突然降ってきた概念を投下するだけ。

イブキの事が大好きで大嫌いなお姉ちゃんが苦しむ話。

ここに概念投下すれば誰かが書いてくれると聞きました。

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すまねぇ先生方…でも憧れは止められねぇんだ。
たとえ評価バーが青くなっても!!

あ、でも匿名設定して逃げます。(人間屑)



私の大嫌い(大好き)な妹。

「あっ!お姉ちゃーん!!」

「イブキ!?どうしてこんな所に……。」

 

ゲヘナ学園のアイドル、丹花イブキ。

彼女は齢11歳にして高等学校であるゲヘナ学園に入学し、現在はゲヘナ生徒会、万魔殿(パンデモニウムソサイティー)の一員をも務めるこの学園きっての天才児である。

 

それでありながら人懐っこく、ゲヘナの生徒にあるまじき純粋さやそこから来る優しさ。

 

このゲヘナの不可侵にしてアイドル、それが丹花イブキという存在だ。

 

そして、そんなイブキには姉が居る。

 

 

ゲヘナ学園二年生、丹花メブキ。

生徒会のイブキとは異なり、現在は風紀委員会に所属している『16歳』の少女。

 

多少強いが銀鏡イオリには一歩及ばず、かといって事務仕事が空崎ヒナや天雨アコ程出来るわけではない。

 

医学の知識は浅く、応急処置が素早い程度。

 

しかしそれは同時に『どこへ置いても一定の成績を上げられる』ということでもあるわけで皆からの信用も非常に厚く、こちらもまたゲヘナでは珍しい丁寧な対応や『イブキを成長させた様な可憐な見た目である』事も相まり、問題児達からはともかく風紀委員会のメンバーからはイブキよりも愛されている存在だ。

 

「何か嫌な事でもあったのですか?」

 

「違うよ!でもね見てみてー!」

 

そう言ってイブキはポケットから一枚の紙を取り出す。

 

「じゃーん!また100点獲ったの!」

 

現れたのは答案用紙、それに大きく書かれた100の文字。

それを認識したメブキはイブキに駆け寄り―――

 

「凄いじゃないですか!!流石私自慢の妹!!」

 

力強くイブキを抱き上げた。

 

二人の可憐な少女達が繰り広げる癒し空間。

それを見た者達は思った。

 

 

 

―――戦場で何をやっているんだコイツらは、と。

 

そう、今は風紀委員会の活動中で無限に湧き出る問題児達を必死に裁き続けている時間。

それにも関わらずど真ん中で堂々とイチャつき始めれば普通は混乱する。

 

もっとも、それはこの光景が日常でなければの話であるが。

今ではその光景を見ても『まあ、いつもの事だしいいか。』と考える者の方が多い異常事態。

 

それどころか最近ではレッドウィンターにいると言うナマモノを描く同人作家に頼み込んで二人のイチャイチャ本を描かせようとする者達まで現れ始めた。

 

『ゲヘナ学園のオアシス』とは良く言ったもので、こうなればこの場に手を出す事は禁忌とされ、足を踏み入れたが最後、逆賊として万魔殿からミサイルが降り注ぐだろう。

 

「よーし!お姉ちゃんもいい所見せちゃいますよ!!」

 

「お姉ちゃーん!頑張ってー!」

 

―――

 

 

――

 

 

 

「いてて……やっぱりうまくは行きませんね。」

 

「お姉ちゃん…大丈夫…?」

 

戦闘力は中の上程度であるメブキも兵揃いのゲヘナ問題児相手には分が悪く、手傷を負ってしまった。

 

「治してあげるね!」

イブキはメブキへ手を当て、皆が始めて覚える魔法を唱えた。

 

「痛いの痛いの飛んでいけー!!」

 

「ふふっ…イブキのおかげで痛みが引いちゃいました。」

 

「さて、このケガのおかげで久々に残業もなく仕事が終わったことですし、今日はもう帰りましょう。お姉ちゃんが久しぶりにご飯を作りますね。」

 

「わーい!イブキ、お姉ちゃんのご飯大好き!!」

 

「……そうですか、ありがとうございます。イブキ。」

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

私はメブキ。

『丹花』なんて名字は本来ない。

 

私の記憶はこのゲヘナ自治区の端も端。母と一緒にボロアパートで生活していたことから始まる。

 

