巻き付いて…(*´﹃`*)
以上の解説でした!!