by ISAC
こんにちは、
しかしながら、それが近いうちに起こるとは思いません。エージェントヴェルネスを殺すのは、ステロイド漬けにしたゴキブリを始末するより難しいと、分隊の誰もが証言できるでしょう。
それはまた別の機会とします。連邦生徒会が保有しているファイルは、恐らく十分な情報量がありますが、マテオを保護するために大部分が黒塗りされています。そのため、これは彼の死が訪れた場合にのみ公開されることになっています。
注意してほしいことは、このファイルは要約であり、故郷での時間を詳細に再現したものではありません。ここに掲載されている内容は、可能な限り包括的に説明することを優先しているため、水増しされ、多くのことが見落とされています。
マテオ・ヴェルネスは、イリノイ州の小さな町で生まれ、父が仕事のオファーを受けたことをきっかけに、東海岸のバージニア州へと移り住みました。彼には兄弟がいませんでしたが、さまざまな場面で”年長の兄”として振る舞うことが多く、その役割を自然に受け入れていました。成績は平均的で、スポーツの適性はそれなりにはありましたが特筆すべきものは特にありませんでした。多少不器用なところはありましたが、それでも彼の優しさがさまざまな場面で光ることがありました。
彼が注目されるようになったのは、中学時代に断続的に起こる出来事がきっかけでした。あるとき、クラスメイトとともに森林で迷子になった際、彼が指揮を執っていたのです。
そのことを快く思わない年上の生徒もいましたが、それでも彼は行動し、意見を交わし合いました。
その後どうなったかというのは、誰も語りませんでしたが、争おうとした生徒たちは、1時間後に発見されたときには顔に新たなあざができていました。
奇妙なことは何もありませんでしたが、似たようなことが起こり始めました。例えば、そんなつもりはなかったと主張しているにもかかわらず、「怖がらせた」として教師から居残りをさせられたことや、鋭い勘を持つようになったことや、1マイル競走*1のタイムは一貫して速く、何人かの生徒を上回っていたこと等が挙げられます。
彼の戦闘は短く、めったに目撃されることはありませんでしたが、格闘術には確かなものがありました。
特筆すべきことは少ないかもしれませんが、これらの技術はやがて、一つの方向へと収束していくことになります。
もうすぐ十七歳になろうとしていた夏に彼はSHDの採用施設を見つけました。そこが何かはわかっていませんでしたが、興味を持っていました。
幸運、先述の技術、そして少しばかりの暴力を駆使して、試験を楽しみながら、採用担当者たちを驚かせて見事に採用試験を突破しました。試験では、複数の武器とその射程に対する適性を示し、ビデオゲーム、直感、常識、そして銃に執着する叔父の影響が組み合わさり、多くの武器に精通するようになりました。また適性は戦術や戦略にも及んでおり、精神的な強靭さも際立っていました。
採用担当者を本当に納得させたことは、彼の自己犠牲の精神でした。何人かは、彼こそが理想的なSHDエージェントだとすら考えていました。
そして正式な候補者ではないことを知らずに、十代の少年に銃と機密の政府のファイルを渡してしまいました。望まない恐怖となったことでしょう。
そして現場のエージェントが彼を追跡し、話し合いの場を設けました。
最終的に、マテオは政府を訴える権利を放棄する書類に署名し、SHDで最年少の訓練兵となりました。
その後は訓練兵としての通常のプロセスを経ることになり、厳格な面接を受け、認知・心理評価を課され、VRシミュレーションと実戦訓練でのパフォーマンスを見られることになりました。
採用者たちは彼の評価レポートを作成し、その結果に驚きました。ほとんどの分野で高得点を叩き出し、特に適応力と実戦での指導力が際立っていました。ただし、彼は単独任務に優れており、リーダーになるのは最後のもしくは最適な選択肢としてのみでした。技術的な適性やスキルには欠けていたが、それはすぐに別のエージェントが運営する自動車修理工場で学ぶことで補われることとなりました。もちろん、すぐに実戦に投入されることは想定されておらず、年齢を重ねてから送るつもりだったので、記録を改竄し、未成年の頃から訓練を受けていた事実を隠すことも出来ました。
その後、ドルインフルが世界中に蔓延し、彼が初期研修を終える前に人口の半分以上が死亡しました。その後、彼も含めたすべてのエージェントが活動を開始しました。
火と血の洗礼を受け、多くの者が死にましたが、マテオは死にませんでした。彼の純粋な生存本能が自分自身と周囲の命を守り、両親への思いが彼を前進させました。 ギャングが次から次へと現れ、問題を起きるようになると、ある出来事が、彼を変えることになりました。
