0人目の嘘吐き彼女   作:モーン21

70 / 70
アニメもシークレット彼女枠と赤ちゃんが登場して、告知された彼女が全員出てきましたね。
今日放送される34話【3期10話】を含めて残り3話。最期まで展開が読めないですが、楽しんでいきたいですね(小並感)。

それでは本編どうぞ。


29話-2 おひつじ座の彼女

「おひつじ座のあなたは今日死ぬかもってくらい最高の1日!巨万の富と最幸(さいこう)のキスを手に入れるかも…!?♥

 ラッキーアイテムは跳べない鳥類の鑑賞物…」

 

 

 

 

 

♥♥♥♥♥

 

【ライダー(姉)side】

 

「くらうのだーカラゴン!ラドゥーサ、【へびにらみ】*1なのだ!」

 

「ポ○モンバトル?」

 

「……ッ!!」キッ!

 

!!?ウソ…!身体が…!…!!

 

 アイマスクを外して瞬きせずに唐音を見つめ続ける。あの日の薬学スパイよりも加減はしたけれど。せいぜい金縛り程度かしら。力が強い唐音が相手だから調整が難しかったけれど、上手く行ったようで何よりね。

 

「…従姉(ねえ)さん、首から下の動きを縛ったわ」

 

「ありがとうなのだ!それじゃあダメ押しにっ!!」

 

 そう伝えると、従姉さんは懐から【打ち消しの薬】を取り出して一息で飲み干す。

 

 シャララ~ッ

 

「唐突な変身バンク」

 

「いや久しぶりだったから…」

 

「14話【愛と魂をかけた聖戦】以来ね*2――本当に久しぶりだった」

 

元の姿に戻った従姉さんは未だ金縛りで動けない唐音の元へと近付く。

 

 そして、

 

「くらうのだよカラゴンーっ!」 むぎゅーッ

 

「んむむーッ!!?」

 

 唐音の頭を自身の胸元へと抱き寄せる。私も小さい頃ベルノ(お母)さんからよくやられた事があるからわかるわ。大きいお胸って凶器よね、息ができなくなるから。

 

「どうだね?これなら呼吸はできないのだよ。恋太郎(れんたろう)とライがよく羽々里(ははり)にやられてるから知ってるのだよ!」

 

 ……そういえば、ライちゃんが羽々里さんをママ呼びするようになってからライちゃんもされるようになったのよね。

 1回だけ、ライちゃんに勧められて私もされたことがあったけれど。

羽々里さんの人肌の温かさと柔らかさが、あの日のベルノ(お母)さんの記憶が呼び起こされて……

 

―――ッッ!!!わ…分かったわよ!降参!!降参―ッ!!」

 

 唐音が息も絶え絶えの状態で降参する大きな声によって、私は現実に引き戻された。

 …………今は、そんな事はどうでもいいわね。

 

「ふむふむ…あれは有効そうですね…」

 

「『彼に?それとも彼女にか』」

 

「両方」

 

 ――……私も覚えとこ。唐音ちゃんおちょくるのに使えそうだし――私達のじゃ力不足じゃないかしら?

 

 ライちゃんと軽口を交わしている間も従姉さんのごっこ遊びは終わらない。けれど、元の姿に戻った従姉さんは8歳の時には無かった羞恥心が戻ったようで進行することができなくなった。

 従姉さん(8歳の姿)と一緒にきゃっきゃ遊んでいた静も同様に恥ずかしがっているのを見て深層世界(うちがわ)にいるライちゃんが何やら叫んでいる。

 

「ライダーさんは恥ずかしいとかないの?」

 

「演技での恥じらいなんてとうに捨てたわ」

 

 胡桃にそう返すと従姉さんの打ち消しの薬の効果が切れたようで、従姉さんは何事も無かったように再開する。

 

「見事カラゴンを倒したペン太郎はさらわれたお姫様を助け出したのだ!」

 

 そう行って従姉さんが向かったのは、恋太郎以外で唯一未登場だった羽々里さん。

 

「あ…あらやだ私がお姫様だなんて…屋上(ここ)にはもっとかわいいお姫様達がいるでしょう」

 

 しかし、自分がお姫様なのは分不相応だと言う羽々里さん。けれど、そう一歩引く羽々里さんを止めたのは、

 

「えー?楠莉(くすり)羽々里(ははり)が一番お姫様ぽいって思うのだ」

 

「ふぁ」

 