母は男に捨てられた様で、私に対しての当たりがすごく強かった。

 

『お前のせいであの人は出ていった。』

『お前のせいで私は惨めな生活をしなければならない。』

『お前さえいなければ。産んでいなければ。』

 

そんな事を毎日言われ続けた。

人間、物心ついた時からずっと言われ続けると慣れてしまうもので、私はただひたすらに母の暴言を受け止める機械として生きた。自分の心を殺して、従順な機械として生きた。

 

 

4歳の頃、突然私は家から締め出された。

曰く、『一万稼いでこいこの穀潰し。』だそうだ。

 

季節は冬で、家に入れなければ死んでしまう。

私はただ物乞いをするだけでなく、芸を披露したりしたが子供の芸などやはり大したことはなく、ほぼ稼ぎは無く、まもなく夜が来た。

 

路頭に迷い、食事に困った私。

もう駄目だと思った時、そんな私に声を掛けてくれた人がいた。

 

―――

 

――

 

私は一夜で五万円稼いだ。

あの日のことは、思い出したくもない。

 

 

 

そんな私に転機が訪れた。

母が再婚したのだ。

しかも相手は母と他人との子である私にも優しく接してくれるような方素敵な人だった。

 

諦めていた幼稚園へ行くことも叶い、私は始めて『当たり前の幸せ』を手に入れた。

 

私はお絵描きが大好きな子だった。

自由に、考えるまま、好きな物を描く。

暇があれば絵を描き続けていると、私の絵はメキメキと上達し、小学生のコンテストで賞を取れるほどにまでなった。

 

飾られた絵を3人で観に行った。

父は『この子には才能がある!』と、すごく喜んでくれた。

そしてあの母もこの時ばかりは『良く頑張ったわね。』と褒めてくれた。

 

それなのに、私は何故か涙が止まらなかった。

おかしい。私はよく先生からも父からも『良い子』だと褒められていた筈なのに。

褒められることには慣れている筈だったのに……本当に何故だったのだろうか。

 

 

 

一年と少し後、母が父の子を産んだ。

私はお姉ちゃんになった。

名前は『イブキ』。

私とよく似た名前だった。

私はこう思った。『この子には私と同じ思いはさせたくない。』と。『この子にはずっと夢に溢れた人生を過ごして欲しい』と。

 

まあ、同時に父がいる以上悲惨なことにはならないと考えていたので私はイブキが自我を持ったらどう接しようか、優しくするのか、それとも父も母もイブキに甘いので厳しく接するか、そんな事ばかりを考えていた。

 

 

 

それも父が事故死するまでの話だが。

 

母は働かない。私は学校を辞め、また働くことになった。

一度天井の味を知るともう戻れないと言う。

まさに私と母がそうだった。

私は久しぶりの労働に体が追いつかず、前よりも更に稼ぎが少なくなってしまった。

母は父の忘れ形見であるイブキに執着し、生命保険や貯金に手を出してイブキに様々な事を習わせる傍ら、自分も同じ様に『つい』物を買っていた。

 

その尻拭いは私だった。

 

 

私はもう、疲れてしまった。

限界だった。父が居た頃に帰りたい。いやいっそ父がいなければ半端に希望を抱かずにすんだのかも―――。

焦燥しきった心には遂に怒りが宿った。

『何故私だけがこんな目に。』

 

自分を見る。

やりたい事を捨て、朝から晩まで働いている。

 

家族を見る。

やりたい様に、唯自由気ままに生きている。

 

その金を出しているのは誰だと思っているんだ。

私だ。

その贅沢に使う金は誰が稼いだ。

私と父だ。

 

あんなに愛しく思っていたイブキが、何も知らず、私も何も教えていないイブキが、憎くて憎くて仕方なかった。

 

『お姉ちゃん!やっと帰ってきてくれた!』

『イブキと遊んでー!!』

『今日ね、テストで100点取れたの!!』

 

イブキは優しくて、いつも笑ってて、私もそれを願っているはずなのに。

あの純粋な瞳が、無垢な笑顔が、憎くて憎くて仕方がなかった。

 

 

 

「ねえ、イブキ…。」

「お姉ちゃんさ、疲れたんだ。」

 

「どうして?」

 

お母さんとイブキが楽しそうにしてるとさ(最近ずうーーーーーっとさ)、胸が痛くて痛くてしょうがないんだ。」

なんでお前(イブキ)なんだ。どうして私じゃないんだ!?

