牙狼〈GARO〉大和の輝き×真剣で念狼〈NERO)に恋しなさい! 作:ザルバ
原作:真剣で私に恋しなさい!
タグ:クロスオーバー 真剣で私に恋しなさい! 真剣で念狼〈NERO〉に恋しなさい! 牙狼〈GARO〉 大和の輝き GARO 牙狼 直江大和
いつもと変わりない昼下がりの秘密基地に風間ファミリーはいた。
「今日も暇だな~。」
クッキーの隣で百代はソファーでくつろぎながら呟く。
「アタシは皆とこうしているだけでも楽しいよ。」
そう言いながら両手にダンベルを持ち、筋トレをしているワン子。
「ワン子はいつもと変わらないね。」
「そうだね。」
ワン子の事を言う京にモロは相槌を打つ。
「俺様はいつも以上に元気だぜ!」
「ガクトは相変わらずむさ苦しいな。」
「そうですね。なんだか油が・・・・」
「じょうじって言え!じょうじって!」
「ぐぁ~~~!なんで俺はこうなんだよ――――!」
クリス、まゆっち、松風に痛烈な言葉を言われガクトは滝の様な涙を流す。
「ははは、うちの女子は相変わらずえげつねーな。」
その光景をキャップは漫画を手に笑う。
いつもと変わらない光景。
が、その時百代が上に気配を感じ取った。
「ん?屋上に誰か降りてくる。」
『え?』
「むむっ!レーダーに反応確認!」
「さっすがモモ先輩だな。」
「ロボよりすぐ察知できているのはすごすぎだよ。」
感心するキャップに対しモロは冷静にツッコム。そんな中、京は不機嫌な顔をする。
「まあ何にせよ、無断で秘密基地に来たんだ。顔くらい拝みに行くか。」
そう言うと百代はソファーから立ち上がり屋上に向かった。百代に続くように風間ファミリーは付いて行く。
百代たちが屋上に向かうとそこには辺りを見渡している大和の姿があった。百代たちは大和と確認すると安心したが気になる事があった。それは大和の魔法衣がダークグレーではなく、白であることだ。
「おい大和、どういった理由で空から来たんだ?」
「っ!百代姉さんに皆・・・・・てことは・・・・あれは一体・・・・」
「な~に一人で考え込んでんだやーまと!」
百代は大和に近づき肩に手首を回す。
「今丁度お前の家に向かおうと思ってたところだったんだ。一緒に行こうじゃないか」
「俺の家?」
大和は首を傾げた。
「とぼけるなよー。シオンちゃんやアイシスちゃんの作るお菓子を一人占めなんてお姉さん許さないからなー。」
「しおん?あいしす?」
その言葉に大和は状況が飲みこめなかった。聞いた事の無い名前であるが百代たちは知っていた。
「ほら、さっさと行くぞ。」
百代に引っ張られ大和は直江邸に連れて行かれた。
百代たちに引っ張られている大和は風間ファミリーを観察していた。
(川神ってのは間違いないな。俺の知っているところと何一つ変わらない。だが・・・・何で皆松風を付喪神扱いしているんだ?それにゼルバって一体誰のことを言っているんだ?)
そこにいる大和は状況が理解できなかった。何より気になっていたのは最初に百代たちと出合った時に発せられたシオン、アイシス、そして家である。大和は島津寮に住んでいるため自分の家は持っていない。にもかかわらず、ここにいる風間ファミリーは大和が家を持っていると言い張る。大和はどうなっているのか分からないでいた。
(幻術を使うホラーか?ザルバ、どう思う?)
(それはないな。こいつらの気は全く同じだ。だが・・・)
(だが?)
(百代の嬢ちゃんは少し違うな。なんと言うか・・・・・精神の修行をしている。)
(精神の修行?)
