キャメロット攻略完了記念に。
平行世界のカルデアに獅子王が召喚されたらと妄想して描きました。
なお平行世界のカルデアはハードモードな模様。
この胸の内に抱いた理想を──永遠に続く理想郷を築くために、我が円卓の騎士を始め、多くの犠牲を生み出してきた。
これが人類最後の犠牲となる事を信じ、ただただ突き進んできた。
カルデアの者達に負けてしまった今でも我が理想が過ちであったとは思っていないし、そう思う事は許されない。我が行いを悔やむという事は、主であるこの私に仕え、戦い抜いてきた全ての臣下に対する侮蔑に他ならないからだ。
「……さらばだ。私は私の理想と共に滅びる」
それが理想を掲げ、国を率いた王としての最後の責務であるはずだから。
「──星を集めるがいい。人間の悪性、どのような闇にも負けぬ輝く星を。
そなたが信じるに値する英霊。そなたとの繋がりを極めた仲間たちを」
私からカルデアのマスターに送る最後の言葉。彼は光の粒子の向こうへ消えゆく中、最後にハッと目を見開くと静かに頷いた。
心配はしていない。なぜなら彼の下には既にこれまでの旅で紡いできた無数の縁が……星々が集ってきていたのだから。
きっと彼は成し遂げるだろう。未来は見えないが、なぜかそう確信が持てた。
「……」
カルデアの者達が完全にこの世界から退却したのを見送った後、私は返還された
私は理想と共に滅びる。だが救われたものもあった。ベディヴィエール……貴方の過ちには意味があった。
理想にら届かなかったが……それでも嵐の王に成り果てた私は魔術王と同じ視界を得り、最後の特異点──魔術王の座標を導く手がかりをカルデアに託すことができたのだから。
本来の私ではないこの獅子王にも意味があったのだと思うと、その事実が私には──
「はぁ……はぁ……はぁ……」
玉座で一人、最後の時を待っていると一人の騎士が現れた。首元から鮮血を滴らせ、息も絶え絶えにこちらに歩んでくるその騎士の名は
「アグラヴェイン」
「……獅子王。ご健在、でしょうか。賊軍が──じき、やってきます。御身に限って敗北はあり得ませんが、どうか細心のご注意を。貴方は……相手の理念を、尊重してしまう癖がありますので」
「ふっ……。アグラヴェイン卿。気遣いは卿にこそ必要ではないのか?」
手足は砕け、胴は裂かれ、片目も失っている。よほどの強敵……否、仇敵と戦ったのか。
しかし最後にはアグラヴェインの執念が実力を凌駕した。そういうことなのだろう。
その内面を見透かされた事を悟ったアグラヴェインは脂汗を滲ませながらもニヤリと笑った。
最後の最後まで彼は己が役目を果たしてくれ、今も尚、果たそうとしている。
だがいい。もうよいのだ。アグラヴェイン。
「卿は充分己が役目を果たしてくれた。ここで休む事に誰も異を唱えたりはせぬし、罪にも問わん。だからもう、休め」
「いえ、そういう訳……に……は……」
しかし彼もまた限界をとうに超えていたのだろう。玉座の前で膝を着き頭を垂れた状態から、地面に倒れ込む。
「そなたの忠道、誠に大義であった」
私もすぐにそちらへ逝くだろう。だから少し先に休んでいてくれ。
「さて」
再び静かさが辺りを包み込む。
私の世界が崩壊するまで後僅か。
肘を着き、目を瞑る。
その時だった。
──けて。
声がしたのは。
「……」
瞼を持ち上げる。今の声は、なんだ?
しかしこの空間には既に息絶えたアグラヴェイン以外に人の姿はない。
気のせいかと思い、再び瞼を閉じようとする。
──助けて。
今度こそはっきりと聞こえたその声に、私は思わず玉座から立ち上がる。
その瞬間、脳裏に過ぎる一つの光景。
炎に包まれた街並の中に二人の少女がいる。片方には見覚えがなかったが、もう片方の大楯を携えた少女の姿には見覚えがあった。つい先ほどまで対峙していたカルデアのマスターに従っていた彼女は、かつて我が配下であった聖杯の騎士をその身に宿していたはずだ。
そして、見覚えがないはずのもう片方の少女にもなぜか、強烈な既視感を抱いた。姿形はまるで似てない。性別さえ違う。なのに私は、この少女の事を知っている──。
──助けて!
