ヒーローのカタチ   作:サモア リナン

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最近、やっと鬼滅の刃
無限城編を見ました。

そしたら鬼滅の話を描きたくなっちゃって…1話だけ書いちゃった(笑
最初から原作崩壊させましたが、後悔なし!

おかげ気持ちは、ちょっと落ち着きました。

と言うことで、ヒロアカ再開します!

もしかしたら並行して書くかも?


第40話「Last Stand on “Tanegashima“ Against All For One」

vs若AFO

 

空間が軋むような悲鳴が響く。

 

歪み切った残響。

 

 若AFOの体表を包む黒紫の光は、ただの圧ではなく複数の個性を積み重ねた「絶対防域」。周囲の重力をねじ曲げ、電磁場を捻じ切り、視覚も聴覚も侵食していく。

 

「くっ……!?」

 緑谷が走り、飛びながら肺を詰まらせた。足場は波打ち、踏み出すたびに地面が沈む。“走る”という行為すら崩壊しかける異常空間。

 

だが彼は止まらない。

オール・フォー・ワン・フルカウル120%+発勁+加速+黒鞭、そして時に浮遊。緑の稲光が筋肉を裂き、骨を軋ませても、瞳はただ前方だけを射抜いていた。

 

「行けぇぇぇ!!」

 爆豪が咆哮と共に爆炎を撒き散らす。爆発を推進に変え、上下左右へ縦横無尽に疾走。残像ごと燃やす速度で、AFOの結界へ牙を立てた。

 

 同時に――

 

「ラー・ラー・ラー・ラディアント・フィナーレ!!」

 青山の腹部から奔る白光。もはや“ビーム”などでは足りない。限界を超えた輝きが束ねられ、直径数メートルの灼熱線が敵の防域を抉り取る。

 

 轟音。

 大地は割れ、空は引き裂かれる。

 だが若AFOは土煙を割って現れ、笑った。

 

「あっはっはっは、まさか正面でここまでオレと渡り合えるとはな!」

 

 その手を軽く払っただけで、地平が反転した錯覚に陥る。

 爆豪の爆炎が逆流し、青山の光束が折れ曲がり、デクの脚力すら呑み込まれる。

 まるで世界そのものがAFOの敵と化し、物理法則が塗り替えられる。

 

「なっ……!? ぐっ……!」

「チッ、クソボスチートがああぁぁ!」

「うああぁっ……!」

 

 三人の動きが一斉に鈍る。

 それでもデクは歯を噛み砕き、爆豪は爆ぜる腕を叩きつけ、青山は全身を光へ変え立て直す。

 

「だったら……次の手だ!」

 デクの両目が燃える。

 黒鞭、危機感知、浮遊、煙幕――すべてを重ね立体的な多層攻撃を築き、一本の“黒鞭”に加速を乗せ視認不可能な速さで叩き込む。

「届くまで…この瞬間も技を磨き、戦術を編み、経験を積み上げ、何度でも手を伸ばす!!」

 

「当たり前じゃあ!上等だろがァァ!!」

 爆豪の掌が白熱光を纏う。大爆破(ハウザーインパクト)の進化形、全力の広域爆破強化技。

 視界を焼き潰す閃光がAFOを呑み込む――

 

「メルシー、意識高い系の集いなのさ!ボク達は…!」

 青山が絶叫する。

 腹部から、これまでにない煌めきが迸る。

 それは流星群の尾のごとき光束。仲間の背に重なり、交響曲の終曲のように弾幕を紡ぎ出した。

 

 三人の極限。

 避け場のない爆破、空を裂く光束、大地を切り裂く黒鞭が、若AFOを襲う。

 

 爆光、轟音、閃烈。

 戦場全体が真昼へ変わり、数秒間、音は失われた。

 

 だが――

 

「実に……見事だ。恐ろしいほどにな」

 

 煙の中心。

 若AFOは無傷に立つ。

 ただ肩口から、一筋の黒い血が滴っていた。

 

「っ……当たってる……!?」

「ハッ、効かねぇはずが……ねぇだろ!」

 爆豪が吠える。

 

 AFOは指先の血を舐め、恍惚に笑む。

「君たち、実に面白い……だからこそ、絶望を見せる時が最高なんだ」

 

 闇が爆ぜた。

 重力、風圧、電撃、炎、氷、刃、毒。

 幾百もの個性が一斉に弾け、戦場は音もなく地獄へと沈んでいく。

 

 三人の若き英雄。

 一人の絶対的魔王。

 

 世界が震える波動

 