若かった彼は、子供たちと共感できる数少ない存在だったので遊び相手を務めることがありました。
ある日、別のエージェントへと子供たちを引き渡す際、その中の一人がいないことに気づきました。
そしてその子供は、健康な姿では見つかりませんでした。
その日から、彼は夜に動くようになりました。敵対勢力たちが眠るのを待ち、静かな怒りと冷酷無比な精度で葬っていきました。この頃から”サンドマン”という二つ名で呼ばれるようになりました。夜になるまで待機して、敵の命を奪う者という意味として呼ばれるようになります。
戦術を駆使し、そして、後に後悔することになったいくつかの手段を用いてきました。
しかしその結果、恐怖と尊敬によって、秩序を保つことができました。
それでも、子供たちとは遊んでいましたが、威圧的にならないよう、教える際にはよく眠るようにしていました。
ですが、それはブラックアウトが起きる日までのことで、二度目の指令を受けて、ISACネットワークの接続を復旧するために活動を再開しました。
祖国の首都であるワシントンD.C.への旅を終えて、彼は仲間であるマニー・オルテガ、オデッサ・ソイヤー、アラニ・ケルソの力を借りて敵を次々と倒していきました。そして単独でISACネットワークの全国的な再接続を成功させ、大統領を救出し、コミュニティの再建を支援し、都市のコントロールポイントを奪還しました。そしてほとんどの敵対勢力を排除し、都市を解放しました。
その時には、怒りと憎しみに駆られた兵士ではなく、確固たる意思と冷静な手腕を持ったエージェントへと成長し、コミュニティの生徒や子供たち、さらには一部の大人たちにとっての先生にもなりました。
当然のことですが、良いことは永遠には続きません。大統領が彼らを裏切り、混沌に陥ったアメリカから新たな政府の樹立を企む外国の傭兵組織「ブラックタスク」へと売り渡していたことが判明しました。
再び、マテオは市民軍や他のエージェントたちと共にブラックタスクを撃退し、ブラックタスクは表立った行動が出来なくなりました。
その頃から、彼の名前は知られるようになり、彼はただ『エージェント・ヴェルネス』と呼ばれるようになりました。
ブラックタスクが大統領の援助を受けて政府施設から盗み出した「広域スペクトル抗ウイルス剤」のサンプルを奪還した後、大統領を追跡しようと試みましたが、最終的には失敗に終わりました。
しかし、その報復として、ブラックタスクがペンタゴンにあるサンプル複製機を奪取しようとした際、エージェントは即座に迎撃し、ブラックタスクを撃退。装置を奪還し、首都にあるホワイトハウスへと送り届けました。
彼はすぐにディビジョンの最重要指名手配犯の一人、バードン・シェーファーを逮捕するために、第一波のエージェントがいたニューヨークへ行き、ローグエージェントのアーロン・キーナーを殺害しました。
まだ記述するべきことはあるかもしれません。ですが今は、過去の自分が残した記憶のデータを整理しようとしている最中です。
それでは、締めくくりに入ります。マテオ・ヴェルネスは、紛れもなくエージェントでした。それだけではなく教師でもありました。
私は信仰というものを信じませんが、彼が冒険の前半を生き延び、敵が彼に対して畏敬の念を抱いたことに関しては、もはや奇跡としか言いようがありません。
改めて強調しておきますが、これは彼が経験した出来事の概要であり、いくつかの詳細を加えたものです。
そのことに関しては変わりませんが、彼は自らの行いを悔いることはあっても、その選択を後悔することはありませんでした。
もし、これが彼の死後に読まれるのであれば、マテオ・ヴェルネスは可能な限りエージェントであり続けていましたが、先生であることを喜んでいたことは知っておいてください。
[作者あとがき]
やあみんな!戻ったよ!ずっと待たせてしまって申し訳ない。ベータリーダーとのスケジュール調整が難して、その影響でこの章は少し粗削りな仕上がりになっています。彼が修正を終えればもっと完成度の高いものになる予定です。
そして今回は、ブルーアーカイブのセカンドアニバーサリー記念*1として特別編を用意しました。だけど、ディビジョン寄りの内容になっていて、エージェントのD.C.時代を深く掘り下げる内容になっています。
【編集】
細かな修正を加えましたが、大きな変更はありません。
ハートランドやディビジョン3で追加の変更がなければこれが最終版になります。
【編集その2】
細部の修正を加えました。ハートランドは無くなってDLCのみで、ディビジョン3が来る可能性も低い。
[訳者あとがき]
こんにちアロナ
こんにちプラナ
こんにちアイザック