ヒーローのカタチ   作:サモア リナン

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原作ではデクたちとヤクザさん達の戦いが、ヴィラン連盟とヤクザさん達に変更してました。なので、その代わりに、この2次小説では同じ時間帯に主人公達が脳無し装備(セル・ドライバー)作成者の阿賀月(VET)とその本拠地を暴く事にしました。
うーん、原作崩壊待った無しですね(笑

次から戻していけたら良いなぁw


第18話「ヒーローには量も質も求められる」

 ──爆撃は止んだ。

 

 黒ノ家周辺には漂っていた虫たちの群れはなく、爆発物を出す力も無さそうにフラフラとしている。

 

 

私たち三人は、それまで文字通り“全て”処理してみせた。

 

どれだけの時間が経ったのか

 

「……はぁ…次はアレを市街地の外れ、出来るならかなり離れた所にでも誘導しましょう」

 

「ふぅ…ちょっと待ってくださいね、解析します」

 

 ホークスが呼吸を整え、私は黒ノ家の解析を始める。

 ツクヨミは疲労から四肢をダラン…と、させながらもダークシャドウを背に広げて浮遊していた。

 

 そして、私は──

 

【解析完了】

 

【黒ノ家:エネルギー収束確認】

【内部構造:稼働停止状態へ移行中】

 

「……ほとんど沈黙状態ですね。おそらく、活動限界」

 

 空に浮かぶ巨大な“家”──いや、“生物兵器”。

 

 その黒い体躯が、ゆっくりと高度を落としていく。

 ホークスの羽と私の大型ドローンで固定して近郊の丘陵地帯へと軟着陸させる。

 

 吹き飛ばされた土煙があたりに広がる。

 

 

 ──しばらくして

 

「開くぞ!正面の“口”が……!」

 

 私たちの動向を見ていた警察や救急隊員の方々が駆け寄ってくる。

 

 黒ノ家の正面部──巨大な“門”のような口がギイイ、と音を立てて裂けた。

 

 中から、黒い煙と生物が焦げて溶けた様な匂いが溢れ出る

 

「な、何か……!」

 

 その瞬間、影がいくつも揺れた。

 

 最初に飛び出してきたのは──

 

「た、助かった!!」

 

 警察の人たちだった。

 

 そして次々と姿を現したのは、ベストジーニスト、エンデヴァー、ミルコ、クラスト、そして芦戸ちゃん、爆豪くん、轟くん、口田くん、尾白くん、それぞれが満身創痍で飛び出してきたのだった。

 

 

 「おいおい……これで出迎えがいなかったら、泣いてたぞ……」

 

 ベストジーニストが、コスチュームをボロボロにしながらも、口元だけは崩さない。

 

 「無事で……!」

 

 私が声をかけると、エンデヴァーがフンッと鼻を鳴らした。

 

 「全員、外の状況は把握してる。中で“見せられていた”」

 

 「見せられていた……?」

 

 「……あの家、外の映像を内部の壁に投影してたんだ。あたかも“私たちが無力だ”と思わせるように、歪めた形でな!」

 と、ミルコが不機嫌そうに言い放つ。

 

 「中に閉じ込められた直後、俺たちの動きは封じられた。ガスと幻覚、でトラウマを刺激して出来た一瞬の隙で拘束された。」

 ベストジーニストが補足する。

 

 「正確には、洗脳に近い状態で情報を操作されてたって事っすか」

 ホークスが冗談めかして言った。

 

 「……うん。でも、外の状況が変わっていくにつれて、映像の同期が乱れてきて……気づけた」

 そう話すのは、意外にも芦戸ちゃんだった。

 「私、正直怖かった……でも、だからこそ“外の皆の声”が聞こえた気がして……!」

 

 その隣で、尾白くんがうなずく。

 「“希望”って、言葉にすると陳腐だけど……本当に、そう感じたよ」

 

 彼らの目は、しっかりと前を見据えていた。

 

 

 そして、ベストジーニストが、私たちの方へ一歩踏み出す。

 

 「敵は、完全には死んでいない。まだ本体がいる」

 

 「本体……!」

 

 私が思わず拳を握る。

 

 「このまま終わらせるわけにはいかん、逃せば被害が増える」

 

 と、エンデヴァーが静かに言うと、全員の視線が再び黒ノ家に向けられた。

 

 黒ノ家は沈黙している

 

 だが、代わりに──その奥に、何か“気配”のようなものが、確かに存在していた。

 

 

 「気をつけて……!」

 

 と、クラストが警告する

 

…パチパチパチパチパチパチ

 

拍手の音が聞こえる

 

「良いもの見たなぁ、最近は上手く行かない事が多くてさー、ちょっと病んでたんだ。だから意地悪したくなって、感情に任せてこんな雑なお出迎えをしちゃって…申し訳ない、私も1人の人間だったって事だね…とはいえ、お陰でスッキリしたよ。モヤモヤが晴れた!ごめんね、でも、ありがとう、良い気分転換になったよ」

