白兎成長譚 作:たい焼き丸
趣味バチバチのご都合展開な小説なので優しい目で見てもらえるとありがたいです。
これはベルがオラリオへ行く前の半年間のある1日の話。
「ベルよ!今日が何の日かわかるか?」
妙にテンションの高いゼウスに危機感を覚えながらもベルは答える。
「何の日でもないよお祖父ちゃん」
「かあーお前は何もわかっとらんぞベルそんなんでは女子にモテないぞ。いいか今日はアルフィアが出かけていてザルドも畑が長引く、そしてアルテミスは知らん。まあようは自由な日じゃ!」
ゼウスは声高らかに言い放つ。
「ベルこんな何もない自由な日など珍しいのじゃぞ」
確かにそうだと思った。なにせ修行が休みだったとしてもいつもはアルフィアやアルテミスがほぼ1日片時も離れずベルにくっついていたからだ。
「確かにそうかもしれない」
「そうじゃろそうじゃろ。だから今日は1日儂がお前を成長させるいい場所は連れて行ってやる」
「いい場所?」
「そうじゃいい場所じゃ!こんな日くらいしか行けない特別な場所じゃ」
ゼウスの鼻の下が少し伸びてるのが気がかりだったが久々にお祖父ちゃんと遊べると喜んだベルは行くことにした。
「いこうかな」
ゼウスはその一声を待ってましたと言わんばかりにベルを背負い上げ雄牛の如く村から駆け抜けて行った。
ベルはしばらくしたところで祖父から降ろされた、そして一本道を歩いていく。ベルの住む村がオラリオから遠いのは言うまでもないがなにも周りに町がないわけではない小さな街くらい2時間も歩けば着くのだ。
「お祖父ちゃんいい場所って街のこと?」
「違うぞ。街はカモフラージュじゃ」
ベルは嫌な予感がして冷や汗が背中に伝ったのを感じた。
「ねえお祖父ちゃん夕飯までに帰れるの?」
「当たり前じゃ、なんなら昼の方が空いてるから早く済むわい」
「昼の方が空いてる?」
ゼウスはその質問には答えずただひたすら街まで歩く。ベルは昼の方が空いてると言う言葉の意味が理解できない。
「よし街まで着いたぞ!よいかベル儂から離れるでないぞ。それと商業街へは行くなよ。行ったら最後儂等は今日飯が食えんくなる気がする」
商店街はなにかと人の目が多く、特徴的な白髪のベルがいればすぐに見つかると思ったからだ。
ベルはゼウスの言ってることの意味がわからなかったがとりあえずゼウスについていく。
ゼウスについていくこと数分、なぜかベル達は表通りとは別の裏通りを歩いていた。裏通りは治安は悪そうだがこれと言って悪いわけでもなかった。
少し歩いていくと一つの看板が目に入る
[酒屋テロニオ]
そして看板の店の前まで来るとゼウスは少ししか伸びていなかった鼻の下を伸ばしきり勢いよく扉を開け中に入る。
そしてベルもそれに続いて中にはいっていく。
中に入るとピンクと紫を基調とした壁や装飾で彩られ、どこから湧いているのかわからない煙が脳を揺らす。そして幼いベルでは嗅いだことのない匂いが鼻をつく。お祖父ちゃんの方を見るとお祖父ちゃんは常連なのかスムーズに席について手招きをする。ベルは店のねっとりとした嫌な空気を肌に感じすぐにゼウスのところへと避難した。
ベルたちが席につくと褐色肌で露出の多いドレスを着た女性とキリッとした目つきの髪の長い露出の少ないドレスを着た只人の女性がゼウスの両脇に座る。
「今日はメイちゃんとドーラちゃんかの。これは財布の紐が緩むわい」
そう言いながらデレるゼウスをみてベルは早くも帰りたくなる。