三人の動きが同時に鈍る。

 光と爆炎は飲み込まれ、緑谷の脚が軋む。

「あぁぁあ!?」

 

恐ろしい衝撃。

 

ただでは済まない

そう、思った――刹那。

 

「絶対零炎・大海氷嘯棺!!!」

 

 轟焦凍の声が、戦場を裂いた。

 

 足元から氷壁が噴き上がり、歪む重力の渦を強引に固定する。

 同時に零炎が噴き出し、襲い来る衝撃をを押し返した。

 

 

「轟君!?」

「遅れて悪い……だが、間に合った!」

 

 氷炎の両翼を広げ、胸に“燐”を携えた轟が三人の隙を補うように前に立つ。

 

 

「助かった……!でも…これならっ!」

 デクが黒鞭を伸ばし、爆豪・青山・轟を繋ぐ。

「“アレ”をやるなら今だ!みんな、合わせて!」

「ボクのビィムが支柱だよ……“アレ”はね!」

「分かってる…“アレ”だな…行くぞ!」

 

「“アレ”“アレ”うっせぇ、うっせぇわ!

どーでもいいから“アレ”でぶち殺すぞ!!」

 

「ムッシュ爆豪…ノってきたね」

「意外だな、怒ると思っていた」

「あの、かっちゃんが…コレにノってくれた!」

 

「やかましいわ!!

知ってるか知らんがヴィランの最も苦手なものは何か分かってんのかコラ!!正義じゃねーんだよ、“ユーモア”じゃあ!!」

 

 黒鞭の束が爆豪の右腕を、青山のネビルレィザァを、そして轟の氷炎を絡める。

 力は四つに交わり、一条の光の奔流へと統合されていく。

 

今から放つのは決戦前に4人で考えた連携技。

 

「「「「ユナイテッド・クァッド・ブレイザーッ!!!」」」

 

 轟音が地を貫いた。

 爆破の推進力、ワン・フォー・オールの強靭な出力、ネビルレィザァの貫通力、氷炎の制御と拡張力。

 四つが一体となった超光爆閃が、若AFOを真正面から撃ち抜く

 

はずだった。

 

「な!」

「は?」

「あ…」

「ちぃ」

 

若AFOは何も無かったかのように佇んでいる

 

「私の個性は単純な枠には収まらない。

 

先ほどまでメインで使用していた火、水、風、土、光、闇――六属性が渾然一体となっている。

 

同時発動などと言うちゃちなものではない。

全てを複合して新しい1つの属性を表現することに成功した。

 

暑い冷たいと感じる火や水の様に…

 

触れたものを「無」とする人造属性。それを操る個性。

 

名は“ ”

 

先ほどの技名は

《クリア・アンアトリビュート》さ

 

…なんてなぁ…はっはっはっ!オレのナレーションはどうだったかな。

なかなかユーモアが効いていると思わないか?

なぁ爆豪くん?

そういえば…ヴィランは何が苦手なんだったかなぁ?」

 

と、彼は説明口調で全てを伝えてきた。

 

頬が引き攣ることもないぐらいの衝撃。

 

渾身の必殺技だった。それが無に返された衝撃は計り知れない。

 

だが

 

「はん……厨二病かよ。“ ”って何だよ?馬鹿が!!意味不明にスペースキー使いやがって!!分かりやすく“クリア”って呼んでやるよ!」

 

「ちょっと癪だが、言われて見ればそうか……“スペース”じゃダメかい?」

 

「宇宙と被るじゃねーか!」

 

「あぁ…そうなるのか…馬鹿に合わせると技名を考えるのも難しいな」

 

「天才は薄命ってのが鉄則だぜ?はよ死ねや」

 

「おや、じゃあ君も薄命かな…死ぬかい?」

 

「俺様は例外だ!更に努力と根性もっとるから死なん!」

 

「君ってホントに物怖じしないな」

 

「テメェより俺様の方がすげーからな!とーぜんだぁ!!」

 

爆豪はAFO相手にもコミュニケーションを取れる社会性を獲得していた。

 

だが、AFOは話しながらも剣状の“クリア”を発現。

言葉にできない色を放ち、見る者の脳に「認識不能」という恐怖を刻み込む。形は自在に変化し、盾にも、刃にも、弾丸にもなると自慢している。

 

「柄にもなく長話をしてしまった。すまんな。何せ、個性は奪ったり新しい可能性を潰したり、咲かせることはしてきても…作ったことは無かったんだ。だから、つい、ね。…さて、じゃあ…そろそろ行くぞ?」

 

 

