修学旅行で起きたあの事故から二週間程経った今日。
僕、直枝理樹と幼馴染みでリトルバスターズのメンバーである棗鈴は学校で授業を受けている。
何故かというと僕達を含む比較的軽傷で済んだ生徒達は早めに退院が出来てこうして復学している訳だ。
他のメンバーは重傷であと少し遅れていたら助からない者もいたらしい。
「(僕達がこうして生きているのが最早奇跡だからなぁ…)」
あの事故で誰一人として犠牲者が出ることは無く、まさに奇跡の生還と言われている。
表向きは僕と鈴のおかげになっているけど、本当は違う。
真人や謙吾が僕達を庇ってくれたり、恭介が体を張ってガソリンが引火するのを遅らせてくれたから。
そして何より「繰り返される世界」で皆が僕達を強くしてくれたからこそ皆を助け出すことが出来たんだ‼︎
皆手術は成功したけどリハビリとかでまだまだ入院しなきゃならない状態だ。
恭介に関しては手術自体は成功したけど未だに面会謝絶といったほど安静にしなくてはならないらしい。
理「今日も皆元気そうだったね」
皆との面会が終わり(真人、病院内での筋トレはいい加減やめてよ。いつも注意されるの僕なんだから(汗))今日は何をしようかと考えながら鈴と学校の寮に戻る途中、鈴に聞いてみた。
鈴「そうだな。まぁ、真人のバカは頭の手術も受けるべきだったな」
理「そういうこと言わないであげようよ。真人だって悪気はないんだから(汗)」
鈴「だがあいつのバカのせいであたし達がいつも怒られるんだぞ?」
理「うん、それは僕だけであって鈴はその間小毬さん達と話してるだけだよね?」
鈴「そうだったか?」
理「…」
これ以上はやめよう、なんだかツッコミを入れるたびに悲しくなってきたよ。
そろそろ寮に着くというところでなんだか皆騒がしい。
理「どうかしたの?」
男子生徒1「最近転校してきたばかりの一年生の二人が食堂でケンカを始めたらしいんだ」
理「なんだって⁉︎」
よりにもよってなんで恭介が不在な時に?
そう考えていたら鈴が尋ねてきた。
鈴「理樹、どうするんだ?」
恭介ならどうする?
もう答えは決まっていた。
理「…行こう‼︎ミッションスタートだ‼︎」
僕達は走って食堂に向かった。
食堂に着いた僕達が見た光景はなんていうかこう、デジャヴだった。
片方が一方的に攻撃を仕掛けているが、もう片方はそれを全て冷静に躱している。
…なんていうか、真人と謙吾みたいだ。
「(って止めなきゃ‼︎)」
理「ストップ‼︎ストーップ‼︎」
二人「‼︎」
僕は二人の間に割って入った。
理「皆困ってるから一旦落ち着いて。一体何があったの?」
⁇「誰だアンタ?アンタには関係ないだろ?邪魔するならアンタも一緒に潰してやる‼︎」
攻撃を仕掛けていた方が突っかかって来たが僕は怯まないで続ける。
理「どうしてもと続けると言うならルールを決めよう」
⁇「ルール?」
理「ルールは簡単。皆には武器になるものを投げ入れてもらう。それは下らなければ下らないほどいい。そしてその中から一つ一つ取り、それを使って戦うんだ」
僕は恭介が以前やったバトルを思い出す。
「(これなら誰も怪我したりしないだろう)」
⁇「ふざけんな‼︎誰がそんな茶番に付き合ってられるか‼︎」
理「負けるのが怖いのかい?」
僕は敢えて挑発してみる。
「(どう出る?)」
⁇「! 上等だ‼︎まずはアンタから潰してやる‼︎」
僕が戦うことになったけど相手が単純で助かった。
理「よし、バトル開始‼︎」
ギャラリー「オーッ‼︎」
ギャラリーが武器になるものを投げ入れて来る。
彼が取ったのはネギ。
対して僕は…
理「ハリセン⁉︎」
何故だろう心が落ち着く。
相手がネギを振りかぶりながら向かって来る。
⁇「うおぉー‼︎」
理「…」
…。
⁇?side
突然喧嘩をふっかけられ、適当に相手の攻撃をいなしていたら誰が割って入って来た。
