提督・・・26歳(男)顔には航空隊に所属していた時、深海棲艦との空戦で負傷し右頬に縫い傷がある。
艦娘達・・・前任の提督が無茶な作戦や私利私欲のために資金を使ったり艦娘をこき使うため提督不信になった。そのため、新しく着任してきた主人公提督の指示には従わないことを決めている。
主人公が鎮守府に着任する2年前〜
沖ノ島海域上空にて16機の一式陸攻が32機の零戦に囲まれながら飛行していた。1ヶ月前に長距離偵察機の2式飛行艇が沖ノ島海域に深海棲艦の大艦隊が集結しているという情報が大本営に届き、幹部達の話し合いで何としてでも集結している深海棲艦の撃滅するという作戦が立ち上がった。しかし、沖ノ島海域周辺には大量の深海怠雷が蔓延っているため作戦が予定通りに行かず、大本営の幹部達は艦娘達が沖ノ島海域を攻略出来ないことに痺れを切らし遂にある作戦が提案される。それは第二次世界大戦末期、旧日本軍が発明した1200キロの徹甲爆弾を機首に乗せロケット燃料で音速に近い速さで飛び敵艦に体当たりする方法である。その兵器の名は「桜花」であった。音速に近い速さで飛べば深海棲艦の対空能力でも撃ち落とせないであろうと考え作戦が立案された。早速、幹部達は桜花に乗る搭乗員を募ったが中々集まらない。当初は艦娘にやらせるつもりだったが全ての鎮守府の提督から大反対の意見が上がり艦娘にやらせるなら提督自身が乗ると言われた。優秀な提督がいなくなるのは困るため仕方なく勇気ある志願者のみで作戦が決行された。主人公は佐世保航空基地のパイロットであり、入隊当初から深海棲艦と戦って来た。そして、佐世保航空基地から桜花を搭載した一式陸攻と零戦護衛機隊が幹部達に見守られながら離陸した。
沖ノ島海域上空にて〜
主人公はただ桜花に乗る時を待っていた。必ず深海棲艦を倒すと心の中で思いながら。そして、離陸から数時間が経った頃。
一式陸攻パイロットA「もうすぐ目標海域だが、敵は俺たちに気付いてる
だろうか?」
一式陸攻パイロットB「奴らもバカじゃないから恐らく気づいてるだろ、
なんとしてでも30キロ以内に入らない桜花は」
一式陸攻パイロットA「おい、本人に聞こえてるぞ。」
主人公はただ椅子に座っている。聞こえていても気にしない。どうせもうすぐ死ぬんだから。すると突然、
パイロットA「敵機だ!零戦が増槽を落とした!」
前方から沖ノ島海域にいる深海棲艦のヲ級や空母棲鬼から飛び立ったであろう敵機が無数に一式陸攻の編隊に向かって突っ込んでくる。
零戦は増槽を投棄し攻撃体制に入る。しかし、護衛の零戦は32機しかいないため無数の敵機の対処には限界がある。零戦の追尾をかわした敵機が一式陸攻の編隊に向かって攻撃を始め、その内の1機の一式陸攻がエンジンに被弾し火災が起き傾きながら落ちていく。一式陸攻も搭載している7.7ミリ機銃や尾部の20ミリ機銃で対応する。また、一式陸攻が深海の敵機の攻撃で撃墜されていく。その中には主人公の仲間も乗っていた。落ちていく一式陸攻に向かって主人公は声を出した。
主人公「盛岡!沢内!」
次々と撃墜されていく状況を見かねた主人公は
主人公「俺は桜花に乗る、発射してくれ!」
主人公は桜花に乗ろうとするも一式陸攻パイロットAが体にしがみつく
一式陸攻パイロットA「主人公!まだ早い、早まっちゃダメです。」
主人公「離してください、このままでは敵に会う前に全滅する。」
一式陸攻パイロットA「目標はまだ50キロ以上先です。今飛び出したところで敵艦まで届きません。」
主人公「飛ばずに死ねますか!」
主人公はパイロットAを振り解き桜花に乗ろうとする。
一式陸攻パイロットA「犬死にです!やめて下さい!」
桜花に乗ろうとしたその時ガツンと首後ろに衝撃を受け主人公は気絶する。気絶させたのはパイロットBだった。
一式陸攻パイロットB「あなたは今死ぬべきじゃない。」
そうしてパイロットAとパイロットBは主人公の背中に落下傘を装着し搭乗員口から主人公を落とした。気絶させられてから数分後に主人公は目を覚ます。なんと、落ちながら目を覚ました。主人公は慌てて落下傘の紐を引っ張りパラシュートを開く。落ちていく中で、火を吐きながら撃墜されていく一式陸攻の姿が視界に入る。主人公は何もすることが出来ず、ただ見ているしかない。
主人公「うああああああ!」
主人公は何も出来ない悔しさから大声を上げた。
主人公が海に着水して2時間ほど彷徨った時、上空からエンジン音が聞こえてた。それは長距離偵察機である2式大艇だった。生存者確認のために大本営が派遣させたのだ。主人公の落下傘のパラシュートが目印になり主人公は拾われた。主人公が2式大艇に拾われて佐世保航空基地に帰還するとすぐ上官に対して
主人公「他の人は?俺以外に生き残った人はいますか?」