「っ……かっちゃんのお陰でメンタルが整った!……来る!」

 緑谷が叫ぶより早く、四人の周囲を奔流が走った。

 

 爆豪は爆炎で推進し、デクは黒鞭で体を弾き、青山は光線を盾にし、轟は氷と炎を同時に噴き出す。

 

“クリア”は刀や槍、鞭の形状、更には弾丸で攻めてくる。

 

単純に考えただけでも死柄木の“崩壊”の上位互換

 

――掠っただけで氷壁は無音のまま消滅し、光線すら霧散していく。

 

「なんなんだよこれ……!?触れたものが……!」

 青山が顔を引きつらせる。

 

「避けるしかねぇってことかよ……クッソガアァ!」

 爆豪が舌打ちしながら、さらに爆炎を噴き出した。

 

 四人は一瞬で悟った。

 ――中距離、近距離では即死。

可能性があるのは遠距離連携のみで生き残るしか術はない。

 

 

 だが。

 

 

「速い……! 距離を開けれない…!」

 デクの身体が、引き寄せられるように渦へ飲まれそうになる。

 まるで世界そのものが若AFOの支配下にあるかのように、どれほど飛んでも距離が開かない。

 

 風がねじれ、大地が形を変え、空間そのものが牙を剥く。

 四人がかりで必死にかわし続けても、その隙間を縫うように「“クリア”の奔流」が迫る。

 

 

「……っ」

 轟の氷で逃げ道を作り零炎を広範囲に撒く。

“クリア”にぶつかり、進行度合いを確認する。

 緑谷の黒鞭でより精細な距離を図り

高密度すぎて足場にもなる煙幕で身を隠す。

爆豪の爆炎から生まれる爆煙が、さらに広範囲の2重の煙幕として影すら隠す

青山はただ光ることに特化した光球を生み出しAFOの視覚を奪う。

 

「む?へぇ…全員生き残るのか」

 

若AFOは感嘆の声を上げる

 

4人が4人共お互いをフォローし合って攻撃を凌ぐ

 

「俺たちじゃなかったら……誰か、もう死んでる……!」

 轟が呻くように言う。

 

 まさに死線。

 回避するだけで精一杯。

 一瞬でも遅れれば、その身ごと存在を消し飛ばされる。

 

 ――攻撃に転じる余裕など、どこにもなかった。

 

 若AFOの笑みが、黒い光の中で浮かび上がった。

「おぉ!そうそう……その顔だよ。恐怖に縛られ、足掻くだけで終わる顔。もっと見せてくれないか?」

 

 空中の死闘は、もはや綱渡りを超えた。

 四人の心臓が、絶え間なく破裂しそうな速度で打ち続けていた。

 

 

 

 

 

 

………

 

 

 

 

vs老AFO

 

森林神威をはじめとしてブリティッシュ・ウォーカー、ミリオ、ミルコがAFOの話を聞かずに攻め立て援護をマスコーダーが担い続けた結果

 

老AFOを貫いたミルコの健脚。

しかし霧の様に全身が粒子となり再び形成された。

 

「接近戦はこの体じゃ難しいなぁ。しかし全てが無駄になったね。

はっはっは、次は何をするのかな?」

 

余裕がある様に振る舞っているがミルコは見逃さなかった。

 

「テメェ…今“復活”使わなかったな?はーん、なるほどなぁ…」

ウンウンと頷くミルコ

 

そして

 

「おーい、お前ら、コイツもう復活切れたぞ。もし残ってたとしても最後の一回残してるぐらいだわ。底が見えたぜ」

 

通信があるのに不必要に大声で伝える。その顔はニヤニヤしている

 

「…さて、どうかな?」

AFOは一拍置いて返答するが

 

「テメェにゃ聞いてねぇ」

あくまで適度な無視と挑発のスタイルを崩さないミルコ

 

言うほどヒーロー側も余裕があるわけではない

 

無敵のルミリオン、単純に身体強化系で直接戦闘が得意なブリティッシュウォーカーとミルコ、戦闘環境となったシンリンカムイ、援護のマスコーダー、上空で観察と報告に徹する残り5機の米国軍の戦闘機…そしてAFOに知られていないが転送要因のカタチ達、これだけいても未だ転送出来ない。

理由はカタチの弱さ…個性で増殖した個体は特に…だ。

ブリティッシュウォーカーやミルコといった身体強化系個性に抱えられながら戦闘されると、それだけで消えてしまう。

 

とは言え、時間はかけていられない。

 

故に

 

「埒があかないね」

 

