響たちが東京スカイタワーで戦っている、まさにその頃。
リディアンに大量のノイズが出現した。
巨大なカエル型、芋虫型の個体までもが校舎を破壊し、生徒たちへ襲いかかっている。
出動した自衛隊が応戦するが、銃弾はまるで通じない。
一方的な蹂躙だった。
「落ち着いて! シェルターに避難してください!」
未来は率先して避難誘導を行っていた。
響の帰る場所を守るために。
まさかリディアンが襲われるとは思っていなかった生徒たちは最初こそ混乱していたが、未来の落ち着いた声に導かれ、次々と地下へ向かっていく。
「押さないで! 大丈夫、順番に!」
「ヒナ!」
「みんな、無事!?」
「う、うん……でも、どうなってるの? リディアンが襲われるなんて、アニメじゃあるまいし……」
「話は後! 早く避難して!」
「小日向さんも――」
「先に行って! 逃げ遅れた人がいないか確認してくる!」
「ヒナ!?」
止める間もなく、未来は校舎内へ駆け戻っていった。
⸻
「君たち! 急いでシェルターへ!」
自衛隊員が弓美たちを促す。
だがその瞬間――
「学園内にもノイズが――」
バキィィィィン!!
天井を突き破り、ノイズの群れが落下する。
隊員の身体が貫かれ、悲鳴すら上げる間もなく炭へと変わった。
「きゃあああああああああ!!」
目の前で人が死ぬ光景。
三人は恐怖に駆られ、走り出した。
「誰か! 逃げ遅れた人はいませんか!!」
未来は校舎を走り回る。
ドゴォォォン!!
校舎全体が揺れた。
窓の外には、ノイズで埋め尽くされた学園。
倒れた自衛隊員。炎上する建物。
「……響の、帰る場所が……」
ガシャァァァン!!
窓が割れ、ノイズが侵入する。
「っ――!」
逃げようとした未来へ、ノイズが襲いかかる。
「危ない!」
「緒川さん!?」
間一髪、緒川が未来を押し倒す。
「……危なかったですね。流石にもう一度は無理ですけど!」
未来の手を掴み、全力で走る。
「三十六計、逃げるにしかずです!」
エレベーターへ飛び込み、二課直通スイッチを起動。
扉が閉まり、下降を始める。
未来は安堵し、緒川は即座に通信を入れる。
「……リディアンの破壊は進行中。しかし未来さんたちのおかげで被害は最小限に抑えられています。これよりシェルターへ――」
『了解だ。気をつけろ』
「それより司令。カ・ディンギルの正体が判明しました」
『なんだと!?』
「物証はありません。しかし、おそらく――」
バキッ。
上から、衝撃。
窓が砕け、天井が崩れる。
金色の鎧を纏った人影が、静かに降り立った。
「っが!?」
「こうも早く悟られるとは……何がきっかけだ?」
ネフシュタンの鎧。
それを完全制御したフィーネ。
「塔のような巨大建造物を誰にも知られず造るなら……地下へ伸ばすしかない……! そしてそれが可能な場所は――」
首を絞められながらも、緒川は言い切る。
「特異災害対策機動部二課の……
「ふん……流石だ」
エレベーターが停止。
緒川はバク転で距離を取り、拳銃を放つ。
だが弾丸は弾かれる。
「ネフシュタン……!」
紫の鎖が絡みつき、締め上げる。
「未来さん! 逃げて!」
未来は逃げない。
「やめて!」
フィーネの背に体当たり。
だが、微動だにしない。
ゆっくりと振り向き未来の顎を掴み瞳を覗く
氷のように冷たい瞳。
「……麗しいな。利用されていた者を助けようとするのか?」
「利用……?」
「なぜ二課本部がリディアンの地下にあると思う? 聖遺物適合者候補のデータを収集するためだ。風鳴翼という偶像は、生徒を集める餌として実に優秀だった」
三日月の笑み。
未来は震えながらも、叫ぶ。
「嘘をついても、本当のことを言えなくても!誰かの命を守るために命を懸けてる人たちがいます!私は……私はそんな人たちを信じてる!!」
その言葉に、フィーネの眉が僅かに動く。
パァン!!
頬を打つ音。
未来の身体がよろめく。
襟を掴まれ、再び打たれる。
未来は地面に倒れフィーネは目もくれずに目的の場所へ向かう
カ・ディンギルは完成した。邪魔な装者たちは別の場所に誘き寄せ・・・あと目的の物『デュランダル』を回収するだけ
目的のものがある部屋に辿り着いたフィーネは櫻井了子として持っていた機器を取り出しロックを解除しようと近づくが
パァン!!
