俺と2人のカミさまと   作:あすたわし

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どうも、あすたわしです。


《今回はちゃんと前書きを読んでください》


自分はいつも自分の書きたいことを書いているのでストーリーが重くなっても気にしませんが、流石に今回(+次話)は少々重すぎるような気がするので改めて忠告しておきます。

ただこれで見れない方が出るのも申し訳ないのでストーリーをマイルドにしたやつを☆9話として上げました。
☆9話https://syosetu.org/novel/377125/12.html

ちなみに自分はあまり他の方の小説を読まないのでラインが分かりません。もしかしたら全然かもしれないしその逆かもしれません。個人的な感覚としては、『ホロライブ』の二次創作だからちゃんと警告しておこう、という感じです。

前置きが長くなりすみません。心配な方は今週末に出るのを見て決めて下さい。では自己責任でどうぞ。


★9話/一話丸々回想ってマジですか?

『昔、ここから遠く離れた場所に、一つの里があった。

 

 

 その里にはたくさんの獣人と一家族のオニが住んでいた。里の外との交流こそ少なかったが、里の中では全員が顔見知りであり、領主であるオニと他の里民との距離も近かった。

 

『おはよ〜」

「おはようございます!お嬢!朝早くからお散歩ですか?」

『うん!たまにはこういうのもいいかなって思って。そっちも朝早くからご苦労様!』

「いえいえ、我々農家はこれが大事ですから。いつも領収様方にはよくして頂いていますので、その分は奉公させて頂きますよ!」

『おぉー。じゃ、頑張れ〜』

 

 いつも平和で楽しい村だった。あの夜までは…

 

 

 

『今日もいっぱい遊んだな〜。ふわぁ〜…明日は何をしようかな…zzz…』

 

 

「お嬢!あやめお嬢!」

 

 従者が部屋の戸を叩く音で目を覚ます。もう朝かと思い窓の外に目をやるが、空模様は明け方である。

 

『ん〜。どしたの〜』

 

 まだ眠い目を擦りながら戸を開けると、従者が並々ならぬ形相で立っている。

 

「お嬢!大変です!この里が襲撃されています!」

 

 明らかに切迫した状況であることに気づき、一気に目が覚める。

 

『どういうことだ⁉︎誰が攻めてきたんだ?』

「『鬼狩り』と呼ばれる、この世界からオニを絶滅させようとしている集団だそうです。今は里の者と領主様が戦っておられます」

 

 なんでそんな集団がいふのか分からないが、父上が戦っているということは相当まずい状況のはずだ。

 

『余も戦うよ!早く行こう!』

「いいえ。お嬢は絶対にお逃げ下さい。これは領主様の意志です」

 

 まるで余がなにもできないかのように言われ、怒りが込み上げる。

 

『なんで!余だって戦えるよ!』

「違います、お嬢。今ここに来ている鬼狩りは全体のほんの一部だけなのです。たとえ今宵は退けたとしても、より大きな軍勢になってさいど攻めてくるだけでしょう」

『だったら早く倒して逃げようよ!』

「逃げたとしても奴らはどこまでも追ってくるでしょう。しかし、ドタバタしている今こっそり姿をくらませればお嬢の追跡まではされないはずです。どうか、ご自身の命を最優先に考えていただけないでしょうか…」

『でも……っ!』

 

 今逃げなければほぼ間違いなく死ぬ。分かってはいるけれど、その事実を受け入れたくない。この里と里のみんなを捨てて余だけ安全に生きるなんて、絶対に嫌だ。

 

『やっぱり余も——』

「お嬢!!!」

 

 今まで聞いたことのない迫力の声に気圧される。

 

「俺たちのことは気にしないでください。俺たちはこれまでにもう十分御恩を受けました。今がそれを返す時なのです。それに、俺たちもこのまま何もせず殺されるというわけではありません。必ず生き延びて、領主様とお嬢をもう一度再開させて見せます!」