「ねえお祖父ちゃんぼく街をぶらついてていい?」
「なんじゃベル、まだ入って数分もしとらんぞ。まあまて儂が楽しみ方をおしえてやるからのう」
この時ゼウスに対してのベルの評価は5下がった
「あれーお祖父さん今日は孫連れなの?」
「そうじゃ今日は孫を、つれてきたんじゃ」
「えー連れてきて大丈夫なの?親怒らない?」
「平気じゃ平気、どうせバレなきゃ問題ないんじゃからのう」
このやり取りの間女性たちに手を握られたゼウスはよりデレた顔になる。
「てかこの子すっごい可愛い!僕お名前なんて言うの?」
そう言いながらベルを自分の膝の上に乗せたドーラはベルに名前を尋ねる。尋ねられたベルは店の雰囲気と知らない女性ということもあり顔を真っ赤にし緊張していた。
「べる、ベルでしゅ!」
「噛んじゃったの可愛いねー」
そう言いながらベルは頭を撫でられる。そしてゼウスに助けを求めるがゼウスは胸を触ろうとして必死に格闘していてコチラに気づかない。
「ねえあの子大丈夫なの?緊張きちゃってるけど。」
「大丈夫じゃわい。今日は女性に慣れさせるために連れてきたようなもんじゃよ」
「ひっどーい。てかお祖父さんうちお触り厳禁だから」
「ちょっとくらいいいではないか」
「えーそういってこの前胸がっつり揉んでたじゃん」
「そうじゃったかの?」
そう言いながらゼウスはニヤニヤと必死にさわろうする。ゼウスはベルの方をチラリと見ると顔を真っ赤にして気絶しているベルをみてまだまだじゃなと思った。
ベルは空気に当てられたのか膝の上で気絶してしまい今は膝枕で寝かせてもらっていた。
ゼウスは一応ベルのことは心配しつつもやはりお触りに夢中であったので自分に迫る危機に気付いていない様子だった。
ゼウスが女性と戯れて少し経った時店の扉が静かに開かれた。
そして灰色の髪に目を閉じて黒いドレスを纏った女性がゼウスへと近づいていく。女性の頭上には雷雲が立ち込めているようだった。そしてゼウスの後ろへたつと同時にゼウスの頭へ不可視の雷が落ちる。
「おい、ジジイお前は碌に留守番もできんのか?留守番などそこらの野良犬にでもできるぞ?それに何故こんなとこにベルを連れてきている」
怒気のこもった言葉により周囲の女性はすぐ裏へ避難する。女性は苛立ちが抑えられないのかもう一発打ち込む。
そして女性は気絶したベルを担ぐと今しがた気絶したゼウスの頭を掴み店をでていく。
「迷惑をかけた、こいつの財布を置いていく」
そういってゼウスの財布を机に置き店を出た。
2人が意識を取り戻したのは街を出て少しのところだった。
「ぬ!メイちゃんにドーラちゃんはどこじゃ!」
そう言って起きたゼウスにアルフィアは福音をかます
「な!アルフィア !何故お前がここにいる、てか何故見つかったのじゃ?」
「お前はバカなのか?お前とベルが一緒にいなくなった時点で行きそうな場所などすでにリストアップ済みだ。それにベルの居場所ならすぐ見つけられる。そんなことはどうでもいいがジジイ何故ベルを連れて行った?」
リストアップ済みなのはまあ納得できるとして何故ベルの居場所がわかるのか疑問に思ったゼウスだったがすぐ弁明にシフトする。
「誤解じゃアルフィア !ベルが行ってみたいと言ったんじゃ!儂は怒られるから止めたんじゃがどうしてもと言われてな、甘えてくるベルがかわいくてな、仕方なくじゃ、ほんとーに仕方なく連れていったんじゃ。」
「そうなのかベル?狸寝入りしてないで答えろ」
