テンペストに平穏が訪れていたある日――
暴風竜ヴェルドラは、いつものように「退屈だ!」と騒ぎ出す。

「師匠がヒマなのはアタシのせいじゃないよね!?」
「ラミリス様、実験装置のボタンを押されたのは事実です」
「黙れベレッタ! アタシの味方してぇぇ!」

ひょんなことから転移装置が暴走し、
ヴェルドラ、精霊女王ラミリス、そして忠実な従者ベレッタの三柱は――
まさかの“異世界オラリオ”に降り立ってしまう。

そこは神々が地上に降り立ち、迷宮都市が栄える世界。
規格外の三人の存在は、神々や冒険者たちの常識を軽く吹き飛ばしていく。

「神? ダンジョン? 面白い! 全部まとめて相手になろうぞ!」
「師匠、それ絶対やりすぎるやつじゃーん!!」
「ワレは平穏を望みますが……ラミリス様が暴れない限りは」

神と迷宮が交差する街で、転スラトリオが巻き起こすのは混沌か、それとも……?

これは、異世界を渡り歩く暴風竜と仲間たちによる、“神々とのファンタジック珍道中”の記録である。



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この設定も面白そうだなと思い書いてみました。
続きはどうしようか悩んでます。


異世界オラリオに現れし三柱

 

 

 澄み渡る青空の下、突如として空間が裂けた。

 光の柱が天に向かって伸び、眩い閃光とともに――ドォン!! という大音響が辺りに響き渡る。

 

 そして、そこから三つの影が勢いよく放り出され、オラリオ郊外の草原へと叩きつけられた。

 

 

 

 ――それは、まさに災厄の前触れであった。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「……ふむ。ラミリス、やはりお主が原因だな?」

 

 地面に転がりながら、金髪の青年――暴風竜ヴェルドラ=テンペストは、草を払いながら隣の空間を睨んだ。

 

「えっ!? ちょ、ちょっと待って師匠!? アタシ何もしてないよ!? ちょっとだけ、“異界観測装置・試作型”ってボタンを押しただけだし!」

 

「それを“やった”というのだ、貴様……!」

 

 ヴェルドラの眼がキラリと光る。

 

「ということはつまり! 新たなる異世界へと転移したわけだな!? これは素晴らしい! 我の退屈を打ち破るにふさわしい大事件ではないか!」

 

「やっぱりノリノリなんじゃん!! アタシばっかり悪者にするのやめてよねっ!」

 

 

 

 その横で、黒衣の執事服を身に纏ったベレッタが、静かに立ち上がった。

 

「ヴェルドラ様、ラミリス様。お怪我はございませんか?」

 

「我は無傷だ、ベレッタ」

 

「アタシも平気ー……って、あたしの翅がちょっとぐちゃっとしてる!? 直して直して!」

 

「……かしこまりました、ラミリス様」

 

 

 

 器用な手つきでラミリスの翅を整えつつ、ベレッタは空間の気配を静かに観察する。

 

「魔素の濃度、空気の流れ、地脈……。ワレの解析によれば、ここはテンペスト領外、つまり別世界と断定してよろしいかと」

 

「ほう、やはりそうか! ふむふむ、この世界……なんとなく“ダンジョン”の匂いがするぞ。あの建造物を見よ、あれは塔か? それとも……」

 

「あっ、ほんとだ! 師匠、あれなんかすごく“迷宮”っぽくない?」

 

「うむ、まさしく! お主のテキトー操作も、たまには役に立つのだな、ラミリス!」

 

「だからアタシは悪くないってばぁー!!」

 

「ベレッタ、お主の評価はどうだ?」

 

「ヴェルドラ様。あの構造物は明らかに“自然構築”ではありません。人工的に築かれた巨大建造物であり、地下へのアクセス経路が存在する可能性が高いと判断します」

 

「フム……つまり――」

 

「ダンジョンだな!!」

 

 ヴェルドラがマントを翻し、堂々と空に向かって指を差した。

 

「これは運命の導き……いや、世界の求めに応じて我が現れたのだ! 異界のダンジョンよ、我に挑むがよい!!」

 

「いや、挑まれるのはそっちでしょ!? しかもアタシたちまだ情報ゼロなんだけど!? ベレッタ、ちょっと師匠止めてよー!」

 

「……申し訳ありません、ラミリス様。ヴェルドラ様が本気で高揚しておられる時、ワレの制止は無意味でございます」

 

「なっ……そんな真顔で諦めないでぇぇぇ!!」

 

 

 

 そんなやり取りを続けながら、三人は笑いながら歩き出す。

 

 だが、彼らの存在が“世界の常識”から大きく逸脱していることに、オラリオの住人たちはまだ気づいていなかった。

 

 

 

 ――その夜、ロキ・ファミリア、ガネーシャ・ファミリア、ギルド、そして神会に非常召集がかかる。

 

 “迷宮外縁にて、正体不明の災厄級魔力反応を三体検知”

 

 それが、全ての始まりだった。

 

 

 

 なお、当のヴェルドラはそのころ草原の真ん中で腕を組み、

 「ふむ、次は“神”なる者とやらを見てみたいものだな」

 などと上機嫌に呟いていた。

 

 

 


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