 

出口から出てきたのは

 

「……阿賀月……」

エンデヴァーが低く威圧的な雰囲気で睨む

 

「えぇ…うわぁ…怖い顔、ちょっと!皆、ヒーローでしょ!そんな雰囲気出さないでよ、そんなに怒らなくても良いんじゃないかなぁ?居た堪れないじゃない」

 

「あん?あいつ、何言ってやがんだ」

「状況を…理解していない…?」」

「どう言う事だ、あいつが主犯じゃないのか」

「あの人、なんであんなこと言えるんだ」

「嫌な予感がする」

1年の皆が戸惑う

 

私も戸惑ってる。あんな事をした人が、よく分からない事を言いながら出てきて、エンデヴァーの対応に口もとをヒクつかせてホントに怖がる様に後ずさる。

まるでハメを外しすぎたことを怒られた『普通の人』みたいに。

 

その反応を見たプロヒーロー達や警察は苦虫を噛み潰した様な顔をする

 

「まさか、貴様…」

エンデヴァーが怒りを抑えた声で尋ねる

 

「えぇ…私も感じました…『そういうタイプ』なんでしょう」

とはクラスト

 

「…どうしたんですか?」

他の1年達はまだ戸惑っていたためマスコーダーが質問する

 

ベストジーニストが答える

「検査をしなければハッキリとは分からない…だが、極稀にいるのだ、あの様に犯罪を『ちょっと悪い事』程度で済まし、その事の大きさを自覚できない者が…」

 

「え?…でも獣医になれるほどの人なのに…ですか?」

とは尾白くん

 

「知識は関係ないさ、人としての『個別性』だよ。やって良い事と悪い事の区別が付かずブレーキが効かない、更には罪悪感がない。むしろ知識がある分、厄介なパターンだ…私もヒーロー活動をしていてほとんど会ったことは無いがな…一般常識はあるのだろう、だから違和感が感じにくい。だから今まで疑われなかった」

クラストさんも教えてくれた。

 

そんな敵もいるのか…

 

「いやいや、流石に事の大きさは分かってるよ!悪いことしたなーって反省してる」

顔の前で両手を合わせて頭を下げてる。本当に反省している雰囲気を感じるが……あまりにも軽い…

 

「では、このまま、おとなしく捕まると良い、罪を償え…」

エンデヴァーが最後の勧告の様に伝える

 

だが、いつでも反撃が出来るように身構える。他のヒーロー達も警戒する。私達も倣って…そうした。

 

警察はゆっくりと退避していく。

 

まるで、この後、何が起こるのか分かっているかの様に…

 

「え〜?捕まるのはちょっと……やだなぁ……」

「……あ、じゃあさ。みんな死んでくれれば、全部丸く収まるよね?うん、それがいちばん手っ取り早い!」

 

ぱちんと、まるでお遊戯会の台本を思い出したかのように指を鳴らして、VETは笑った。

 

その瞬間、プロヒーローたちの動きが、火花のように爆ぜた──!

 

 

 

「だと思ったぜ!!じゃあ痛い目に会うしかねぇよなぁ!!」

「チャーーージ!!」

 大地が、脈動するように震えた。

クラストが踏み込み盾を前にして突っ込む。ミルコがその上から強襲する。後ろからは剛翼が翔けベストジーナストの繊維が襲い、私は照準を合わせた。エンデヴァーは逃げられない様に私たちの周囲に炎壁を作る。

 

「だと思ったのは、こっちも同じ」

とは、阿賀月…いやVETが視線をずらして首をかしげて、本当に億劫そうに、やれやれと頭を降りながら腕を広げ肩を上げて呟いた。

 

 

ドクン

 

 

 まるで“心音”のような音が聞こえた

 

 

「!! 地下から何か来ます!」

 

 私が叫んだ瞬間

 

 這い出してきたのは……

 

 「何……だ、あれ……!?」

 

 「……細胞の……“集合体”?」

 

 それは、巨大な細胞の塊だった。VETの足下から出現しヒーロー達は得体の知れない物とは距離をとる。遠距離個性はそのまま攻撃を続けて細胞を崩すが、しかし黒ノ家が動きだし炎壁に焼かれながら突っ込んできた。そして大口を開けてVETを“喰った”

 

ゴキュゴキュ……

 

耳障りな飲み込む音

 

 その中心に──細胞が凝縮し、肉を潰す音が聞こえた。

 

「マズイ!!明らかに危険だ!叩くなら今だ!遠距離個性持ちのお前達は全力で手を貸せ!」

 

とエンデヴァーが焦り、インターンの1年達にも指示を出す

 

「チィ!クソがあぁ!螺旋式・A・Pショットオォォ」

 

「くそ!!選択肢が無ぇ!!大炎海嘯(だいえんかいしょう)!!!」

 

「私でも分かる、やばいパターン!フルバースト・アシッドショット!!」

 

 口田くん・尾白くんは接近しかないため待避、常闇くんは周りに炎メインの攻撃が広がるためダークシャドウが出てこれない

 