大和にとっては以外であった。大和の知っている百代は肉体の修行は好きではあるが精神の修行は退屈でいつもサボってばっかりである。
「ほら大和、自分の家に着いたぞ。」
「え・・・」
大和は目の前にある家を見て驚いた。面積が90坪以上はあろうかと言う広さの豪邸と言っても差し支えない広さ。大和は本当に自分の家なのか疑ったが表札には『NAOE』と書かれていた。
「あら?これは風間ファミリーの皆さんじゃないですか。」
百代たちの姿を見て紫髪で長髪、ツインテールのシオンが気付き声を掛ける。
(シオン・・・・・見た事がないな。だが皆は俺のメイドと言ってたな・・・・・・どうなっているんだ?)
「あれ?大和、書庫で調べ物してたのでは?」
「・・・・・」
「・・・・あれ?大和?」
「あ、ああ・・・・すまない。」
「?今日はなんだか変ですね。とりあえず皆さん、中に入ってお茶にしましょう。」
シオンに促され一同直江邸に入った。
大和たちは応接間に案内され、風間ファミリーは椅子に座るが大和だけは座らず立っていた。シオンは大和を呼びに書庫へ向かった。
「どうした大和?」
「いや、ちょっとね。」
そう言うと大和は扉の方を向いた。
(どうも分らないことだらけだな。どうなっているんだ?)
大和がそう考えていると外から声が聞こえてきた。
『ですから大和はこちらにいますって。』
『でも大和はさっきまでずっと書庫にいたんだよ。』
『まあまあ二人とも。きっと百代姉さんが仕掛けたなんかだから・・・』
シオンとアイシスを宥めながら聞こえてくるのは自分と同じ声であった。三回のノック音が応接間に響きシオン、アイシス、そして大和が入ってきた。
「皆さん、お待たせしました。」
「大和を書庫から・・・」
「・・・・・っ!」
「・・・・・っ!」
『っ!?』
その場にいた全員が言葉を失った。自分たちの目の前には二人の大和がいた。
しばらくの沈黙の後、大和は懐に入れている魔導ライター右手を伸ばし、もう一人の大和は左手の人差し指と中指を立てると互いに顔の前に魔導火を着火した。二人は目をじっと相手の目を見るが、双方とも瞳に魔導文字が浮かび上がらなかった。二人は目の前の自分と同じ顔の人間がホラーでないことを確認すると魔導火を消す。
「失礼した。」
「いや、こちらこそ。」
互いに謝罪をすると白の魔法衣を着ている大和は尋ねた。
「名は?」
「直江大和だ。」
「俺も直江大和だ。」
突然の出来事に一同状況が飲み込めなかった。
「魔戒騎士か?」
「ああ。そっちは・・・・・・魔戒法師も兼ねているようだな。」
「ああ。」
白い魔法衣の大和に大和は素直に答える。
「よろしく。」
「こちらこそ。」
二人は握手をする。そんな状況になっても皆は固まっている。そんな状況を打破しようとモロが口を出す。
「あ、あの二人(?)とも。どっちが本当の大和なの?」
モロの言葉に白の魔法衣を着た大和が答える。
「こっちがこっちの世界の俺。」
『・・・・・・・・え?』
チンプンカンプンになり頭が回らない一同。分るように大和が補足説明をする。
「俺が説明するよ。こっちにいる俺は別世界の俺、つまりパラレルワールドの俺ってなるんだ。」
「あのさ、俺が言うのもなんだけど、分りづらくない?」
「あー、確かに。」
白い魔法衣を着た大和の言葉に大和は共感する。
「じゃあ俺は直江、君は大和でいいかな?」
白い魔法衣を着た大和の言葉に大和は賛成する。
牙狼の大和を直江、念狼の大和を大和と名称することになった時にクリスが口を出す。
「あー大和、それに直江。パラレルワールドとはなんだ?」
