「あのー、すみません、店にまで被害が出るほど暴れられるのは迷惑なのですが」
某県神野市で起こった『悪の魔王』AFOと『平和の象徴』No.1ヒーローオールマイトの最終決戦の終盤
互いの最後の一撃が放たれようとし、日本中が息を呑み、ヒーローの勝利を願った瞬間、間の抜けた声が聞こえた
「は?」
というのがテレビを通して事態を見守っている者とその場にいるヒーロー達の総意であろう
だが、たった一人その場にいるヴィランだけは違っていた
「あ、死柄木さん、困りますよぉー、貴方の事情は分かりますが前に言いましたよね?『うちの店に被害出したらどうなるか』って」
「い、いや、待ってくれ店長、僕は悪くないんだ、僕はちゃんと、ちゃーんと君の店に被害が出ないようにしていたんだ、悪いのはオールマイトなんだよ」
「死柄木さん………『喧嘩両成敗って知ってます?』」
「店長許さないレベルで怒ってるじゃないかぁ!?」
『悪の魔王』と親しげな関係を構築しているということが言葉からにじみ出ている謎の男にヒーロー達が警戒する中、グラントリノがポツリと漏らす
「コイツは……AFOの仲間なのか…?」
「いえ、違いますよ?」
グラントリノの疑問を聞いたのかその男は答える
「私は神野市で定食屋をしている西京 傑といいます。死柄木さんはジーさんの代からの常連さんです」
「は?」
「数年前にオールマイトさんに負けて固形物食べられなくなったけど、流動食とか出前で注文してくれたり、ここ数年は息子さんの弔君が来たりしてくれまして」
「はぁ?」
「あははー」と呑気に答える男に誰もがその男のヤバさに慄く中、流石と褒めるべきかエンデヴァーが大声で問う
「ならばキサマもヴィランか!」
「いや、だから違いますって、うちの定食屋のモットーは『金払って飯食う奴はヒーローだろうがヴィランだろうが客、ほんで店と周辺で暴れるやつには拳骨だ』でして、俺もソレを踏襲してるだけです」
ほんと、ソレだけっすわー、と肩をすくめて答えた男は改めてAFOとオールマイトに向かって問うというよりも命令する
「てなわけなんで、お二人さんうちとその周辺の片付け手伝ってくださいね?拒否るんなら………」
「拒否るのなら?」
ニコニコと笑いながら言う男に冷や汗をかきながらオールマイトが聞き、AFOは続きが分かっているのか、ガタガタ震えながらその言葉を待つ
「拳骨だこのど阿呆共」
その瞬間、ヒーロー達は悟った『あ、これはヤバい』と
「じゃ、じゃあ、僕は先に行くから……」
「あ、そうだ死柄木さん、ジーさんからの伝言で『来たら拳骨』だそうです」
「あ、僕死んだな」
そう言って、AFOは処刑台に行く囚人のようにフラフラと歩き出し、それを見送ってから、オールマイトに向き合い
「じゃ、着替えてからオールマイトさんも行きましょうか、え?なんでかって?うちは定食屋ですよ?そんな血と泥まみれじゃあ汚いじゃないですか」
ね?と笑った男が肩を掴んでオールマイトを引きづって行き、こうして神野市で起こった事件は幕を閉じたのだった
設定
西京 傑(さいきょう すぐる)
神野市にある定食屋『西京食堂』の3代目(予定)35才男
得意分野は洋食
身長は2メートル近く、バッサリと短く角刈りに整えた髪形
個性:最強
文字通り最強、奪われないし、抹消されない、傷つける事も、コピーも出来ない、受継がれた想いだろうと粉砕し、新ルール?なにそれ美味しいの?な個性
しかも親子3代この個性
3代目曰く「ジーさんと親父の方が強い」らしい
事の顛末を知った各反応
裏社会及び某県警
「え?あそこでドンパチしたのバカじゃん」
各国
「え?あ、え?日本何考えてんの?!」
日本
「は?ヒーローと警察何してんの!?」
え?ジーさんのモデル?某ジーさんのズモモモな御方と某勇次郎ですかね?