一応、次回最終回の予定です
vs若AFO
“無”の剣。
“無”の盾。
“無”の弾。
触れれば消される個性《クリア》は、あらゆる形へと変化する。
環境に応じて自在に武器へ姿を変えるその力は、誰も手を出せない暴威となっていた。陸・海・空――戦場がどこであろうと、4対1の局面は常に若AFOに傾いていた。
彼らが今も生き延びているのは、緑谷の危機察知と爆豪の観察眼・予測能力が大きい。青山は緑谷の「やばい」と思った表情を察して動き、轟は爆豪の動きを予測して何とか《クリア》を避け続けていた。
それでも、少しずつではあるが確実に押されていく。理由は単純――疲労だ。
身体的にも精神的にも、限界は目前だった。
「はぁ…はぁ…ぐッ、守るんだ……託されたモノを!!」
「ふ、ふざけんな……こんな所で……俺はァァ……ナンバーワンに……!」
「ヒィ…ヒィ…げ、限界まで……粘るんだ、僕は……真の、ヒーローに……!」
轟だけは途中参加のため若干の余力を残していたが、それも時間の問題。
「んぐッ……くそ……皆、こっちに!!!」
――ギイイイィイイン!
空を覆うほどの巨大な零炎が迸る。
温度のない炎――故に零炎。
冷えない氷、燃えぬ炎という矛盾の現象は、本来ならば対処困難な属性。
だがそれすら、《クリア》に触れれば一瞬で消失する。
「……時間稼ぎにもなんねぇ……」
それでも仲間の足場や視界を遮るぐらいはできた。
だが、それだけだった。
「はっはっは、珍しい個性だが……それだけだ。大したことはないな。ほら、俺はここだぞ」
「はやっ……!?」
――ドゴォォ!!
若AFOは《クリア》を一旦解除し、身体強化系の個性へ移行。
空中を超スピードで翔け、轟の鳩尾へ渾身の一撃を叩き込む。
「がはぁ……!」
――バリイィィィン……!
何かが砕ける音が響いた。
「っ……!」
吹き飛ばされる轟。しかし氷と炎の翼をはためかせ、何とか空中で体勢を整える。
「クソ……《燐》が一発で……。なのに、すげー痛ぇ……。アイツら、こんなん相手にしてたのかよ……」
口から血が滲む。内臓を痛めた証拠だ。轟は改めてAFOの化け物ぶりを思い知らされ、これまで相手をしてきた三人に心から感嘆する。
対してAFOは――。
「ん?何か固いモノに当たったな……そんなベタな助かり方があるのかよ」
頭を掻きながらため息をついている。
轟が助かったのは、《燐》を展開していたからだった。
あれはただの模様ではない。最硬度で心臓を護る盾。さらに空気中の熱エネルギーを集め続け、凝縮して溢れ出した冷気と炎気を利用して戦う――それが本来の使い方。
……その《燐》を砕かれたのだ。
「ふむ、次はどう凌ぐ?」
AFOは《クリア》を再展開。弓矢状とし、4人を一気に貫かんと放つ。
余りにも間が悪かった。
AFOの意識が轟に向いた一瞬、3人とも気を抜いたのだ。
「「「あ……」」」
「やばい!」
助けようにも距離が開きすぎている。
このままでは3人は死ぬ。
轟が動き出す――が、自分にも矢が迫っていることに気付く。
「あ……」
(オレも……死ぬ)
⸻
「死なせるもんかあぁぁぁぁ!!!」
――ギュアン!!!
マスコーダーが青白く光り、3倍以上の能力を引き出す《VRED(ヴレッド)》を起動。全速力で空を駆ける。
右腰には愛砲《ディアッカ》を携え、速度重視のフラクタで4人を救出した。
「マジで、危なかったーーー!!」
「「「先輩!?」」」
「おせぇ……」
「おや?次は君が来るのか……面白い。何を見せてくれるのかな?」
AFOが《クリア》を数百発の銃弾に変え、マスコーダーを狙う。
「オペレーターから話は聞いてた!クリアとか何とか、よく分かんないけど――形があるなら、なんとかなるでしょ!ってことで!よろしく、《エルクレス》!カタチ!」
愛砲《ディアッカ》を構え、叫ぶ。
――ガッシャン!!
