[作者まえがき]
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アナウンスをしているし、いつかリクエストを募集するかも。
[訳者まえがき]
本小説はブルーアーカイブとディビジョンのクロスオーバー小説ではありますが、ディビジョンを知らなくとも読めるものになっています。
もしもディビジョンの世界について興味を持ったのなら「ディビジョン ブロークンドーン」を一読することをお勧めします。もちろん、ゲームもソロ(特に1)だと難易度が高いですが、非常に面白いものとなっています。
Chap.1-01 アメリカ合衆国
両脇に森が広がる通りを、ふらつきながら歩いていた。擦れたオレンジのラインの間に片足を置き、続けてもう片方の足を踏み出す。
元々黒色だったスニーカーは履き続けていたため灰色になっている。いつも履いているジーンズもすっかり破れて擦り切れていた。白いシャツはボディアーマーの下に隠れて、その上から赤いフランネルで覆い。腰には黒いジャケットが結ばれ、両手には改造されたM4を握っていた。
手を伸ばす気力があったら、今頃ゴーバッグには括り付けられたミリタリーM870が、ホルスターにはオフィサーM9A1があっただろう。ともかく、俺は目的地へ案内するために地面に示されたホログラムの線に、息を荒げながらも集中していた。
自分がどれほどひどい状態か、言葉では表しきれない。ましてや、その見た目なんてなおさらだ。だがそれでも何とか動き、車を見つけ出し、車の窓に映った自分の姿を見て、思わずたじろいだ。
野球帽で茶色の髪を隠し、ガスマスクで顔の下を隠し、首には不死鳥のタトゥーがある青年。彼のシャツの襟からは傷跡が見えて、俺はため息をついて独り言をこぼした。
“ああ、こりゃひどい格好だな…”
電子音が鳴った後に人工音声が声をあげる。
| A 警告:エージェントの心拍数が低下中 |
“
俺はそう大声で呟き。
“俺のイカした顔がアーマーの穴を塞ぐのか?”
AIの仲間…というよりはディビジョンエージェントの仲間に応えながら移動を続けた。
着ていたアーマーの防弾プレートには小さな穴がいくつも開いており、壊れたプレートを修理するためのアーマーキットがないことに気付いた。アーマーがないということは音速で飛んでくる手榴弾の金属片から身を守れないと言っても過言ではない。手榴弾の金属片は、機嫌が悪い日の母親よりもたちが悪い。
とはいえ、痛みを我慢して、うめくように内心で文句を言い続けながら通りをふらつきながら歩く。
“おいおい、たったの…”
目を細めながらホログラムの数字を見上げる。
“…くそっ、なんでメートル法のままにしたんだ?…って、メートルにしては大きすぎるな…”
息を切らしながら、怪我を悪化させないよう慎重に足を速める。
…正直なところ、ワシントンを無法者の手から奪還した男の最期がこれなのはみっともない。 こっちは遊び半分で3年もギャングどもを追い詰めたわけじゃないんだぞ!
何かを成し遂げたから評判ってのを得たんだぞこっちは!
ゆっくりと、一歩一歩歩んでいくごとに、記憶がよみがえる。女に、男に、学校に、別の男に、銃に、死体に……次から次へと押し寄せてくる映像が。わかってるさ。命が尽きかけようとする時には記憶がフラッシュバックしていく、すでに何度も経験している。
| A エージェント、危篤状態 |
俺が身体を揺らすと、ISACが喋った。
| A 応援を要請 |
悲しきことかな、今回はツイてるとは思えない。
“よせ、気にするな”
AIに向かってつぶやいた。AIから心配するような声が聞こえるはずがないのに…疲労のせいかそう錯覚してしまう。
“どうせ…ここに送られたのは俺だけだしな。”
半径20マイル以内で、そこにいるのは俺だけだ。他は自分の手で屠殺した。まあ…屠殺というのは罪のない動物などに使う言葉ではあるが。いや、俺はアイツら全員を狩り尽くした。こっちの方が言い方としては良いな。
止めようとする間もなく、ザラついたアスファルトが頬に触れるのを感じる。冷たい。その考えに思わず笑みが漏れるが、途中で咳に変わり、俺は呟く。
“21年間、この世を生きてきて、その死に様がこれか?もう少しマシなのがあっただろうによ…”
ISACブリックからパルス信号が送られてくる間、俺は疲れ切った体を引きずりながら前進した。
“装備を…隠さないと…”
そう呟くけど、俺が再び装備を見つけられる前にはとうのとっくに骸骨になっているだろうから、隠しても意味はない。
グローブからピストルに至るまで、自分の装備は最上級なもので、どれも改造と手入れが施されているから、たいていの戦いは確実に乗り切ることができる。SHDテックはもちろん、背中に背負っているTAC-50ライフルもだ。
TAC-50のようなアンチマテリアルスナイパーライフルは最初に選んだ得物というわけではないが、提示された他の選択肢と比べると、かなりかっこよかったというのは認めている。
ともかく、ゴーバッグを引きずり下ろし、ピストルのホルスターを外し、ため息をつきながら自然に呑まれている錆びた車の下に投げ入れた。
“ほらよ、ん…?”
オレンジ色に点滅するスマートウォッチを見て、俺は息を吐きながら、ふと笑みを漏らす。
“すべてはお前から始まった。だろ?”
肩を丸め、身構えて前のめりになり、身体を引きずって隠した装備から離れた。小石が身体に食い込み、それにたじろぐも、視界は徐々にぼやけていった。
“次の人に役立ってくれることを願うよ…”
何時間経ったかわからないが、気を失った。天の闇に視界が遮られながら、俺は最後に弱々しい笑みを漏らした。
21年もの間生きてきた人生のうち、4年間は
バウンティを次々と倒し、ローグエージェントを執念深く狩り続け、武器を集めていって、噂だけで評判を築いていった。アーロン・キーナーに少人数の部隊が武装できるほどの弾を撃ち込み続け、目の前で倒れる様を見た。それでも足りなかったらしく、結局アイツは復活し、フェイ・ラウは死に、俺の家族の平穏を邪魔し続けた。
そのために、俺は後悔することをたくさん行ってきた。もしかしたら将来、俺は人殺しとして語られるかもしれない。だがそう語り継がれていくのであれば、それは俺が果たしてきたことは成功したという証左になる。 少なくとも、治療法は確立されて、ほぼ完成している。そのことは祝うべきことだ。
もうママとパパには会えないかもしれないけど、少なくとも俺のことは誇りに思ってくれている。
…
正直に言おう、クレイモアで吹き飛ばされかけた後に出血死するなんてのは、この俺にも起こり得ることだ。