「デュランダルのもとへは・・・行かせません!」
縛られてもなお緒川は立ち上がり拳銃でフィーネの持っていた機械を撃って破壊した
「・・・・・・・・・ッハァ」
うざい死にかけの虫が抵抗しているようなめんどくさい感じがしてため息を吐き紫色の鞭を構える
「待ちな、『了子』」
ズドォォォォオン!
弦十郎の声がすると天井が崩れて赤いスーツを着た男が現れた
まさかの素手で破壊しながらここまで来たのだ
「・・・まだ、その名で私を呼ぶか」
「女に手を出すのは忍ばないが、深入りに手を出せば・・・・・・お前をぶっ飛ばす!!」
「司令!?」
「調査部だって無能じゃない、米国政府の御丁寧な情報提供でお前の行動にはとっくに行き着いていた。あとは炙り出すため、あえてお前に合わせてシンフォギア装者を動かしたのさ!」
「陽動に陽動をぶつけたのか。食えない男だ。だが!この私を止められるとでも!?」
「あぁ!そうとも!!ひと暴れさせた後に話を聞かせてもらおうか!!」
そして動いたのは両者同時であった
弦十郎は地面を蹴りフィーネへと向かう、フィーネも迎え打とうと鞭を振り上げ弦十郎の顔面へ振り下ろす
ドン!!
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「っく!?」
しかし弦十郎の方が先にフィーネに辿り着き拳を振り下ろす
ギリギリ避けられたがネフシュタンの鎧にヒビが入る
「なに!?」
装者でもない普通の人間が銃弾すら通さない聖遺物の中でも完全体の物なのに掠っただけで鎧にダメージが入る
すぐさま距離を取り鞭を握り直す
「肉を削いでくれる!!」
「むん!」
鎧の修復が完了と同時に鞭を二本同時に交差するように振り下ろすが・・・まさかの素手で掴まれた
鉄すら切るのに素手で血も流さず掴んだ弦十郎は鞭を引っ張りフィーネを引き寄せるとがら空きになった腹部に強烈な拳の一撃を繰り出した
「っがは!?」
吹き飛ばされたフィーネはよろめきながらも弦十郎を睨みつける
「か、完全聖遺物を退けるとは・・・どういうことだ」
「飯食って映画見て寝る!男の類はそれで十分よ!!」
ここに昇がいたら『んなわけあってたまるかぁ!?』とツッコミが来そうな理論を唱える弦十郎
「なれば人の身であるならば!!」
「させるか!!」
とソロモンの杖を取り出しノイズを出そうとするが弦十郎は地面を踏み割り飛んだ瓦礫を蹴り飛ばし杖を弾き飛ばした
そして拳を握り締めフィーネの顔面へ容赦ない打撃を加えようとするが
「やめて!『弦十郎君』!!」
「ッ!?しまった!?」
「・・・ふ」
フィーネの声が了子のような声で話した
その声に弦十郎は思わず躊躇いが出てきてしまい一瞬だが止まってしまう
フィーネはニヤリと笑い弦十郎の腹へ槍のようになった鞭が迫り貫通・・・
【時空切り】
する前に二人の間の空間に亀裂が入り、そこから【道を失った乗客】になった昇がフィーネの鞭を弾き飛ばし現れた
「貴様!?なぜここに!?」
「・・・・・・あっぶねぇ、未来に呼ばれて急いで来たんだよ」
破壊された鞭を再生させながら距離を取るフィーネ
息を荒げながら現れた昇の後ろには携帯を持った未来がいた
「・・・・・・もう終わらせたのか」
「まぁな、クリスのおかげもあってさっさと終われたよ」
「蒼月か・・・すまん、助かった」
「無事で何よりです。でも急いでたんで響たちは後から来ます・・・・・・で、あれがフィーネすか?」
バチバチと紫の刃を構えながら睨み合う
「ああ、そして・・・・・・フィーネの正体は了子だ」
「・・・・・・は?」
戦闘中なのに昇は思わず司令の方を向いてしまう
「ど、どういうことですか司令。博士はみんなとも仲良かったし俺の聖遺物のことも調べてくれたじゃないですか」
「・・・・・・だがこれは事実だ」
「は、博士・・・本当にフィーネなんですか?」
信じたくない、嘘であってほしいと願いながら聞いてみるがフィーネは冷たい目で昇を見るだけだった
「なら・・・・・・なんで?あんなに・・・響たちの面倒とか見てくれたじゃないですか」
「・・・・・・ふん、それは立花響は私の野望を叶えてくれる駒だから大切にしていたに過ぎん」
「嘘、だったんですか?」
「我が悲願の成就のため、利用していた。貴様も役に立った——と言いたいところだが」
ガチャリと鞭を握り昇へ指を刺す
「蒼月昇、貴様には死んでもらおう」
先ほどまでの冷たい目ではなく明確な殺意の籠った目をしている