シリンダーを送り込み、照準を合わせる。周囲には31機のフラクタが集まった。ここまでが一瞬にも満たない出来事。
『マスコーダー……“何とかなる”とは?』
「ごめんね、エルクレス。作身って、こういうところあるんだよ」
『……理解しました』
「ま、何とかなりそうなんだけどねぇ!!」
『あなたも大概ですね』
救助に使ったフラクタ以外の31機を《ディアッカ》とリンクさせる。
『はぁ…では、こちらをどうぞ……1年A組のモジュールです、どなたを参考にするかはお任せします』
「いいねぇ、やっちゃうよぉ!各フラクタに装填!
――グラビティロック!
――ヘルスプレッダ!
――スカイシェイカー!
――アンチヴェイパー!
――ドリルクラスト!
――サンダーバランサー!
――グラヴリリース!
――フェザーストームブレイカー!
――ビーストロッカー!
――ディメンションクラッカー!
――スウォームディフューザー!
次はA組モジュール!
《緑谷モジュール》フルカウル・スマッシュ・バレット!
《爆豪モジュール》ヘルカイザー・カタストロブラスト!
《轟モジュール》大氷紅蓮・獄海豪一!
《麗日モジュール》ゼログラビティトラクター!
《切島モジュール》アンブレイカブルインパクト!
《飯田モジュール》レシプロ・ターボ・バースト!
《芦戸モジュール》アシッドブラックイレイザー!
《常闇モジュール》ダークアビスリーパー(極)!
《八百万モジュール)アーセナルオードナンス!
《上鳴モジュール》ボルトジェノサイダー!
《峰田モジュール》ビッグ・モギ・バインドクラッシャー!
《砂藤モジュール》シュガーフィストブレイカー!
《葉隠モジュール》ステルスインフィルレーター!
《口田モジュール》アニマルドミネイター!
《障子モジュール》マルチアームデストロイヤー!
《耳朗モジュール》ソニックレゾナイザー!
《瀬呂モジュール》テープバインドストーム!
《尾白モジュール》テイルハザードスイング!
《蛙吹モジュール》アシッドリープクラッシャー!
《青山モジュール》
キラキラキラ!星降りの光束〜それはまるで流星のような美しさ〜
装填完了……カウントダウン開始!オールグリーンだよ!!
3……2……1……!!」
ほぼ同時に、作身も準備を終える。
「マス・デバイス起動!
戦闘用ユニット《MAS-X01》から《MAS-XX0020》を展開!
コードカウント:ギア・EX・リミットブレイクVerⅣ!
VRED(ヴレッド)重複起動!!
プラズマエネルギー収束弾、装填確認!
ツインアビリティ・シグナル解放!!
オーバーリミットスタイルへ強制置換!!!
インサイト確認完了!!
いっくよ――!!
シン・ニュートリノ・ガン・ブラスター……!」
「「発射ああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
『全部使うんですか!?
詰め込みすぎです!!!!』
作身とカタチの最大・最多・最高火力に、エルクレスが思わずツッコミを入れる。
作戦名――【コレだけ詰め込めばどれかは効くでしょ】。
⸻
同時に仲間たちも総攻撃準備が終わる。
緑谷がワン・フォー・オール・フルカウル150%。十本の黒鞭に“加速”と“発勁”を重ね、威力を増強。
質量を持った煙幕を浮遊で固定し、力のブレを防ぎ、最大効率で振り抜く。さらに危機察知で「避けられること」を危機と定義し、逃げ場を予測。
十本の強化された黒鞭すべてが必中の軌跡を描いた。
「追撃します!
O・F・A150%――リミットブレイク・テンフォールド・スラッシャーーー!!!」
爆豪が両手を合わせ、そこに全身の汗を凝縮させる。ゴポゴポと泡立ち、ギュアァ!!と爆発直前のように波打つ炎球が姿を現す。
身体中の水分が掌に集まったかのような、超高密度の熱量。
「爆ぜろやぁ!!テメェの時代は終わりだ……逝けぇぇ!!