強硬手段を取ることにした。

全員に作戦を伝える

ミルコとルミリオンとウォーカー

「あぁ…異論ないぜ」

「分かったよ!」

「任せてくれ」

 

そして戦闘機の大人達からも了承を得た

「「「「「了解だ!!」」」」」

 

それはつまりアメリカの首相も了解してくれたと言うことだった。

 

 

マスコーダーのフラクタ群は空に展開。

光のヴェールが戦闘機たちを包み、青白く揺れる網が戦闘環境である森林神威を囲む。

 

 

「ここが勝負時。行くよカタチ、遠距離転送――準備開始!!」

 

 彼女の指が押されると同時に、三十五機の戦闘機が一斉にエネルギーを放つ。

 空中に広がった青白い光の渦が、老AFOを取り巻く。圧縮された空間が彼を逃がさない。

 

 瞬間――

 

「っ……!?」

 老AFOの咆哮が大地を裂く。圧縮、膂力、炎熱、振動、多重投射……あらゆる個性が渾然一体となり、暴力的に弾き返される。

 

 だが、マスコーダーは冷静だった。

 遠距離での空間転送の微調整を続けながら、フラクタ群の砲身から連続砲撃。命を削るように振るわれる弾丸と光が、老AFOの回復速度をかき消す。

 

大きく場所を変えないためミルコとルミリオンとブリティッシュウォーカーが命を掛けて留めていてくれる

 

森林の枝葉、草花、土すらも自分たちの都合の良い様に動いてくれる。そもそも、そうしなければ接近戦など出来はしない。

シンリンカムイの貢献度は凄まじく大きい。

 

「耐えろ……耐えてくれ……!」

 カタチが小さく息を吐く。端末を叩き、情報を瞬時に分析、最適な転送座標を何度も予測し修正、それを繰り返す。

 

 彼女の指先から、魔法のように青白い光が駆け抜ける。老AFOの人工心肺をつけた体躯が、少しずつ空間の渦に引きずられていく。

 

「あと僅か……!」

 スターアンドストライプの犠牲が、仲間の意志を燃やす。

 ミルコとブリティッシュ・ウォーカーの蹴撃、森林神滅の束縛――すべてが転送のための“時間稼ぎ”になった。

 

 しかし老AFOは魔王だ。

 闇色の光が一斉に弾け、転送の渦をねじ伏せようとする。巨大な手が空間を掻き混ぜ、光の渦を押し戻す。

 

「来るよ……全力で支えるんだ、フラクタ! カタチ、もう少しだ!」

 マスコーダーが叫ぶ。心臓が飛び出るほどの緊張。指先に全神経を集中させ、座標を補正する。

 

「いい加減飽きてきたね!さぁ、そろそろ幕を引こうか」

 

「観客はテメェだよ!勝手なことすんな」

 

「やれやれ、何のために死に物狂いになってるんだか」

 

AFOは両手で複数個性を発動しようとする

 

 

また広範囲での高火力

 

だが

 

「そればっかりか!もしかして認知力落ちてんじゃねぇのか?『おじぃちゃん』?」

「では優しくしておくれ『お嬢ちゃん』」

 

挑発してみるがのれんに腕押し

 

ミルコとブリティッシュウォーカーが突進し

その後ろをルミリオンが追いかけた。

 

「…最期を誤ると醜いな」

 

《空気押出》

《膂力強化》

《炎熱噴出》

《振動》

《多重投射》

 

発動した個性は3人を飲み込み森林神威すら跡形も残らない…はずだった。

 

だが、

 

「なに?」

 

ルミリオンは残りの手足だけでなく全身でAFOの攻撃を透過させた。

まさに決死の覚悟

効果範囲外の攻撃は森林神威を破壊し木々の動きが止まった。

 

ルミリオンは表皮がめくれて誰か分からなくなるほどのダメージを受ける。それでも生きて2人のヒーローに跡を繋いだ。

 

「「よくやった!!」」

 

眼前に迫る近接用ヒーローに黒爪で対応するが、それは何度も見たと言わんばかりに対応し、打撃と蹴撃を見舞う。

 

ドドドドン!!

ドガン!ドガン!ドガガガ!

 

それでも…AFOは直接身体に触れさせず人工心肺装置を盾にした。

 

「しゃらくさい!!」

 

「うおぉぉー!」

 

ブリティッシュウォーカーが身を挺したタックルをぶち当てる。

 

バシャア…

 

同時にブリティッシュウォーカーの肩から先が弾け飛ぶ

 

「ぐあぁ!」

 

ボトボト…と血と肉が落ちる。

 

追撃はミルコ

「だからなんだよ?やることは変わらん!!!」

 

「痛いね」

AFOは確実にダメージが入り後ずさっていた。

 

そしてドロップキックで追撃

 

ドゴン!!

