貞操逆転世界で湿度高めヒロイン達を無自覚に沼らせる転生者~死にゲー世界で鬱エンドを迎えるヒロイン全員救う、全員が曇る 作:しば犬部隊
◇◇◇◇
「あああ、ああ、なんで、なんで、またっ、またあああああ、やだああああああああ、もう……もう」
悲鳴!?
俺は首だけの状態から現在の状況を確認する。
……俺を見て絶望の声を上げているレナリアさん。
レナリアさんを制止するギャル達。
……マズい、加速の世界が解除されているのか!!
彼女達からしてみれば、俺を囮に逃走した瞬間、気付けば俺が断頭されている状況になっている訳か。
いや、だが、シュガーにも致命傷を与えている……!
なんか、こう、良い感じに痛み分けですよという事が伝わらないか!?
「り、リヒトさん、首、首が……またっ、あああ、あああ、私、私達が、置いていったからっ」
「うそ、あたし……あたしのせいで、男の子を……死なせた、あれ、不死? でも、不死なら、いいの? え、え、?」
「おぼろろろろろろろろろろろ」
ダメそう!
比較的冷静だった魔術師ギャル達と委員長もグロッキーになってしまっている。
いや、それよりも! どうして、レナリアさんは意識を取り戻している??
”嘆き虫ののど飴”、ぜんっぜんダメじゃねえか!!
原作でも、こんなに効果時間短かったか!?
シュガーは……心臓のダメージの回復に集中しているようだ。
俺は、体を灰化させ、再生する。
クソッ、一気に死に過ぎた……!
再生まで時間がかかる……!!
間に合え間に合え間に合え!
よし、よしよしよし、体がだいぶ再生して──。
「げほっ、まさか、ここまでダメージを負うなんて、さ~」
シュガーの赤い眼がにまりと歪む。
大魔族の指先は、俺ではなく、魔術師達に向けられている。
シュガーシュガー、対人戦に長けた大魔族。
つまり、人がやられて嫌な事が上手い奴だ。
「”加速刃”」
「させる、か!!」
ガキ──ぶじゅっ。
再生した肉体ですぐさま、魔術師達を庇う。
さっき使っていた刀──”血屍累々”はシュガーの胸元に突き刺さったままだ。
加速刃は、棘鉄拳で弾く──しかし、肉体の再生が甘かった。
弾きれなかった斬撃に、胴体を袈裟斬りにされる。
ドバドバと垂れる血、加速によるダメージ無効まで適応するにはもう少し時間がかかるか……!
「あははは~──お互い頑丈だねえええええええ、不死く~ん」
「バケモンがぁ、心臓潰してんだ、さっさと死ねよ」
魔術師たちを背中に庇い、大魔族と相対する。
問題は、ない。
仕切り直しだ。
「あっ、り、リヒト……」
背後から、レナリアさんのか細い声がかかる。
決めただろ、リヒト・テトグマン。
死んでいいのは、俺だけだ。
彼女達は、絶対に死なせない。
故に、まずは彼女達を落ち着かせる事が先決だ……!
さっきは勢いで逃走してくれた彼女達の足が止まってしまっている。
引きつづき、彼女達には逃げて貰わなければ……!
「レナリアさん! 見ての通り! 俺は不死だ! だから、問題ない!」
「え?」
「ほら、見てくれ、どれだけ斬られても、血を流しても、首を落とされても、俺は死なないんだ! だから──」
逃げてくれ!
そう言おうとした矢先だった。
「──なんで、そんな事、言うの……?」
「え?」
「ああ、そっか──私か」
レナリアさんだ。美しい青い瞳は、今や夜の砂嵐のようなドロドロの瞳に変わって。
「私が、リヒトにそんな事、言わせてるんだ」
レナリアさんの暗い声が。
《終わるよ》
短めでも、毎日更新の方がいいのではないか?
という疑問がふと湧いたのでしばらく短めで更新ペースを早めてみます。
これで読みにくいと言う方が多かったり、ブクマがあまりにも多く剥げたりしたら通常の月2回~3回更新ペースに戻します。