 私はランチャーライフルに特殊弾を込めて照準完了、腰の展開アームを引き、地面へと突き立て瞬時にアンカーが食い込む、周囲の地面が振動する。

 

 「――固定モード、ロック完了」

 

 カタチが静かに頷き、ランチャーライフルの側面パネルが展開、装填モジュールが露出。自動給弾ユニットが動き、特別製の高密度弾頭がチャンバーへ送られる。

 

 「コード入力完了。制御限界値を突破します」

 

 背中のスラスターが一瞬だけ起動し、衝撃に備えて体勢を調整。両手が銃を、両足が地を踏みしめる。

 

 「― 対象:VET、予測効果反応…無効!?…チィ…現弾が対象外にてプラズマブラスターを変更し再装填。―コード:ニュートリノ・バスターへ移行、装填完了」

 

 

………ガッシャン!!

 

…重い装填音が鳴り響く

 

 「──撃つ!!!」

 

カッ!!!!!

 

 皆とはワンテンポ遅れたが、全身を貫く轟音と共に青白いエネルギーが一直線に敵影へと放たれた。

 

 

ヒーロー達と仮免ヒーロー達の遠距離個性の一斉放射。

これで倒せてなかったらたらどうしよう。なんならAFOも倒せるんじゃないかってレベルの高火力。

 

だけど

 

「痛い痛い!変身中は待っててよ!もー…テンプレ分かってないなぁ!!」

と、ぷんぷんと擬音が付きそうな怒り方

 

瓦礫の山から、パラ……と細い布が風に舞った。

 

 そこから、ゆらりと姿を現した《VET》は──まるで、友人の結婚式にでも出席するような装いをしていた。

 

 淡いベージュピンクのワンピースは、肩が大きく開いたオフショルダー。まるで露出を意識していないかのような、自然体の華やかさが逆に不気味だ。戦場にはまるでそぐわない、柔らかな生地のドレス。その上には、ほのかに光を反射する透明なストールが巻かれており、風にふわりと揺れていた。

 

 左肩のあたりは、先ほどの攻撃で焦げ、破れ、血のにじんだ跡がある。けれどそれさえも、まるで「ファッションの一部」のように、彼女の異様な雰囲気と溶け込んでいた。

 

 素足に近い足元で、ヒールのような靴が小さく砂利を蹴る。その歩みは、弱った獣のようにふらついているくせに、どこか舞台を歩くモデルのような“魅せる動き”だった。

 

 「ちょっとぉ……このドレス、初めて着たんだよ!ショックだわー…。もっと丁寧に扱ってよねぇ……」

 

 ぷくっと膨れるような口調で、拗ねる

 

 「……今ので終わってほしいと思ったが…そう甘くはねーなぁ」

ミルコが舌打ちしながら呟く

 

 

 「……そっちは、まだ終わってないんでしょ?」

 《VET》は姿勢を正す。身体を引きずるように、ゆっくりと歩を進めている。どこかふらつくような足取り。目は気だるそうにしながらも、私たちを見据えていた。

 

 「仕留めるぞ」

 

 エンデヴァーの低い声が、全体に響く。

 

 「奴はまだ安定していない。さっきの一撃が効いてる。だから……ここで押し切る!」

 

 ヒーローたちの背筋が伸びる。熱気と汗と、焦げたような空気の中で、それでも彼らの目には覚悟が宿っていた。

 

 「常闇! ダークシャドウは今、行けるか!?」

 

 「──今なら……なんとか!」

 

 影の巨腕が、地を這うように伸びる。周囲の炎が弱まり、ようやく彼の個性が動き出す。

 

 「学生達は私と背後から回り込め!足止めだ!」

ベストジーニストが指示をだす。

 

 「了解!」

 「はい!」

「クソヴィランがあ!さっきので終わっとけやぁぁぁ」

「…俺たちで…どこまで出来るか、いや、泣き言は言えない!」

「いこう!お願い動物達よ!」

 

 尾白、芦戸、爆豪、轟、口田たちが、それぞれの準備を整える。

 

 その中で、ランチャーライフルを右腰に据え空中で構える彼女──は、すでに次弾の装填に入っていた。

 

 「……装填完了。アンカー再ロック。範囲縮小に伴う威力減少を承認、行けます!」

 

カタチは装備情報を伝えてくれる

 「確認だよ。コード:ニュートリノ・バスター・Type-L(タイプ・ライト)──発射準備完了してる。断続発射なら10発まで連続発射が可能、照射モードなら5.3秒。そのあとはリロードが必要だよ。不殺捕縛を遵守・拘束・行動制限及び抑制の方向性を継続でOKだよね?並列思考対応式遠隔操作型ドローン、通称『フラクタ』は35機展開中!僕『達』も準備OKだ!いつでも行けるよ」

「ありがと!」

 

 

……………

 

 

カタチの表情は硬い、言いにくそうに口を開く

 

「分かってると思うけど……本当にこのままで…良いの?」

 

「……カタチ…わかってる、分かってるんだ……でも、私は…」

 

カタチはわざわざ確認してくれる。なにせ……自分がやっている事は確実にエゴだ、自覚しているんだ。つい思考が止まってしまう

 

刻一刻と貴重な時間は経過する。

 

 「何をしている!!!撃て!お前達も行くぞ、全員、総攻撃!」

 

 エンデヴァーの喝と号令。同時に地響きのような咆哮と爆音が戦場を包んだ。

 

それぞれが今使える個性の限界を引き出して対応している。

トップヒーローがこんなに揃っている。

こんな作戦、今後あるかどうかってほど恵まれている。

 

これで解決出来なかったら嘘だ!!