バキバキ…

 

AFOの胸は陥没し、ミルコの両脚が弾ける。

 

「ちぃ、やっぱ痛ぇ!!!」

 

ドサ……

地に落ち動けないミルコ

 

対して

 

人工心肺装置すら再生し元に戻るAFO

 

「あっはっは。触れた場所が弾ける個性さ。汚いけど、ちょっとは面白かったよ。惜しかったねぇ?」

 

恐ろしく嫌味な言い方で馬鹿にしてくるが

 

…いつの間にか人間形態に戻っていたシンリンカムイがミルコ、ブリティッシュウォーカー、ルミリオンを木で縛ってから持ち、全力で逃げ出した。

「はぁ、はぁ!…これで終わりだ!醜悪の根源よ!!」

 

捨て台詞を吐いた後に襲ってくるのは5機の戦闘機の特攻。

 

操縦席には…誰もいない。すでに脱出した後だった。

 

「む…」

 

ドゴーーーーン!!

 

 

 

ズオォォォオーー

 

シュン………

 

爆発後、カタチが深く息を吸い込み、青白いエネルギーを端末から放つ。

 視界が歪み、戦場が渦に呑まれる。老AFOの身体が、ねじれるように光の渦へと引き込まれた。

 

 

「座標確認――転送、完了!!」

 

 瞬間、森が揺れ、地鳴りが轟く。

 老AFOは渦の中で「馬鹿な!!」と呻き、そして消えた。

 残されたのは、青白く光る転送跡だけだった。

 

「……成功した……!」

 マスコーダーの声に、疲労と安堵が混ざる。

 だがその目には、まだ戦場の残像が焼き付いていた。

 仲間たちの犠牲、戦闘機の破壊、スターの散った身体……。

 

 カタチも端末を握りしめ、震える手を胸に押さえる。

 だが、確かに手応えを感じていた――仲間を守れた、命を救えた、戦果を残せたという実感。

 

 生き残った翼たちが、静かに空からパラシュートで舞い降りて来ながら戦場を見渡す。

 残されたヒーロー達は「想い」で戦い続けた。

 その想いは、確かにカタチとマスコーダーに託され、応えたのだ。

 

 深呼吸。

 血と埃にまみれた戦場で、ヒーローたちは互いを見やる。

 

「――あ…り…が…とう…」

 ミリオが握りしめた拳を下ろす。全身ボロボロで立つことはできない。呼吸だけで精一杯。だがその目は確かに光っていた。

 

「よくやってくれた。あれがダメならどうしようもなかったな。

それにしても……頭まで無くならなくてよかった。あんな賭けはもうごめんだ…」

止血しながら話しかけてくるブリティッシュウォーカー

 

「これで、前の戦闘と合わせて両手足全部、逝っちまったな!ガハハハ、名誉の勲章だぜ!」

血を垂れ流しながら調子を崩さないミルコさん

 

「スターとみんなの仇が取れたよ。ありがとう」

 

戦闘機特攻から無事脱出し生還を果たしたエヴリン、スーザン、サリー、マイケル、ジョン達から涙ながらに頭を下げられ感謝を受け取った。

 

「こちらこそ…無茶な作戦でごめんなさい…もっと…被害が少ないやり方があったかも知れませんでした……」

 

「いや、AFO相手に十分すぎる戦果だ、他の誰でもない、君が立ててくれた作戦だからコレだけで済んだのだ。私は君が誇らしい」

 

シンリンカムイは特徴的な木の皮膚が剥がれた落ちており意外とイケメンだった。

 

ではなく…

 

シンリンカムイは心を軽くするために配慮ある言葉を選んで褒めてくれた。

 

空を見上げる。転送で姿を消した老AFO今頃は月面基地で死柄木葬華と対面しているだろう。

 

「ありがとうございます。でも…まだ、終わっていません」

 

 次は若AFOだ―戦いは続くが確かな手応えはあった。

 仲間を、未来を、繋ぐ希望――それは確実に、この手の中にある。

 

 生きるため、守るため、戦うため――。

 

「これで、あと1人……待ってて。『私が行くから大丈夫!』」

 

 

ドン!!!!

 

ボロボロになった戦闘ジャケットを装備し直してマスコーダーは最後の戦いに向かう。




次回若AFO戦の決着
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