The Divide   作:粋刺@翻訳

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Chap.1-05 D.U.外郭地区

ドアが開き、その時初めて、「混沌」という言葉の意味を本当に理解した。

 

左側で爆発が起こり、粉塵と破片が舞い上がった。ついよろめいてしまったが、チナツが俺を受け止めてくれた。「大丈夫ですか?」と心配そうな声が響いた。

 

“大丈夫だ。”

と答え、うなずいて感謝の意を示す。

”ちょっと驚いただけだ。”

 

前方にてユウカが文句を言っている。 「な、なに、これ!?」また爆発が起こり、彼女はそう叫んだ。だが俺はというと、砲弾のけたたましい音のせいで、コミュニティとトゥルーサンズの本拠地であった連邦議会議事堂(キャピトル・ビル)へ急行したときの記憶を呼び起こされてしまった。迫撃砲の破片で顔にできた傷口から溢れた血が目に流れていくのを感じ、俺の目は痙攣した。

 

思い出に浸る余裕はない。俺は顔を叩き、目をこすりながらグローブをはめた手を見た。怪我はしてない血は出てない。 ここはキヴォトスだ。アメリカのキャピトル・ビルではない。だから動け。

 

“迫撃砲の音か!”

俺が怖気づいた瞬間を見逃した青髪の子にそう伝える。

 

「迫撃砲なのは分かってます!でもどうして戦わなきゃいけないんですか!?」 彼女はそう叫ぶ。銃声が聞こえたので、俺は他の四人と共にすぐにリンの後を追った。

 

彼女たちが銃を持つと、銃声が鳴り響き、俺は慌てて彼女たちを止めようとしたが、リンに止められた。「先ほど私が申し上げたことは覚えていますでしょうか?」俺は困惑した表情を浮かべ、彼女は目を見開いて言った。「彼女たちのことはご心配なさらずとも大丈夫です。」

 

遮蔽物の上から不機嫌そうに覗いているユウカを見つけた。そして銃声が鳴り響き、彼女の首が後ろにのけぞった。

 

普通なら、人間は撃たれると血を流し、そして周囲の人間は驚いたりして反応する。だがこの場合、血が出ておらず、そして他の人達も驚いてはいなかった。

 

「いっ、痛っ!!」銃弾は跡を残すだけで、傷はなかった。「あいつら違法JHP弾を使ってるじゃない!?」ユウカは頭を抑えてそう言った。

 

ホローポイント弾だって?そしてそれを使っている敵に対してのコメントが「違法」だって?そんなものを頭に撃ち込まれると普通の人ならすぐに死ぬぞ!

 

チナツはすぐに跡を確認して「アザになるだけで大丈夫です」と言った。

 

俺はM4を取り出し、スマートウォッチを叩きながらM4のセーフティーを解除したが、SHDネットワークに接続されてないとISACが指摘していたことを忘れていたため、スキャナーPulseは作動しなかった。

 

「ホローポイント弾は違法指定されてはいません。」と銃の準備をしてハスミはそう指摘した

 

ユウカは歯を食いしばりながら、自分の銃を構えた。「うちの学校ではこれから違法になるの!傷跡が残るでしょ!」

「今は先生が一緒なので、その点に気を付けましょう。」ハスミがそう言い、そしてこう指摘する。「先生を守ることが最優先。あの建物の奪還はその次です。」

 

“俺のことは心配しなくてもいい。だがその気遣いは素敵だぞ。”

M4を握って会話に割り込む。

”この局面を切り抜けられたら、俺は3、4回も街を取り戻したということになる。今回はすぐに終わればいいが…”

 

銃弾が遮蔽物に当たり、亀裂が広がったことに気づいた。

”よし、聞いてくれ!”

俺はそう言って彼女たちの注意を引きつけると、外を覗き込み、スキャンして壊れているが直せられるものが周囲にないかを確認した。銃を持ち、この状況を笑いながら楽しんでいる高校生くらいの少女たちが、そこら中にいる。遮蔽物の後ろに身を乗り出すと、もうすでに嫌な思い出がよみがえっていた。

”ユウカは…”

と、俺は子供を戦場に送りだしているという事実に気がついて、口が止まった。彼女たちはとてつもなく頑丈ではあるが、それでもまだ、若い女の子であることは確かだ。

 

だからこそ、その事実が最悪だった。

 

とはいえ、首を振り、銀髪の子に向き直り、

”スズミと俺が援護射撃をする。ユウカ!”