お前(お母さん)の面倒は誰が見てきたと思っているんだ!?私だ!!

なのに何故お母さんは私を見てくれないんだ!

どうして……!

どうしてイブキばかりを見るんだ!!

 

お母さんに見てもらいたくて、もう一回だけでいいから『頑張ったね』と言われたくて。

今まで真っ当に頑張ってきたけど、もう、どうでもいい。

 

死ね、邪魔者。

お前を殺せばきっと、お母さんは私を見てくれる。

 

私は拳銃を取り出し、イブキに向け―――

 

 

 

 

「―――あ…れ?」

 

銃を向けようとしたその時、目の前からイブキの姿が消え、同時に温かみが私を包んだ。

 

「よしよし。いい子いい子。」

それが私に抱きついたイブキだと気がつくのに随分と掛かってしまった。

 

「イ…ブキ?何をしてるの?」

 

「お母さんがね!イブキに嫌なことがあるとよくやってくれるの!」

「あと、お姉ちゃんお胸が痛いんだよね。」

そう言うとイブキは私の胸に手を当てて言った。

 

「痛いの痛いの飛んでけー!!」

 

瞬間、私はイブキを抱きしめた。全力で、強く、それでいて壊れないように。

 

「ごめん…。こんなお姉ちゃんでごめん。許してほしいなんて考えてないけど、イブキ……。」

 

 

 

「ごめんなさい………。」

 

これだけのことをされてもなお、イブキへの憎しみが消えない。どうしてそれを私じゃなくてお前が知っているんだという思いが拭えない。

嗚呼、神様。貴方は連れて行く人を間違えた(父ではなく私を殺すべきだった)

 

 

 

 

どうすれば、母は私の事を見るだろうか。

そう考えた時、やはり絵だと思った。

絵でイブキは私に勝てない。そこで優れた結果を出せば私の事も見てくれるはず。

 

ただでさえ少ない睡眠時間を削って絵を練習した。本なんて買えないから、独学でやった。

ただでさえ少ない食費を削って絵の具セットを買った。良い物は使えないけど、これで十分。

 

数ヶ月後、コンクールに自分の作品を提出した。

 

結果は、金賞だった。

 

「やっ…た?」

「いやったぁぁーーー!!」

 

手に入れた賞状を持って家まで走った。

前回のことは覚えていない。せいぜい優秀賞だろうか。

だが今回は違う。プロも出るようなコンクールで金賞を…。一番を取ったのだ!!

 

 

 

これでやっと……!―――

 

 

 

 

 

 

 

パシンッ!

 

平手打ちを受けた。

 

「金賞……?だから何?芸術家にでもなる気?そんな事より働きなさい。」

 

そう言った母の手にはイブキの描いた気持ち悪い鳥の化け物の絵があった。

 

私はこの時やっとあの時の母は私を素直に褒めたのではなく、父に『昔の子供も大切にする私』を見せたくて私を褒めたのだ、と。

 

「あぁ…そうだ。勉強もしなさい。仮にも姉であるアンタが高校にいかないのはイブキの世間体に悪い。」

 

私はその日の内に絵の具セットを焼き払った。

同時にその辺りにあった自由帳も何冊か焼いてしまった気がするが、気の所為だと思うことにした。

 

そこからは参考書を買ってひたすらに学んだ。

幸いな事に空っぽになってしまった頭に情報はスラスラと入ってきた。

 

 

 

 

 

私はゲヘナ学園に進学した。

私は母親の下を離れ、寮で生活することにした。

その際、寮の家賃から引いた内の八割をよこせと言ってきたが素直に従うことにした。

 

とにかく母親達から、特にイブキから離れたかった。

今度暴走してしまえば、本当にイブキに取り返しのつかないことをしてしまう気がして、離れた。

 

 

 

ゲヘナ学園での生活は苦しい事も多かったけどそれ以上に楽しかった。部活は風紀委員会に入り、給金を貰いながら朝から働き、夜はバイト三昧。

風紀委員会は問題児と交戦することもあるからボロボロになる事も多かった。

その時の入院費は負担してくれるので悪用して暑い時や寒い時はわざと死にかけるまで戦い続けて衛生観念がしっかりしている病院に行く事で生活費を浮かせたりした。

 

