お久しぶりです。特にお伝えすることはなく、ただ「帰ってきた」というぐらいです。
改めて、Discordでベータリーディングをしてくださったrandom boatに感謝申し上げますとても助かりました。この作品を楽しんでいただけると幸いです。
追記:…自分の不注意に呆れてしまいます。間違いがあったので修正しました。
[訳者まえがき]
7thPVの例のスマートウォッチの既視感に作者と一緒にはしゃいでました。
そして偶然にもほぼ同じタイミングでD.U.とD.C.に
FOX3は20連でFOX2は天井でしたがレキシントンは引いておきたい。
Chap.23-01 D.U.
いつものように、日常がゆっくりと過ぎ去っていく。少なくとも。高校生が銃撃戦に巻き込まれても軽いアザ程度で済む場所において、日常といえる日々が過ぎ去っていく。
俺はユウカに振り向く。俺が自分の仕事を放り投げてレッドウィンターへ行ったせいで、ユウカは今週いっぱい、俺の"監視役"として後ろから俺の仕事を監視している。
「先生──」とユウカはタブレットを見ながら、疑わしげに俺を見て言う。「ここ最近はずっと、多忙のようですね。」
“誰かさんのせいでありとあらゆる仕事を押し付けられているから多忙のようだと?”
そう言い返して、今まさに押し付けている人物に目を向ける。電卓を打ち続け、何か編集しているようだ。アロナやISACならその画面を見せてくれるが、プライバシーの侵害になってしまう。
それはそれとして、俺は視線をドアの反対側の壁に移す。
“宿題か?今やっているのは。”
マスクによって声色が僅かに変わるも、興味を込めてそう尋ねる。
「はい?」とユウカは髪を一房整えて俺の方を見る。「いえ、特許出願されたアルゴリズムの解析をしているところです。どうやら"美しい"数字を生成するアルゴリズムとのことですが…」
俺は興味を引かれて身を乗り出す。
“5318008のような数字か?”
そう尋ねると、マスクの下で唇がかすかに動く。そしてユウカは首を傾げる。
「違うような気が…」と電卓を見ながら言う。「美しい数字ではないと思います。素因数分解すると──」
ユウカが喋っているその時、イヤーピースが作動する。
| 先生~、準備全て終わりました。 |
ノアの声が入り、無線を聞いている他の人も皆、うなずく。
“ありがとうノア。”
セミナーの書記に感謝をして、疑いの視線を向けるユウカへ振り向く。マスクで下半分の顔が隠れているのに感謝しながら、首を傾げる。
“どうした?”
「その数字、必ず証明してみせます。」ユウカは声を高らかに上げて宣言する。俺がドアに手をかけ、ドアノブを回すと、以前と同じように簡単に回る。ユウカはうなずいて閃光弾の準備をして、俺は慎重にドアを開ける。
閃光弾のピンが抜かれて室内へ投げ込まれると、中にいた者たちは動きを止める。「ちょっ何──」
爆音が響き、俺は一気に押し開ける。
“地面に伏せろ!”
混乱している不良たちとオートマタに向かって叫ぶ。
別の場所からガラスの割れる音と銃声が響き、共に同行していた生徒たちが建物を制圧する中、耳をつんざくような恐ろしい
俺はレキシントンをオートマタに突き付けると、無造作に振り下ろされるバックハンドを潜り抜けて、バットストックで殴り倒す。
“両手を後ろに組め。”
簡単には動けないよう、俺は腕を掴んで結束バンドでしっかりと背中側に縛り付ける。
“見つかったか?”
テーブルの中を探しているユウカに尋ねる。ユウカは眉をひそめながらパソコンの方へ向かい、俺は自動人形を結束バンドで縛り、起き上がろうとする不良にレキシントンを突き付ける。不良は床に伏せると、両手を背中側に組んで、俺は彼女の元へ駆け寄ってからその腕を縛る。
そしてパソコンでの作業を終えたユウカの側へ移動する。彼女は独り言のように頷きながら、USBメモリを挿入する。「データをダウンロードします。」
俺はうなずき、外からタイヤのスキール音が鳴る。
“アル、さっきの音は何だ?”
| 心配無用よ先生。そうね…予定外のお客様がいらしただけよ。 |
その後にムツキが喋り始め、俺は窓に手を当てて建物の入口の方を見れば、複数の装甲車から不良とオートマタたちが降りてくる。
| 装甲車よ。 |
“適当に撃って足止めを。”
そう指示を出せば、二人の位置から聞き覚えがあるMG5の射撃音が鳴る。トラックに乗っていた者たちは飛び降りて
“ハルカ、カヨコ、状況は?”