 従姉さんの無邪気な一言だった。

 従姉さんがどのような理由でお姫様ぽいと言ったのかは断定できないけれど、未だ未登場の恋太郎と比べたらどちらがお姫様かと言われたらダントツで羽々里さんでしょうから。家柄的にも外見的にも。恋太郎の場合、仮にさらわれたとしてもライちゃん達に危険が迫れば檻をぶち破ってでも助けに行こうとしそうだもの。

 

(めい)()パチン

 

「はい羽々里様」

 

 従姉さんの一言でお姫様役を受け入れた羽々里さんはお付きのメイドを呼び寄せた。そのメイドが持ってきたのは、

 

「お姫様は助けてくれたペン太郎に褒美を(さず)けました」

 

(げん)ナマ」

 

 アタッシュケースいっぱいに敷き詰められたお金の山だった。ぱっと見た感じ5000万~1億円かしら。学校(ここ)で見るとは思わなかったわね。

 

 ――あれ?私どうして…――やっと戻ってきたわね――って現ナマ!!?どうして!?どんな流れでこんなことに!!?

 

 恥じらう静ちゃんのかわいさに気絶していたライちゃんにこれまでの経緯を説明している横で、従姉さんは羽々里さんから貰ったお金の山の上にペン太郎を置いて歓喜に震えていた。

 

「わーいわーい!お金持ちなのだペンー!」

 

「夢も希望もあったもんじゃねーな……」

 

 さて、見切り発車で始まったこのごっこ遊びも遂に終幕。さらわれたお姫様(羽々里さん)を助けてお礼(現ナマ)も手にしたペン太郎は――!!?

 

 

 

 

ビオォッ

 

バサバサバサ

 

「どわあああ!!!お札が―――」

 

「「「「「「『ペン太郎ッ!!!!』」」」」」」

 

「そっち!!!?」

 

 突如吹き荒れた強風により飛ばされるお札とペン太郎。恋太郎と私はお札の方に気を取られたけれど、ライちゃん達にとって優先順位は【ペン太郎>お札】らしい。まぁ、何度か恋太郎=ペン太郎と思っている節が見られたから然もありなんね。

 

 そこまでだったら看過できたけれど。

 

「ペンたろ―ッ」

 

楠莉(くすり)先輩いいいいい!!!!」

 

 ッ!!?従姉さんッ!!

 

 従姉さんがそのペン太郎をなんとか助ける為に屋上の柵を飛び越えた瞬間、私の中のスイッチが入れ替わった。

 

 ――変身?結界?否。どれも間に合わない。

 

 脳内に出現する選択肢を全部捨て、速さのみを追求した。

 

 その結果。

 

「――――ん?」

 

「ハァ…ッ!!ハァ…」

 

「……ッ!!

 

 ()()に身体を震わせながらも、なんとか掴んだ従姉さんの左足を決して放すまいと力を入れる。私の横には従姉さんの右足を掴む恋太郎(水着)の姿があった。

 もしかして、恋太郎が今水着姿なのはこの時の為だった…?…いや、まさかね…

 

「あっありがとうなのだ恋太郎(れんたろう)…ライダー…!!いつのまに――」

 

 恋太郎と2人で従姉さんを持ち上げるも最後は恋太郎1人に任せた。お姫様だっこされた従姉さんが恋太郎に注意されている。そして、

 

ちゅ♡

 

 助けてくれたお礼として、恋太郎にキスをする従姉さん。

 

「こうしてペン太郎は王子様と幸せに暮らしましたなのだ♥」

 

 先ほど突風に邪魔されたごっこ遊びの終幕を告げる従姉さん。

 どうして、助け出したお姫様とではなく王子様と暮らすのかとか。未登場の恋太郎は王子様役だったこととか。ペン太郎はメスオスどっちなのかとか。色々気になることはある終わりだけれど。

 

「それペン太郎じゃなくてあんたじゃないのッ!!」

 

「しかし王子様には妖精ハカリンと言う愛人がッッ!」

 

 ……皆が楽しいならそれでかまわないか、と思うことにした。皆が恋太郎と従姉さんの元へと駆け寄っていくのを見送りながら私は屋上の壁に背中を預けた。ライちゃんに申し訳ないなと思いつつ皆から離れた位置でバッグを開いた所で。

 

「ライダーも助けてくれてありがとうなのだ!……って、あれ?」

 

「ライダー怪我してるのだッ!!?」

 