『……分かったよ。約束だからな』

 

 すると、従者は2本の刀をこちらに差し出してきた。

 

「これは領主様から預かったものです。百鬼家に代々伝わる、『羅刹』『阿修羅』と呼ばれる刀だそうです。お待ち下さい」

『うん、分かった』

「では、早く行きましょう」

 

 外に出ると、里の家の何軒かが燃えていることに気付く。命の危険が本当に迫っていると感じ恐怖を感じる。村の出口付近まで歩いたところで、前を歩いていた従者が立ち止まる。

 

「ここからはお一人でも大丈夫だと思います。決して後ろは振り返らずに、ひたすら前に進み続けて下さい」

『うん。…絶対に、全員死なないでね』

「…分かりました」

 

 言われた通りに、ひたすら前を向いて走り続けた。一体どれだけ走っただろうか。空は明るくなり、振り返ってももうあの里は見えない。これからどこへ行こうかと検討していると、前から2人の男たちが歩いてきているのが見える。話を聞いてみようか。

 

『おーい、そこの人たち。ちょっといいか〜』

 

 向こうはこちらに気付くと、急に表情を変える。

 

「おい、あれってオニじゃないか?」

「うわっ、本当だ。近づくんじゃねぇよ」

 

 そういうと、男たちはさっさとどこかへ行ってしまった。

 

 最初は偶然かと思っていたが、さらに何人かと会ううちに確信に変わった。このあたりで、いや、恐らくかなり広い地域でオニは人間に受け入れられていない。どの人間も、こちらがオニだと分かるとまるで腫れ物を扱うかのような顔をする。鬼狩りという大きい組織があることも、これで納得がいく。

 

 

 

 一体何日が経過しただろうか。里を出てから食べ物も飲み物もほとんど摂れていないし、あまり睡眠も取れていない。頭が痛いし、視界もぼやけてきた。余はもう、ここで力尽きてしまうのだろうか。

 

 前方から誰かがやってくるのが見える。あまりよく見えないが、獣耳が見えるということは獣人だ。獣人ならもしかしたら助けてもらえるかもしれない。獣人の方に向かって走り出そうとするが、転んでしまう。起きあがろうとするが、全身に力が入らない。

 

 なんとか顔をあげると、獣人がこちらに走ってくるのが見える。

 

『そこの方、大丈夫ですか⁉︎』

『ぁ…たす……け…』

 

 絞り出すように声を出し、そこで意識が途切れた。

 

 

 

 次に目覚めると、見知らぬ天井が見えた。いつの間にか布団の中に移動している。周りを見るが、枕元にある2本の刀以外は特に何もない。一体ここはどこなのだろうか。

 

『あ。気がついたんですね。よかったです。起き上がれますか?』

 

 さっきと同じ獣人が部屋に入ってきた。さっきはよく見えなかったが、どうやら狐の獣人らしい。獣人のいうとおりに体を起こすと、獣人が水を差し出してくる。

 

『これ、飲めますか?』

 

 こくりと頷き、受け取った水を飲み干す。だいぶ体が楽になった気がする。

 

『…ありがとう』

『どういたしまして。…ところで、あなたの名前を教えてくれませんか?あ、私は白上フブキといいます』

『余は百鬼あやめだよ』

『あやめちゃんですね。分かりました。あやめちゃん、ご飯食べられそうですか?』

『う〜ん…あんまり食欲ないかも…』

『そうですか…おかゆ作ってくるので、食べられるだけでも食べましょう。それまでは横になっていて下さい』

『う、うん…』

 

 そういうと獣人…フブキちゃんは部屋から出て行ってしまった。なんでフブキちゃんは余を助けてくれたのだろうか。獣人はオニをどのように感じているのだろうか。いくつも疑問が浮かんでくる。

 

 横になってしばらくすると、フブキちゃんともう1人、別の獣人がおかゆを持ってきた。

 

