マブラヴ グレートパトリオティックウォー 作:Eitoku Inobe
我が家を、我らの歌を守ってきた
もし再び、困難の時があれば
友よ、身を以て祖国を守ろう
-”故国への軍務”より抜粋-
110年後の君へ
ヴィクトル・フレツロフの死から50年後の2095年、BETA大戦と呼ばれる地球内BETA戦争の終わりから110年の年月が経った。
あの時BETAと戦っていた全ての将兵は己の天寿を全うし、2000年生まれの若者達も大半が寿命を迎えるか、90超えのじいさんばあさんとして余生を過ごしていた。
ヴィクトル・フレツロフの息子パーヴェル・フレツロフも2076年に亡くなり、パーヴェルのひ孫が現役となる世代となった。
この数十年の間に人類は惑星間航行能力を手に入れ、BETAに侵された月面に再び基地を作り、宇宙艦隊を編成した。
人類最初の宇宙艦艇は”コンスティレーション”、”鞍山”、”コンスタンチン・ツィオルコフスキー”の三隻、これから数多くの宇宙戦闘艦が生まれた。
人は学んだ、BETAが太陽系に存在する限り、いや宇宙の何処かにBETAが存在する以上戦争は終わることはない。
常に侵略の脅威は存在し、このまま地球に籠っていてもBETAの脅威は絶えず降り注いでくる。
であれば戦うしかない、BETAがこの宇宙から絶滅するまで。
人類は計り知れない傷を負い、この傷に誓ってBETAに対する復讐を始めた、その為に人類は月面からBETAを取り除いた90年以上前から準備していたのだ。
殆どの先進国は月面基地を設立し、地球と月に宇宙戦闘艦を建造出来る造船所を設置した。
それからBETAの技術やG元素、核融合などあらゆる分野の研究を行い三隻の宇宙艦艇が生まれた、それから人類の新しい大航海時代が始まったのだ。
国連宇宙軍は2058年に月の外周から離れた地点でBETA船団の襲来を確認しこれを撃退、地球圏防衛網以外でのBETA撃破はこれが初の戦果であった。
この時点で人類はBETAに対して勝ちを得られる軍艦を作ったと確信し、更に技術を高めて長距離航行を可能に出来るようにした。
その上で2064年に人類は超光高速航法を実用化し、現在の宇宙艦艇に繋がる技術を全て実用化した。
これから21年間、人類はひたすら宇宙艦艇を建造し、開放の日に備えてきた。
まずは太陽系からBETAを駆逐する、火星から冥王星の果てに至るまで、そこは全て人類の星だ。
国連宇宙軍はアメリカ宇宙軍の航宙空母”エンタープライズ”を総旗艦とし、日米ソを主力とした国連宇宙軍の大艦隊を火星へ差し受けた。
これがBETAに対する最初の宣戦布告だ。
ソ連宇宙軍はソヴィエツキー・ソユーズ級航宙戦艦”ソヴィエツキー・ソユーズ”を旗艦とし、”ソヴィエツカヤ・ロシア”、”ソヴィエツカヤ・ウクライナ”、”ソヴィエツカヤ・ベラルーシア”の四隻を各艦隊の旗艦とした。
この他にもユーリー・ガガーリン級航宙重巡洋艦八隻、ヴァリャーグ級航宙軽巡洋艦十六隻、グレミャーシィイ級航宙駆逐艦十八隻、タシュケント級航宙駆逐艦十八隻、ヴァレリー・チカロフ級航宙重巡洋艦六隻、主力戦闘艦七十隻、しかもフリゲートや補給艦、哨戒艦艇も入れると百隻は超える大艦隊になる。
彼らの背後には復興したポーランドやチェコスロバキアのワルシャワ条約機構宇宙軍、同盟国ユーゴスラビア宇宙軍の艦隊が後に続いていた。
火星に対する正面の攻撃はアメリカ宇宙軍とNATO宇宙軍の艦隊が担当し左右側面からの強襲を中ソ宇宙艦隊が担っていた。
合計すれば主力戦闘艦が三百隻は有に超える人類の大艦隊である。
対するBETAは4,000体を超える宇宙船団が火星の軌道上に待機しており、時折分遣隊を地球に派遣しては返り討ちにあっていた。
「作戦は予定通り3日後に実行出来そうだな、このペースなら米中に遅れを取ることもないだろう」
艦隊総司令官を務めるセルゲイ・シュロコフ上級大将は艦隊の移動ペースを見ながらそう呟いた。
彼はソ連海軍に似たダブルの黒い将官用常勤服を着用しており、胸にはレーニン勲章などを含めた略受章とアンドレイ・カラシィ名称軍事宇宙アカデミーの卒業徽章が取り付けられていた。
彼は元々ソ連の月面都市コロリョフスクに駐屯するソ連宇宙軍コロリョフスク宇宙艦隊の司令官であった。
月面都市は各国それぞれ複数存在し、ソ連の場合はコロリョフスク、ガガーリンスク、レーニンスクのような人名都市もあれば、地球上に存在する街の名前を取ったルーンノ・リガ、ルーンノ・ミンスクといった感じで名前がつけられていた。