 

 

 ――ヒーロー達の総力戦。連携と瞬発力の限界を越えていく

 

………………

 

 

 

《VET》の姿を見ただけでは、到底想像もつかない。

 だが、戦いの最中に次々と繰り出される“個性”の数々──それは、AFOを彷彿とさせる異常なまでのバリエーション。

 

 

 火。風。土。水。雷。さらには、空間を固定する力、刃のような羽で飛び、獣のような鋭爪、そして自身の身体を泥のように変える能力。

 まるで自然法則そのものを操っているかのような多様性。これらすべてが《VET》の“実験体”たる動物から奪われたもの──剥ぎ取られた命の力。

 その身の周囲には無数のナイフが浮遊し、まるで意思を持ったようにヒーローたちを狙い、襲いかかる。

 先ほど苦戦させられた吸血虫の群れも、今やさらに数を増して再出現している。

 

 そして、もう一つ──新たな“兵器”。

 丸く不気味に膨れた球体に、昆虫のような足が生えた何か。それが、地面を這い、こちらに向かって転がってくる。次の瞬間──ドンッ!

 破裂とともに、爆風が辺りを焼き払う。

 

 ……これらは“消費型個性”とも呼ぶべき存在。

 使い捨ての生物兵器。破壊のためだけに生まれ、走り、そして爆ぜる。

 

この2種類の敵はコピーか増殖系の個性が使われている事は間違いない

 

 もう、これはただの戦いじゃない。目的のためには犠牲や破壊を厭わない消耗戦に近い。この場で仕留めなければ、次は──無数の市民が血を流す

 

 

VETへ接敵しようとすると

 

──《彼女》の『中』から明らかにただ者ではない“護衛”たちが現れる

 

 その姿は、どれも現実味を欠いた怪物。生物の理から外れた、まさに“創られた獣”たち。共通点はひとつ。脳がむき出しになっていること──まるで、“動物型の脳無”のようだった。

 

 まず一体目。百雷(ももずち)

 黒く巨大な虎。その鋭い牙は見ただけでゾッとするほどの殺気を孕み、全身に白い雷光をパチパチと走らせている。噛みつかれたら最後、骨ごと砕かれるのは間違いない。

 

 二体目。蝕龍(しょくりゅう)

 翼が無いのに、宙を泳ぐ龍。その長い体の下に映るのは影ではなく毒により変色した大地。存在するだけで悪意を撒き散らす侵食する“空飛ぶ毒”。

 

 三体目。獄炎鳥(ごくえんちょう)

 まるで黒炎そのものが本体。揺れ動く形は大鷲。獲物を狙う眼光に睨まれれば身体は硬直しその爪で肉は抉り取られる。鋭く長い嘴は常に急所を狙っている。

 

 そして四体目。蛇甲羅(じゃこら)

 頭と体は亀だが尻尾は蛇。ゆっくりと動くその姿に惑わさせては行けない。重厚な本体は蛇の強すぎる勢いを堪える土台でしかなく、蛇が動いた後には残像を残し岩をも砕く。

 

「なんて……酷い事を……」

あの優しい口田君が怒っている。

 

 だが、そんな事に構っていられない……どれも一体だけでも脅威なのにそれが4体もいる。マシな点を挙げるとするなら目前の敵を襲うだけの単調な動きで読みやすい、と言う点だ。おそらくVET本人が戦闘に不慣れな為だろう。ただただ多く・強い個性の味方を展開しただけ、フォーメーションなんてものは考えていない。数えるほど億劫な数の消費型個性と複数個性持ちの動物型脳無を暴れさせる。それが、彼女の戦闘スタイルだった。

 

 

そして、ここは、もはや“戦場”ではなく、“災厄の中心”となった。

 

 

「くっ……ッ、こんなの!どうしたら良いのか分かんないよ!!……ACID Rain!」

 芦戸が跳躍とともに酸の雨を放つが、吸血虫が盾になる。回転する風の個性が弾く。直後、爆発する丸い物体が迫る。

 

「クッソがぁ!下がれやぁ!」

 弾ける寸前、爆豪の加速による突進がその一体を蹴り飛ばし、空中で破裂させる。

 

「爆豪こそ危ねぇ!突っ込み過ぎだ!」

轟が広範囲の氷で歩く爆弾達を停止させる。だが中で爆発し砕ける氷。その残骸を踏み越えてくる新しい歩く爆弾達。

 