ベルは危機回避のための狸寝入りを見破られ死地に立たされた気分だった。そして目を開けアルフィアを見る。アルフィアの背後にうっすらと般若が見えた気がした。
「えっと、お祖父ちゃんに成長できるいい場所に連れて行ってあげるって言われてそれで」
「そうか。こう言ってるがどうなんだ?」
「ベルめ裏切りおって!。確かに儂が連れていったがこれもベルのためなんじゃ!」
ゼウスは諦めて弁論をくりだす。アルフィアの怒りは溜まる一方だった。
「ほうベルのためか。どうベルのためになると言うのだ?言ってみろジジイ。答え次第では竜の谷まで飛ばすぞ」
「いいかアルフィア ベルはモテる!だから儂は少しでも多くの女子と触れ合ってベルにテクを身につけて欲しいのじゃ!今のままではベルは女子に好き放題される白兎になってしまう。だから儂がそれを治そうとしただけなんじゃ!」
「それっぽいことを言えばいいと思ってるのか?大方ベルを連れていけばサービスが良くなるとかそう言う理由だろう?それにベルに無理やり女慣れなどさせる必要などない私とアルテミスがいるだろう。」
そう言われるとゼウスは白々しい顔になりそっぽを向く。同時にあの2人ベルを溺愛しすぎでは?とベルの将来が心配になる。
そしてアルフィアの福音により再度意識を手放した。
「え!そんな理由だったのお祖父ちゃん!」
ベルは思いの外酷い理由でショックを受けた。
「ベルお前もお前だ、あれほど知らない人とジジイにはついていくなと言ったなに何故ついて行った?」
「だってお祖父ちゃんと久々のお出かけ楽しみだったから」
そう言ってベルはしょぼくれる。アルフィアはそれを見て可愛いとおもってしまった。だがすぐ心を鬼にする。
「はぁ、まあいい。だが今日は飯抜きだ明日の朝までジジイと正座していろ。もし少しでも崩したらお前も畑に埋める」
「ひっ、分かりました!」
ベルは逆らう選択肢などとうの昔に消されていた。
帰宅したベルは匂いでアルテミスにバレたことで弓の的にされた。
「オリオン今日は随分楽しい場所に行っていたのだな?」
笑みを浮かべ迫るアルテミスに恐怖を覚え逃げようとするもがっしりと肩を掴まれ逃げられない。
「いえ!楽しい場所なんかいってません!」
「そうか。では何故オリオンから女と香の匂いがする?」
「それは、」
「行ったのだな?大方ゼウスに連れてかれたのだろう。だがこれは浮気だ、仮にも貞淑を司る私と暮らしていると言うのに何故ゼウスに染まる。そして行ったことも罪深い。とりあえず私の気が済むまでは的になってもらうからな。」
アルテミスはゼウスに連れられたといってもそういう店に行ったことに怒りが溜まる。それに自分という女がいるのに他の女にうつつを抜かしかけたこともより一層怒りのボルテージを押し上げた。そしてアルテミスはベルをしっかりと教育しなくてはという義務感が芽生えるのであった。
そしてベルは木に縄でしばられアルテミスの気の済むまで先を潰した矢で射抜かれた。何度も意識が消えかかるがアルテミスの神技でギリギリ意識が残る攻撃をされた。終わったあとからアルテミスは朝になるまでは口を聞いてくれなかったらしい。次の日ベルは口を聞いてもらえないのが余程ショックだったのかアルテミスに従順だったとか。
その時ゼウスは畑に埋まることで難を回避していたらしい。
その夜ベルとゼウスは正座させられていた。
「ベルよお主好きな女子はおらんのか?」
「いきなりどうしたの?」
「なに、こう言う時は恋愛トークと決まっておるんじゃよ」.
