もうやめて! メモリもやることも山積みよ!

主人公は男でも女でもどんな武具でも、読者様の想像に任せます。

ワイルズのアップデートが来た時みたいなストーリーが、オムニバス形式で投稿されてゆく……はず。

注意:作者は信じられないことにワイルズ未プレイ。

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無料タイトルアップデート1回目 ①

 

 

【食い荒らした先】

 

      

 

 

□ 仏頂面なハンター リオンと話す

 

 

 

 ハンターは気がつく。

 

 竜都の跡形に、何やら見慣れないハンターが佇んでいることに。

 

 

 こんな狩人がいたか、と不思議には思ったものの、挨拶が無いのは失礼だと思い話しかけるに至った。

 

 そのハンターはどこか仏頂面な男性だった。竜都の跡形の景色を眺めながら、何か考え事をしている。身につけている防具はグラビシリーズだろうか。兜は外しているため、短い白髪と粗いヒゲの生えた面を拝むことができた。

 

 

「……お前は感じるか」

 

 

 そのハンターはそう言った。

 

 

”何をだ”

 

 

 ハンターは当然、そう聞き返す。

 細かに吹き抜けていく風が、しきりに彼の髪をなびかせている。その風は嫌に冷たく、徐々にこちらの体温を奪ってきた。

 

 

護竜(ガーディアン)の護る地である此処に巣食う、どうにも恐ろしい存在の気配のことだ」

 

 

 そのハンターはどういう訳か呆れた様子で答える。こちらをおちょくっているのか、そんな気はなくそれが彼の自然なのか。ハンターは聞かなかった。

 

 

”恐ろしい存在の気配とは? 心当たりはあるのか”

「無いから言っている。護竜(ガーディアン)の捕食者、暗器蛸とはまた違う。むしろ奴は、ここの生態系の根幹を成す存在。それが此処にとって恐ろしい存在であるはずがない」

 

 

 仏頂面なハンターは言う。

 暗器蛸シーウー。本来、自然界にとって異色であるはずの護竜を一つの生態系に組み込ませた重要な存在。奴の存在が今の竜都の跡形を成していると言っても過言ではないだろう。

 

 

「どうだ、ハンター。俺と共に調査をしないか。君の編纂者もいっしょにな」

 

 

 

 ◇

 

 

 

□ 竜都の跡形に残る謎の痕跡を追う

 

 

 

 アルマを連れて、ハンターは仏頂面な彼 リオンと共に竜都の跡形の調査を開始した。

 

 導蟲の反応が示すのは、どれもこれも、見覚えのあるモンスターの反応ばかり。

 こんな仏頂面の言うことだ。思い過ごしか、酷い場合単なる誇張表現の可能性だってある。

 

 

 そう思っていたハンターの目に入ったのは、導蟲が群がる異様な痕跡だった。

 

 

「これは……護竜でしょうか?」

 

 

 優秀な編纂者であるはずのアルマの口から、思いも寄らないような発言が零れ出る。

 

 それもそうだ。

 導蟲が群がるのは、蒼い液体がぶち撒けられる真ん中に転がった白い塊のような物。護竜という存在を認知していなければ、そのような結論に至ることすら難しい代物だ。

 

 

「捕食痕……ですね」

 

 

 近くでまじまじと見たアルマは、やっとの思いでそう結論づける。

 

 辛うじて残る特徴から、護竜セクレトであると断定。ジャムのようにぐちゃぐちゃになった部分に食い千切られたような痕跡が見られることが、その結論の決め手となった。

 

 

”シーウーのものか”

「いえ――」

「いや違う。あの捕食者は獲物を丸呑みすることにより捕食とする。仮に噛み千切るとして、こんなにも大胆に食い千切ることは形状的に難しかろう」

「――そういうことです」

 

 

 グラビシリーズに身を包んだその男に対しハンターは、それを取っ払ってアルマの仲間に入ったほうが良いと思った。まぁ、受付嬢にはなれるはずないさこんな仏頂面野郎。

 

 

 ただ、こんな捕食痕では判別がつかない。竜都の跡形には護竜以外のモンスターも存在しているのだ。

 

 

 下層に向かう最中、似たような捕食痕がいくつも散乱していた。

 護竜だけでなく、ラバラ・バリナやネルスキュラと思われる残骸も残されている。

 

 ハンターとアルマは、その時点でなんとなく察してはいたが、断言できずにいた。

 

 

 中層に差し掛かった頃、また導蟲が見慣れない痕跡に反応を示した。

 

 次は足跡だ。

 

 巨大な、三本の指が特徴的な足跡。

 まだ新しく、何日も前に出来上がった物では無いことを物語っている。

 

 

「この足跡、そして……各所に散乱する捕食痕から推測するに――」

 

 

 アルマは息を呑む。

 言い淀んだ彼女の代わりに、ハンターが代わりに結論を出した。

 

 

”恐暴竜 イビルジョー。奴が此処に現れたと見て間違いない”

 

 

 恐暴竜。その生まれ持っての莫大な代謝を維持するために、あらゆる地を渡り歩いて、あらゆる生物を食らい尽くすという古龍級の損害を引き起こすモンスター。

 

 奴ならば、この地に根付く護竜ですら喰いかねない。

 

 

「ギルドの生態系を維持する者として、イビルジョーの討伐を要請します」

 

 

 アルマはいつもの決まり文句を言い、ハンターに狩猟を――否、討伐を要請した。

 

 

「拝命した」

 

 