次に背筋を伸ばした青髪の子に向けて、

”その間に、撃てるようになるまで距離を詰めて、敵を右側から遠ざけてくれ。”

そして店先に指差し、

”俺たちはあそこを突っ切って路地裏に入る。チナツ!”

茶髪の子に向いて、

”薬はすぐに取り出せるようにしてくれ。ハスミは後方に。俺たちが散開したら、敵を近づけないようにしてくれ。そして合図が出たら、まずユウカが入って中にいるはぐれた敵を倒す。そしてリン、俺、スズミ、チナツの順で入って最後に来るハスミを援護する。”

 

息を吐いてハスミの方を向く

”すまないハスミ、最後にしてしまって。”

 

「大丈夫です。」彼女はエンフィールドを担ぐ前に、「ですが、先生も戦うのでしょうか?」 と聞き、他を驚かせた。

 

“そうだ。”

頬笑みを浮かべて意思を示し、

”俺は先生だ。実際に手本を見せる以外にベストな教え方はあるか?それに、こいつが初めてのロデオじゃないってのはもう言っただろ?”

 

彼女はうなずき、こう聞く。「では、合図というのは?」

 

自分の体を撫でてそれを探し、フレアガンを取り出す。

” こいつのことだ。敵がどこかは分かるか?"

彼女たちはうなずいた。

"よろしい、じゃあサプライズが出来る子はいないか?"

 

「閃光弾なら」と、スズミが口を開いた。

 

“完璧だ!”

うなずきながらこう言った

”数は?”

 

「充分な数を」そう彼女は言い、俺はうなずいた。

 

“充分か、いいね。”

遮蔽物の上から覗き込みながら言った。

“ラストスパートのために取っておいてくれ。他は?”

 

ユウカが…電話?のようなものを取り出した。「これでバリアが作れます。」俺がそれを受け取ると、彼女はそう言った。ドローンでも似たようなことが出来るかもしれないが、信頼性はユウカのよりも低いだろう。はるかに高度な技術が使われているのかもしれないが、ひとまずこの件が一段落したら、すべてを受け入れるつもりだ。

 

“すごいな。”

俺はM4からマガジンを外し、弾を確認した後、マガジンを戻して構えながらつぶやいた。

”俺とスズミで援護するから3人はあそこに行ってくれ。みんな準備は?”

 

準備が出来たという意思がこもった声が聞こえ、深呼吸をしながらタイミングを待つ。

 

銃声がようやく落ち着いてきた。スズミと俺が飛び出す。

”今だ!行け!行け!”

 

聞き慣れた銃声が鳴り響く中、俺はトリガーを引く。敵に狙いを定めて、バーストで弾を放つ。スズミが加わると、挟み撃ちにする前に敵を一つの遮蔽物に集める。ユウカが自分の所へとダッシュしていき、ハスミが階段を上っていくのを視界の端に収めた。

 

銃声、身体が倒れる音、火薬の匂い……血と恐怖がここにはないとはいえ、正直なところ、少し懐かしかった。 身を隠すと、ユウカのサブマシンガンの発射音が聞こえた。 少なくとも今回は、信頼できるチームが一緒にいる。

 

SHDはチームワークを重視していたが、俺の装備の構成は1人で動くのが前提のものだった。1人でいたかったというわけではなく、1人で動くことに慣れていったからだ。だから頼れる人がいるのはいいことだ。

 

車に弾を撃ち込み続け、その後ろに隠れていた敵数人に対して制圧射撃をした後、俺は息を吐きながらスナイパーライフルの弾が発射される音と体が床に叩きつけられる音を聞いた。そして黒いエンフィールドのサイトを覗きながらボルトを引くハスミを見た。

 

 

アサルトライフルをリロードして、外を覗くと隙間があった。

”スズミ!”

銀髪の子に声をかけ、

”閃光弾を投げろ!前線を押し上げるぞ!”