同時に助けを呼ぶこの声がこの少女である事を悟る。
大量の骸に囲まれた彼女達には既に逃げ場などなかった。大楯の少女──確かカルデアのマスターからはマシュと呼ばれていたか──が、必死に彼女を庇い、骸を押し返そうとするが、その動きは先ほど対峙した彼女と比べるとあまりにも拙い。騎士になったばかりのひよっこのような戦い方だ。
私の直感が告げる。この者たちは間違いない。マスターの姿形は違えどカルデアだ。
だが、それはつい先ほどまで鎬を削ったカルデアとは全く違うものである事はすぐにわかる。
なぜなら私が戦ったカルデアのマスターには数多の星が集っていた。結ばれた英霊の縁は数知れず。その絆を前に私は敗れたのだ。
しかしこのカルデアにはそれがない。今にも消えてしまいそうなか細い
言うなればそれは平行世界の、無数に広がる世界線の中で極めてこの世界と近しい、
おそらくはあのカルデアのマスターとこの少女は平行同位体であり、あれだけの鎬を削りあった以上、結ぶつもりは無くとも縁というものは結ばれてしまう。同位体であるが故に必然的に私と彼女の間にも縁が結ばれている。
無論、私の世界はここで終局し、この世界線から消え去るが故にこの先、私という英霊が召喚されるという事はない。それは縁が結ばれたカルデアのマスターといえども、例外ではない。
しかしこの瞬間、私が生きているこの瞬間だけは例外だ。私が望みさえすれば、呼ぶ声に応えさえすれば、この世界が崩壊するまでの刹那の瞬間のみ、私を召喚する事が可能ではある。
しかしながらなんというタイミングなのだろうか。後僅かでも時間がずれていれば間に合わなかった。
腐ってもカルデアのマスターというべきか。世界を救うマスターというものはとんでもない運を持ち合わせているらしい。
「……すまないな、アグラヴェイン。どうやらそちらに逝くのはもう少し先になるらしい」
私は
そして何より──
「この私を倒したのだ。
今にも解けんばかりの縁を手繰り寄せる。
そのまま意識が引き寄せられる気配がして、次の瞬間、バチッと何かに弾かれる。
「む──」
何事かと一瞬考え、すぐに直感が働く。
今の私は元から保有していた
加えて長年、聖槍を所持していた事による所謂女神化──今の私では英霊の規格に収まり切れていないのだ。先ほど弾かれたのもそういう事だ。
「最低でもどちらかを手放す必要がある、か……」
私は聖槍と聖剣それぞれを見やる。しかし迷うはずもない。私は聖槍をその場に突き立てると、聖剣をその手に携えた。
「せっかく我が騎士が命を賭して返還したのだ。ならば使わぬというのは無礼というもの」
なぁ、ベディヴィエールよ──。
+++
「先輩っ! 先輩だけでも逃げてください!」
「マシュだけ置いて逃げるなんて、そんなのできるわけないでしょ!」
悲痛な後輩の言葉に藤丸立香は気丈にそう返したのものの、現状を打破する策は何も思い浮かばなかった。
裏切り者のレフ・ライノールよるカルデア爆破によるダメージは想像以上のものだった。
どうにか生き残った僅かなカルデアスタッフの尽力により、どうにか急ピッチで召喚システムを立て直し、可能となったのは一騎のみの英霊召喚。なけなしのリソースを用いて行ったが応えてくれる英霊はおらず、召喚は失敗。さらには骸の大群にベースキャンプを襲われ、ただただ逃げる事しかできなかった。
昔から諦めの悪さだけには定評のあった立香ではあったが、流石の立香も膝を着きそうになる。マシュがいなかったらとっくに諦めていただろう。
骸の一体一体はそれほど強くはない。デミ・サーヴァントのマシュであれば難なく倒せる相手だ。しかしそれも数十、数百ともなれば話は変わってくる。それほどまでに絶望的な状況下だった。
(こんなところで終わってしまうの──?)