「分かっとらんかったわ!くそがぁ!!感謝だオラァ!!」

爆豪は掌だけでなく汗を飛ばして爆破したり足底からも爆発物を出せるようになり機動力も火力もかなり上がった。それでも押さえきることは出来ない

「気に……するなぁ!!」

轟がなりふり構わず大氷塊と炎の海を作り敵の進行を遮る

 

爆豪と轟が背中合わせになり戦闘を継続、襲われていた芦戸が距離を取る事ができた

 

 

「くぅ!バギングバインド」

口田が多数の吸血虫を多くの鳥類を操作して進行を抑えている。

その後ろからは…

 

「口田!…後ろにも気をつけてくれよ。虫がいたぞ」

「ごめん!ありがとう」

尾白がフォローに入る。

 

 

 VETは静かに市街地の方へと歩を進めていた。

 

「……逃がすな!!絶対に市民を巻き込ませるな!!」

 

エンデヴァーの咆哮に、ヒーローたちは再度態勢を整える。

 

 

「うーわ、こわー…来ないでよ!私はただあなた達を殺したいだけ!ただ時間が掛かりそうだから街を犠牲にしたらやりやすいかなぁって思ってんの!どうせ見た人全員死んだら何も変わらない生活に戻れるんだから問題ないでしょ!てゆーか、せめて行くのは邪魔しないでよー、こうしてやる!!」

 

相変わらず恐ろしい事を『普通』に言う

 

更に

 

 「全員、分散!虫と爆弾がVETから更に生み出された!飲み込まれるぞ!早く後退しろーー!!!」

 

 ホークスが空だからこそ分かる情報を元に必死の号令出している。その声は上空から聞こえて共に戦線が散開する。

 

 

しかし吸血虫と爆弾だけに気を取られている訳にもいかなかった。

 

東西南北に特殊個体が向かおうとするため、ヒーロー達は対応を余儀なくされる。

 

 

 

vs獄炎鳥

 

そのスピードは追いつけない程ではない、だが厄介なのは高々度で炎の羽を落としながら南の町にへ向かうこと。その姿はまるで爆撃機、放置すれば被害の大きさは想像に難くない

 「叩き伏せろ!ダークシャドウ!」

 可能な限り上昇し急降下してきたツクヨミが獄炎鳥と空中で激突する。

黒炎は逆に闇の力を引き出しダークシャドウに最高潮の力を発揮させた。巨大化し制御困難ながらも狙いを定め、その巨大な腕を振り下ろし地面に叩きつける。

「よくやったツクヨミ!!くらえ!耐火性の超繊維拘束(ちょうせんいこうそく)だ!!!」

 

その隙をベストジーニストが逃さずに獄炎鳥を拘束する。

しかし余りにも抵抗が強くジーニストは震えながら腕を交差し拘束を継続している。

「ぐ!!なんと言う力…長くは持たんぞ!」

 

クラストは逃さない

「この隙…絶対に無駄にはしない!《クラッシュ・フォールディング》!!」

盾が煌めく、厚く拡がり・熱く硬い!!!

トップスピードかつ遠心力と鍛えられた力を重ねた必殺技が炸裂する。

 

ドォ…ッゴン!!!!

 

獄炎鳥は裂け叩き潰される

 

 

………

 

 

vs百雷(ももずち)

西の街道に向かおうと走り往く。そのスピードは風を切っていると言っても過言ではない。付いていける者のみが彼と相対することを許される。

 「尾白、続けぇ!くらぁえ、ルナ・アーーク!!!からの…ストライク!!」

ミルコはその健脚で百雷を追い抜き踵落としを仕掛けた後、追撃として逆足のかかとを垂直に打ち込む。堪らず百雷はタタラを踏む。雷を纏っているため、足にダメージがあるはずなのだが…彼女は意に介していない。

 「はい!シン・尾空旋舞(びくうせんぷ)」

 「はぁ…はぁ…まだ!!ACID WAVE」

 ミルコの指示に応じて、尾白が追撃する。百雷の動きになんとか追いつく尾白。彼の個性は“深化”していた。「全身尾毛」身体に体毛が生え尻尾の柔軟性と打撃力をその身に宿せる。しかも電気なら毛に帯電させることが出来るため相性が良い相手だった。その力を遺憾なく発揮し必殺技を打ち込み怯んだ隙に更にミルコが追撃、更に追いついたピンキーが隙を埋め、尾白が続き、次にミルコが……その繰り返しで着実にダメージを与え、遂に百雷はその膝をつく。最期に見たのは自らに迫る攻撃、容赦など一欠片もない膝と尻尾だった。

 

 

vs蝕龍

 

半端な攻撃は意に介さず、ただただ毒を撒き散らす蝕龍は東の市街地に向かっている。

「おのれぇ!!大地に毒が広がりすぎている、このままでは市街地まで侵食する…飲み水にまで影響が出かねん!ダイナマ!ショート!挟撃し最優先で撃破する。一瞬で良い食い止めろ!」