 

うなずきながら、彼女はどこかに手を伸ばすと、見慣れた筒状の形をした閃光弾が現れ、ピンを抜くと、「閃光弾!」と叫んだ。身をかがめながら閃光弾を投げ、こちら側の銃声が落ち着くと、耳をつんざくような音が鳴り響き、敵数人を驚かせた。スズミと俺は身を隠してダッシュし、ショットガンのサイトを覗き、トリガーを引きながら前進した。一発撃つごとにミリタリーM870のストックが俺の肩を押し、フォアエンドをポンピングして空のショットシェルを排莢し、敵を地面に叩きつけていく。

 

ショットガンが鉛の粒を吐き出し、最後の弾を撃つとカチッと音がした。すかさずM9に手を伸ばし、顔を覗かせた敵の一人を撃つと、練習の成果のおかげか、敵の頭が後ろへとのけぞっていった。スズミとともに再び遮蔽物の後ろに滑り込む。 M9をリロードし、スズミにこう聞く。

”よし、そっちはどうだ?”

 

リンがピストルを撃ちながら答えた。「店内へのルートを確保したところです。」

 

自分のピストルをホルスターに入れ、慣れた手つきでM870をリロードする。シェルホルダーに入れておいたショットシェルを取り出して素早く行い、フォアエンドをポンピングした。

"そうか、ならプランを少し変えるぞ。俺は後ろにいるから、ハスミは先に入ってくれ。"

 

「えっ?」 スズミは遮蔽物に隠れながら聞く。「ですが先生は被弾してしまうと…」

 

“大丈夫。”

俺は上体を起こし、腕を広げてわずかに開いたベストの穴を見せる。

”すぐにプレートを替えればいいだけだ。それに、ショットガンを持ってるのは俺だけだ。閃光弾をくれ。“

 

スズミは思いをこらえながらうなずくと、閃光弾を投げ渡した。 「お気をつけて。」

 

思わずニヤニヤしてしまいこう返す。

”はは、スズミみたいな可愛い子にそんなことを言われたら、ヒーロー気取りで自己犠牲に走る計画はやめざるを得ないな。”

 

彼女は褒め言葉に顔を赤くして言い返そうとしたが、俺はフレアガンを撃った。敵が煙から逃げようとするが、緑の煙がその後ろにたなびき、集団の中でふくらんだ。

”今だ!行け!”

俺は閃光弾のピンを抜いてそう叫び、左側に移動して閃光弾を投げ、遮蔽物の後ろに滑り込み耳をふさいだ。スズミが同じように投げる様子と青いバリアみたいなものをまとったユウカが店に飛び込む様子を見た。銃声が鳴り響くが、俺はM870のフォアエンドをポンピングし、閃光弾が響くのを感じてから外を覗き込んだので、注意は払えなかった。サイトを覗いて、敵が感覚を取り戻して反撃してくる前にバックショット弾を次々と当てていく。

 

遮蔽物に身を隠しながらショットガンにリロードし、満タンになったところでフォアエンドをポンピングして、ちらっと振り返ると、走るチナツと、俺がさっき出てきた巨大なビルの階段を駆け下りていくハスミが見えた。

 

背中にあるM4に持ち替え、後ろからさらに銃声が聞こえたので、店内に戻りながら、照明弾が巻き上げる煙に向かってブラインドファイアをし始めた。

 

「急いでください先生!」 ユウカの声が聞こえた。振り返ると、彼女がドアを開けたまま、他が窓から撃ち続けている様子が見えた。

 

M4のクリック音が弾切れになったことを示すと。店の前に走り、流れ弾がベストに当たったのを感じた。M4からM870に持ち替えた、ISACと接続されたコンタクトレンズに表示される、スマートウォッチと接続されたHUDに目をやると。身体とアーマーをモニタリングしているHUDには、身体の状態を示すスライド部分にわずかな隙間があるが、アーマーには壊れた箇所はない。 ワシントンで同じようなことがあったことを思えば、奇跡としか言いようがなかった。

 

「早く!敵はたぶんここまで追いかけてきます!」ユウカがそう叫び、俺たちが裏口に向かって走り始める。

 

