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セレニアがアストレアの眷属になった際に発現した魔法。
魔法名:【スコル】
詠唱式:『引き千切られた戒めの鎖 解放されしは
効果:分類は
魔法発動時に俊敏に高補正が入る。本人が傷を負う度に
簡単に言うと、
例え、この身が傷つき砕けようとも愛する男に追いつきたいという決意の証として発現した魔法。愛って凄いね。
オラリオのアイルーキッチンには一応VIPルームが設置されている。
というか、ほぼ私専用の部屋であり他の人が使っている所は見たことも聞いたこともない。
他の客と一緒に食べていると容姿とかの関係で目立ってしまい騒ぎになるので、ザルドからフードを深く被るか別室で食えと言われてしまい用意されたのがこの部屋だ。
内装は割とシンプルだけど、この部屋に置かれている家具の材料は全て私のダンジョン産であり、私がいま座っている椅子もカップが置かれたテーブルもユクモの硬木を職人アイルーが加工した物である。
「邪魔するで……って、おう。何かえらい不機嫌そうな雰囲気やな」
軽口とともにロキ、フィン、リヴェリア、ガレスと……何故かアイズまで入って来た。アイズは呼んでないんだけど?
「貴女がそこまで不機嫌って、何があったの?」
続けて部屋に入って来たのがフレイヤ。その後ろからオッタルとヘディン、そしてどうして自分が此処に連れて来られているのかという感じの不安そうな顔をしたヘグニが続く。
アイズもそうだけど、何故ヘグニがいるのだろうか。私からの呼び出しだと知っているはずだけど。
「招待した覚えのないアイズと『
まぁ、ヘグニもLv.6だから別にいいか。以前のヘディンのように今日がたまたまフレイヤの側付きの日だったとか、フレイヤがファミリア内で私の事を知っている人数を増やしたかったとかそんな所だろう。
私の事については後でフレイヤが説明すればいいし、この場に来てしまった不運を存分に後悔するといい。
とりあえず、各々席についてもらいアイルーとザルドにお茶を配膳させ、全員にいきわたった所で話を始める。
「端的に言うわ。世界崩壊の危機よ」
私の言葉に怪訝そうな顔をされるが、事実なのだから仕方がない。
「場所はエルソスの遺跡。原因は神の力を取り込んだ古代のモンスターである漆黒の蠍『アンタレス』」
そのままアストレアからの手紙をテーブルへ放り、順番に読んでもらう。
エルソスの遺跡にはアンタレスと呼ばれる古代のモンスターが封印されていた。
アルテミス・ファミリアとアストレア・ファミリアが合同でアンタレスの封印の確認と強化を行う為に遺跡に向かったが、遺跡に到着したタイミングでアンタレスの封印が解けアンタレスと産み出されたモンスターの軍勢により乱戦となり、隙をつかれアルテミスがアンタレスに取り込まれた。
アルテミスを取り込んだアンタレスはアルテミスの神の力を使い地上を滅ぼそうとするが、それを察知したアストレアが送還されない程度に神の力を使いアンタレスが神の力を使えないように抑えているが、それが何時まで効果があるかは不明。
アルテミス、アストレアの両眷属でアンタレスが産み出したモンスターを駆除して周囲への被害の拡大を抑えているが、肝心のアンタレスを討伐出来る戦力はおらず、事態の解決を願い救援を求める。
まぁ、そんな内容だ。
「昨夜遅くにアストレアの眷属が私の所にこれを届けたわ。この手紙に書かれた内容がおよそ2週間前の話だから、猶予はないと考えるべきね」
そこで一度言葉を切り、配膳されたお茶を一口飲む。
「面倒だから最初にはっきりと言うわ。私はこの件に関しては介入する気は全くなかった」
「貴方達下界のヒトと神が放置していた問題で地上が滅びようとしている。これは貴方達が怠惰であった結果なのだから」
「以前にも言ったけど、私はヒトが懸命に生きる姿が好きなの。だからダンジョンを創り、地上が黒竜に滅ぼされないよう努力や研鑽が出来る場所とした」
「でも、いまヒトが黒竜に挑む前に地上が滅びようとしている」
ヒトが懸命に努力した結果が届かず、黒竜に地上が滅ぼされたなら私はそれはそれで納得はしただろう。
まぁ、黒竜が地上を滅ぼす過程で私に喧嘩を売って来たら私は容赦なく黒竜を滅ぼすと思うけどね。
この世界のヒトや神が禁忌に触れない限り私は世界を滅ぼす気はないので、黒竜が早めに私に喧嘩を売ってくれれば生き残れる人も多くなるんじゃないかな?まぁ、私に喧嘩を売らないのなら存分に世界を滅ぼせばいいよ。