ちなみに日本帝国の月面都市はかぐやである。
その中でもコロリョフスクは”ソヴィエツキー・ソユーズ”、ヴァレリー・チカロフ級”マーシャル・ベレンコ”、”マーシャル・フレツロフ”を含めたソ連宇宙軍の主力艦隊が駐屯しており、司令官も大将か上級大将が据えられることが多かった。
「やはり事前に何度か演習した甲斐がありましたな。この艦隊規模でも問題なく動ける」
参謀長イヴァン・エルネンコ中将は乱れることなく移動を続ける大艦隊の状態を見ながら呟いた。
「ああ、他の国の艦隊も無事に移動している。決戦は間も無くだ」
艦隊の後方に展開するヴァレリー・チカロフ級”ヴァレリー・チカロフ”では艦載機部隊の1つ、第306独立親衛戦闘航宙連隊のパイロット達が機体の調整を行っていた。
ヴィクトル・フレツロフが率いた伝説の連隊はソ連空軍からソ連宇宙軍に移管され、空母の艦載機部隊となった。
本部飛行隊を含めた4個飛行隊、合計51機の航宙戦術機を運用しており、練度はかなり高い。
そしてここに1人、彼の子孫がいた。
空軍や防空軍、宇宙軍航空隊を示す青い制服に青線の入った肩章、そして見慣れた金髪の髪色。
彼こそはヴィクトル・ロディオノヴィチ・フレツロフ宇宙軍大尉、ヴィクトル・フセヴォロドヴィチ・フレツロフの玄孫に当たる存在だ。
父はロディオン・アレクセーヴィチ・フレツロフ空軍大佐、彼は尊敬する曽祖父の名前を息子につけた、きっと息子も我々の跡を継いでくれると信じて。
それがヴィクトル・ロディオノヴィチは「空軍なんて狭い空なんぞにいられるか」と航空学校を卒業後、ソ連宇宙軍航空隊に属することを選んだ。
父ロディオンは当然反対したが、ヴィクトル・ロディオノヴィチは聞く耳持たずそのまま宇宙軍に入ってしまった。
「ヴィクトル、機体の調子はどうだ?」
フレツロフにそう尋ねたのはユーリー・ゲオルギーノヴィチ・メデツィーニン、同じくロディオン・メデツィーニンの玄孫に当たる人物である。
彼らは同じ航空学校で親友となり、同じ宇宙軍の道を選んだ。
先祖のことは全く関係なく彼らも親友となったのだ。
「問題ない、無人機の方もちゃんと見といたし、3日後の大戦にはそりゃもう英雄フレツロフなんて超えるほどの活躍を見せてやるよ」
「楽しみだ、そろそろ飯に行こう。腹減ったよ」
「いいね、行こう行こう」
1985年のヴィクトル・フレツロフに比べて2095年のヴィクトル・フレツロフはより勝ち気でヤンチャな性格をしていた。
空軍ではなく宇宙軍を選んだのもより広い宇宙という空間に飛び立っていきたいという思いがあったからであり、今のフレツロフにとって空ですら彼には狭かった。
性格は違うが内心は似たようなものなのだろう。
彼が整備をしていたのは愛機MiG-144航宙戦術機、可変能力がある上に宇宙区間での戦闘を目的とする機体であった。
熱核融合炉をエネルギー炉として武装として76mmレーザー突撃砲を装備しており、この他にもロケットポッド4基に加えてR/Kh-144マルチミサイルを数発、腕部小型レールガン2門、そして呼び含めた2本のレーザーブレードを装備していた。
このR/Kh-144は小型G元素ミサイルで空対空にも空対地にも空対艦にも使える優れものである。
他にも203mm無反動砲、152mm対物砲などを有しており、対艦攻撃専門機はKh-310空対艦ミサイルというG元素ミサイルを装備出来る。
更にG元素爆弾や核融合爆弾などの兵器も搭載可能であり、当然通常の500kg高性能爆弾なども搭載出来た。
しかもMiG-144は同スペックを誇るMiG-144BLAを3機を伴って戦うことが前提となっていた。
この他にもSu-147航宙戦術機などが配備されており、ソ連軍は主にこの2機を主力として運用していた。
これがBETA大戦で命をかけた末の未来である、人類は100年間着々と進化を遂げていたのだ。
その進化の結果が今BETAに対して示されようとしていた。
ーBETA領域 火星圏 火星軌道上 BETA船団展開領域ー
正面でアメリカ宇宙軍の大艦隊とBETA船団が交戦していた、戦線は安定して国連軍が押しており、BETA船団撃滅の為に左右側面から中ソの大艦隊が横合いを突く。
この時ソ連宇宙軍は右側面からの強襲を担当していた。