 

「舐めた真似しやがって…行かせねぇ、ブチ殺す!!」

「毒を撒き散らす…だと?人が住めない土地にする気か…させない!」

 

空中でエンデヴァーとダイナマイトとショートの3人それぞれが最高火力で空飛ぶ毒を焼き尽くそうと準備を果たす

 

「毒なんざ炎で消毒したるわ!掻き消えやがれ、ネオ・ハウザー・インパクトォォォ!」

ダイナマイトは上昇後に足底からの最高爆破にて急降下、両掌に溜めに溜めた汗で最高打点を文字通り背中に「叩き付け」る。

 

「これが…余計なもん全て取っ払った俺の全力だ…いくぜ。氷骸・灼熱崩拳!!赫嵐(アカラシ)!!!)」

その隣、ショートは“両手”に炎を宿す。彼もまた「進化」と「深化」を果たしていた。身体全体は青く氷のように冷たい…だが、両手足から放出される炎は何よりも赫く熱く燃えて蝕龍を捉えた。奇しくもそれは、エンデヴァーの目指した姿に酷似していた。

 

蝕龍は怯むどころではない、確実にダメージを与えられる

 

これほど大きな隙を…彼が…エンデヴァーが逃すはずはない。

 

しかし彼は戦いとは別の意識では誇らしい気持ちになっていた。

 

「くくく、ショートよ…このような場で無ければ“良くやった”と抱きしめてやりたいぞ。だが今は…俺の番だな…無様な姿は見せられん、よく見ておけ!!燃え尽きろ!赫灼熱拳・プロミネンスバーン!!!」

高まる気持ちに炎も応えるかのように、その勢いは今までの最高火力を叩き出す。

蝕龍は無事な箇所が無いほど全身が焦げ、大地に伏せる。

 

vs蛇甲羅

 

4体の中で1番巨大。北の森を抜けた先の住宅街にゆっくりと歩を進める。“のそり”その一歩が大地を揺らす。退避していた警察を見つけて、追っている。彼らを守りながらアニマとホークスは撃退を余儀なくされる。

 

 「そんな!君たちは…自分の意思では動けないの!?」

口田が前面に出て残像すら見えない蛇の猛攻を避け続けている。偶然ではあり得ない。かと言って彼にはそれほどの身体能力はない。だが避けれている。その理由は一つ、攻撃する本人からどこを狙うか教えてもらっているから。口田…いやアニマは「進化」し頭部の角が伸びていた。それにより2つの意思が混在している蛇甲羅、本人達から攻略法を聞き出す事に成功していた。

 

「ホークスさん!亀の頭、左右甲羅の付け根に僅かに隙間があって、そこなら多重衝撃で甲羅が破壊できるそうです。そうなれば、かなり軽くなって蛇の動きのせいでバランスが取れなくなります」

 

「了解、と言っても…そう簡単には行かないな」

ホークスが虫や蛇の攻撃を掻い潜り少しずつダメージを与える。

 

2人は恐ろしく神経を使い戦っていた。周りの警察は少しでも数を減らそうと虫と爆弾を銃で、もしくは自らの個性で撃退する。

 

…………そして

 

「はい!やっと破壊完了!…うわ…ホントだ、蛇の動きがかなり鈍くなったか……口田くん、すごいね」

 

「いえ……ただ声を聞いているだけです。本当に…本当に苦しいって言ってるんです。泣きたいのに泣けない、傷つけたくないのに無理矢理攻撃してしまう悲しみ、次世代に託すための“狩り”じゃない、ただ他者に強要される暴力、それは彼らのあり方を歪め否定しています。純粋な動物達の生き方を踏み躙った彼女は……許せない!」

 

「………彼女には、しっかり罰を受けてもらいましょう……フェザーブレード…可哀想だが、これで!」

 

 

アニマに見送られホークスにトドメを刺される。安らかに息を引きとった亀と蛇が穏やかな表情を2人は見上げていた。

 

 

 

………

 

 

 

そんな彼らの決着前――

“それ”は、静かに、確実に、始まっていた。

 

 

 

まだ夕暮れ時なのに夜空を染め上げる黒い波。

群れを成した吸血虫たちが、一斉に羽音を轟かせ、空を喰らうかのように市街地へと進行を始める

 

 

地面では、音もなく這い出す“災厄”があった。

歩く爆弾たち――その異形の塊が、住宅街の境界に牙を突き立てる

 

その動きに、誰も気づかなかった。

 

いや、違う。

 

気づいていたのに、誰も“それにまで”手を伸ばす余力がなかった。

 

百雷

 

蝕龍

 

獄炎鳥

 

蛇甲羅

 

それぞれが規格外の怪物。

そんな獣たちが、ヒーローたちの一糸乱れぬフォーメーションで撃退。

 

しかし体力は大幅に削られていた。

敵の先遣隊がどこまで侵攻したのか分からない。

 