オブリタレイト・ジ・リジェスター!!!」
直径が身の丈を超える巨大な炎球――小さな太陽の如きそれは、《無》すら焼き払わんと超高速で打ち出される。
青山は腹部の“制御盤”を外し、捨て去る。
ギイイィイイン……!
その光は発するためではない。周囲の光を吸い取り、臨界点まで収束・凝縮していく。
「当たるから消される……なら!極小で極彩色の弾を多数放てば……いつか、どれかは当たるんじゃないかな!?
これが僕のラストナンバー――そして、ダンス・ア・ロング・ショー!!
プリズミック・レ⤴︎・ヴォ⤵︎・リュ→・ショォ↗︎↗︎ン!!!」
ピピピピピピピピピピーー!!!
豆粒以下の超高火力粒子弾が、極彩色に煌めきながら無数に射出された。
轟は切り札を切る。
「アニキ……アンタがオヤジと世界を殺そうとした技で……俺は世界を救うよ」
壊れた荼毘のベルトに手をかける。……カチン、と意味のない小さな音。だがそれが焦凍に勇気を与えた。
「変身……《氷天化・瑞花と鱗》」
――キン!!
全身が氷そのものへと変わり、身体が透ける。再現するのは、世界を変えた“あの”大爆発の原型。
荼毘の技《天灯・堕冴》。
天へ向けて氷の華が咲き、茎状のエネルギー波がAFOただ一人を狙う。
「(個性にも限界がある……!いつまでも消し続けられるものかよ!!!)」
シュウウゥゥゥ……ズドオオォォォーーーン!!!!
華から吸い上げたエネルギーが茎状の放出口から噴き出し、零炎エネルギーを放射し続ける。黒い太陽である獄陽からもエネルギーを得ているため、その放射時間は脅威の5分間。
必中の刺突。爆発しそうな極小太陽。微小広範囲。長時間攻放射。
この攻撃を浴びせられた者は、AFOでなければ絶望しか覚えないだろう。
そのAFOでさえも――「これで決着」と感じ、全身全霊で迎え撃つ。
「くくく……ははははははは!! これは死んで若返ったかいがあったよ! こんなに全身全霊で全力を尽くせるなんてね!
黎明期ですらここまで追い込まれたことはなかった……熱い展開だな。
行くぜ?
《重力で押し潰し、風圧で吹き飛ばし、電撃で貫き、炎で焼き尽くし、氷で縫い止め、刃で切り裂き、毒で蝕み、爪で突き貫き、無で消滅》
さらに――
《圧縮》 《膂力》 《分裂》 《振動》 《多重投射》
《硬質化》 《腐食》 《衝撃波》 《再生阻害》 《炎熱》
《収束》 《弾性》 《拡散》 《透過》 《吸収》 《冷凍》
《爆裂》 《鎖縛》 《腐敗》 《熱線》 《磁力》 《雷電》
《遮断》 《侵蝕》 《凝固》 《伸縮》 《粉砕》 《疾風》
《切断》 《麻痺》 《爆進》 《嵐圧》 《暗黒》 《地爆》
……幾重にも力が折り重なり、攻防一体の“絶対領域”を築く!
抗う者は存在そのものを押し流され、叩き伏せられ、絶望の中で恐怖に怯えて消え去れ!!
つまり――
死ねぇ!!!!」
ッ!!!!!!!!!!!!!!
