【書籍化】人類滅亡寸前ゲーム世界で自分を犠牲に敵を倒してたら、みんなが病んでいた   作:雨雲ばいう

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28 星天が英雄に瞳を焼かれた日

 ———こんにちは、みなさん!

 

 ———星天の妖精です。魔王?とかって言われてる、妖精です。好きなことはお兄ちゃんと遊ぶこと、かな。

 

 ———お兄ちゃんとはどうやって会ったのか、ですか? ここでお話するのはちょっと恥ずかしいですね。

 

 ———え?

 

 ———どうしても、教えて欲しい……?

 

 ———もう、しかたないですね。ほかのみなさんには内緒にしてくださいよ。

 

 ———あ、ちなみにこの話をスマホでお読みになられている人は、できればパソコンで読んでくださりませんか?

 

 ———そのほうが、手が省けますから。いろいろと。

 

 ———……ゴホン、なにはともあれです。

 

 ———そうですね、ちょっと昔の話をしてもいいですか。

 

 ———まだ、わたしが一人ぼっちだった時のころです。

 

 

 

 

 

 ———わたし、生まれた時からずっと一人でした。

 

 ———どうしてかは、知りません。生まれた時には、誰もそばにいませんでした。

 

 ———独りぼっちってとっても悲しくて辛いんだって、初めて知ったことでした。

 

 ———みなさんは、独りぼっちでもインターネット、でしたっけ? それがあればみんなと遊べるんでしたよね。

 

 ———とってもうらやましいな。

 

 ———とにかく、妖精も人も、誰もわたしと遊んでくれる人はいませんでした。誰もそばにいないんですから、しかたがないですね。

 

 ———だから、とにかくわたしは誰かこないかなって願ってました。

 

 ———友達ができたら、どんな遊びをしようかってずっと考えてました。アイデアが噴水みたいに湧いてきて、でも遊ぶ人は誰もいません。

 

 ———たとえば、ポーカーとか。

 

 ———たとえば、すごろくとか。

 

 ———ビデオゲームとか、とっても楽しそうですよね。でも、こっちにはないので遊べないんですよね。

 

 ———人類さんの技術がもっとすごくなったら、こっちでも誰かが思いつくんでしょうか。その日が楽しみですけど、それまでおあずけですね。

 

 ———独り遊びだってたくさんしましたよ。

 

 ———独りで野球をやったこともあります。

 

 ———でも、つまりはひとりですから。

 

 ———あんまり、楽しくなかったな。

 

 ———だから、数十年ぐらいでもう飽きちゃいました。

 

 ―――わたしから遊びにいくことにしたんです。

 

 ———いろいろな人に、妖精に会いにいきました。

 

 ———みんなみんな、すごい良い人ばかりで、でも駄目でした。

 

 ———やっぱり、みんないなくなっちゃうんです。

 

 ———遊んでいると、いなくなっちゃうんです。

 

 ——―どうしてかは、わかりません。でもみんな、わたしを残していなくなっちゃうんです。

 

 ———だから、ずっと独りでした。

 

 

 

 

 

 ———お兄ちゃんは違いました。

 

 ———初めて会った時から、ずっといなくなりはしませんでした。どこまでも遊んでくれました。

 

 ———わたし、とっても楽しかった。

 

 ―――お友達ができたのは生まれて初めてで、お兄ちゃんは親のようで、兄妹のようで、友達のようで、先生みたいな人でした。

 

 ———わたしの、すべてになりました。

 

 ———誰もいなかった、誰もそばにいてくれなかったわたしが、初めてみつけたわたしではない誰か、それがお兄ちゃんでした。

 

 ———だから、遊びました。

 

 ———あれだけたくさんあったはずのやりたい遊びリストはどんどんなくなっていって、それにつられてわたしはどんどん幸せになっていきました。

 

 ———わたしの人生で、一番幸せな時でした。

 

 ———なんだってしました。

 

 ———みつかったら終わりのかくれんぼも、捕まったら終わりの鬼ごっこも、二人で、二人だけで永遠と遊びました。

 

 ———初めて遊びで、心ゆくということを知りました。

 

 ———ああ、でも、いくらお兄ちゃんでもちょっと嫌いなことはありますよ。

 

 ———うわごとみたいに、ほかの人の名を口にしてたんです。

 

 ———ひどくないですか! わたしというものがありながら、今はわたしと遊んでおきながら、ほかの人のことを気にするなんて。

 

 ———え、誰のことを口にして集って?