艦隊は右翼中央に火力を集中するデルタ型の凸陣形を形成しながら砲撃及び雷撃、ミサイルによる対艦攻撃を実施した。
攻撃の要はソヴィエツキー・ソユーズ級とユーリー・ガガーリン級らの戦艦と重巡洋艦戦隊、その支援にヴァリャーグ級とグレミャーシィイ級、タシュケント級らの駆逐艦が加わっていた。
無論槍兵級や戦術機級に備えて防空艦艇も揃えており、艦隊防空にも抜かりはなかった。
ソヴィエツキー・ソユーズ級の406mm三連装レーザー砲が上下合計6門、同時に発射して次々と移動しようとするBETA船団を撃沈した。
その支援にユーリー・ガガーリン級重巡洋艦とヴァリャーグ級軽巡洋艦が加わり、主砲からレーザーを放ってBETA船団に攻撃を加えた。
基本的にBETA船団は各船体に超重光線級や重光線級を取り付けた個体が砲塔代わりにレーザーを撃って来るが各艦艇が展開するラザフォード場シールドによって全て防がれた。
そのお返しとして軽巡の主砲ですら"ポーリュス"以上の威力を持つ主砲を叩き込む、敵のラザフォード場は一撃で打ち破られ、そのまま爆散した。
砲撃戦は戦艦と巡洋艦戦隊に任せつつ、グレミャーシィイ級駆逐艦とタシュケント級駆逐艦が艦対艦ミサイルと対艦魚雷を発射して支援に入った。
当然これらのミサイル群、魚雷群も中身はG元素ないし核融合弾である、直撃した地点ではオレンジ色の爆発や紫色の爆発が発生していた。
「現在の距離を保ちつつ砲撃戦を続行、接近するBETAは航空隊で撃退せよ」
シュロコフ上級大将が全体に指示を出し、それに合わせて各師団、各艦がBETAに対して攻撃を叩き込み、確実に数を減らしていった。
総旗艦"ソヴィエツキー・ソユーズ"からもKP-270モスキート艦対艦ミサイルが数発発射され、BETAの降下ユニットを数隻分轟沈させた。
僚艦のユーリー・ガガーリン級"アンナ・テレシコヴァ"、"アレクセイ・レオーノフ"からも艦対艦ミサイルと主砲の305mm三連装レーザー砲が発射された。
前面に出ているヴァリャーグ級"クラスノダール"、"アドミラル・オクチャブリスキー”、”マーシャル・ヤゾフ”、”アストラハン”から対艦魚雷が発射され、再び何十体かの降下ユニットが爆散した。
「BETA集団戦力の30%を喪失、中央の一部が分断されつつあります」
「ヴァリャーグ級"ハバロフスク"、"リガ"、BETAユニット二十隻撃沈、ルーンノ・ウラジオストク艦隊、BETA集団の分断に取り掛かります」
「同志上級大将、槍兵級、戦術機級が接近を確認」
「防空戦闘開始、フリゲート、駆逐艦各艦は絶対にBETAを近づけさせるな。BETA集団の分断に成功したら各航空隊を出し、近接戦闘を開始せよ」
「了解!」
戦術機級は本来宇宙戦闘能力はないが槍兵級2体を推進機装置として背中にとりつけて航宙能力を獲得、レーザー発射機構を強化して遠距離戦闘能力を強化していた。
接近する数千体の槍兵級と百体そこらの戦術機級は最大速度でソ連宇宙軍の艦隊に取り付こうとしていた。
だがこんなもの想定済みの攻撃である、グレミャーシィイ級、タシュケント級と各フリゲート艦から艦対空ミサイルと防空用のAK-1630MレーザーCIWSを発射し、BETAの接近を阻止した。
宇宙空間で炸裂する防空ミサイルが一度に数十体の槍兵級を撃墜し、CIWSの射程圏内に入った個体が次々と消し飛んでいった。
これは戦術機級も同様である、シールドを構えて艦隊に突入しようとしたが数発レーザーを喰らっただけでシールドが砕け、そのままCIWSの集中射撃を喰らって爆散した。
他の巡洋艦戦隊も個艦防空能力を駆使してBETAを撃破し、艦隊に被害を出す前に打ち倒した。
結果数千体いたBETAはものの数分で全滅、戦術機級も宇宙の塵となった。
かつて無敵を誇った戦術機級も今となってはただのBETAに成り下がったのだ。
「このままBETAを分断する。中央に火力を集中せよ!」
406mm砲、305mm砲、152mm砲の主砲群が一撃でBETAを破壊し、度々発射される対艦ミサイルが後方の降下ユニットにもダメージを与えた。
これでもまだBETAからは重光線級、超重光線級のレーザーが飛んでくる、まだ抗うつもりだ。
それでも各艦のラザフォード場シールドが攻撃を全て弾き、一切のレーザー射撃を無効化した。
攻撃と防御に回される出力が段違いだ、事実上BETAに反撃する能力はなかった。
決定打となったのは"ソヴィエツカヤ・ウクライナ"とユーリー・ガガーリン級"ユーリー・ガガーリン"、"ウラジーミル・コマロフ"による一斉砲撃だった。
