The Divide   作:粋刺@翻訳

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[訳者まえがき]
このセクションは本編とは違うパラレルワールドです。


Orange Archive: Hand-in-Hand(互いの手の内)

カチッというカンナの耳に入った音は、彼女にとってはあまり聞きたくないものだった。特に犯人の武器を没収した後、ほんの一瞬だけ目を離した時に転倒の後であればなおさらだ。

 

彼女自身の手首にはめられた手錠には光が反射され、そして手錠のもう一端は犯人に繋がっていることを彼女は確認する。どちらかが引っ張ると、もう一方も連動して動いていく。

 

そして彼女は未だに自身のピストルのグリップを強く握っていた。体格、体重、そして使用するピストルにおいては、犯人の方が上だった。

 

彼女自身、この仕事をしていると、時折嫌気がさしてしまうことがある。

 

それでも、彼女の左手首と彼の右手首は手錠で繋がれていて、犯人のピストルは彼の右太ももにある。抜き出すとなればどうしても不自然な動きになってしまうが、不可能ではない。

 

だが彼女としては、そうはさせたくなかった。

 

犯人もそうだったのか、彼女が銃を向ける前に左手で彼女の手首を掴み、頭突きを繰り出す。そして脛に蹴りを入れられて、激痛が走り彼女は膝をつく。だが自身の左腕を首元辺りに引っ張れば、二人は倒れ込む。

 

彼の体重が彼女の背中に押しかかると同時に、彼は床に叩きつけられる。彼女の脚は彼の腕に巻きついており、勢いよく引っ張る。二人がもがく中、カンナの銃は音を立てて落下。彼は強引にカンナのアームロックから逃れようとするが、彼女は鋭い歯を強く食いしばり、更に力を強める。

 

犯人の足が動く──だがそれはただ足掻いているからではない。そして彼の片膝が床についた瞬間、彼女は自身の過ちに気付く。

 

彼の腕の筋肉が伸びる感触と共に、彼女の背中は数ミリ程度浮かび上がる。カンナは犯人の右腕を離せば、その右腕は勢いよく引き戻されると同時に彼女の左腕も戻される。手錠が二人の手首に食い込む直前、彼女は脚で彼の膝を蹴り飛ばす。

 

彼は再び倒れ込み、彼女は飛び掛かって首を絞めようとするも、彼は素早く後ずさりしてグローブをはめた手で彼女の顔を押さえつけて視界を遮る。彼女はその手の平を噛もうとし、また彼の太ももを叩いて銃を探すか、ホルスターには何もなかった。

 

銃声が響けば、彼女は耳鳴りと共に首に痛みが走る。そして二発、三発、四発と銃声が続く。彼女は咳き込みながら自分の左手首を素早く引く。彼の手からは銃が滑り落ちれば、その手は彼女の歯が食い込んでいた。

 

手袋で止まっていたが、彼女は更に強く噛みついていけば彼は叫ぶ。そしてカンナは腹部を蹴られた瞬間に口を開けかけるも、彼が手を引くまで耐え、そして彼は腕の下から彼女を引きずり上げて脇の下に抱え込み、そのまま横転させて手を離す。

 

直後に彼の左前腕が彼女の首に巻きついて呼吸を妨げ、自由になった彼の右腕は彼女の左腕を押さえつけながら、彼女の抵抗を防ごうとし、自分の体の上に彼女を引きずり上げる。

 

彼女は肘で彼の脇腹を激しく叩きつけ、放させようとするも、アーマーに防がれてしまい彼女の意識は徐々に遠のいていく。

 

そうして、力も次第に弱まっていき、彼女の意識は完全に手放されてしまった。

 

カンナの抵抗が収まったのを確認すると、彼は彼女の身体を突き放し、息を荒げるもすぐに落ち着きを取り戻していく。そして手早くカンナの身体を漁り、鍵を見つけ出す。そして手錠を外した後、彼女の両腕を後ろ手に拘束し、手錠をかける。そしてゴーバッグを手に取り、彼は建物から脱出し、ヴァルキューレ警察隊のパトカーのサイレンが鳴り響く現場を後にする。

 




[作者あとがき]
皆さん、こんにちは。再び活動を再開しますのでいくつかお知らせがあります。リアルでの様々な事情や、学生から社会人になったことによる環境の変化に伴い、今後は依頼を受け付けることにしました。また、Twitterも開設しましたので、こちらやKo-fi経由でリクエストを受け付けています。

これがKo-fiTwitterのアカウントです。

というわけで、現在は依頼を受け付けていますが、対応できる枠は限られています。詳細はいつも通りFanFicition.netで掲載していますので、興味のある方はご覧ください。

それでは、今回のチャプターをお楽しみいただければ幸いです。

ちなみに、マテオの方は少し落ち着いています。

[訳者あとがき]
ようやくリアルが落ち着きました。高専を卒業(2/18時点では未確定)するので余裕が取れると思いますが、次回は3/1です。誤字脱字を指摘してくださる方に本当に感謝しています。ありがとうございます。
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