“それも計画の内だ”

口の中に銅のような味が溜まっていくのを無視して、息を吐きながら言う。

 

怪我をすると、紙で切ったような小さな傷でも、必ず銅の味が口いっぱいに広がる。 フランネルが破れ、流れ弾による切り傷から血が少し流れている。俺はドアの前で立ち止まり、ドアノブにそっと手をかけ、唇に指を当てた。 "スズミ" そうささやき、彼女がうなずくと、俺の横に移動し、閃光弾に手を伸ばしてピンを抜いたが、それを握る手は緩めなかった。

 

五人とも、俺がショットガンからM9に持ち替え、ドアノブをひねってゆっくりとドアを開けるのを待ちながら緊張している。少女たちの顔に浮かぶ焦燥の表情を無視しながら、彼女たちが聞いているのは、店に向かい始めた敵が騒ぎ立てる声だった。

 

ついにドアが閃光弾が投げ入れるくらいまでに開くと、スズミが投げ入れ、そして閉めた。

 

「なんだあっ」爆音が鳴り響く前に、くぐもった声がしたがドアを勢いよく開けた。M9で狙いを定めて3発撃ち、3人の少女の頭を複数の弾丸で釘付けにし、弾丸が脇腹に命中して咳き込む前に、俺を撃った奴を4発撃った。息を吐くと、HUDにはM9の装弾数が0と表示されていた。

 

「先生!」俺がうめくと、心配そうな声が聞こえた。

 

“右に曲がるぞ。”

首を振りながら言う。

”ほら! 行くぞ!”

M9をリロードし、HUDの数字には0から20へと変わった。

 

「ですが先生!先ほど撃たれてしまったのですよ!」ハスミが指摘する。「これ以上は──────」

 

“ベストに当たった。”

首をかしげて言った。

”その気遣いは素敵なんだが、あの程度じゃこいつは壊れない。さあ行くぞ!”

 

彼女たちはそれ以上ためらうことなく、路地を駆け抜ける間にドアを閉める。

 

ウェイポイントに従って俺は右を見ると、ドアとゴミ箱を見つけ、ドアへと向かい、頭を振りながら蹴り開け、こう叫んだ。

“こっちだ!"

 

ドアから逃げて、ゴミ箱の陰に隠れるように首を振ると、彼女たちの戸惑いが伝わってきた。

 

敵の足音が聞こえると、彼女たちは俺の周りに集まって、戦闘準備をする。個人的には彼女たちのいい香りに気づかずにはいられなかったが…つまりはそれだけ近くに集まっていたっていうことだ。

 

そしてチナツが俺の肩の切り傷に気づくほどの距離でもあった。敵が通り過ぎると、彼女は包帯を用意した。睨んでいるように見えたが、その動きは、無口でたくましいタイプやその怪我に対する馴染み深さを物語っていた。

 

路地を走る集団の音を聞いて凍りついた。「こっち!ドアの向こう!」

 

敵の集団が中へと入る。だが足音は遠ざかっていき、静かになっていった。ついに気配を感じなくなり、俺たちは安堵してため息をついた。

 

“やっとか…”

HUDで自分のステータスを見ながら、肩を丸めてうめく。 怪我は腕の切り傷だけ。 アーマーのプレートが何枚か割れていて、交換しなければならないが、特筆すべきことはない。まずはM4をリロードしないとだ。

 

マガジンをつかみ、空になったマガジンを外し、新しいマガジンを入れる。

”今回の銃撃戦は俺が経験した中でも割と良かった部類だった。”

こう言って、女の子たちはこちらを向いた。

“みんなはどうだった?”

