「梢先輩、デートに行きませんか?」
その一言から始まった、花帆と梢ののとじま水族館デート


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第1話

「梢先輩、デートに行きませんか?」

突然の提案に、梢先輩は少し困ったような顔をして答えた。

「花帆さん?突然どうしたの?」

「デートに行きたいんです!」

「それはわかったけれど・・・」

答えになっていない返答をしてしまい、さらに困り顔の梢先輩。

「ええっとですね、最近定期テストがあったじゃないですか?その間、毎日勉強し続けていたので、梢先輩と会えなくて、栄養が不足してしまいました!」

「そ、そうなの?」

「はい!このままだと倒れてしまいそうです!」

冗談だとわかりつつも、困り顔で付き合ってくれる梢先輩。その優しさが大好きだった。

「では、次の週末にどこか行きましょうか?その日は練習もお休みだし」

「本当ですか!?やったー!梢先輩とデートだ〜!」

心からの笑顔がこぼれ、気づけば顔がほころんでいた。

「どこか行きたいところは?」

「水族館に行きたいです!」

こうして、二人きりのデートが決まった。

 

石川県・のとじま水族館。

石川県唯一の水族館で、古くからあるが、県内外からも高い評価を得ている。能登半島に位置しており、金沢市内からは少し距離があるため、特急とバスを乗り継いで向かう。 


「でも、どうして水族館なの?」 
電車の中、梢先輩が尋ねた。

「大きな理由があるわけではないんですけど、昔から水族館が大好きで、家族とよく行っていたんです。石川に来たときも、絶対に行くぞって決めていました!」

「私も石川に住んでるけど、子どもの頃に一度行ったきりね。結構有名だけれど、なかなか行く機会がなくて」

「ですよね、水族館って行くと楽しいけど、いつでも行けると思うとなかなか行かないんですよね」

「そこまでは言ってないけど・・・。花帆さん、本当に水族館が好きなのね」

また梢先輩を困らせてしまった。

「でも今日は特別に楽しみです!だって梢先輩と旅行みたいなお出かけって、なかなかないじゃないですか!」

少し照れたように頷く梢先輩。

「確かに。フェスライブの練習があったりして忙しい日々だったものね。」

「そうなんです!だから今日は本気モード!おしゃれも頑張りました!どうですか?」 
そう言いながら花帆は純白のワンピースを梢に見せる。

「ふふ、とっても似合っているわ」

そんなやり取りをしながら、バスに揺られ、ついにのとじま水族館へ到着した。

 

「わあ〜!水族館だ!」

花帆は目を輝かせながら、大きな看板を見上げる。

「じゃあ、早速中に入りましょうか」

「はい!」

ゲートをくぐると、ひんやりとした水族館特有の空気が二人を包み込む。
幻想的な青い光が広がる中、大きな水槽が目の前に現れた。
ジンベエザメ館「青の世界」。
ジンベエザメは大阪、鹿児島、沖縄、そしてのとじま水族館にしかいない貴重な魚である。

「うわあ・・・きれい・・・」

思わず息を呑む。

「この水槽、すごく大きいわね」

「ですね!あ、見てください!ジンベエザメがいます!」

指差す先には、大きなジンベエザメが優雅に泳いでいた。

「梢先輩!写真をお願いします!ジンベエザメとツーショットを撮りたいです!あ、こっちに来ましたよ!」

慌ててスマホを渡し、ポーズを決める。

「これでいいかしら?」

「ありがとうございます!完璧です!さすが梢先輩!」

写真を受け取り、満足げに笑顔を浮かべる花帆。

「梢先輩って、好きな海の生き物とかありますか?」

「うーん、強いて言えばクラゲかしら。ふわふわしていて、見ていると落ち着くの」

そう言いながら、梢先輩はクラゲの水槽に近づく。ゆらゆらと漂うクラゲたちが、ライトに照らされて幻想的な雰囲気を醸し出している。

その横顔を見つめていた時、ふと心の中で思った。

「梢先輩って、ちょっとクラゲっぽいかも・・・」

「・・・え?」

「優雅で上品で、でもどこか掴みどころがない感じ?」

「そ、そんなこと・・・」

頬を染める梢先輩。

その反応が可愛くて、思わずクスッと笑ってしまった。

「でも、私はそんな梢先輩が大好きですよ!」

「・・・もう、花帆さんったら」

そっぽを向く梢先輩だったが、口元には密かな笑みが浮かんでいた。

さらに進んでいくと、イルカショーの会場が見えてきた。

「わあ!イルカショー、見ていきましょう!」

能登半島の海をバックにしたイルカプールは、絶好のロケーション。ショーが始まると、音楽に合わせてイルカたちが華麗なジャンプを決めるたびに観客から歓声が上がった。

花帆は、イルカがジャンプするたびに夢中で手を叩きながら、その見事なパフォーマンスに感動していた。

「すごい・・・!イルカさんたち、息ぴったりですね!」

「本当にね。たくさん練習したのでしょうね。まるで私たちがやっているライブみたい」

「私たちもあんなふうに息を合わせて、もっと素敵なステージを作りましょう!」

「ええ、ラブライブ優勝を目指しましょうね」

「はい!私ももっともっと頑張ります!」

イルカショーが終了し、のとじま水族館を後にした二人は、帰りの電車で再び会話を楽しんでいた。

「梢先輩、今日は本当に楽しかったです!」

「私も、とても楽しかったわ。花帆さんのおかげで素敵な休日を過ごせたわ」

梢先輩がにっこり微笑むと、その笑顔が心に染みるようだった。

「いえいえ、私もです!こんな素敵な場所で、素敵な時間を過ごせたことがすごく嬉しいです。一生の思い出になりました!」

「私もよ。これからも一緒にたくさんの思い出を作りましょうね」

その言葉に、花帆は強く頷いた。

「はい!これからも、もっと素敵な場所に一緒に行きましょう!」

二人はさらに絆を深め、ラブライブ優勝に向けての決意を新たにしたのであった。


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