 ……従姉さんに、見つかってしまった。

 

 

 

 

 

♥♥♥♥♥

 

「悪いわね恋太郎。こんなことに付き合わせてしまって」

 

「そんなことないよ。俺の方こそライが怪我したのに気がつくのが遅れてごめん」

 

「従姉さんの命の危機と比べたら私の怪我なんて大したことないわ」

 

「そんなこと…!」

 

 学校からの帰り道、今の私は恋太郎におぶられながら帰宅している。

 

 身体の一部分のみの変身。

 

 速さのみを追求した結果、私が辿り着いたのがこれだった。

 

 脚部のみダッドに変身してのダッシュ。女子高生では発揮できない瞬発力もダッドなら問題ない。そう思ってのことだったけれど。

 

 完璧に変身できていなかったようで。変身しきれなかった脚部の一部がダッドの瞬発力に耐えきれなかった。

 とはいっても従姉さんから薬ももらえたし、手当てもしたから大丈夫だと言ったのだけれど。

 

 恋太郎は私がケガしたことを気にして、私を家まで背負って行くと言い出した。

 

 彼女であるライちゃんを差し置いておぶられるのも違うと思ったから、ライちゃんに譲ろうと思ったのだけれど。

 

 ――お姉ちゃんへの罰だよ。絶対代わらないからね。

 

 断られてしまった。ここに来るまでの間アイマスク越しでも通行人から微笑ましい目で見られているのが分かったから、もしかしたらライちゃんはそれを嫌ったのかもしれないわね。私は特に気にしないのだけれど。

 

「それにしても厄介ね…誕生月の星座なんて変更しようもないのに、その日の占いで今日死ぬかもってくらい最高の1日と出たから従姉さんが死にかけただなんて。…ケガしていなかったら今からでもテレビ局を燃やしに行きたい気分よ」

 

「あはは…まぁその占いのおかげで楠莉先輩を助けることも出来たから…」

 

「だからと言ってそのラッキーアイテム(対抗策)学校指定のピチピチ水着は嫌がらせでしょう。貴方を含む全国のおうし座生まれの方々が危うくヘンタイ呼ばわりされてしまう所よ」

 

「ヘンタイ呼ばわりされる程度で大切な彼女を助けられるのなら、俺は何と呼ばれようと構わないよ」

 

「……恋太郎のクセに生意気よ」

 

「あいたっ」

 

 恋太郎におぶられている間暇だったから人目が無いのを見計らって恋太郎に変身すると、恋太郎がどうして放課後海パン1丁だったのか分かった。

 全世界のおひつじ座の人達は今日の従姉さんのような目にあっているのだとしたら、厄介すぎるわねその占いを放送したテレビ局は。訴えられたら負けるのではないのだろうか。

 そういえば、私もおひつじ座*3だったわね。私の死ぬかもという占いが先ほどのケガのことを表すのなら、一概におひつじ座生まれの人でもハプニングに違いがあるのかもしれないわね。もう終わったことだからどうでも良いけれど。

 

 そうしている内に、気がつけば私達の家に到着した。恋太郎に下ろしてもらった後改めて対面する。…アイマスクはしているけれど。

 

「ここまで背負ってきてくれてありがとう恋太郎。なんでかライちゃんが表に出たがらないから、ライちゃんの分まで感謝させてもらうわ」

 

「そんな、お礼なんて!」

 

「それでも言わせてちょうだい。…正直、1人でここまで歩いて帰るのは一苦労だったから」

 

 そう言って頭を下げると。

 

ビオォッ

 

 屋上に吹いたあの時の突風と同じくらいの風が吹いて。

 

バサバサバサ

 

 私の髪を結んでいた、マムから最期にもらった黒いリボンがほどけ飛んで行ってしまった。

 

「あっ…ッ!

 

「ライはここで待ってて!!」

 

 反射で追いかけようとしたせいで足の痛みがぶり返す。そんな私の代わりに恋太郎がリボンを追って駆け出していく。何も出来ない私はそんな恋太郎を見送ることしか出来なかった。

 

 ……何をやっているんでしょうね、私は。

 

 今日のあれだって、私が動かなくても恋太郎が従姉さんを助けられていた。私や羽香里ならともかく、あの時の従姉さんは8歳の身体で軽かったから。私1人でも持ち上げられるのだから、男子高校生である恋太郎なら造作もないことだったでしょう。

 

 結局の所私は、勝手に動いて勝手にケガをしただけ。

 その結果こうしてただでさえ忙しい恋太郎の時間を奪ってしまった。ライちゃんが先ほどから表に出てこないのはそんな私に呆れているからでしょうね、きっと。

 

 ……ダメね、ケガをしたからかさっきからネガティブなことばかり考えてしまう。今日はもうダメね。早めに寝ることにしましょう。

 

 

 

 

 

ギュルルルル!!!