「なにそれ?でも好きな人かーわかんないや」
ベルは大体が修行の日々でそんなことを考える暇もなかった。またベルは自分の気持ちに疎かった。
「なんじゃてっきり儂はアルテミスかと思ったたわい。」
「アルテミス様?アルテミス様のことは好きだよ?」
「知っとるわ、ベルはよくアルテミスに抱き枕にされておるとき顔が真っ赤じゃからなあ」
ベルはアルフィアとアルテミスに高頻度で抱き枕にされているのだ。
「え?」
ベルは衝撃だった。そしてこれからは気をつけようと反省した。
ゼウスはベルが気持ちに疎いのに困ったと思ったが時間をかけて直せばいいと思っていた。
「にしてもベルは羨ましいのう、儂なんかアルテミスと寝ようとしたら矢で射抜かれたわい、それにアルテミスのあの美尻を触ろうとしても矢で射抜かれる。きっとアルテミスに触れる男はお前だけじゃ」
「それはお祖父ちゃんが悪いよ」
ベルは祖父のセクハラに呆れるのであった。
「一回でいいから儂もあの尻を触りたいわい」
そう言った瞬間ゼウスの横スレスレに数本の矢が飛んできた。
「おとなしく正座してろゼウス。次何か言ったら下を射抜くぞ」
アルテミスはそう言い放つと何事もないように矢を回収して戻って行った。
「いい機会じゃベルにも教えよう。いいかベルああいう気の強い女はまだいいがヤンデレだけは関わるなよ」
ゼウスはこりてないのか遠い目をしてベルへ語りかける。
「ヤンデレ?」
「そうじゃ。ヤンデレってのはな人を殺してでも監禁してでも好きな人を独占したいという異常者じゃ。」
「そんな人がいるの?」
「おるぞ。家だとアルフィアにその片鱗がみえるわい」
「お義母さんに?そんなことないと思うけど」
「あれは確実にあるぞなんせヘラの系譜じゃしの。もしベルがアルフィアと結婚すると言った日にはどんな手を使ってもお前を囲おうとしただろうな」
ベルはゼウスの顔がマジだったこともあり少し震えた。
「そうならなくてよかった」
「ほんとじゃわい」
そう言いながらゼウスは本当はもうアルフィアは覚醒しかけてるんじゃないかと思っていた。
そしてここにアルフィアがいなくてよかったと安堵した。
「ベルよ儂は足が痺れてきたぞ」
「僕もだよお祖父ちゃん」
そう話しているとアルフィアがやってきた。
「お前たち反省はしたのか?」
「したわい」.
「僕もしたよ」
ゼウスは嘘でも反省したといい開放してもらう。
「ならもういいぞ。ベルお前は今日は私と寝るぞ。拒否権はない」
アルフィアはベルがやらかした日は毎回一緒に寝ている。
ベルはそれが不満だが拒否権はないので受け入れるしかない。アルフィアはベルを抱き枕にできるのでその日は割と機嫌がいいのだ。ゼウスはこのやり取りを聞きやはりとそうなのでは?と思った。
「えーお義母さんと寝るの?」
ベルは苦し紛れの反論をした。
「なんじゃベルが嫌なら儂が代わりに寝てやろう」
そういってゼウスはアルフィアに抱きつこうとして[福音]をくらい畑に埋まって行った。
「お祖父ちゃん…」
ベルは畑に埋まる祖父をみて1日の終わりを感じるのであった。
これに慣れたことにベルは気づいていない。
「ベルいくぞ。いいな?」
「はい」
アルフィアの圧に負けベルはアルフィアについていく。ベルはどうしようもないと諦めた表情でアルフィア についていく。だがベルも慣れたのか抵抗する気をおられたのか素直になりつつあった。アルフィアはベルと寝れるのが嬉しいのか足取り軽く寝室へと向かっていた。心なしかアルフィア の口端が上がっているがベルは気づかなかった。
そうしてベルの久々の自由な日は終わりを告げたのだった。
とりあえずオラリオ入りまで書こうと思っていたので一旦休憩します。
読んでくれている方コメントをくれた方お気に入りに登録をしてくれた方ありがとうございます。また投稿を開始したらその時はまた楽しんでくださるとありがたいです。
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