「貴様は・・・貴様だけは殺さなければ、この世界が危険だ」
「・・・なんでだ?」
ジリジリと弦十郎と昇が警戒しながら距離を縮めていく
「・・・人間にはわからないでしょうね。私があの夜に見た『黒い化け物』のオーラを見て・・・・・・怯えてしまったなんて」
パチンと指を鳴らすと壁が変形し、そこから黎明たちが現れてきた
「黎明!」
「コイツらは蒼月昇の肉体の一部から作った人造の装者・・・になれなかった失敗作だ。私も最初は可能性を感じていたが所詮は人間、しかもUNKNOWNと言われていたほど反応がなく蒼月昇のみに適応する聖遺物。作ったのはいいけどノイズの方が効率的だったわ」
「俺の、一部!?」
「そう、あなたが魔弾の射手で自害した時に回収させてもらったわ?」
まぁ、使えたものでは無いがと付け加える
「それに、私が欲しい情報は長い実験を果て手に入れれた」
「フィーネ・・・お前、いつから博士を?乗っ取ったのか?」
「この身——櫻井了子がフィーネとして覚醒したのは12年前の風鳴翼が『天羽々斬』の適合者として実験した時だ。フィーネの魂は我が血を引いた者たちへ伝播するように私の魂は保たれてきた。12年前の実験による私、フィーネは目覚めたのだ」
「12年前・・・なら、ネフシュタンの起動実験のための二人のライブも」
「ええ、ネフシュタンのために私が仕組んだもの——」
『次元斬り』
フィーネが言い終わる前に目の前に切れ目が現れ昇が切り掛かるが鞭で防がれる
「・・・なんで・・・・・・なんでなんだよ」
「バラルの呪詛を破壊し統一言語を取り戻し・・・まぁ、今から死ぬ貴様に言っても今はないか」
「ふざけんな、ふざけんなよ!!」
思い出すのは2年前の惨劇
逃げ惑いノイズに殺される人たち、瓦礫に押しつぶされる人たち、そして・・・意識が薄れる中歌い消えていった天羽奏の顔
歯を食いしばり昇はフィーネへ迫る
『連続時空斬り』
「お前の——くだらない望みのために人が死んだんだぞ!!いっぱい死んだんだぞ!!」
フィーネの周りに無数の裂け目を作り次々とフィーネを高速で切っていくが鞭で防がれるかネフシュタンの鎧で傷が出来る程度だった
(くそ、クリスの時より固くなってやがる)
「・・・くだらない?だと?」
目をカット開くと鞭を振り回して裂け目を破壊していく
「くだらないとはなんだ!!貴様が、貴様如きに!あのお方の想いを伝えたいこの気持ちがわかるか!!」
「わかりたくもねぇよクソババァ!!」
「昇君!?くそ、邪魔だ!!」
紫の刃と鞭がぶつかり合う中、弦十郎は『廃品処分』と決まった黎明たちを素手で破壊していくが数が多いし未来と緒川を守るために進めていなかった
「想いを伝えるためのだけに他人を巻き込むんじゃねぇ!!」
「お前のような伝えられる側は理解できないだろうが!!」
戦場はこう着状態のように見えるが実際は昇の方が押されつつある
次元を切って高速で切り掛かるのが道を失った乗客の戦法だがフィーネは徹底的に裂け目の出口を見つけては裂け目自体を破壊するなど徹底していたため昇は攻撃できずにいた
だがこのまま耐えれば黎明たちを倒した弦十郎が合流出来る
「・・・致し方あるまい。立花響たちを止める用に準備していたものだが!」
ズドン!!
「・・・・・・なんだ、あれ」
突如、フィーネの目の前に巨大な箱状の金属が落ちてきた
しかし昇はその箱を見た瞬間、箱から二本の脚部と丸鋸、機関銃が生えてきた
それはまるで緑の黎明を強化させたような進化したような見た目であった
ッズキ
「っう!?」
そして昇の脳裏に頭が走り、身に覚えのない知識が無理やり流れ込んでくる
——11日目
——クリフォト暴走
——理解プロセス
——我々の手を通して、生命と魂を理解していく
「・・・・・
「・・・・・・・・・」
その言葉にフィーネは驚きもせずただ淡々と冷たい目線を向ける
やはり蒼月昇の肉体で作ったせいなのか自分の適当に考えた名前を言い当てた。蒼月昇、いや彼の『禁断の書庫』だろう
(やはりあの聖遺物はデュランダルやネフシュタンとは次元が違う。まるで別の世界から来たような異質さが)
突然の頭痛に襲われたが立て直し刃を構える
(なんださっきの記憶?俺のじゃない、俺は・・・
「なんだあれは!?」
黎明たちを全部倒した弦十郎は突然現れた緑青の白昼に驚きつつも昇を加勢しようと向かう
白昼は黒い煙を上げながら丸鋸を回転させ昇の頭に振り下ろそうとする
昇は体をずらして直撃を避け、白昼を切ろうとするが
ッガリ!!