 

他の女の子たちは自分たちを見回そうとするが、自分の位置からは、少し破れた服と豊満な体型以外は何も目立たなかった。

 

スズミが最初に言った、「先ほどの戦闘は思っていたよりもずっと簡単でした。」 彼女は驚いたように大声で言った。 「いつもより閃光弾を使った数が少なかったので。」

 

「でしょう?」ユウカは服の汚れをはたき落としながら言った。

 

次にハスミが言った。「先生の指揮のおかげで、効率的に戦うことができました」

 

「だから連邦生徒会は先生を高く評価していたのですね。生徒会長が先生を選んだのは、それなりの理由があったのでしょうね。」ユウカは小さく微笑みながら、俺の方を向いて言った。

 

ハスミもまた、「またいつか一緒に戦えることを楽しみにしています。」と言いながら、俺に笑顔を向けてくれた。

 

"なら良かった"

チナツが肩の切り傷を診れるように、身を低くした。

”ここでの銃撃戦は、故郷でやるよりもずっといい。”

M4をバックパックに入れながら、そう言った。

 

「先生は戦場に非常にお詳しいようですね。」ハスミは興味深く言った。「よろしければ、キヴォトスに来る前に何をなさっていたのかをお聞きしても?」

 

俺が頬をかくと、他も興味深そうに振り向いた。 "えー、信じられないかもしれないが…"両手を広げてすべてを指さした。

”これだ”

 

彼女たちは明らかに戸惑っていた。そしてユウカが口を開く。「兵士だったのですか?」 そう彼女が質問すると俺は首を縦に振った。

 

“まあ…ややこしくなるが”俺はできるだけ曖昧にしながら説明する。

”表向きでは、俺は高校生で、時計職人やエンジニア見習いとしてバイトをしながら、オフの時間にいろいろなことをやっていた。”

 

「”表向きでは”?」チナツは傷の包帯を巻き終えて、こう言った。「実際には何をなさっていたのですか?」

 

“それはもうたくさんのことを”

その答えにあまり満足していなかったようなので、こう認めた。

”残念だが、ここで長話をしてる時間はない。これから30キロもドンパチしながら走らなきゃいけないし、弾薬には限りがある。早く役割を決めるぞ。”

 

彼女たちを見ながら、良いフォーメーションを思いつこうとはするが、思い浮かばない。 俺はディビジョンエージェントで、侵略してきた敵が大国の厳重な防衛線を突破してきたという仮定の下で訓練を受けてきた。どんな戦術、戦略、フォーメーションを教わっても、そいつらには通用しなかっただろう。だから、ディビジョンエージェントが使う戦術、フォーメーション、戦略のほとんどは、知識、経験、そしてたっぷりのお祈りから来ている。

 

祈りと言えば、任務の前に何度か祈りを捧げたことがあった。 すべてがキリスト教のものというわけではなくで、少なくとも10個以上の異なる宗教の祈りや礼拝に参加したことがあった。

 

今思えば、大人たちが大合唱しながらマンガを囲んでいる姿は滑稽そのものだった。

それはともかく、ふと思いついた。

”チナツ、リン、2人はハスミと一緒に後方に、スズミは真ん中に、ユウカは前方にいろ。俺は必要に応じて2人を交代させるが、基本はユウカと一緒にいる。 今の任務はシャーレの部室に行くことだ。できるだけ早く着いたほうがいい。地図があればいいが…”

タブレットを渡すリンに気づく前には、すでにISACが愛おしく感じていた。

 

「こちらをお使いください。ここが現在地で、こちらがシャーレです。」彼女の言うとおり、丸で囲った部分がシャーレの部室で、現在地は線で消されている。

 

“ありがとう。”

それを見ながらリンに言った。この地図は最低限のことしかなくて、多くの情報が欠けていた。

 

ともかく、HUDに数字などを表示させながら、俺はそれをいじり始めた。ISACのスキャンが終わると、真ん中に置く。

“よし、みんな、状況を確認するぞ。弾薬は限られてるし、人手も少ない。通信も多分不安定だ。だからこの先は静かに進む。路地や大通りは避けて、公園や店を通り抜ける感じだ。もし戦闘になったら、派手に素早くやる。その時はスズミの閃光弾が役に立つだろう。倒れた敵を見つけたら、弾薬とかの必要なものを漁る。つまりは大事なのは静かに、速く、的確にだ。分かったか?”

 

そう言うと、全員うなずき、リンのタブレットを返した。

”よし行くぞ!”

 

M4からM870に持ち替え、フォアエンドをポンピングし、路地から顔を出してため息をついた。

 

変わるものもあれば、変わらないものもある。

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