噂の飛び交う学校へ転生した 作:ブラックホール
5月1日です。
Aクラス√は次の土日です。
遂に5月1日を迎えた。
携帯に振り込まれたポイントを確認し、朝登校する。あまり早く登校すると色々聞かれそうなので遅めに登校した。
Bクラスに入ると案の定ポイントの話で持ちきりだった。
ギリギリに登校したので席が近い人達にしか聞かれなかったが、面倒なので適当にはぐらかしておいた。
先生が入ってきた。
「Bクラスの皆さ〜ん、おはようございま〜す。何か聞きたい事はありますか〜」
ご機嫌な様子の星之宮先生に一之瀬が質問する。
「星之宮先生、今月振り込まれたポイントについて説明して頂けますか」
「そうだね〜、その前に皆にはまずこれを見て貰おうか」
そう言って白い厚手の紙を取り出し、広げた。
Aクラス 950cp
Bクラス 930cp
Cクラス 500cp
Dクラス 0cp
「これは各クラスの成績で〜す。もし皆さんが951ポイント以上残せていたら皆さんはAクラスになっていました〜」
Aクラスは超えられ無かったか…
それだけAクラスは強いと言う事だ。他クラスも僅かに変化している。
それから星之宮先生はSシステムについて説明してくれた。入学して間もない頃に俺が説明したのでBクラスは特に驚か無かった。
小テストの結果が張り出された。
首位は俺。次点で一之瀬、そして神崎・浜口と続き、大半が80点台だった。
赤点の説明をされて一部の生徒が少し緊張していた。
「そうそう、月末に中間試験があるの。このクラスなら高得点を取ってくれると先生思ってるから頑張ってね〜」
最後にそう言い残してホームルームが終了した。
先生が退出するとクラスは多少ざわめき出した。
Aクラスには勝てなかった事とCクラス以下を大きく引き離した事で程良く引き締まった雰囲気となっていた。
「皆、ちょっと良いかな?」
そんな中一之瀬が教壇に立った。俺の方を一瞬見るが直ぐに視線を戻す。俺の方を向いていたクラスメイトも自然とそちらを見る。
「私達はポイントを多く残せた。これから私達はAクラスでの卒業を目指す為にもっと上を目指さなければならない。同時に皆で卒業しなければならないの。その為にはここにいる全員の協力が必要だと思うな」
クラスメイトが頷く。ポイント差から考えて打倒Aクラスは全員が意識している事だろう。
「それでね、調べたんだけどこの学校は非常に退学者が多いの。きっとテストだけじゃなくて他にも原因はあると思う。Bクラスだからって安心出来ないんだ。それで、私からの提案なんだけど…」
一瞬目だけが俺の方を向いた。俺が頷くと表情を一瞬明るくして直ぐに戻す。そして再び話し始めた。
「いざって時の為に、毎月入ってくるポイントの内、一定額をクラスの貯金として集めて行くってのはどうかな?」
「良いと思うっ」
「帆波ちゃんに賛成っ」
クラスメイトの大半が一之瀬の意見に賛成する。原作でも一之瀬はポイントをクラスから徴収していた。故にこの光景は起こるべくして起きた光景だった。
「ありがとう、それで、金額を決める前に私から話があるんだ」
この後の話が重要だった。
「さっきも言った通りこの学校は退学者が多いの。でもね、その退学を回避する方法があるんだ」
退学と言う言葉に何人かの顔が強張った。同時に回避する方法に皆の関心が行く。
「退学の取り消しはポイントで購入出来るんだ。先生に聞いてみたんだけど…
2000万ポイントとクラスポイント300ポイントを支払う事で回避出来るの」
「2000万って…」
「高過ぎだろ…」
「クラスポイント300も凄いけど…」
クラスがざわついた。あまりの金額の高さに唖然としている。仮に1人当たり毎月10万貰えても卒業までに貰えるポイントの総額は360万だ。
「な、長州君…退学を回避する方法は他に無いの?」
情報通だと思われてる俺にクラスメイトの視線が集まる。
俺は首を横に振った。
「凄く残念だが、これ以外に退学を回避する方法は無いんだ。後は精々テストで赤点を取った時にポイントで点数を買うことくらいしか出来ない。最もBクラスが退学になるとしたらテスト以外の事情だと俺は思うが」
俺の言葉にBクラスは唖然とする。退学回避の方法は他に無い。
「それでね、どんな試験があるか分からないけど、私は皆に退学して欲しくないの。だから」
退学をどうしても回避したいと言う彼女に視線が集まる。
「集めるポイントなんだけど、毎月5万ポイントずつ集めたいと思ってるの。そうすれば10カ月で2000万になるから。皆には厳しい提案だと思うけど、どうかな?」
「良いと思うよ〜」