 

 

 

 ……え?

 

 

 

 過去に1度だけ聞いた音がもう1度聞こえてきた。忘れもしないあの時の……

 

 顔を上げる。するとそこには、あの時と同じトラックが目の前に……

 

 

 

「ライッ!!!!!」

 

 

 

 バッ!!

 

 

 

 ガシャァッッッッ!!!

 

 

*1
おそろしくするどいめでじっとにらみつけるわざ。あいてはすくんでしまい、まひしてしまうbyポケ○ンスタジアム金銀

*2
掲示板回含めて42話ぶり

*3
オリ主の誕生日は4月1日




※ネタバレ:全員無事です。

カラオケ回でライダー(姉)とライちゃん(妹)がどう歌うか

  • ①ライダーとライちゃん2人で1曲歌う
  • ②それぞれ1曲ずつ歌う
  • ③(①と②どっちも)やってくれ、必要だろ
  • ④アンケートの結果だけ見たい人用
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

個性【蒼星】(作者:指ホチキス)(原作:僕のヒーローアカデミア)

蒼星(Blue Star)の個性と原作知識を持つ少女がヒロアカ世界の超常黎明期、原作の約130年前から生きていくお話。▼LobotomyCorporationはいいぞ


総合評価:15920/評価:8.8/連載:53話/更新日時:2026年08月19日(水) 16:06 小説情報

アストレア家の長女(作者:slo-pe)(原作:Re:ゼロから始める異世界生活)

▼ラインハルトに二つ上のお姉ちゃんがいたら。▼平和なアストレア家になってほしいなぁと。▼pixiv▼https://www.pixiv.net/novel/series/15971207▼


総合評価:2919/評価:8.66/連載:36話/更新日時:2026年09月05日(土) 22:00 小説情報

ルーデウスに無為転変みたいなのを使える妹が増えたら(作者:りんごりら)(原作:無職転生)

ルーデウスに2歳年下の妹ができました。▼妹の名前はトマ・グレイラット。お兄ちゃんっ子で倫理観は薄め。でも家族は大好きです。▼無職転生はなろう、漫画、アニメを見てます。▼呪術廻戦は漫画、アニメ▼Web版を参考に執筆しています。▼無職転生、呪術廻戦、呪術廻戦モジュロの最終話までのネタバレを含みます。▼呪力は無いです魔力で動く無為転変っぽいやつです。▼原作ストーリ…


総合評価:2831/評価:8.61/連載:25話/更新日時:2026年09月05日(土) 12:00 小説情報

転生したら「ワルプルギスの夜」だった件(作者:十二夜)(原作:転生したらスライムだった件)

理不尽にも交通事故で吹き飛んでしまったある男。▼意識が戻って自分の身体を確かめたら、まどマギの「舞台装置の魔女」になっていた!▼しかもここは転スラの世界!!▼憑依転生×異世界転生……ってコト!?▼これからどうしよう、ひとまず穏便に……。▼そんな彼はまだ、己の何たるかを知らない。▼かつての世界の絶望は、最強蔓延るこの世界でも絶望足り得るか。▼ラスボスな魔女が行…


総合評価:15224/評価:8.5/連載:52話/更新日時:2026年08月26日(水) 22:54 小説情報

【本編完結】転生したらヘラクレスの双子の妹でDie(作者:セロ弾きのゴーシュ)(原作:Fate/)

古代ギリシャ、それは偉大なる神々と鮮烈なる英雄が歴史を綴る、ロマン溢れる時代____▼に見せかけた超男尊女卑社会、かつ神々の癇癪で英雄はバタバタ死に、神々のムラムラとイライラで女性は何処かへ連れ去られる修羅の世界である▼そんな時代に、オレは大英雄ヘラクレス(死亡フラグ①)の双子の妹(死亡フラグ②)として生まれてしまった▼死んだんじゃないか?▼☆▼本編は完結い…


総合評価:12615/評価:8.68/完結:31話/更新日時:2026年08月09日(日) 21:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>