直撃したユニットは轟沈し、ただ被弾しただけでも航行能力を失って発射中の超重光線級のレーザーを周囲に振りまきながら沈んだ。
これで中央のBETA集団が壊滅し、分断の危機が発生した。
ここぞと言わんばかりに駆逐艦群、特にグレミャーシィイ級"グローズヌイ"と"ウダールヌィイ"が雷撃による打撃を与えて最後の一手を繰り出した。
右翼中央は崩壊、それより3分ほど前に人民解放軍宇宙軍の南昌級航宙重巡洋艦"旅順"、"大連"らによる強襲が決め手となってこちらも崩壊していた。
中欧はアメリカ宇宙軍が順当に砲撃戦で押し上げている、殆どの正面戦力を引き受けている為負担は大きいが、そこはイギリス王立宇宙軍の"イラストリアス"、"アドミラル・フィッシャー"、"クイーン・エリザベス2世"、フランス宇宙軍の"ストラスブール"、"アルザス”、ラ・ファイエット級各艦、日本帝国宇宙軍の金剛型宇宙戦艦、村雨型宇宙巡洋艦、磯風型宇宙駆逐艦らが負担を軽減した。*1
「BETA集団の分断に成功、戦闘段列が崩壊しています」
「最右翼のBETA集団は航空隊による対艦攻撃で殲滅する。火力は中央より左に集中、最右翼には航空隊突入までの間ミサイルで対処せよ」
「了解!」
戦いを始めてみれば案外呆気ないものだ、かつて地球人類を滅亡の危機に陥れたBETAは国連宇宙艦隊を前に全滅の危機に直面していた。
休むことなくレーザー砲撃は絶え間なく降り注ぐ、破壊されたBETAの降下ユニットが周囲を漂っている。
宇宙の真っ暗闇に1つの閃光が現れては消える度にそこに存在していた数十のBETA降下ユニットが消えていった。
それは宇宙の灯、愚かで安易な方法に手を出した異星人への罰、人類の新しい門出の光。
火星を我がものとすることで人類の復讐は完了するのだ、太陽系からBETAを殲滅することでようやく人類は新しいフロンティアへと足を踏み入れられる。
その為の犠牲がBETAである。
国連宇宙軍の艦隊は距離を詰めながら火力を集中し、BETA撃滅の最終段階に入ろうとしていた。
間も無く太陽系からBETAが消え、人類の外宇宙時代がやって来るのだ。
誰もがそれを明るい雰囲気で待ち望んでいた。
ヴァレリー・チカロフ級航宙空母の一番艦"ヴァレリー・チカロフ"、ソ連宇宙軍の主力空母である。
ソ連宇宙軍の航宙空母はまずオリョール級航宙重航空巡洋艦から始まり、次にアドミラル・ゴルシコフ級航宙重航空巡洋艦、そしてヴァレリー・チカロフ級とその系譜を繋いでいった。
現在モスクワ級は殆どが近代化改修を受けている最中であり、空母の主力はアドミラル・ゴルシコフ級とヴァレリー・チカロフ級であった。
このうちヴァレリー・チカロフ級は六隻が建造され、間もなく七隻目が試験航行を終えて就役する予定であり、来年には八番艦が進宙式を執り行う予定である。
艦名はソ連邦英雄ヴァレリー・チカロフの名を艦名に頂いた"ヴァレリー・チカロフ"、二番艦に航空元帥アレクサンドル・ポクルィシュキンの名を頂いた"マーシャル・ポクルィシュキン"三番艦"マーシャル・コジェドゥーブ"、四番艦"マーシャル・ベレンコ"、五番艦"マーシャル・ベルグロフ"、そして六番艦"マーシャル・フレツロフ"である。
前級アドミラル・ゴルシコフ級がその名の通りソ連邦海軍元帥かソ連宇宙軍にゆかりのある人物の艦名をつけるのに対して、ヴァレリー・チカロフ級はソ連邦英雄と航空元帥の階級を得たエースパイロットが主に艦名に用いられる。
七番、八番艦も既に"マーシャル・ヴァルクーニン"、"マーシャル・ルデーンコ”と航空元帥達の名前が名付けられた。
このうちフレツロフが乗っているのは一番艦"ヴァレリー・チカロフ"、所属部隊は第306独立親衛戦闘航宙連隊である。
4個飛行隊を有する同連隊であるが、直接人間が動かすのは1個飛行隊が限度であり、残りは全て無人機であった。
今のソ連軍は戦術機の運用を有人機1、無人機3の組み合わせで使っている、4機がデータリンクで繋がり、共に戦うことで最大限効率的に能力を発揮出来るのだ。
フレツロフの機体にも無人機MiG-144BLAが3機付いており、これの操縦はバージョンアップを重ねたモースクが担っている。
『連隊長マリロフ大佐より各機へ、間もなく発艦しBETAに対する対艦攻撃を実施する。我々の主目標は迎撃に出るであろう戦術機級、槍兵級の迎撃しつつ対艦攻撃も行う。対艦攻撃は主に第405戦闘爆撃航宙連隊が行う為まずは彼らに1体たりともBETAを近づけさせるな!』