「簡単に言うと可能性の世界だな。例えばクリスが川神に来ていない世界や京がいじめられていない世界。そんな枝分かれをした可能性の世界を示しているんだ。」
「でもこれはあくまでもしもの世界だ。実際にそんな世界があるとは限らないからな。」
二人の大和が説明をする光景はなんとも異様だ。
「ところでこっちの世界について少し教えてくれないか、大和。」
「いいぜ、直江。」
直江と大和は椅子に座る。大和はこっちの世界のことを話した。自身の称号、魔戒霊獣の飛天・剛戟・流咆のこと、シオンやアイシスの事、風間ファミリーに魔戒騎士を知られた経緯を。
「なるほど。こっちの世界の俺は早くに知られてしまったってワケだね。」
「ああ。そっちはどうなんだ?」
「俺は学校に通いながらだったからバレる時期は大分先だけど知られた人数は半端なかったよ。」
「ちょっと待て!今学校って言わなかったか?」
「ああ。」
大和の問いに直江は素直に答える。
「こっちの元老院は俺たちを学校に通わせているんだ。」
『俺たち?』
直江の言葉に一同首を傾げる。
「ああ。俺の方は後三人魔戒騎士がいるんだ。猛竜に哀空吏、儀流さんがいる。」
「じゃあその三人と一緒にそっちの世界の川神を守っているんだな?」
大和の言葉に直江は答える。
「ああ。特に猛竜と哀空吏はある事で強い交友関係があるんだ。」
「成程。ところでいいか?」
「なんだ?」
「お前の魔導輪を紹介してもらえないか。俺のはゼルバって言うんだ。」
「よう。よろしくな。」
大和は直江にゼルバを見せ、ゼルバは直江に挨拶をする。
「そうか。俺のはザルバだ。」
「よろしくな、大和。でもなんか変な感じだな。お前さんは大和であって大和じゃない。わかんねぇもんだな。」
ザルバの言葉に一同頷いた。
ドッペルゲンガーの様なものである。そこにいるのは自分であるが全く違う別人。同じであって同じで無いとはなんとも変な話である
「そういやお前の称号は何なんだ?」
「ん?俺のは―――――と、その前にお客さんのようだな。」
「だな。」
『?』
直江と大和の言葉に一同首を傾げる。しかしそのすぐ後で百代が気配を察知した。
「なんだこの気は!」
「ホラーだな。しかも獣型だ。」
ザルバが解説をする
「こいつは俺たちが行った方がいいな。」
そう言うと直江は立ち上がる。
「俺がやるよ。ついでに俺の鎧も見せるから。」
「じゃあ俺は見学させてもらうぜ。」
大和は直江の鎧を見ようと立ち上がる。その時百代が口を出す。
「大和、私達も見ていいか?」
「姉さん、それは流石に「いいよ。」いいんかい!」
大和は直江の予想外の言葉にツッコミを入れる。
「離れたところから見れば大丈夫だし、何より皆を守れるだろ?」
「・・・・・ふ。ああ。自分に言われるのはなんだか釈然としないがその通りだな。」
大和は諦めたのか吹き、そして承諾した。
「じゃ、行きますか。」
直江邸から少し離れた森の中、そこにはホラー・ライゾンがいた。大和はライゾンが百代たちを襲わないように魔爪筆で魔戒文字を空中に描き結界を張り、直江はライゾンの前に立つ。
「どうやらライゾンに当たったようだな。」
「だな。しっかし相変わらず不細工だなコイツ。」
その言葉に反応したのかライゾンは触手を直江に伸ばす。直江は赤みの鞘に収められている魔戒剣を抜刀、後ろに跳びながら触手を斬る。
「大和!あの剣!」
「ああ・・・・・もしかしてアイツの称号は・・・・」
直江は着地をするとザルバに話し掛ける。
「ザルバ、一気に片を付けるぞ。」
「ああ。」