しかし、現実は非情である。
上官「残念だが君しかいなかった。もちろん可能な範囲で捜索したが。」
主人公「そんな・・・」
上官「この作戦は事実上失敗に終わった。だから、幹部達も今後の作戦を考え直すだろう。君は1週間休暇を取りたまえ。くれぐれもこの作戦を外部の
人間に話すんじゃないぞ。」
上官はそれだけ話すと立ち去った。主人公は地面に膝をつき
主人公「くそ!くそ!くそ!」
連呼しながら地面を殴る。力を込めてひたすら。何も出来ずに仲間を失い自分だけ生きて帰って来た悔しさに。血が出ようが関係なく整備兵が止めに入るまで。
そしてその日の夜〜
主人公は佐世保航空基地の近くにある小さな山の野原に寝そべっていた。
なぜ自分だけが帰って来てしまったのか後悔しながら。30分ほど寝そべっていると誰かが歩いてくる音がしたため体を起こす。そこには白い帽子をかぶり白い軍服を着て鼻の下に白髭を生やした老人が自分に向かって歩いて来た。その人は突然主人公に対して。
「君かな、生き残って帰って来たっていうパイロットは?」
主人公「そうですけど、あなたは?」
主人公は白い軍服を着た人に尋ねる。
「これは失礼した。私は佐世保鎮守府の提督だ。今日、桜花の作戦が失敗して生存者が1人いたという話を聞いて会いに来たのだ。」
その人物は佐世保鎮守府で提督をしている人だった。主人公はすぐ立ち上上がり「失礼しました」と言い提督に敬礼をする。
提督「よいよい、そう固くならんでいい。こんなヨボヨボなジジイに畏まらんでよい。君と少し話をしたくて会いに来たのだ。」
老人提督は主人公の隣に座り会話を始める。
提督「今日のことを聞いたよ。作戦が失敗して長距離偵察機の2式飛行艇に拾われたことを。言い方が悪くなるが運が良いの。」
主人公「面目ありません。俺1人だけ。」
提督「バカこけ!上の連中になんて言われたか知らんがめでたいことじゃよ。ほら、これでも飲みたまえ。」
そう言うと提督は懐からコンビニで売られているような小瓶に入った酒を出す。
提督「生きて帰って来たことに乾杯じゃよ。」
主人公は酒の小瓶を受け取り提督と乾杯する。世間話を交えながら提督と会話をしていくなかで酔いが回ったのか提督の肩に小人みたいなものが見えて。
主人公「酔ってきたのか、提督の肩に小人がいますよ。」
と笑いながら言うと提督が目を丸くした。
提督「君、もしかてこれが見えるのかね?!」
提督が驚きながら主人公の両肩を掴み言った。
主人公「そうですけど、それが何か?」
提督は肩になっている小人のことを説明する。
提督「君が見えているのは妖精と言っての、艦娘の装備を手入れしたり装備を動かせるからとても重要なんじゃよ。」
主人公「へ〜それはすごいですね。小さいから可愛いし。」
提督は1分ほど無言になると主人公に対して。
提督「君、提督になる気はないかの?」
主人公は突然の提督の発言に驚く。なんせなんの取り柄もない自分に提督にならないかと言われたからだ。
主人公「なんでそうなるんですか!まさか、その妖精というのが見えることに何か関係があるんですか?」
提督はそのことについても説明する。
提督「妖精は普通の人には見えんのじゃ。見えるのは特別な適性を持っている人間だけなんじゃよ。」
主人公は妖精が見えているのは自分が特別な適性があることに驚いた。
提督「妖精が見えなければ提督にはなれん。これは必須事項じゃからの。君にはその適性がある。適性がある人間は限られてるから提督も人手不足での。君がパイロットを辞めて提督になりたいというなら私から君の上官に伝えるがどうかの?」
主人公はこの提督はお人好し過ぎるだろと心の中で思ったが主人公は迷っていた。なんせパイロットから提督になれるのだから。しかし、主人公は
主人公「考えさせてください。突然のことで頭の中が混乱していて。」
考える時間が欲しいことに提督に伝えると。
提督「そうか、いきなりすまんのう。確かに考える時間は必要じゃ。私も驚いたよ。適性がある人間がこんな近くにいたのだから。まぁ、すぐに返事をする必要はない。なりたいと思ったら私の鎮守府に連絡して欲しい、強制はしない。では、私はこれで失礼するよ。」
主人公は「ありがとうございます」と一言いって敬礼して帰る後ろ姿の提督を見送った。
主人公「提督か、考えたこともなかったな。」
主人公は家に帰り休暇が終わるまで提督になるかパイロットのままでいるかをずっと迷ったままだった。
こんな感じで1話は提督の過去編で終わりです。ザ・コックピットの台詞を沢山使う予定なのでつまらないかもしれませんが、見て感想をくれたら幸いです。完全に不定期での投稿になります。評価次第で続編を出すか決めようと思います。主人公の名前は次の話で命名します。艦娘たちは2話から出そうと思います。