「了解…!おいモースク、久しぶりの仕事の時間だ。ご先祖様の時を思い出すか?」
フレツロフは機体に搭載されているモースクの端末に話しかけた。
"君を見ていると昔のフレツロフをよく思い出す。目指した先は違くとも心根は同じだと私は思うがね"
110年前と同じようにモースクは次代のヴィクトル・フレツロフに向けて話しかけた。
モースクがフレツロフに声を掛けたのは彼がアカデミーに入学した時、最初から同姓同名のフレツロフに目をかけていたのである。
「何が心根は同じだデータの塊の癖に。とにかくご先祖様に負けない戦いぶりを見せないとな……武者震いがするよ」
"では出撃前にもう一度聞いていいか?何故君は宇宙で戦うことを選んだ?他にも選択肢はあったのに"
モースクはかつて生まれた瞬間に先代ヴィクトル・フレツロフに話したことをもう一度尋ねた。
返って来る答えは何となく分かっていてももう一度聞いておきたかった。
「そんなの決まってるじゃないか、宇宙をBETAから取り戻すためだ。この広く神秘に満ちた宇宙が片隅でもBETAなんぞに奪われてるなんて屈辱じゃないか。俺は奴らを殲滅してこの宇宙をもう一度取り戻したいんだ」
モースクは本来ついていないはずの笑うという機能を行使した、まるで110年前以上前のあの日に聞いた言葉そのままだ。
"やはり君は昔のフレツロフに似ているな。そっくりだ"
「だが俺はご先祖様よりもっと広い宇宙を目指した、心の大きさは俺の方が広いはずだ」
"そうかもな"
『フレツロフ大尉、発艦どうぞ』
「……時間が来たか、了解!306103、ヴィクトル・フレツロフ大尉出る!」
フレツロフの操るMiG-144がカタパルトから射出されて宇宙空間へ飛び立った、即座に自らの無人機と合流し、隊長機に続く。
後続からはメデツィーニンの隊が続いた、他にも有人、無人問わず数多くのMiG-144が"ヴァレリー・チカロフ"から出撃した。
他にも同じ"ヴァレリー・チカロフ"に搭乗しているSu-240前線爆撃機が続き、第306独立親衛戦闘航宙連隊の後ろに付いた。
各艦からはSu-147なども出撃し、確実に100機は超える戦術機がBETA船団に向けて強襲に向かった。
当然迎撃の為にBETAは槍兵級や戦術機級を投入して迎撃に打って出た。
「敵を補足」
『我々が前に出る、正面突破を図るぞ!』
「了解!」
マリロフ大佐のMiG-144に続き、フレツロフもMiG-144BLAを率いて戦闘に参加した。
戦術機級はレーザーを放ってMiG-144を撃墜しようとするが全く効かない、この時代の戦術機はラザフォード場シールドが標準装備だ。
防御をシールドに任せ圧倒的な機動力で接近しながら、76mmレーザー突撃砲の弾幕射撃で槍兵級を撃滅し、左手に手にしたレーザーブレードで戦術機級を一刀両断する。
爆散する戦術機級の相手などせず、即座に近くにいた別の戦術機級をレーザー砲で撃ち抜いて撃墜した。
周りの槍兵級は無人機のMiG-144BLAが対応し、次々と撃墜していった。
その間にフレツロフは接近してレーザーを叩き込み、残骸を蹴って次に進み、ロケット弾と腕部のレールガンを叩き込んで別の戦術機級も仕留めた。
長刀を手にして接近しようとする戦術機級は逆にレーザーブレードで長刀ごと切断した。
「110年前のロートルで勝てる訳ねえだろ!」
大体3分くらいの戦闘で迎撃に出たBETAは全滅した、文字通り槍兵級1体すらも残らなかったので本当に全滅したのだ。
そのまま一行はBETA船団の戦闘列に突っ込んだ。
迫る槍兵級や戦術機級を仕留め、R/Kh-144マルチミサイルを発射して前衛の降下ユニットを何体が破壊し、まずは防空能力の喪失に着手した。
接近して重光線級などの撃破に邁進し、そのまま戦術機級も何体か仕留めた。
「生きてるかメデツィーニン!?」
『当り前、我々で畳みかけるぞ!』
「了解!」
後方警戒をMiG-144BLAに任せ、フレツロフ機とメデツィーニン機が突撃砲を放って更に数体の戦術機級を撃破し、長時間照射モードで接近する槍兵級を全て薙ぎ払った。
接近戦を挑もうとする戦術機級にもまずフレツロフ機が蹴りを入れて体勢を崩し、更にそこへメデツィーニン機が両腕のレールガンを叩き込んで撃破した。