でも、同じ学年の銀鏡イオリさんという久しぶりの友達ができたりした。

それどころかいつの間にか風紀委員全員と仲良くなって私にはついに『私がいる私の居場所』が出来た。

 

ここにはイブキも、母もいない。

 

 

 

 

 

私は、自由になった。

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

二年生になった。

最近は万魔殿の新入生の話で持ちきりだ。

何と齢11歳でゲヘナ学園に入ったらしい。

 

風紀委員の私には関係が無いと思っていた。

 

「メブキー!メブキー!」

 

「イオリ…。どうしたんですかそんなに大声を出して。」

 

「いや、何かわからないけどさ万魔殿の制服着たちっちゃい子が『丹花メブキ』に合わせろって聞かなくて……。」

 

嫌な予感がした。何かの間違いであることを願った。

 

冷や汗を流しながら風紀委員会本部の扉を開く。

 

 

 

 

「お姉ちゃん!久しぶり!!」

 

そこには、悪魔(天使)天使の様な笑顔(悪魔の様な笑み)をして立っていた。

 

私のゲヘナ(楽園)は崩壊した。

 

 

 

母がイブキに執着する理由は、本当に父との子供であったということだったのだろうか?

母の事なら父の金だけを回収して金を稼ぐ方法など知らないイブキを捨てるくらいしそうである。

思えば私はイブキの事をほとんど知らなかった。好きな物も、好きな事も、そんな事を考えている暇はなかったから。

だが、今日分かった事がある。

 

一つ、イブキは天才であるということ。

 

二つ、イブキもまた母の『モノ』だったと言うことだ。

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

今日は思ったより仕事が長引き、帰るのが大分遅くなってしまった。

ふとソファーを見ると毛布もかけないでイブキが寝てしまっていた。

 

「………。」

 

何も知らず、ぬくぬくと生きている妹。

私の欲しかったものを全部持っている妹。

私の大嫌い(大好き)で、憎い(愛しい)妹。

 

今なら、簡単に殺せる。

 

一歩、また一歩と歩みを進める。

ゆっくりと手が伸びる。

 

 

私の両手が―――

 

 

イブキの―――

 

 

小さな首を―――

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

「―――お姉ちゃん?」

 

目が覚めちゃった―――ってあれ、イブキお布団で寝たっけ?

確かお姉ちゃんを待ってたらそのままソファーで……。

 

「あー、起こしてしまいましたか。すみませんイブキ。起こさないように慎重に運んだのですが……。」

 

声がした方を見ると、お姉ちゃんがイブキの隣に座ってイブキのお腹を擦ってた。

お姉ちゃんはソファーで寝てたイブキをベッドまで運んでくれたらしい。

 

イブキはお姉ちゃんが大好き。

 

いつもどこかに行ってて帰えるのが遅いお姉ちゃん。

『何処に行ってるの?』ってお母さんに聞いても『知らなくていい。』としか言われない。

でも、知ってるんだ。

お姉ちゃんが毎日遅くまでお仕事してるの。

 

どうしてお母さんが教えてくれないのかは分からないけど、そのせいでお姉ちゃんは凄く辛い思いをしているのはわかった。

 

お姉ちゃんは、凄くつらそうな時でもイブキと一緒にいると笑ってくれる。

だから、お姉ちゃんが『ゲヘナ学園』に行くってなったとき、すごく心配だったんだ。

イブキと一緒の時しか、家でお姉ちゃんが笑ってる所をみたことがなかったから。

 

だからお姉ちゃんを助ける為にお勉強を頑張って、特別にゲヘナ学園に行けることになった。

 

お姉ちゃんはイブキと会うと笑ってくれる。

お仕事で辛そうなときも、イブキが行くと優しい笑みを浮かべてくれる。

 

そんなお姉ちゃんの笑顔が好きだった。

 

「明日も早いです。イブキ、早く寝ましょう。」

 

「うん、おやすみなさい、お姉ちゃん。」

「だーいすきだよ。」

 

「……っ!!……私も、イブキが大好きですよ…。」

 

まぶたが重くて最後の顔は見えなかった。

だけど、お姉ちゃんは笑ってくれてたと思う。

 





というのを思いついたので拙いが文章化させてもらった。
続きは君たちが書いてくれたまえ。いや、書いてくれ。

私には文才がないのでこれにて失礼させてもらう。
さらばだ。

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