『立香ちゃん! マシュ! 諦めるな! 諦めないでくれ!』
ロマンの声が聴こえるが、それとは裏腹に立香の心は絶望に挫けそうになっていた。
唯一の英霊召喚は失敗し、既に周りも囲まれ逃げ道も塞がれた。マシュも頑張ってくれているが、どうしようもない。
たった一人ではどうしようもないのだ。
「あ……」
マシュが骸の大群に押し倒される。「先輩っ、逃げて!」と叫ぶが立香は動かない。
「マシュ!」
立香は自分がただの人である事も忘れて、マシュの上にのしかかる骸に体当たりする。しかし、見かけに反して重量のある骸の身体を動かす事は叶わない。それでも立香は骸を押し退けようと必死にもがくが、弾き飛ばされる。
「……けて」
思わず声が溢れる。そんなこと言ったって、何にも変わらないというのに。
しかし立香はそうする事しかできない。数合わせで呼ばれたただの一般人のマスターでしかない今の彼女にはただ情けなく声をあげることしかできなかった。
「誰か……助けて!」
しかし奇跡というのはどんなに無様な姿を晒そうが、最後まで諦めなかった者にのみ訪れる。
どこからともなく吹き荒れた暴風がマシュの上に群がっていた骸を吹き飛ばした。
「え……?」
尻餅をついた大勢のまま茫然とする立香の上を何かが飛び越した。
騎士だ。白馬に乗った同じく白銀の鎧の騎士がそこにいた。
顔は見えない。獅子の頭を模したかのような兜を被っていたからだ。
騎士はその兜の向こうから一瞬、こちらを見据えるとすぐに無数に群がる骸たちに向き直った。
手にした聖剣が星の輝きを放つ──。
横薙ぎに払われた一閃は光の奔流となって骸共を薙ぎ払った。あれだけいた骸の大群はたった一振りで跡形もなく消え去っていた。
『いったい何が起きてる!? 異常な魔力量に乱されて何も見えないぞ! 立香ちゃん! マシュ! 無事なのか!? 返事をしてくれ!』
完全にパニック状態に陥っているロマンを他所に立香とマシュは地面に伏したまま動くことができなかった。
呑まれていた。目の前の騎士が放つ圧倒的な存在感に。
敵なのか味方なのか。そんな判断を思考する事もできないくらいに。
ただただ見つめていた。
そんな二人を前に騎士はやれやれと言わんばかりに肩をすくめると馬から降り立った。
「……召喚されたと思ったらその場にいないとはいったいどういう了見だ?」
そして二人の前まで歩み寄ると静かに兜を外した。
(女の人……?)
「此度は緊急を要するようであるが故に罪には問わんが、王の出迎え方というのは学ぶべきだ」
「今後のためにもな」と目の前の騎士は付け加えたのを見て、立香の身体はようやく再起動する事に成功する。
「は、はいっ! 申し訳ございません!」
直立不動の体勢となった立香に騎士は「それでいい」と頷いた。
「サーヴァント・セイバー。召喚に応じ参上した。順序が違うが問うておこう。貴方が私のマスターか?」
その日立香は二人目の運命に出会った。
◼️獅子王
聖槍ではなく聖剣を持ってカルデア参戦。英霊の規格に合わせるために色々調整している。クラスはセイバーだが何故かドゥン・スタリオンもいる模様。敵に襲われ立香達が逃げた後の召喚サークルの残滓地点に召喚される。ラグがあったともいう。機動力を確保するために馬も霊基に強引に組み込んでいたが成功だった模様。
◼️平行世界のカルデア
女の子立香のいる世界線。本来の世界線よりもレフの爆破による被害が大きく、単発1回分のガチャしか引かない事態に。なんか出現する敵も強い。数も多い。チュートリアル10連なんかない。ただその単発で星5当てるんだから世界を救うマスターはやはり凄い。
◼️本来の世界のカルデア
男の子立香のいる世界線。基本ゲームの通りに進む。ガチャもたくさん引ける。廃課金勢。
力尽きた。