他の無人機もBETAの迎撃に専念し、戦術機級出会っても問答無用で斬り倒していた。
別の箇所では”マーシャル・ベレンコ”から発艦したSu-147がマルチミサイルを同時に数発発射して一度に1個飛行隊分の戦術機級を仕留めた。
「粗方片付いたか…」
”下から来るぞ”
「わかってるよ!」
警報の直後下にいた降下ユニットが防空用の光線級からレーザーを発射してフレツロフ機を撃墜しようとした。
2発は回避して1発はラザフォード場シールドが防ぎ、下の降下ユニットに対してP/Kh-144マルチミサイルを発射して光線級周辺を丸ごともぎ取った。
炸裂する破片を避けながら突撃砲の120mmグレネード弾を叩き込んで更にダメージを与える。
降下ユニットの護衛にきた戦術機級の斬撃を回避し、シールドを持つ左手をレーザーブレードで切断し、防御能力が激減したところでレーザー弾を撃ち込んで撃破した。
更に1体の戦術機級がレーザーを撃ちながら突っ込んでくる、フレツロフ機はレーザーをシールドで弾きながら流れるように戦術機級の頭を蹴飛ばし、すれ違い様にレーザー弾を叩き込んでそのまま仕留めた。
『連中は弱い!あの大型の戦術機級なんぞ相手にならん!このまま殲滅しろ!』
連隊政治部長のセルゲーエフ中佐が連隊を鼓舞し、自身も一度に2体の戦術機級をレーザーブレードの斬撃で両断して撃破した。
既にBETA側の防空能力は壊滅し、Su-240の編隊がBETA集団に向けて突入しKKh-311宙対艦ミサイルを降下ユニットに叩き込んだ。
衝撃とG元素、或いは核融合爆発により降下ユニットは大破し、最悪の場合はそのまま轟沈した。
迎撃を止めようにも大半の降下ユニットは先行したMiG-144、Su-147によって光線級や護衛のBETAが排除されており、救援に向かう事は出来なかった。
単純性能が違う、110年前の大戦争時点で更新が止まっているBETAと、110年間軍事力を鍛え続けてきた人類とではここまで差が出た。
110年前に地球と月面の同胞を見捨てた火星圏のBETAに報いの時が来ようとしていた。
それでも彼らは争った、かつてベルリン・ハイヴが生み出した切り札を投入して。
何体かの降下ユニットから新手のBETAが出現する、無論それらは既に各戦術機が後方のYak-447早期警戒機によって捕捉されていた。
『新手を確認、超戦術機級です』
「あれか……」
フレツロフのMiG-144からも新しく出現した超戦術機級は確認されていた、数は12以上、全て第一形態であった。
かつては百機近い戦術機を葬った強敵であった超戦術機級であったが、果たして今の環境にはついて来れるのか。
これにはフレツロフも不安があった、あの無敵だの無敗のパイロットだの1人で戦術機級を100体倒しただの言われていたご先祖ヴィクトル・フレツロフですら苦戦した相手だ。
超戦術機級は現代の戦術機と同様にラザフォード場によるシールドを展開し、遠隔操作の浮遊砲台を用いて攻撃してくる。
レーザー攻撃の出力も通常の戦術機級と段違いであり、若干勝てるかどうか不安であった。
「モースク!確かご先祖様と一緒にあれと戦ったことあるんだよな?勝ち方は覚えてるよな?」
”勿論、まず指定したラザフォード場展開装置を破壊しろ。浮遊砲台はこちらで引き受ける”
モースクの発言と同時に僚機のMiG-144BLAが先行し、超戦術機級との戦闘に乗り出した。
まず浮遊砲台と触手のレーザーを超戦術機級が引き受け、その間に手薄となったフレツロフのMiG-144が攻撃に入る。
当然だが超戦術機級は大出力レーザーを発射して接近抑止を果たそうとし、接近すれば大出力レーザーブレードで斬撃を繰り出した。
大きい一撃を回避するとまず小手調べとしてレーザー弾を数発叩き込む、突撃砲のレーザーであってもシールドは破れないようだ。
となれば接近してレーザーブレードで無理やりシールドをこじ開けるしかない。
超戦術機級のレーザー弾を回避しながら一部はこちらのラザフォード場シールドで弾き、押し通った。
右手の武装をこちらもレーザーブレードに持ち替え、出力を上げて超戦術機級に突きの一撃を与えた。
まず左肩部の発生装置を破壊し、次に左足のラザフォード場発生装置を横一線の斬撃で破壊し、牽制でレーザー弾とレールガンを放って距離を取った。
レーザーとレールガンの一撃は直撃した箇所の装甲を破壊し、少しずつ第二形態の全貌を明らかにした。