全ての色がぶつかり、全ての音が響き合うような衝突。
「っ………ぁ……ッ……!!!」
轟音と閃光の嵐が吹き荒れ、若き英雄たちの全力を限界以上に引き出す。
白熱、黒鞭、爆炎、氷の花びら――そして支援機フラクタと愛砲『ディアッカ』が絞り出す終端攻撃。
それらすべてが一点に収束した瞬間、世界が爆ぜたように見えた。
――
紫と黒の波動が歪み、裂ける。
だが、いつものように即座に再生しない。
AFOの顔が「驚愕」と「愉悦」に歪んだ。
「く……ッ……くは!!」
マスコーダーの青白い身体は、VREDの副作用で燃え尽き寸前。端末は空白の表示を示し、彼女を支えるシステムが焦りを吐き出す。
「エネルギーゲージの減る勢いが早すぎる!! このままじゃ……」
『エネルギー残滓を急速再利用します。
しかし――わずかな時間稼ぎにしかなりません。浄化不足で使用機器にも影響が!』
それでも、どれだけ限界を迎えても譲れないものがあった。
「わた……し……がぁ!!」
マスコーダーの声が震え、フラクタはいくつもオーバーヒートし、高熱を帯びて空中で爆破する。AFOの余波に巻き込まれ、ヒーローコスチュームも破壊されていく。
「い……く……からァ!!!!」
それでも――自分にできる精一杯を尽くす。
なぜなら、全てのヒーローが“オリジン”だから。
それはプロだけでなく、ヒーローを目指す先輩や後輩も含めて――。
「大……丈夫……ってええぇぇ!!」
私のオリジンは増え続けている。それはつまり、新しい自分に進化し続けるってことだ。成長するってことだ。前に進まない理由なんてない。
「言った……ッ……んだあぁぁぁ!!!」
もっと言えば――ヒーローだけじゃない。
アンタもなんだよ、AFO。
アンタみたいには死んでもならない。
誰にもなってほしくない。
反面教師として、こんなに分かりやすい悪の見本が目の前にあるんだ。
ならば活用しない手はない。
だから――絶対倒す。けど、意地でも殺さない!
アンタの“悪意”と“悍ましさ”が生み出した結果は、凄惨で悲しみに満ちすぎている。
だからこそ、もっとアンタという存在が知られるべきなんだ!
隠されていたから、ここまで大事になった。
これからはいろんな人に、アンタのやったことを知ってもらえ!
沢山の人に沢山責められろ!
生きて――善意の糧となれ!!!!!!
……
AFOの身体に亀裂のような“塗りつぶし”が走る。
消去の波が逆流する瞬間、彼の再生は遅延し、最も脅威である“クリア”は個性ではなく、“非殺傷”という設定に上書きされた。
「はっ……はーーーはっはっは! なんだそれは!?
“非殺傷設定”? そんなものここで使う奴がいるなんて誰が思う!?
しかも“クリア”が無効化されるなんて、そんなことがあるとは!!」
笑い声は震え、かつてないほど音が薄くなる。
だが、お互いに攻撃の手を緩めはしない。
緑谷のテンフォールド・スマッシャー。
爆豪のオブリタレイト・ジ・リジェスター。
青山のプリズミック・レヴァリューション。
轟の天灯・墜牙。
マスコーダーの“非殺傷”が重なり、不殺の脅威がAFOを襲った。
そして――マスコーダーのシン・ニュートリノ・ガン・ブラスターが軌道を抉る。
幾重にも重なった攻撃がAFOの“存在”を揺さぶった。
「!!」
AFOの姿勢が崩れ、黒紫のオーラが縮小し、空間の歪みが弱まる。
思わず息を呑むほどの静寂――
そして。
若AFOの発した全ての個性は、“クリア”を筆頭に正面から破壊され、五人の全力をその身で受けた。
「は……これまでかよ……まぁ……悪くない戦いだったよ」
その言葉は、ひどく耳に残った。
ズガアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァ……
………
……
…
シュン……
「えっぐ……え? これ、もしかしなくても……地面削れて日本の形、変わったんじゃね?」
「ふむ、変わってるね。いやはや、物理的に国の形を変えるなんて、僕ですらやったことのない悪行だよ」
「悪行っていうか……もう、なんて言うか……」
――その時。
月面基地で対峙する老AFOと死柄木葬華の前に、若AFOが転送されてきた。