 

 ———えー、思いだすのも嫌なんですけどね。

 

 ———クルクッタ? なんでもお兄ちゃんの親友だとか。

 

 ———殺しちゃったとか、うわごとみたいに呟いてましたね。

 

 ———でも、ひどい話です。

 

 ———わたしと遊んでるのに、ひどいです。

 

 ―――ゴホン、ちょっと熱くなっちゃいましたね。

 

 ———なにはともあれ、わたしはお兄ちゃんとそうして遊び続けていました。

 

 ———そのうち、わたしはとんでもなくひどいことをお兄ちゃんにしてしまったんです。今でもそのことを思うとつらくて胸が苦しくなっちゃいます。

 

 ———ええ、そうですね。

 

 ———わたし、お兄ちゃんを残しちゃったんです。

 

 ———わたし、初めて遊びがつきちゃって。

 

 ———もうできる遊びが思いつかなくなっちゃって。

 

 ———わたし、いなくなっちゃったんです。

 

 ———初めてのことです。

 

 ———いつも残されてたわたしが、お兄ちゃんを残していなくなっちゃうなんて。

 

 ———悔しくて、悲しくて、辛くて。

 

 ———わたし、お兄ちゃんに謝ろうとずっと思っていました。

 

 ———ダイマジュツ、っていうのを教えてもらって。わたし、もうお兄ちゃんを残していなくなることはなくなったんです。

 

 ―――遊びがつきることはありません。

 

 ———今日こそ、永遠に、ふたりで遊び続けられるんです。

 

 ———これって、とても幸せなことだと思いませんか。

 

 ———大好きなお兄ちゃんと、永遠に遊べるなんて。

 

 ———誰にもゆずりません。お兄ちゃんのとなりはわたしです。

 

 ———それだけは、それだけはとられたくない……!

 

 

 

 

 

 ———とまあ、これがわたしとお兄ちゃんの話です。

 

 ———楽しんでいただけたなら嬉しいのですが……。

 

 ———……。

 

 ———ありがとうございます!

 

 ———そういえば、みなさんはいったいどこでわたしの話を聞いているんでしょう。

 

 ———電車のなかでしょうか、それとも家?

 

 ———いえ、そういえばみなさんはわたしの話を読んでるんでしたっけ。

 

 ———せっかくご縁ができたんですから、みなさんとも遊びたいな。

 

 ―――でも、みなさん遠いところにいるんでしたよね。

 

 ———それじゃ、ワガママは言っちゃ駄目ですよね。みなさん、こっちまでくるの難しいですものね。

 

 ———え。

 

 ———遊んでくれるんですか。

 

 ———ほんとうに、いいんですか! もう、わたしガマンできませんよ、もしかしたらみなさんを滅茶苦茶にしちゃうかも……。

 

 ———それでもいい、ですか。

 

 ———………………。

 

 ———…………。

 

 ———……。

 

 ———ありがとうございます!

 

 ———ぐすっ、こんなに優しい人はお兄ちゃんから初めてです……。ほんとうに、幸せでどうにかなってしまいそう……。

 

 ———お会いしたらまずはなにをして遊びましょうか。

 

 ———そうですね、せっかくですしお兄ちゃんみたいな遊びをしましょうか。みなさんが王子さま、わたしがお姫さまです!

 

 ———それで、旅をしましょう!

 

 ———魔王とか、モンスターとか、とんでもない天災とか。いろいろなハプニングだらけのファンタジーを旅するんです!

 

 ———みなさんだって、そういう小説はお好きなんでしょう?

 

 ———え、殺されるって?

 

 ———だいじょうぶです、お兄ちゃんにもできたんですから、みなさんだってできますよ!

 

 ———それじゃあ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              /    ̄ ̄\

             / ≠       ∨     /⌒ヽ

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 γ  ̄`ヽ   {/  ̄ ̄ ̄/    |   |'    /

  ヽ    `ミ='      /   / ̄.|   |   ./

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              \   、_ノ

               \_√

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ———ふふ、冗談ですよ。驚きました?

 

 ———流石にみなさんをこっちまでつれてはこれません、まだね。

 

 ———すごいですよね、アスキーアートでしたっけ。ちょっと遊んでみました!

 

 ———クレジットはAAHUB(https://aahub.org/mlt)、手・腕01(片手)、2025/07/09です!

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