「全部集めて良いと思うっ」
「一之瀬、俺のポイント全額受け取ってくれっ」
皆口々に一之瀬の意見に賛成する。最初はポイントの徴収に反対だった人間も退学と聞いて賛成する方に回った。
上手く行った。教壇にいる一之瀬が俺の方を見る。俺が頷くと彼女も微笑んだ。
「皆、ありがとう。それでポイントを管理する人なんだけど…」
一之瀬の提案は無事通った。
毎月クラスに振り込まれるポイントから5万ポイントをクラスの軍資金として徴収する事になった。
ポイントの管理は一之瀬の指名で神崎がする事にした。
神崎は最初拒否し、一之瀬か俺を指名しようとしたが、一之瀬が責任感がある事、ポイントの管理がしっかりしてる事を理由に頼んだ。
最後に「長州君は目立つから他のクラスに情報が流れる可能性がある」と言うと納得し、受け入れた。
これは何かと目立つ一之瀬への役割集中や、原作で起きた一之瀬への誹謗中傷の防止、更にはクラスで銀行役をしている人物が他クラスにバレないようにするためだった。
「いつ見ても良いよな」
プールサイドで柴田がはしゃぐ女子達を見ていた。他の男子も平静を保ってるふりをしているが視線は女子の方に釘付けだった。
水泳の自由時間だった。勉強のストレスを発散する為には丁度良い時間だ。
「挟まれて〜」
「柴田、あまり見すぎな。女子に嫌われるぞ」
「んな事言ったって見ずにいられるかよっ、絶景だぞ!!」
神崎が注意するが柴田は構わず叫ぶ。
こんな事を言ってるのに女子にモテる。
溜息をついた神崎が俺の方を向いた。
「………」
俺はというと柴田と同じく女子、正確には一之瀬の方をチラ見していた。
スク水を着ている彼女は身体のラインが美しく出ていた。男子の視線に気付いてないのか他の女子と楽しそうに遊んでいた。
「………」
「あっ…」
そっと観察していたら一之瀬の方からも視線を感じた。彼女と目が合った。
俺の視線に気付くと暫く俺を見つめていたがやがて頬を赤らめて胸をそっと抑えた。
「長州、やはりお前達出来てるのか」
神崎が俺の横に来る。そして一之瀬の方を一瞬見た。俺は首を横に振った。
神崎はふっと笑ってそして真剣な顔付きになった。
「今朝一之瀬がした提案、考案したのはお前か?」
「…何故そう思った?」
暗に肯定すると神崎は「やはりそうか」と呟いた。
「一之瀬の案にしては厳しめだと思ったからだ。俺から見た一之瀬は他人に甘い性格をしている。故に同じ提案をするにしても金額はもっと低いと思ったんだ」
確かに一之瀬なら低めの金額から切り出すだろう。比較的成績が優秀なBクラスに現状退学者が出るようには思えないからだ。
それに、と一之瀬の方を見て彼は続ける。
「4月の間、俺は一之瀬とあまり関わってない。だが一之瀬はポイントの管理を俺に頼んできた。誰かが俺の事を一之瀬に紹介したとしか思えない。俺とも一之瀬とも関わりがある中であの提案が出来る人間、そう考えれば当てるのは難しくない」
「…正確だ。俺から見て神崎以上の適任はいないと思った」
完全にバレていた。やはり神崎は優秀だった。意外とよく見てるな。まあ分かりやすかったか。
「そうか、長州が俺をどう評価してるかが分かった。俺はその期待に応えたいと思ってる」
「…頼んだ俺が言うのも何だがあまり気負い過ぎないでくれ」
原作では特別試験の活躍であまり良いところ無い彼だが、優秀な戦力の1人だ。プレッシャーで潰されては元も子もない。
柴田がプールに飛び込んだ。そして振り返る。
「長州、他の型でも競争しようぜっ、自由型では負けたけどバタフライなら負けねえぜっ」
競泳コースを指差した。俺も腰を上げる。
プールに入る。
「神崎もやろうぜ」
「良いだろう、他の型なら自信がある」
「よっしゃっ、長州、2人でお前に勝ってやるぜっ」
神崎もプールに入り、移動し始めた。
俺、柴田、神崎による競泳が始まった。
結果は数秒差で全種目1位を取ることが出来た。
神崎と柴田は種目によって順位が逆転していた。運動神経抜群の身体は素晴らしい。
「くそっ、長州強すぎだろっ」
「完敗だ。水泳をやっていたのか?」
「…習い事は色々やってた」
前世の話だが。まあそっちは頭の方はからっきしだったけど。
「今日はサッカー部に来いよ!!1on1で叩き潰してやるっ」
「この前も勝負しただろ」
「うるせー、兼部してる奴に負けっぱなしでいられるかよっ、今日は勝つんだっ」
どうやら闘争心を刺激してしまったらしい。俺は溜息を吐きながらも承諾した。
色んな意味で水泳の授業は最高だった。
長州未音
学力 A
知性 B-
判断力 C
身体能力 A+
協調性 D