距離を撮りながらレーザーブレードで触手を数本切断し、可能な限り僚機の余力を作る。
「後4箇所か……だが行ける」
”君の先祖も出来たのだ、君が出来ぬはずがない”
「言われなくても!」
大出力レーザーを回避しながら左手に持っていたレーザーブレードを最大出力を維持したまま超戦術機級に投げつけた。
ラザフォード場によってギリギリで防がれたが、これは陽動に過ぎない。
その間に回り込んだフレツロフのMiG-144が両手に持つ突撃砲2門と兵装担架の突撃砲2門による最大出力の合成レーザー弾を超戦術機級の背後に叩き込んだ。
後方に展開されているラザフォード場も一撃で粉砕され、背中の触手発射機構ごと爆散した。
これで状態が一気に変わった。
「モースク!」
手隙となったモースクの操るMiG-144BLAが一気に加速し、フレツロフが投擲したレーザーブレードを掴み、その刃を胸のラザフォード場発生装置に突き刺した。
ブレードはゆっくり、確実に装甲を溶解させて本体にまで到達しようとしていた。
これを避ける為に超戦術機級は装甲を全てパージし、近くにいたMiG-144を全て跳ね除けた。
”あれが第二形態だ、来るぞ”
8門の浮遊砲台を射出して再びMiG-144を攻撃し、戦闘には入った。
「ここまで来ればもう勝ちは決まった!畳み掛けるぞ!」
”了解”
2機のMiG-144BLAで浮遊砲台を抑えつつ残り2機で本体との戦闘に臨んだ。
どちらか片方が陽動を務め、片方が攻撃を叩き込む、基本プログラムでは無人機が陽動を務めることになっているので攻撃はフレツロフの担当となった。
レーザー弾とロケット砲でBETAの注意を引きつつ、巨大なレーザーブレードを回避し、残っているP/Kh-144を発射して直撃する前に起爆し、周囲に小規模のG元素爆発を巻き起こした。
G元素の炸裂とラザフォード場の衝突によって一時的に全ての防御機能が失われ、そこに隙が生まれた。
突撃砲の冷却を完了したフレツロフ機が再び4門同時の合成レーザー弾を叩き込んだ。
主にラザフォード場の展開が疎かになっていた左腕、左足、左の片翼がレーザーの直撃を受けて溶解し、全てもぎ取られた。
腰に突撃砲を取り付け、フレツロフは予備のレーザーブレードとMiG-144BLAからレーザーブレードを受け取り、間髪入れずに次の攻撃を叩き込んだ。
両肩のロケットポッドのロケット弾と胴体に取り付けられているレーザー機関砲を発射して超戦術機級を牽制し、接近した後に超戦術機級を四つ切りにした。
超戦術機級は爆散し、その爆炎の中をフレツロフのMiG-144が炎を切り裂くように中から現れた。
「所詮は110年前の敵、今の我らの敵ではないということか」
周りを見ると他の編隊も順当に超戦術機級を追い詰め、特に撃墜される機体もなく超戦術機級を仕留めていた。
4機のMiG-144にレーザーブレードで串刺しにされていたり、或いは4機同時の合成レーザー弾で消し炭になったり、少なくとも出撃した12体は全て撃破された。
他の戦術機級もSu-147らによって全て始末され、Su-240が空対艦ミサイルを放って残る降下ユニットを仕留めていった。
分断された右翼の主力は艦隊の砲撃によって壊滅状態に陥り、全滅するのも時間の問題であった。
「勝ったな、完封勝ちだ」
”BETA集団は後5分後に全滅する。最早軌道上のBETAは戦闘集団としての体を成していない。しかし110年経っても自らでは一切の自己進化を行わなかったとはな”
「別にいいだろう、滅びる道を選んだだけだ。奴らが120年前に地球に攻めてきた時の報いを受けただけだ」
この世のBETAが全滅するまで戦い続ける、そこに妥協は許されない。
BETAを殲滅した国連宇宙軍の大艦隊はBETAの残骸を押し除け、火星軌道上に展開する。
戦争はまだ終わったわけではない、あの星の中にはまだBETAが残っている。
BETAは1匹残らず皆殺しだ。
軌道上に展開していたBETA集団は文字通り全滅した、戦闘が事実上決着した後も戦術機やミサイル艇による掃討作戦が実行され、1体残らず撃滅した。
一部部隊は残骸の撤去を行いつつ、主力艦隊は火星軌道上に展開し、各艦隊で分かれて対地上掃討に移った。
火星上には無数のハイヴが存在している、確認されているだけでも1958年には火星圏に展開しているのだからそれは地球、月面の比ではない。
だが軌道上さえ抑えてしまえばあとは何とかなる、軌道上の艦隊決戦で勝ちきれなかった時点でBETAの負けは明らかであった。