ネクタイの色からして先輩だろうか?その人は喧嘩っ早いそいつと俺に何か提案して来た。
すると何故かそいつと先輩が戦うことになってしまった。
なんだか悪いことをしたと思いながらその戦いを見守ることにした。
「(いざとなったら俺が割って入ろう)」
だが、その決着は一瞬でしかも以外な形で着いた。
ネギが先輩にあたる直前、目にも止まらぬ速さで先輩がハリセンで切り抜けた?のだ。
とどめの如くそのまま打ち上げられた敵をハリセンで叩きつけた。
正直俺は驚きを隠し切れなかった。
どう考えても先輩が負けると思っていたからだ。
俺もあまり人のこと言えないがあの華奢な体だし、喧嘩などしたことなど無さそうだったからだ。
だが、ギャラリーは何故か納得した顔をして騒いでいる。
男子生徒2「強ぇ、流石直枝理樹‼︎」
男子生徒3「伊達にリトルバスターズのリーダーをしてないな‼︎」
女子生徒「まだまだ棗先輩ほどではないけど、強くなったわよね‼︎」
「(リトルバスターズとはなんだろう?)」
ふとそんな疑問が頭によぎるが今は自体の収集をしないと。
⁇?「あの…」
そう言って俺は先輩に話しかけた。
理樹side
「(なんとか勝てた)」
なんて思っているともう一人の方に話しかけられた。
⁇?「あの…知り合いが迷惑かけてすみませんでした。」
理「別にいいよ。けど、どうしてこんなことになったの?」
⁇?「それは…」
⁇「それは俺がコイツを気に食わないからだ‼︎」
理「それは一体どうしてなんだい?」
ますます状況が理解出来ない。
理「取り敢えず名前を教えて?僕は直枝理樹」
名前が分からないままでは会話が不憫なので取り敢えず自分から名乗る。
⁇?「俺は1年D組の秋山 歩です」
⁇「…飛鳥 真だ」
理「それで真は歩の何が気に入らなかったの?」
歩「それは、真がテストで赤点を取ってしまって。ここで追試に向けて勉強を教えていたら急に喧嘩をふっかけられて今に至ります」
真「お前の教え方が悪いからいけないんだ‼︎」
歩「君の理解能力が悪いだけだろう。そもそも、日頃から授業をちゃんと聞いていればいいものを君と来たら居眠りばかりじゃないか」
真「なんだと‼︎」
理「まあまあ、落ち着いて」
とことん真人と謙吾みたいだ。
歩「そうだ、先程聞こえたのですがリトルバスターズってなんなんですか?」
理「悪を成敗する正義の味方さ!っと言っても今は皆で集まってわいわい楽しむお祭り集団みたいになってるけどね(汗)」
二人「‼︎」
理「?どうかした?」
歩「いえ、なんでもありません」
なんだろう?今一瞬二人の顔が引きつったような気がした。
歩「正義の味方ということは以前は何かと戦っていたのですか?」
理「別にそういうわけじゃないんだけど、僕は幼い頃彼等に救われたんだ。だから僕にとっては正義の味方さ!」
歩「そういうことでしたか。先輩がリーダーと聞きましたが、先輩もリトルバスターズなんですか?」
理「今ここにはいないけど以前は恭介…つまり僕達の幼馴染でリトルバスターズの創設者なんだけど、その人からリーダーを引き継いだんだ」
真「何が正義の味方だ。下らねぇ」
そう言って真はどこかに行ってしまった。
歩「あ、コラ待て。すみません、アイツ口の聞き方がなってなくて」
理「いいよ。もう遅いしここいらで解散しようか?何か困ったことがあったらいつでも言ってね?僕達は必ず助けに行くから」
歩「分かりました。今日は本当にすみませんでした。それでは、失礼します」
そう言って歩も去って行った。
鈴「なんだったんだ?あいつら?」
理「そうだね。でも、なんだか二人とも悲しそうな顔をしてた」
鈴「?」
理「僕達も帰ろっか?」
鈴「そうだな。そうしよう」
僕達もそれぞれの部屋へ帰ることにした。
この出会いが僕達をとんでもない事に巻き込むことになるなんて、この時僕は知りもしなかった。