……………シュン。
「あっはっはっは、いやー、負けた負けた」
「おいおい。“僕”が負けてスッキリ顔なんてやめてくれよ。同じ自分なのに神経を疑うぜ」
「いやいや。“俺”が負けて不貞腐れるなんてのもごめんだね。戦闘はあくまでプロセスの一つだろ?」
「……若い先生、なんでここに? 転送されるようなことされた?」
「されたさ。確か名前はニュートリノ・ガン・ブラスターだったかな? あれは一定ダメージを受けるとここに転送される仕様らしいね」
「ふーん……チートだ……」
「「あれだけの戦いだ。俗な言い方をすれば、チートと言われても仕方ないね。それに、星の形が変わらなかったことには不服を感じるよ。“僕(俺)”に勝ったんだ。そのくらいはやってほしかった、やれやれだ」」
「……その長文を一語一句揃えて喋れるあたり……やっぱ同一人物なんだなって実感するわ。先生ながら怖い〜」
そこへ会話に割り込む声。
「んー、老若魔王二人とその生徒の葬華ちゃんが揃ってると、何でもできそうで怖い怖い。……あ、紅茶とコーヒーどちらにします? 冷たい飲み物もありますよ。軽食もどうぞ」
現れたのはMr.コンプレス。
圧縮していた飲み物や食事を惜しげもなく取り出し、魔王二人に対しても全く物怖じしない。
「「ありがとう。熱いコーヒーとサンドイッチをもらおう」」
気づけば二人は立派な椅子に腰掛け、いつの間にかフォーマルな服装へと着替え、当然のようにブレイクタイムに入っていた。
「あ、私にもお願い」
そう言って顔を出したのはVet阿賀月。
「またコ◯ラですかな?」
「ペプ◯とプリンと、生きた裂きイカ」
「「趣味悪いなぁ」」
葬華とコンプレスが声を揃える。
「ひ、ひどい!」
――今回の“戦争”。地球から見たその戦いは、どれも身震いするものばかりだった。
葬華は思う。
自分なら崩せる、なんて――簡単には言えない。
そもそも、個性を一つ二つ持っていたところで相手にならないだろう。
「ギャハハー……主よ、まさかアイツらと戦うつもりか?」
黙っていたレフターが口を開いた。
「そのつもりだったけどね。このままじゃ一人二人なら崩せても、そのうち対策を取られて、まとまって動かれたら結局勝てないだろうなぁ」
「「では、どうする?」」
先生二人が期待のこもった視線を向けてくる。
やめてくれ。
「……試したいことがあるんですよねー」
「「そうか。やってみなさい」」
……? アンタら、なんか憑き物落ちてない?
葬華は月面基地の窓から地球を見つめ、右手に個性を発動させる。
「およ? 葬華。まさか地球を崩すつもり?」
ピョコっとVet阿賀月が肩から顔を覗かせる。
「“崩界”はさ、簡単に言うと、視界に入った対象を右手の崩壊空間に映して握り潰す技なのよ」
「うん、知ってる。それを地球に使ったら面白そうだなって? 反動やばそうじゃない?」
「だろうねー。でも、地球が完全に崩れるとは思ってない。私らの目標は“継続可能な虐殺と略奪”だからさ。それは本心で思ってる。だから個性にも出ると思うわけ。……ただの好奇心。“どうなるかな”って」
「ふむ、素晴らしい。疑問解決のために自己犠牲を厭わない行動力は評価すべきだ」
「あぁ? 結果を考えずに好奇心で突っ走れば身を滅ぼす。身の丈に合ったことをするべきだな」
初めて老若AFOの意見が割れた。
「あれ? 二人でも食い違うことあるんだ」
首を傾げる葬華。
「……ふむ、若い頃は仲間の行動には今より慎重だったかもしれないな」
「はぁ……歳を取ると寿命の分だけ破滅的な考えに傾くのか……嫌になる」
「まぁまぁ。こちらをどうぞ。さっきより濃いコーヒーと甘い焼き菓子。お好きでしょ?」
「「もらおう」」
「悪の魔王って余裕あるのね」
「「当然だ」」
そんなやり取りを切り上げるように。
「長くなりそうだし……うん、さっさとやっちゃおう。鉄は熱いうちに打てってね!
“地球崩界”……おりゃ!」
死柄木葬華は――
右手に映る地球を握り潰した。
――パリン。
その日、地球の全生物が“何かが割れる音”を聞き、そして感じた。
――個性が
無くなった。
さーて、さて。
どんな最終回にしようかな?
↑
無計画(笑