The Divide   作:粋刺@翻訳

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Chap.14-05 帰路

やがてヘルメット団に別れの挨拶をして、連絡先を伝えて去っていく。少しだけそのことを考えながら、新たな計画を練っていた。書面上では全て整っている。だが決定的証拠が…

 

そう、ISACは闇銀行のサーバーに記録されていた位置情報と武器のシリアルナンバーを分析して、アビドスに関する情報をいくつか入手した。例えばこれがカイザーの違法武器取引の中枢として利用されていることや、公にされている補給拠点や軍事基地以外にも、極秘で運用されている拠点が存在していること等だ。

 

4日だ。シャーレから与えられた権限"だけ"で、通常では何年もかかる官僚主義的な手続きをたった4日で終わらせた。そして俺が間違っているという証明の手立てを相手は持っていない。

 

それはさておき、顔をしかめているハルナに振り向く。

“どうかしたのか?”

 

「いえ、ただ…」と後悔するようにため息をつく。「今日はこんな一日になるとは思ってもみませんでした。美食の世界へ誘う美食家としては、まさに天災でした。」

 

“そうだな…”

後頭部を掻きながら言い始める。

“少なくとも退屈はしなかったのは確かだ。無事に食べれたからハルナは何も間違ってはいない。とても美味しかったし、値段も安かった。”

そう言うと、ハルナは笑顔で俺の方に向く。

 

「そうですか。うふふ、ではいつかまた、一緒に行きませんか?」と少し照れくさそうな笑顔を浮かべて聞いてくる。俺はうなずく。

 

“ああ、また行こうか。”

そう答えると、ハルナの尻尾はかすかに揺れて、明るく微笑む。

 

“前々から少し気になっていたが…”

俺の視線はスナイパーライフルに向く。

“スナイパーライフルを少し見せてくれないか?”

興味からかつい唇を舐める。ドルインフル後のアメリカでは武器の知識とそれらの整備の知識の両方が必要だったが、外国の武器を使うのはそうそうなかった。P416がHK416に似ているのは知っていたし、外国の武器を手に取る機会は何回かあった。だがヒフミのアサルトライフルやムツキのMG5、ハルナのPSG-1は使ったことがないし、銃のナードである俺にとっては喉から手が出るほど使ってみたかった。

 

シャーレにはそういったものがあるどころか、別バージョンやコピー品もあり、NATOの武器庫に匹敵する規模でワークショップにも様々な改造パーツが揃っている。だが、ハルナのような過酷な戦いをくぐり抜けてきた武器があるかといえば…

 

「あら?アイディールのことでして?」とハルナは胸を張って誇らしげに微笑む。「もちろんですわ。」と俺に銃を手渡す。「扱いには気をつけてくださいまし。」

 

ゆっくりとうなずきながら手に取ると、俺の目の輝きはよりいっそう増してくる。HUDには装弾数が表示されるが、金色のピストルグリップや細々とした改造程度は自分で見分けられる。サポートエージェントと現地のエージェントの両方として、武器庫では武器を見分けられるようになれる時間を過ごしてきた。

 

“おぉ…”

息を漏らして武器を触る。清潔に保たれていることに気付き、マガジンを外して弾薬を確認する。装填した後、スコープを興味深く覗く。

 

気が済んで、ハルナに返す

“美しい武器だ。”

 

誇らしげにハルナは髪を手で払う。「当然ですわ。」

 

“こんなに美しい子にぴったりだ。”

小声でそう呟いて、首を振る。

“さて、シャーレに戻らないといけない。またな。”

そう言って歩き出して後ろ手に手を振って別れを告げたが、ハルナは返事をしてくれず、困惑した。

 


 

彼の言葉にハルナの顔は少し赤くなっていたが、すぐに頭を振って邪な考えを追い払った。とはいえ、その褒め言葉は嬉しかったもので、彼女は誇らしげに胸を張りながら帰宅していった。

 


 

通りや路地を通り、平和な夜を過ごせるように願いながらシャーレへの道を迷って進んでいく。コントロールポイントの制圧や任務の遂行、小競り合いの仲裁やサプライドロップの回収とかと比べれば、風紀委員会との小競り合いは大したことじゃない。

確かに少し疲れたが、ほぼ3年間ずっと戦い続けてきたおかげで、今では消耗するだけでなく、体力の回復も早くなった。エージェントになる前、体力自体はそれほどでもなかったが、回復力は速かった。

 

とはいえ、このロボットがしつこく付きまとってくるせいでモノローグも尽きてきた。今は幸いにもDUに戻ったので、俺が仕掛けたアサルトタレットの射程圏内にいる。だから…

 

記憶を頼りに路地に入って取り出したM45をパーカーの袖に滑り込ませる。そして奥へ進んでいき、ロボットも後をついていけば見つかる前に俺はゴミ箱に隠れる。うまくいった。ゆっくりと何も言わずに渋々足を進めるが、俺の前を通り過ぎる瞬間、俺は後頭部にピストルを突き付ける。

“動くな。”

 

すぐにタレットのレーザーが両手を上げたロボットに向けられる。

“中身をぶちまけたくなければ話せ。誰から送られた?”

 

静まり返り、スピーカーからくすりと笑い声がすれば、俺は片眉を上げる。「本当に面白い方ですね。危害を加えるつもりはありません。ただ私と同じ"大人"とお会いしたいだけです。」

 

待て…ISACが信号を検知した。別の場所から送っているのか?

 

“で、誰が俺に会いたがっている?”

一瞬だけ場が静まり返る。

 

「先生、アビドスの負債に多大な影響力を持つ者にお会いしたくないのでしょうか?」

 

 

“すぐに行こう。”

そう言ってトリガーを引く。オートマタの身体が前に倒れると、ISACはすでに信号源を探知していた。アダムの鍵をホルスターに戻し、目を狭めて眉をしかめ、前方を睨みつける。

 

答えてもらいたい質問がある。正直に言うと、そのためならどんな手を使う覚悟がある。

 




[訳者あとがき]
次回は12日から投稿します。
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