無線からはショットガンや他の銃声が聞こえ、落ち着いたカヨコの声が続く。
| 《color:# C9657C》問題無し。ハルカを狙うように仕向けさせて、対処してくれた。でも何人かが2階に上がっていった。《/color》 |
廊下から叫び声と足音がこだまする。俺は身体を斜めに傾けて、廊下の状況を確認しようとした瞬間にすぐそばの窓ガラスが割れて破片が飛び散る。身を反らして破片を避けると、縛られた不良たちが拘束を解こうともがく姿が目に入る。
グレネードを手に取り、ピンを抜いて車の方に投げると同時に拘束した不良たちに狙いをつける。
トリガーを引くと同時に銃弾が頭部に当たれば、ヘイローは消え、オートマタの画面はブルースクリーンになる。路上で手榴弾が爆発し、車は破片で穴だらけになると同時に1台が横転する。それによってムツキのリロード時間を稼ぐことができた。
俺は廊下へと移動して様子をうかがうが、銃弾が飛んでくるのと同時に遮蔽物に隠れる。背中に手を伸ばして、ブルワークバリスティックシールドを展開して、アダムの鍵を構えて反撃の準備を整える。
シールドに銃弾が叩きつけられるが、床へと落とされる。不良三人が弾切れになるのを待ってから、銃声が止まってリロードし始めた時に俺は素早く動き出す。
シールドを少しずらして狙いを定め、一人目は胸部、頭部を撃つ。頭が仰け反ったのを確認した後、二人目に移って頭部を二発、三人目がマガジンを落とした瞬間にその身体へ浴びせ続けて、最後に頭部を撃つ。
敵のヘイローが全て消え、意識を失ったことが明らかになる。俺はバリスティックシールドをしまい、ゆっくりとドアに近づく。
“ユウカ?”
彼女はUSBを抜き取り、微笑む。「終わりました。行きましょう。」
俺はうなずき、他のメンバーに連絡する。
“目標を確保した。全員、離脱開始。後で合流しよう。”
確認を示す返事が次々と流れ、俺とユウカはここに来た時に使った窓へ移動して、外を見渡して待ち伏せされていないことを確認する。
先にユウカがハシゴに飛び乗り、俺はカバー役として両側面を警戒しながら降りる様子を見守る。カヨコのピストルの銃声と爆発音が聞こえる。つまりムツキとカヨコが脱出の援護をしているということだ。
ユウカが降りて、俺も続いてハシゴを滑り降りた後に飛び降りる。
“とりあえず──”
そう独り言を呟きながら、レキシントンをしまって、ハシゴを掴む。
“こいつを返した後に俺は合流する。”
「分かりました先生。」ユウカはうなずき、俺はハシゴを持ち上げる。両手が塞がっているため、ユウカが警戒をしてくれる。
ゆっくりと、彼女は路上に向こうに敵がいないかを確認し、俺は反対側を確認する。アダムの鍵を手に持ち、いつでも撃てるようにしてからユウカの後に続く。「ところで先生、あの数字についてですが…」
“秘密だ。”
マスクの下で不敵に笑いながらそう返す。
“どうしても知りたいのなら、自分の力で解き明かしてくれ。”
ユウカは鼻を鳴らして、胸の前で手を握る。「あの数字なら朝飯前です!明日になればもう解けてますから!」
俺は見上げて、うなずく。
“もう夜も遅いし、それにセミナーの会計としての仕事が山積みだと言っていたしな。”
「ですね…先生が仕事そっちのけでレッドウィンターに行ったせいでここ最近はずっと監視をしていましたので。」
俺はため息をつき、思わずこう尋ねずにはいられなかった。
“もうそろそろ終わってもいいんじゃないか?”