「だから、本当に……えぇ、本当に非常に不本意で仕方がないのだけど」
これはある意味で抜け道というか裏技であり、本来であればこういう形で出したくはなかった。
出来るなら、黒竜討伐前に私に挑んでもらう為に使いたかったのに。
私はゆっくりと椅子から立ち上がると、皆に向かって軽く一礼をする。
「禁忌の古龍。白いドレスの少女、祖龍ミラボレアスがオラリオの冒険者にクエストの依頼を出すわ」
――フレイア・ファミリア。
『
『
『
――ロキ・ファミリア。
『
『
『
一人一人、顔をきちんと合わせ二つ名と名前を呼んでいく。
「貴方達6人に、世界を救う機会をあげる。私が貴方達6人をエルソスの遺跡まで連れて行くわ」
「世界の救済に興味がないというなら、ランクアップの偉業を達成出来る相手と戦えるいい機会にすればいい」
「討伐対象は古代のモンスター、漆黒の蠍『アンタレス』」
「クエストの報酬は金や銀に宝石類、私のダンジョンの深層で採取出来る素材、素材を加工出来るアイルーの派遣」
「クエスト名は、そうね『禍月を祓う者たち』にしましょう」
「オラリオの
私の言葉に、うっすらと笑みを浮かべ軽い感じでロキが言葉を発する。
「フィン、リヴェリア、ガレス。帰って来た時の酒は用意しといたるから、ちょっと世界を救ってきてくれへんか?」
「あぁ」「全く仕方ないな」「良い酒を頼むぞ」
いつもと何ら変わらない主神の言葉に笑みを浮かべ首肯と軽口を返していくロキ・ファミリアの三首領。
「オッタル、ヘディン、ヘグニ。勅命よ。私が誇る
敬愛する女神の言葉を受け即座に跪き是の意思を示すフレイヤ・ファミリアの勇士たち。
「……全員クエスト受注ね」
私は再度一礼をすると椅子に座り直す。
部屋の隅で控えているザルドと私の正面に座っているアイズが「私は?」っていう気配と顔をしているが、ザルドはともかくアイズまで連れて行く気は私はない。
「ザルド、貴方は連れて行くつもりだけど最初はアストレアや眷属達の護衛に務めなさい。この6人では足りないと判断したら貴方もアンタレスに挑んでいいわ」
不満そうな顔をするなよ。ザルドは私のダンジョンで好きに強敵と戦えるんだから、そういう機会が少ない連中に最初くらいは譲れ。
本当はアルフィアも誘いたいが、ベル君の住んでいる村まで行って説明をするというのは面倒なのでパス。
ザルドにのみ声をかけたからか、更に「私は?」という雰囲気をアイズが出しているが、はっきりと言葉にしなきゃ理解も納得もしないか。しかし、これアイズの秘密にも関わるんだけどなぁ……まぁいいか。
「アイズ。貴方がどれほど言葉を重ねたとしてもアンタレスの討伐にアイズを連れて行く気はないわ」
私の言葉に全力で不満ですというふくれた顔をしているが仕方ないだろうに。
「まず単純に実力不足。私が感じたアンタレスの推定位階は最低でもLv.8。Lv.5になったばかりのアイズじゃ足手まとい、無駄死にするだけよ」
現地にいる最高位階はアリーゼのLv.5。旅の最中に輝夜とリュー辺りがランクアップしてLv.5になっているかも知れないが、同じくLv.5のアイズではアンタレスに対峙する実力が足りない。
それでもまだ不満ですという顔をしているアイズ。本当に納得しないなこの娘は。
「納得が出来ないようね。なら、追加してあげる。アンタレスは『神の力』を取り込んで自身の力に変えることが出来るモンスターよ。此処まで言っても納得が出来ないなら、はっきりと言うことになるけど?」
私の言葉にはっとした表情を浮かべたのはロキとフィンにリヴェリアの三人。私としては今更気付いた?という感じなのだけど。
神の力を取り込み自分の力へ出来るということは、精霊由来の血と力を持つアイズもアンタレスの捕食対象になりえる。だから、実力不足以前にどうあってもアイズを連れて行くことは出来ない。
あとは家族に説得してもらえばいいか。私はアイズから視線を外し、連れて行くメンバーに顔を向ける。
「出発は今日の夜。アイルーを迎えに出すから、それまでは各自に任せるわ」
さて、私を動かしたのだ。
アストレアとアルテミスからは相応の対価を支払って貰おう。
アンタレスの強さがどれくらいか知らんし、神の力を取り込めるからってアイズを取り込めるかは不明。
あんまり覚えてないのだけど、アルテミスの精霊の力で封印しててその力を少しずつ取り込んでたからアルテミス本神も取り込めたって感じだっけ……。
まぁ、出来そうって事で。
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