「切れない!?」
白昼の顔面を切っても傷が少しできただけだった
黎明でも硬いが何度も切ったら破壊できたが白昼はそれ以上だった
呆然と一瞬だけ動きが止まってしまい、昇の腹に勢いよく蹴りを入れた
「っごふ!?」
ゴム毬のように飛んでいく昇
「・・・ふむ、たかが貴様の肉体を使った失敗作と思っていたが使えんことも無いな」
「了子!!」
「・・・起動させろ」
弦十郎が拳を構えフィーネへ向かおうとした瞬間、突如フィーネと弦十郎の間に隔壁が降りてきた
「なんだこれは!?」
この施設の設計は了子が担当で一応弦十郎も見ていたが知らない
『司令!大変です!施設のアクセスが内部ハッキングと物理的に遮断されていきます!!』
『な、なんだコイツら!?外部の連絡通路や通信網のダクトに
『ケケッ!!ケケケケケ!!』
廊下にあるスピーカーから司令室にいるオペレーターから報告を受ける
司令室ではカタカタと急いでアクセス権を守るか奪うかをしていたが次々と遮断されて孤立していく
モニターにはケーブルを次々と破壊していくピエロ・・・『深紅の黎明』が妨害していた
「くそ!」
弦十郎は殴って破壊しようとするがクレーターが出来るだけで開けることはできなかった
「昇君!今すぐそちらに向かうから耐えてくれ!!」
このまま殴り続ければ破壊できるだろうな今は一分一秒が惜しい
「いっつ・・・」
「昇!?大丈夫!?」
蹴られた部分が痛むが立ち上がる
未来が心配そうに駆け寄り、回復した緒川は拳銃を構える
こんな豆鉄砲で白昼を倒せるとは思えないが、何もしないよりかはマシだ
「・・・ふむ、失敗作と思っていたが使える所はあるようだな」
するとフィーネの周りに追加で数十体の緑青の白昼が天井や床を突き破って現れた
「だが、使えるとしても私の作る世界には不要だ。そして、貴様もな」
ガチャ
「ッ!!二人とも俺の後ろに!!」
『さすらいの狐』
白昼たちは右手の機関銃を構えるのと同時に昇はガラスが割れる音と共に道を失った乗客からさすらいの狐の変わると傘を広げ二人を守るように広げた
「撃て」
ズドドドドドドドドドド!!
嵐のような轟音と共に縦断が放たれ、傘に当たっていく
昇はなんとか踏ん張るが少しずつ傘の骨が折れ、足が後ろに下がっていく
ッバリ
——そして、傘の布が破れた瞬間、昇の体が蜂の巣になり・・・左腕が吹き飛び、血が後ろにいた未来の顔にかかってしまった
足、腕、腹、胸と全身の至る所から血が流れて膝をついた
「昇!?昇ゥゥゥ!?」
後ろで未来が泣きながら叫ぶ
弾を打ち終えた白昼たちは横一列になれながら迫る
「・・・ごほ、ごほ」
虫の息になるがそれでもフィーネの方を向く
カツカツと死にかけの昇の目の前まで歩いてきた
「まだ死なないのか。相変わらず貴様の耐久力は化け物だな」
「・・・こりゅ・・・・・・っごほ!?ごほ!?」
肺にも穴が空いたのかうまく喋れない
口を開いて罵倒とかしたいのだが口からは血しか出てこない
昇の足元には血の海が出来てきて、昇の頭もぼんやりとしてきた
「殺したいが殺したら貴様は蘇ってくる。封印の方が良さそうだな」
と興味を失ったフィーネは白昼たちに残った二人を処刑しておけと命令するとデュランダルを収めている部屋へ向かう
昇は何も出来ず、地面を見ていた
だが、もう音が遠い。
「終わりだ、蒼月昇」
冷たい声。
「貴様という“異物”を排除すれば、世界は正しい流れへ戻る」
その瞬間。
昇の中で、何かが弾けた。
⸻
(コイツが)
血が滴る。
(コイツが全部の元凶だ)
2年前。
燃える会場。
崩れる天井。
ノイズの咆哮。
(コイツのせいで、あの悲劇が起きた)
瓦礫の中で、泣き叫ぶ翼。
天羽奏の最期。
(コイツのせいで、翼が泣いた)
響が拳を握りしめ、何度も傷ついて。
(コイツのせいで、響が戦うハメになった)
助かったはずなのに。
平穏だったはずなのに。
(コイツのせいで、助かった後も地獄だ)
視界が黒く染まる。
心臓が異様な鼓動を打つ。
ドクン。
ドクン。
ドクン。
初めて。
昇の心から、純粋な殺意が零れた。
守るためでもない。
庇うためでもない。
ただ。
憎いから。
消したいから。
ドクン。