ユウカはただ目を細めて、腕を組む。「あなたは“先生”なんですよ。これ以上無責任な活動を見過ごす訳にはいきませんし、何よりもキヴォトスの生徒たちの模範にならないといけないんですよ。」
“俺はただ仕事をしただけだ。現場に行って、問題解決に手を貸して、すぐに終わらせた。昨日は用事で戻る必要があった。ユウカが気にしているのは先週のあの事だろ?”
「あそこの生徒たちにシャーレの資金を自由に使われたらどうするのですか?多額の資金を使われたらどうするつもりなんですか?」ユウカがそう指摘して、俺は肩をすくめる。
“さあ、どうするつもりなんだろうな。その分はカフェで補ったんだろ?”
そう指摘する。ユウカは腕を組んだまま目を細め、武器をしまってから向き直り、腰に手を当てる。
「せ~ん~せ~い~」と唸るような声を上げながら、俺のボディアーマーに指を当てる。「もっと責任を持ってお金を使ってください!お金を必要としていたからというだけで誰彼構わず渡すのはやめてください!」
“別に誰彼構わず渡しているわけではないぞ。”
そう言い返し、目を細めながら彼女の横を通り過ぎる。
“ただ職務を全うしていただけだ。”
ユウカ不満そうに鼻を鳴らして、俺の後を追う。「先生、まだ話は──」
“これを、どうぞ。”
そう言って、小さな柴犬がいる車の前で立ち止まり、ユウカを待つ。
「おお、どうも。」と柴犬は笑顔で言い、俺は地面にハシゴを置く。「随分と早かったもんだね。必要なものは手に入れたかい?」
俺はうなずき、ユウカも微笑む。「はい。ありがとうございます。」そう言ってユウカは一礼して、柴犬は手を振る。
「どうってことないさ。シャーレから頼まれただけだ。それに僕たちが使った訳でもないし、そこまで長くは使っていなかった。でも何かあったら──」
“こっちが弁償をすると。”
そう言ってため息を吐く。
“とはいえ、ありがとう。大助かりだった。”
「いやとんでもない!本当に凄い活躍っぷりだったよ。」彼はそう言って、俺はその肉球に握手をする。
“そっちもだな。それでは。”
そうしてユウカは手を振りながら微笑む。一方の俺は少し速く走っていく。
だが追いつかれてしまった。「先生!話はまだ終わってませんよ!」とユウカは俺のゴーバッグを掴み、手荒く引っ張る。
少しよろけるが、すぐに体勢を立て直して腕を組むユウカの方に振り向く。「便利屋68…?という人たちはどこで知り合ったんですか?」
“仕事。アビドスでだ。”
そう伝えるが、ユウカは首を傾げる。
「でもゲヘナの生徒ですよ?」と指摘され、俺はため息をつく。
“確かにユウカと同じ生徒だ。”
そう言い返して
“怪しいサイトで雇った…と言えばいいか?”
ユウカは目を細めて、懐疑的に唸った後、少し罪悪感を覚えたような表情でため息をついた。「ですね、すみません、先生。」
俺は手を振ってから、話を続ける。
“大丈夫だ。あと、ユウカのバス停はそこか?”
そう尋ねて、ミレニアム行きのバス停を指差す。
「はい。」とユウカはバス停の方へ移動する。俺が標識にもたれかかると、ユウカは俺の方を向いて微笑む。「協力してくださってありがとうございます、先生。」そう言って彼女はUSBを見せる。「護衛もしてくださってありがとうございます。」
“どういたしまして。全部上手くいって良かった。”
どうやら何らかの組織がミレニアムから情報を盗み出し、それを取り返さなければならない状況だったようだ。だから俺はユウカから依頼を受けた。他にやることがなかったからだった。
近くにいてくれるのはありがたいが、この件でユウカは忙しくなって、ここ一週間ほど続けていた進捗の確認はできなくなる。それはそれでストレスがかかる。
“それじゃ、俺はあの子たちと合流してくる。”
標識から身を離して手を振る。
“身体には気を付けてくれ、ユウカ。”
「無駄遣いはしないでくださいね先生!」とユウカが言ったので俺は困惑した様子で振り向く。そんな別れの挨拶をするのか?ユウカの唇がかすかに上がっているのに気づき、俺はため息をついた。「あ、ごめんなさい、それでは、おやすみなさい。」
“それじゃ。”
そう言って首を振りながら、軽い冗談に笑いつつ、便利屋68との合流地点である公園へと向かう。