 何故か、リオンが威勢良く答えた。

 

 

 

 ◇

 

 

 

□ イビルジョーを討伐する

 

 

 

 下層。護竜の眠る繭が今もなお稼働し続けながら陳列する、到底人が踏み入るべきではない場所。

 

 

 奴は、そこにいた。

 

 

 発達した後脚。未発達の前脚。黄土色の皮と鱗に包まれた肉体。そして、獲物を噛み砕き、嚥下し、束の間の糧とするための強靭なる顎。

 

 繭を食い破り、今もなお眠る護竜を無理矢理引き摺り出してまで捕食している。

 異様な存在を検知し、次々に護竜セクレトが目覚めるが、奴はそれすらも食らい、食らい、食らい、食らい――。

 

 

 その姿は、かの白の孤影を彷彿とさせる。

 

 だが、食べることを覚え制御が効かなくなっただけの彼とは違い、それは()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「こいつは酷い」

 

 

 酷いのはお前の仏頂面だ。

 

 

”アルマ、下がっていろ”

 

 

 ハンターとリオンは各々の武器を構えて彼女の前に出た。

 

 イビルジョーはその気配を捉え、捕食行動を停止した。

 しかし、その後行うのは結局捕食行動だ。

 

 対象が二人のハンターになっただけのこと。

 

 

 多数の護竜セクレトが入り乱れる中、戦闘は始まった。

 イビルジョーは記録にあったような行動を取ってくるものの、やはり禁足地の個体は本土のものとは異なる様子だ。

 

 地面に向かって龍属性ブレスを放出する攻撃や、龍属性ブレスを直線に発射する攻撃――これは、奴の特殊個体、それも新大陸での個体にのみ見られた攻撃方法。

 

 

 二人は腕利きのハンターと言えど、かなりの苦戦を強いられた。

 

 

「奴は護竜と違って見境無く食いまくる。生肉でも置けば、一心不乱に貪るだろうよ」

 

 

 分かってるよ仏頂面。

 

 イビルジョーの存在が分かった時、キャンプに戻って罠肉を調合していた。

 

 涎を垂らし、早くも先ほどの間での食事が意味をなさなくなってきているようだ。

 

 シビレ生肉を設置し、誘導するように攻撃を仕掛ければ、動く生肉より動かない罠肉に釣られ一心不乱に食い漁った。

 

 当然、仕込まれた麻痺毒が奴の身体をすぐに蝕み隙だらけになる。

 

 麻痺時の猛攻に耐えかねたのが、イビルジョーは中層部分へと逃亡した。

 

 

 

 

 

 

 セクレトから飛び降りた先に見た光景は、ずいぶん興味深いものだった。

 

 

 護竜を喰らう者――暗器蛸 シーウーの姿がそこにはあった。

 

 イビルジョーに比べたら、小型モンスターにも見えるシーウー。見た目で侮ってはならないが、あの捕食馬鹿の脳にはおそらく食えるor食えないしかないだろう。

 

 前者と判断したのか、イビルジョーは奴に威嚇する。

 

 シーウーも、自分の食事である護竜を無秩序に食われていることは分かっているのか、イビルジョーを追い払う気は満々だ。

 

 

”縄張り争いか”

 

 

 先手を仕掛けたのはイビルジョー。

 

 その巨体を活かしたタックルは、シーウーの軽やかな身の熟しに難なく回避され、奴は回避の最中形成した触手先端の刃でイビルジョーの肉体を無造作に斬りつけていく。

 

 しかし――シーウーの誤算は、異様に発達したイビルジョーの肉体に、自分の触手刃などの小さな武器が通用すると思っていたことだ。

 

 何度も突こうが斬ろうが、恐暴竜には何の痛手にもならず、まん丸した頭部にイビルジョーの顎が喰らいつき、二度、三度、大地に叩きつけられて放り投げられる。

 

 護竜に対しては無敵の強さを誇るシーウーが、恐暴竜相手にここまで無力なところをみるにイビルジョーという存在の強大さがうかがえる。

 

 

 二人のハンターとイビルジョーの戦いは、長きに渡った。

 

 イビルジョーは戦闘中何度捕食行動を行っただろう。

 

 護竜セクレト、ポルケピナ、ドシャグマ。

 

 奴が喰らったモンスターとその数をいちいち

覚えていられなかった。

 

 

 

 イビルジョーが中層にある繭に目をつけた。

 

 奴はまだ食い足りないらしい。いや、奴は元々そういう生き物だ。食っても食っても足りない。そんな欠陥品のような生物なのだ。

 

 

 しかし、その繭にいる護竜は黙って捕食されるほど無力なモンスターが元になっているわけではないようだった。

 

 

 イビルジョーが繭を食い破る寸前、その存在は姿を現す。

 

 

「古代人も厄介な物を造るもんだ」

 

 

 溢れ出る龍乳と共に地面に投げ出された護竜。

 

 覆い尽くす青白い鱗により、肥大化したように見える頭部を有する飛竜。

 その鱗は頭部だけでなく足や翼、尻尾にまでも生え揃っており、鱗はいつ落ちてくるか分からぬほど不安定な生え方をしていた。

 

 

 

 護爆鱗竜

 

 

 護竜バゼルギウス

 

 

 

「じ、事態収束のため、ギルドは両モンスターの狩猟を要請します!!」

 

 

 ()()()二頭を前にし呂律が回らないアルマの言葉を、ハンターはしかと拝命した。




是が非でも一回目までは書き終えますが、二回目からは気分次第……。

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