心臓の鼓動が反転する。
血が逆流するような感覚。
脳裏に――
別の知らない記憶が流れ込む
——私は、とある『翼』の老人の護衛武士として仕えていた
——その翼の政治は酷く腐敗しており老人は直そうとしていた
——私は刀に自信があり、絶対に護ると誓った
——だが、老人は死んでしまった
——私に武の力はあっても、策略の前には力不足であった
——そして、老人と共にたくさんの仲間を失ってしまった
——その光景が頭からこびりついてしまい、私は仲間たちと共に翼から逃げた
——任務を完遂することはできなかったという汚名を被ったまま、新しい仲間と共に居場所を求め旅をした
——仲間曰く、『口数は少ないが面倒見は恐ろしいほど良い』と良い評判を受けたが長旅の前には無意味で少しずつ仲間からの信頼を失っていった
——居場所を求め続けて、『図書館の招待状』を手に入れ図書館へと向かった
——だが、そこに居場所などなく仲間が次々と本に変えられていき、自分も負けてしまった
——どれくらい経ったのだろう、図書館が光ると同時に自分は知らない路地裏にいた
——だが、そこは親指の傘下組織の場所で我々の数は少なかったが刀を抜き戦った
——しかし、次々と仲間が死ぬたびにあの光景が思い出てくる
——『私は結局、任務も名誉も親友も全て失うのか』
——そして、気がついた時には敵を切り殺し仲間を切り殺し、狂った自分だけが残っていた
『少年よ、今のお前はあの時の私に似ている』
『だからこそ、その終わらぬ怒りを持って刀を払うがいい』
ッバキ
膝をついた昇の頭上へ丸鋸が迫る中、空気が変わった
まるで・・・・・・悲しみに暮れ殺意に包まれた空気だった
「ッ!?」
デュランダルの部屋の前まで着いたフィーネは思わず振り向いた
全身を駆け巡るほどの悪寒、恐怖、向けられる殺意に動けなかった
「・・・ロス」
一瞬光ると丸鋸を振り下ろしていた白昼の一体の腕が切られていた
持っていた傘は『太刀』へと変わり、着ていた雨具は『青い着物と笠』に変わった
「・・・コロス」
ゆらゆらと炎のように立ち上がると笠から見える瞳はどの世界よりも濃い青い眼光が出ていた
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!!!!!!!!!」
フィーネはそのあまりにも強い殺意に自分は急いでデュランダルを回収するのを優先し白昼たちに昇を殺せと命令するが・・・・・・一足遅かった
「肉断骨斬」
白昼たちは豆腐のように切られ・・・・・・気がついた時にはフィーネの腹部に刀が深々刺さっていた
class:WAW
NAME:ねじれた
ようやくねじれを出せた
ちなみに幻想体の発現は『こうなりたい、こうしたい』という欲望でなって、ねじれは『明確な感情』をトリガーに発現するようにしてます
WAWクラスの『縛られた王』いるじゃん
アイツの前半戦って嫉妬大罪を出してくるけど、作者アレを出そうか悩んでるんですわ
あれを能力の一つとして出そうか悩んでるんですけど、どうしようか?
今ある案としては
・人格は出さずに装者のコピー(模倣率は決めてない)を6か7体出す
・出番がないリンバスの大罪たちを出す
・もういっそ両方にしようぜ(作者の疲労が増えます)
のどっちかにしたいなと思うのですが、せっかくなのでアンケートを取ります
ちなみに共通点として『縛られた王になった昇は嫉妬大罪たちを出している間は玉座に縛られていて動けない。なんなら、その状態で致命傷を受けたら普通に死ぬ』とします
『縛られた王』の嫉妬大罪生成、どうする?
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出さない
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人格は出さずに装者のコピーを6か7体出す
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出番がない他の大罪たちを出す
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両方、行こう