▼私は初潮が中3の冬という大分遅い方で、生理がそもそも来にくいし(ほっといたら5年生理が来なかったので現在ピルで生理が定着するよう治療中)来ても軽い方なのですが、姉がピル飲んでなかった頃は大分しんどそうだったんで「生理って大変なんだな~」と言う感じ だからというべきか、高校のとき体育の女性教師が「学校に来られるなら生理も平気だろ、体育受けろ」と言い放ったことに関しては全く許していない
pixivより転載
藤丸立香は人類最後のマスターである。
しかし彼女は女性だった。何が問題かと言うと、彼女が健全な健康体であることだ。
即ち、生理が来る。どんな苦境だろうと、きちんと定期的に。しかも、特段軽い方でもなかったのだ。
そういうわけで、今月もきちんと来た生理に立香は苦しんでいた。マイルームのベッドで休んでいる。こういうときは、いつも彼女の部屋に忍んでいるサーヴァントたちも気を使って出払っている。
ダ・ヴィンチにはピルの処方を提案されていたが、どちらにせよ処方されて最初の方は経血は出るし、出なくなるのは相当先だ。そもそもがピルが合わない可能性だってある。試して見たいところではあるが、戦闘の際にピルが合わず不調となればやっていられない。なので、立香は鎮痛薬で生理を受け流していた。
(それにしても、今回は重いな……)
立香は痛みのあまりに息を荒くしながら、腹を摩る。
そう言えばこの間の戦闘が激しく、活性アンプルを打ちまくった。その影響かもしれない。彼女はベッドの前で丸くなった。
「おい、いるか」
不意に、ノックもなしに扉が開かれた。男の美声が響く。この声は印象的なので本当によく憶えていた。
「インドラ様……」
2m越えの大男、インドの主神。インドラがいた。彼は勝手に閉じる扉の前で言う。
「昼間から寝ているとは、堕落か?」
「いえ、その……あの、今日はちょっとお相手できません」
「そういうつもりではなかったが……どうした?」
要は「ただ顔を見たかっただけ」ということらしい旨を白状したも同然のインドラは、そっとベッドに近寄る。
「──具合が優れないのか?」
立香は、心配そうなインドラを見た。そして「この人ならいいかな」と判断した。
「……生理で……あの、月のものって言えば通じますかね?」
「あぁ、なるほど。鎮痛薬の類は飲んだのか」
「飲みました……でも今月重くて……」
「そうか」
そう言って、インドラはベッドに上がって来る。
立香は焦った。
「あの、今言った通り今日は──」
「愚か者、月のものが来ている女を抱く趣味はない。……辛いだろう。ちゃんと布団を被れ」
そう言って、インドラは掛布団を引き寄せる。そして立香の肩までかけた。
それから、布団の上から腰の辺りをポン、ポンと軽く叩く。
「温かくして、安心して眠れ。寝た方が楽だぞ。狼藉者はヴァジュラが押しとどめてやる。お前は今は何も気にしないことだ」
「……あの……」
「どうした」
インドラは、とても優しく微笑む。その微笑にときめいたが、すぐに生理痛を思い出してしまう。あいたた、と腹を押さえながらも、立香は言った。
「なんだか、インドラ様……すごく生理のことをわかってるみたいです」
そう言うと、インドラは顔を顰めた。
そして、言う。
「……生理痛は苦しい」
「えっ」
そう言えば、と立香は思い出す。
インドラはやらかしたことのために聖仙から呪いを受け、千個の女性器を身体中につけられたという。そしてそれらは実際に生理が来た上に、周期がばらばらだったと……。今のインドラが平気そうに見えたので立香はその話を「インドラの言うでたらめの逸話だったのかな」と思っていたが。
「……まさか、実体験?」
「あれは苦行だ。女に課せられている苦行だ。だから立香、薬でもなんでも頼って受け流すといい」
そう言って、インドラは再び立香の布団を叩いた。
色々な疑問が出たが、布団の温もりとインドラの優しい声音に、立香は眠りに落ちた。
「おい、アスクレピオスと言ったか。立香にもっと効く鎮痛薬は作れないのか」
「あまり強いとひどい眠気を伴うからな。マスター業に差し障りが出る。他のサーヴァント連中の薬の方が利くかもしれない、癪だが」
「わかった。探しに行く」
(探すのか……)
End.