1話~我が名はジョゼ・ポーラ~
フィオーレ王国にある、とある町にあるギルドにて1人の少年が書物を読んでいる。
少年の名は、ジョゼ・ポーラ。
父親の名は、ジョリー・ポーラ。
幽鬼の支配者の現マスターにして、偉大な魔導師であった。
母親は、ジョゼが産まれてすぐに亡くなり、父親であるジョリーが育ててきた。
「ジョゼ?今日も魔法の勉強か?」
ジョリーは、魔法の勉学に励むジョゼを見て怪しい笑みを浮かべる。
「これは、父上!おはようございます!今日もジョゼは魔法の勉学に励んでおります!」
「それは、良いことだ……して、今日は何を?」
ジョリーがジョゼが読む魔導書の本を覗きこむ。
「ほう……これは……さすがは我らポーラ家の宿願を果たす者よ」
ジョゼが読む魔道書は、失なわれた魔法が載る、禁忌の魔導書。
ジョリーは、元々魔導書を集めるのが趣味で、いろんな魔道書を集めていた、そこには失なわれた魔法【ロストマジック】の魔導書も含まれていた。
普通ならば、まだ幼い少年に失なわれた魔法【ロストマジック】の魔導書なで、与える親などいない。
しかし、少年ジョゼは天才であった。
産まれた時から、絶大な魔力を持ち。
教えてもいない魔法を使った。
父親である、ジョリーは確信する。
このジョゼこそが、【ポーラ家の宿願】を果たす魔導師となることを。
【ポーラ家の宿願】先祖である。
ジョフリー・ポーラから代々、受け継がれてきた意志。
あるギルドを潰し。
幽鬼の支配者がフィオーレ王国の最強のギルドだと証明すること。
小さく、くだらない野望だと他人は笑うだろう。
しかし、ポーラ家に産まれて、当主となった者は先祖の願いを叶えるべく生きていく。
まるで、呪いのような宿願である。
ジョリーは確信する。
このジョゼこそ先祖代々の宿願を果たす人物だと。
ならば、ジョゼを最強の魔導師とするべく、危険な失なわれた魔法【ロストマジック】の魔導書であっても自身の息子に与える。
ジョゼも父親ジョリーに答えるように、様々な失なわれた魔法【ロストマジック】を覚えているはずだったが。
父親ジョリーや先祖代々の宿願など、今のジョゼにとってはどうでもいいということを父親ジョリーは知らなかった。
ジョゼがなぜ、様々な魔法を覚え強くなる理由はただ1つ。
もう2度と人生を失敗しないためである。
そのためであれば、危険な失なわれた魔法【ロストマジック】ですら、血反吐を吐きながら覚える。
それが、時間を戻り赤ん坊の自分に憑依転生した未来のジョゼ・ポーラである。
ジョゼ・ポーラの新たな物語は始まっていたのであった。
「それでは、父上!僕は、新たな魔法を試してきます!」
美しい美少年の姿をしたジョゼは、父親ジョリーに別れを告げて、ギルドを飛び出すのだった。
町外れにある森の中。
「我が父ながら反吐が出る……何がポーラ家の宿願を果たす者だ……私がそのくだらない宿願とやらのせいでどんな人生を送ったのかも知らずに」
美しい赤紫の髪で美少年と呼ばれている少年ジョゼであるが、中身はあらゆる経験をしてきた未来のジョゼ。
美しい姿とは裏腹に、腹の中はドス黒い。
「……今は、力を付ける時だ……魔法の修練に励まなくては」
ジョゼは、今練習している。
失なわれた魔法【ロストマジック】の1つである。
「空間のアーク!!」
手のひらを前に向け。
魔力を込めて魔法を発動させる。
【空間のアーク】
あらゆる空間を繋げて空間を行き来する魔法。
本来、失なわれた魔法【ロストマジック】は、熟練の魔導師であっても、数十年習得するには時間がかかると言われているが、ジョゼは憑依転生する前から天才の分類に入る、それに光の妖精に師事して天才はさらなる成長を遂げていた。
少年のジョゼは見た目は少年だが、中身は憑依転生したことにより、天才魔導師である。
空間のアークも数週間で発動できるようになった。
だが、初めて使用した魔法である。
まだまだ改善する必要がある。
「さて……魔法は発動された……成功しているか確かめるか」
少年ジョゼは空間のアークにより、開かれた空間に歩み始める。
「…………成功のようだな……次は行きたい場所をイメージして使ってみるか」
空間を通ったジョゼの前には、見知らぬ場所が目に入る。
闇夜に包まれ、美しい月が辺りを照らしている。
昼間のはずだったが、この場所は夜になっていた。
「……ふむ。どういうことだ?」
少年ジョゼが頭をかしげていると
「ほう……私の空間に許可なく繋げた者が…………」
「…………?」
少年ジョゼは、声がする方に目を向けると
満月の光に照らされ酒の入った杯を持ってジョゼを、見下ろす美しい女性が。
「名を名乗れ人間の子よ」
怪しい笑みを浮かべた女性は、少年ジョゼに名を問う。
「……ふむ。我が名はジョゼ・ポーラ」
「面白い人の子よ……ジョゼと言ったな……どうやって私の空間に?」
「名乗ったのだ……貴様も名乗るのが筋ではないか?」
目の前の女性の圧に怯えることなく。
少年ジョゼは女性に名を尋ねる。
「ふふ……面白い人の子よ……いいだろう」
満月に照らされた女性は笑みを浮かべながら
「我が名は月神竜セレーネ!闇夜を照らす偉大な……月神竜ぞ?」
少年ジョゼと月神竜セレーネの出会いであった。
あり得ない、2人の出会いに物語は変わっていく。
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