ヒーローたちの意識は、もはや“全ての脅威”を同時に把握することができなかった。

 

 

――だからこそ、マスコーダーが動いた。

 

 

仲間たちが4体の獣と死力を尽くしている間に

 

空を覆う虫の影と、地を這う爆弾の群れと、いつの間にか姿を消した本命・阿賀月剥貸(VET)それら全てを追跡する

 

 

先輩ヒーロー達を信じたからこそ、背中を預けて、前を向き、後輩を信じたからこそ自分にしかできない戦場へ、足を踏み出した。

 

そんな中ついに

 

カタチ「達」の部隊『ミニマス』の偵察部隊から通信が入った。

 

『……状況確認。マスコーダー、全データアップロード完了』

マスコーダーの背後には、“月面から転送された戦力”が広がっている。

空を舞う35機のフラクタ、地を走るミニマス機甲部隊、空を翔けるミニマス飛行部隊、そして彼女の右腰に構えられた“ランチャーライフル”。

 

 

「市街地防衛ライン、リンク完了」

「歩く爆弾群、解析完了。地熱反応に弱い。ブラスター弾で誘導可能」

「吸血虫群、音波パターン変更により誤誘導可能。即座に設定求む」

「阿賀月、再捕捉開始――」

 

 

凛とした声が確かに届いた。

 

「了解、……任せてよ……『私が行くから大丈夫』!」

 

 

戦線を離れたマスコーダーが、夜空を翔けて飛ぶ、無数の災厄へ向かって進んでいく。

 

 

 

この世界には、間に合わないことがある。

だが、“間に合おうとする誰か”がいる限り――希望は絶えない。

 

 

 

そして、その誰かの名前は。

 

 

『――マスコーダー、対象を肉眼で捕捉、目標:阿賀月剥貸(あがつき・はがし)通称VETの捕縛。追加目標:吸血虫及び歩爆弾などの脅威除去、市街地・住宅街への被害前に完全除去で目標達成とします』

 

 

 

型形作身(マスコーダー) vs 阿賀月剥貸Vet(ヴェット)

 

飛行航行中にVETを見つけ、彼女も私を見つけていた。

 

彼女の周りは

灼熱。暴風。地震。氾濫。落雷。

五つの自然が、空と大地をねじ曲げるように暴れ狂っていた。

 

「……もう災害じゃん…」

 

そう呟くが、その背後には、まるで星座のように――三十五機のドローンが輪を描いて浮かんでいた。

 

並列思考対応式遠隔操作ドローン《フラクタ》。

そして彼女を支える補助オペレーター、カタチの存在。

 

「フラクタ全機、起動完了。戦場解析、98%。――撃てるよ、マスコーダー」

 

「了解。『コード:ニュートリノ・バスターTYPE-L』、装填」

 

手が腰に装備されたランチャーライフルを構える。

 

瞬間、放射線状のエネルギー弾が放たれる。

 

 

 

だが――それを迎え撃つのは、“災厄そのもの”だ。

 

阿賀月剥貸《Vet》。

 

警告:複合生命体“阿賀月剥貸(Vet)”接近。

属性構成:火/風/水/土/雷/泥/羽/爪/空間/虫/爆弾

無尽蔵性:確認

再生力:規格外

 

並列接続:マスコーダー個体、精神負荷35%、バイタル安定

補助接続:カタチ補佐官、演算補助実行中

 

吸血虫が群れを成して空を埋め、歩く爆弾が大地を這う。

火が燃え、風が裂け、土が砕け、水が氾濫し、雷が狂い、空間が固定され、羽が刃と化し、爪が獣と化す。

極め付きに、彼女自身の身体は――泥となって地形そのものへと溶け込んだ。

 

マスコーダー周囲には小さな“軍勢”が集結する。

•ミニサイズの戦車群(Type-B《ブルドッグ》、Type-R《ラビット》)

•超小型飛行支援機《リトル・カスタムA〜E》

•小型爆撃ドローン《キャニスターR》

•月面基地から無尽に転送されるバックアップ部隊

 

「補正計算完了、クラスター装填。斉射用意」

 

一瞬でも思考放棄すれば命取り――

 

地上にも……

 

空中にも……

 

 

まさに縦横無尽に高速移動を継続している。

 

そんな中でもフラクタの全機に“散弾型エネルギー弾”を装填し一斉にVetの空間構築フィールドへ撃ち込まれた

 

バシュウッ!!