『この子が、フブキが言ってたあやめって子?』

『そうです。あやめちゃん、こちらは大神ミオです』

『よろしくね〜』

『…よろしく』

『ささ、冷めないうちに食べて下さい』

 

 目の前に置かれた美味しそうなおかゆを早速頂く。ちゃんとした食事にありつけるのは何日ぶりだろうか。

 

『おいしい…!』

『よかったです。好きなだけ食べて下さい』

 

 食べる前はせっかく作ってくれたものだから無理矢理にでも口に押し込もうと思っていたが、気付けば完食していた。食欲が復活したわけではないが、やはり体は栄養を欲していたのだろう。

 

『ご馳走様!』

『あ、全部食べちゃったんですね。元気そうで何よりです。……じゃあ、そろそろ聞かせて頂いてもいいでしょうか。何かあった…いや、なにがあったんですか?』

『………実は——』

 

 この数日間であったことを簡潔に話す。

 

『——で、今に至るというわけだよ』

 

 話終わると、フブキちゃんとミオちゃんは向き合い、何やらお互いに目配せをしながら表情を変え始めた。

 

『えーと…何してんの?』

『え?いやいや、なんでもないですよ。それより、今日はまだ休んでおいた方がいいでしょう。大体の事情は分かったので、今後の詳しい話はまた後でしましょう』

『え…う、うん…』

 

 そういうと2人は部屋を出ていってしまった。なんだかモヤモヤするがとりあえず今日は寝てしまおう。

 

 

 

 数日休息をとると、体調はほぼ完全に回復した。今はむしろ体を動かしたい気分だ。

 

『もう十分元気になったようですね。それで、今後の話なんですが…近くの山に住みませんか?』

『山?』

『はい。この近くには村があって、そこに住んで貰おうかとも考えていたのですが…説明しても『オニは怖い』という人が一定数いまして…できることならあやめちゃんにも人間と仲良くして欲しいですし、まずはお試しで少しづつ人間と交流してみませんか?』

 

 人間。余たちの里を襲い、オニを軽蔑する種族。本当なら一切関わりたくないが、フブキちゃんが言うのなら何かがあるのかもしれない。

 

『…うん、分かった。そこに住むよ』

『本当ですか!よかったです。じゃあ、早速行きましょう』

 

 フブキちゃんに連れられるまま山の中を進んでいくと、ポツンと佇む一軒の小屋が見えてきた。中を見ると、いくつかの家具が置かれたシンプルな構造になっている。

 

『以前からしばらく空き家になっていた場所を数日でぱぱっと直してみたのですが、どうでしょうか?』

『うん。ここに住むことにするよ!』

『分かりました。困ったことがあったらいつでも相談しにきて下さいね。冷蔵庫に食材がいろいろ入っているので使って下さい。それと…これをどうぞ』

 

 そういうと、フブキちゃんは大きな笠を差し出してきた。

 

『何これ?笠?』

『これは妖力を込めた特別な笠です。これをかぶれば誰もあやめちゃんをあやめちゃんだと認識できなくなります。人間と関わるのが本当に嫌になった時に使ってください』

『…うん、分かった。ありがとう』

 

 フブキちゃんは帰り、完全に1人になった。今日から1人暮らしか。ひと通りの家事はできるが、うまくやっていけるだろうか。人間とはうまくやれるだろうか。

 

 家事を終わらせ、明日からの日々に期待と不安を感じつつ、布団に潜る。ふと、里の事を思い出す。いや、思い出さないようにしていた事を思い出してしまう。

 

 ……父上は、母上は、里のみんなは、今どこで何をしているのだろうか。そう考えると自然と涙がででくる。その考えをまた頭の隅に追いやると、疲れが襲ってきた。そのまま眠気に身を任せ、眠りについた。




お気に感評願(定期)(コピペ)

★10話 https://syosetu.org/novel/377125/13.html
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