直江は剣をザルバに付け、ゆっくりと火花を出しながら引き、剣先を天に向けると空間を裂き、円を描く。描かれた円がガラスの様にひび割れ、眩い光が直江を照らす。百代たちはその光に思わず目を細める。光が止むとそこには黄金に輝く鎧を身に纏った牙狼の姿があった。
「黄金騎士・・・・」
「・・・・牙狼。まさか別世界の俺がアレを手にしているとはな。」
ゼルバも大和も驚きを隠せなかった。
そこにいたのは魔戒騎士であれば誰もが知っている騎士であり、憧れの存在。
古来魔戒語で『希望』を意味する言葉を持つ騎士。
その名は――――黄金騎士・牙狼
「さっさと決めるぞ。」
「承知!」
牙狼が牙狼剣を右手で抜刀すると一歩、また一歩とライゾンに近づく。ライゾンは蛇に睨まれた蛙の様に動けなくなっていた。
ライゾンは自棄になったのか牙狼に喰らいかかる。牙狼はライゾンに向かい跳び、ライゾンとすれ違い様に牙狼剣を横一線に振るいライゾンの左角を斬る。角を斬り落とされ悲鳴を上げるライゾンの後ろに牙狼は着地する。ライゾンは後ろに振り返ると同時に牙狼に喰らい掛かる。
「危ない!」
ワン子が叫ぶが大和は心配はしていなかった。
牙狼は左手でライゾンの上顎の牙を掴み動きを止める。ライゾンは力任せに押すがビクともしない。牙狼は牙狼剣の剣先をライゾンの眉間に向け、突き刺した。ライゾンは悲鳴を上げることなく剣に封印され、消滅。
直江は鎧を召還し、魔戒剣を鞘に収める。
「お疲れ様。」
大和が直江に近づき、声を掛ける。
「まさか黄金騎士の称号とは驚いたよ。」
「まあね。俺のこの鎧は母さんが残してくれたものだから。」
「残してくれたって事はつまり・・・・」
「ああ。」
直江が言おうとしている事を大和は理解した。直江は懐から波奏の写真を取り出し、大和に見せる。
「俺の母さんの写真だ。こっちの世界のと同じ顔かな?」
「・・・・いや、違うな。俺の母さんはもっとこう・・・・ワイルドな感じだな。」
「そっか。」
直江は波奏の写真を懐に収める。
「俺の鎧も見てくれ。」
大和はそう言うと魔戒剣を抜刀し、天に揚げ、その剣先で光の円を描く。描かれた円はガラスのようひび割れて砕け散り、そこから神々しい光が大和に降り注ぎ、霊獣騎士・念狼の鎧が召喚される。
「それが君の鎧か・・・・・まるで武者だな。」
「ああ。ついでにこいつらの姿も見せてやるよ。」
そう言うと念狼は左手の魔爪筆で空中に魔戒文字を書き始めた。いくつものかかれた文字列は一ヶ所に集い、やがて地面に円形の魔導陣を形成した。
「ゼルバ!」
「あいよ!」
大和の呼びかけに応じてゼルバが口を開くと、そこから三つの小さな光が放たれた。
三つの光が魔導陣の中心に達すると、陣全体が光り輝き始める。
「『飛天』!『剛戟』!『流咆』!」
大和の声に応じて飛天、剛戟、流咆が姿を表した。
「それが君の仲間か?」
「ああ。俺はこいつらと一緒にホラーを狩ってきた。これからも俺は守りし者として戦う。」
「俺も同じだ。守りし者として戦うよ。」
その瞬間、直江の身体が光り始めた。
「どうやらお別れのようだな。」
「そのようだな。頑張れよ、俺!」
「そっちも頑張れよ、俺!」
大和と直江は互いに右拳を突き出し、ぶつけ合った。そして直江はそこから光となり、姿を消した。
大和は空を見上げた。
「俺も、負けないように頑張るよ。」
元の世界に戻った大和は空を見上げる。
「昨日の自分よりも強くなって。」
「「守りし者として、戦う!」」
今回の作品を書く上で常磐さんに何度も見てもらい、誤字脱字を修正しました。
常磐さん、改めてありがとうございます。「真剣で念狼〈NERO〉に恋しなさい!」を頑張ってください。