 

空間を固定する力場が、“拡散・貫通・波動”によって破裂する。

バリアではなく、構造そのものが解析され、上書きされていく。

 

 

 

「よし、次は面制圧だ!!」

 

Vetが泥の身体を空へ跳ね上げ、地形に同化する。

だが、その瞬間――

 

「―させるかぁ!特殊弾装弾・銃身換装…くらえ!―グレイヴ・クラスター」

 

ランチャーのクラスターモードが展開。

マスコーダーが、フラクタと空へ飛び、広範囲照射する。泥状化対応の特殊銃撃がVetの構成を削ぎ落とす。

 

空間を歪めても。大地を喰っても。

 

ヒーローの「全て」に憧れる彼女は決して逃げない

 

 

「そろそろ、お願いしてもいい?」

 

「もちろん」

 

カタチが微笑み、フラクタ全機が再起動。

マスコーダーは対象をその瞳に写しトリガーを引いた。

 

 

 

「――コード:アイソレート・ブラスター……フラクタ・オールリンクモード。――月面衛星砲、起動」

 

 

 

月の裏側から、ちいさな衛星たちが回転を始め、空を覆う一撃は滞空する虫達を瞬時に焼き落とす。

 

撃ち漏らしはカタチ搭乗型の超小型飛行支援機《リトル・カスタム》が対応。

 

地上には

ミニサイズの戦車群(Type-B《ブルドッグ》、Type-R《ラビット》)

更には小型爆撃ドローン《キャニスターR》で歩爆弾を処理し、まるで焼け野原。凄まじい爆音はするが人的被害はゼロ

 

『コード:オーバーディフェンス』

 

――《全弾一斉属性無効化射撃》

 

 

 

空に、フラクタたちが“陣形”を描く。

 

円を組むもの、斜めに編隊を張るもの、マスコーダーの真横でホバリングするもの。

35機のドローンが、まるで星座のように静かに空間を彩っていた。

 

 

 

「……敵、属性構成を固定。11種、同時展開……了解」

 

 

 

マスコーダーが片目を細め、通信で小さく囁く。

 

「カタチ、装填順、送るよ」

 

《了解、オートリンク・全機装填指示――通達》

カタチの声が応えると同時に、35機のフラクタたちがカチャリ、と金属音を立ててランチャーポッドを展開する。

 

 

 

──火:3機、

──風:3機、

──水:3機、

──土:3機、

──雷:3機、

──泥:3機、

──羽:3機、

──爪:3機、

──空間:4機、

──虫:5機、

──爆弾:5機。

 

各属性ごとに最適な弾頭が自動振り分けでドローンに格納されていく。

 

一斉にブースターが唸り、射線が照準を定める。

 

敵は、複合災害兵装体・阿賀月剥貸(Vet)。

その全身から、今まさに全属性が“同時解放”されようとしていた――

 

 

 

炎が噴き出し、雷が弾け、空間が歪む。

爪が伸び、羽が散り、泥が蠢く。

虫がうごめき、爆弾が歩き出す。

水が満ち、風が渦巻き、土が隆起する。

 

 

 

災害のすべてが、マスコーダーと味方の背後の市街地を襲う寸前――

 

 

 

「――全機、撃て。」

 

 

 

マスコーダーの言葉とともに、

空が、光に変わった。

 

 

 

ドォン、ドォン、ドォン――!!!

 

 

 

35機のフラクタが、それぞれ異なる属性弾を同時に発射。

ブラスター、クラスター、バスターの多様な形式が交錯し、空と地を覆いつくす。

 

――《ヘルスプレッダ》が炎を霧消させ、

――《スカイシェイカー》が風を断ち、

――《アンチヴェイパー》が水を気化し、

――《ドリルクラスト》が土を貫通し、

――《サンダーバランサー》が雷を中和し、

――《グラヴリリース》が泥を固め、

――《フェザーストームブレイカー》が羽を粉砕し、

――《ビーストロッカー》が爪の神経反応を停止させ、

――《ディメンションクラッカー》が空間の固定を切り裂き、

――《スウォームディフューザー》が吸血虫の方向感覚を狂わせ、

――《アンチデトネイター》が歩く爆弾の起爆機構を凍結する。

 

 

 

爆音と閃光の中――

阿賀月剥貸のすべての“攻撃準備”が、

跡形もなく掻き消えた。

 

空に浮かぶマスコーダー

 

その周囲に、凛としてホバリングする35機の『フラクタ』

 

その“姿”は誰が見てもヒーローだった

 

 

「“無尽蔵”なら――こっちにも、“数”があるんだよ」

 

急降下し粉塵が舞う中へ入り込む。

 

一人のヒーローと、35の機械。

その連携が、災厄のすべてを超えた瞬間だった。

 

そして、永遠に続くかと思われた爆発音が止み、塵が徐々に晴れる

 

大小の影が見える…両膝を地面に付けて両手を広げて口を引き攣らせながら降参のポーズを取っているのは阿賀月。その正面から顔にランチャーライフルを当てているマスコーダー

 

「阿賀月剥貸、確保しました………勝ったよ、皆」

 

………

 

「こちらも制圧完了だ。よくやった」

「美味しい所持ってかれちゃいましたねー」

「ふむ!素晴らしい」

「さすが先輩!やったー」

「流石、我が盟友」

「大丈夫?怪我してない?」

「は!次は俺様が勝つ」

「お前…そればっかだな」

 

 

全員に報告、その通信の向こうから聞こえたのは全員の勝利報告だった。

 




ふぅ…書き切ったーー!
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