ソ連宇宙軍は艦隊を師団レベルまで分散し、各師団ごとにハイヴの存在する領域に展開した。
殆どのハイヴはフェイズ7以降、恐らく衛盾級を使って上空にラザフォード場を展開しているだろう。
「同志上級大将、全艦配備完了しました」
「うむ、ではこれより作戦第二段階に基づき、対ハイヴ掃討戦を開始する」
「主砲、全砲門を同軸にセットし、合成レーザー照射を開始。目標、目下月面ハイヴ」
"ソヴィエツキー・ソユーズ"艦長フョードル・イルクーシン大佐が命令を出し、艦長の指示通り砲門を全て同じ場所に向け、最大主力のチャージを開始した。
「各砲門軸線合わせよし。射線上に友軍艦艇なし」
「エネルギー充填率100%に到達」
「砲撃準備完了」
「撃て!」
"ソヴィエツキー・ソユーズ"の406mm砲6門が一挙にレーザー弾を発射し、それがある一点で結びついて巨大な1本線のレーザーに変化した。
元々超重光線級や超戦術機級が持っていた合成レーザーの技術である、残骸の解析によって人類はこれを実用化した。
極太のレーザーは瞬く間に火星の大気圏を突破して地上のハイヴに直撃した。
1秒も経たぬ間にハイヴの上部構造を全て吹き飛ばし、地中を抉って内部のBETAを一掃し、そして最奥まで到達した。
内部に鎮座する重頭脳級は何の抵抗も出来ぬまま、何の思考も出来ぬまま一撃で消し飛ばされた。
それはルディヤーナー・ハイヴの再来、いやそれより悪夢だろう。
他のハイヴも同じようにたった一撃で最奥まで突破され、頭脳級が破壊されてハイヴとしては死んだ。
ヴァリャーグ級であっても合成レーザー弾を発射すればフェイズ7以降のハイヴであろうと一撃で粉砕出来る。
何せヴァリャーグ級の主砲であっても"ポーリュス"以上の火力を発揮するのだ、いくらラザフォード場を展開しようと、いくら地下深くに籠ろうと火力が違う。
アメリカも中国も日本も韓国もイギリスもフランスも、皆合成レーザー弾でハイヴを吹き飛ばし、BETAを殲滅した。
次々とハイヴが消失することにより、エネルギー源を失ったBETAは右往左往し最も近いハイヴを目指して移動を開始した。
だがそのハイヴも一撃で破壊され、BETAは再び路頭に迷った。
彼ら通常のBETAに残された道は1つ、餓死である。
エネルギーがなくなり飢えて死ぬ、今までたらふく人類を食ってきた化け物としては妥当な末路だ。
ハイヴを破壊したら艦隊は即座に移動し、次のハイヴを破壊した。
140年以上火星を支配したBETA帝国が今、崩壊の時を迎えようとしている。
何十年かけて作り上げたハイヴが1分も経たぬ間に破壊され、何百万体のBETAがエネルギーを求めて右往左往している。
何がいけなかったのだろうか、110年前にベルリン・ハイヴを見捨てたのが運の尽きだったのだろうか、それとも1,000体近いBETAを送り込んで失敗したのが問題だったのだろうか。
地球に手を出したのが第一の問題だったのか、恐らくは全てがそうだ。
BETAは人類という種に技術と復讐心と拡大主義の心を与えてしまった、軌道上の降下ユニットの残骸は人類によって解析され、核融合炉の設計に一役買った。
光線属種を含めるレーザー発射機構は現在の全ての兵器に流用され、彼らが遺したG元素は兵器の根源となった。
今となってはG元素なぞ人工的に生成出来る、だがその人工生成が出来るようになったのはBETAのせいだ。
彼らは人類にいろいろなものを与えすぎてしまった、その報いの時がやってきたのである。
BETAが消えていく、冷戦という最悪の時代に片足を突っ込み、返り討ちに遭ったBETAに最後の刃が振り下ろされようとしていた。
2095年、人類はこの年を太陽系解放の年と呼ばれるようになった。
火星のBETAが駆逐され、この太陽系から文字通りBETAが全滅した、太陽系に存在していたBETAはこれで絶滅したのである。
そして2096年より人類は火星のテラフォーミングを開始、やがて火星圏も人類の領域となった。
そしてそれより4年後の2100年、BETA大戦終結より115年後の未来、人類は太陽系の外に出た。
この銀河のどこかに潜んでいる全てのBETAを駆逐する為に、二度と地球がBETAの手によって蹂躙されないように、新しいフロンティアを広げる為に。
人類は初めて外宇宙へ飛び出した。
地球人類という新しい星間国家が誕生した瞬間であった。
おわり