もしも、ミスター・サタンがオールマイト見たいなヒーロー系キャラだったら 作:JOJI
私は資産家の父と警察官の母の間に産まれた。裕福な家庭で何一つなく不自由なく育ち子供の頃の夢は警察官だった。しかし、ある日父に連れていかれた第22回天下一武道会を見に行き、驚愕した。私と同じほどの年齢の少年たちが一進一退の凄まじい攻防を繰り広げているのをみたのだ。決勝戦で少年が年上の青年と互角の戦いを繰り広げているのを見た。ただひたすらにすごくて、圧倒され憧れてしまった。あのようになりたいと…
さらに、その後に起こったピッコロ大魔王の騒動。キングキャッスルで国王在位20周年の祭りに参加していた私達家族だが奇跡的に難を逃れたが、目の前でピッコロ大魔王により圧倒的な力で消し飛ばされた人達を見た。しかしピッコロ大魔王は何者かによって倒されたが、噂によればその何者かは私と歳の変わらない少年だという。世界を救った
それから私は父が紹介してくれた武道家に弟子入りし武術に精進し始めた。まずは天下一武道会で見た少年らのように強くなると。しかし、その道はとてつもなく険しく3年が経っても彼らのように目に見えないスピードで動けたり、空を駆けたりするような事はできる気がしなかった。
第23回の天下一武道会は参加しようと思っていたが、その時の私では力不足だと感じて参加を見送り更なる修行をする為に観戦もしなかった。あとから聞けばピッコロ大魔王の生まれ変わりが会場を消し飛ばすほどの被害を出したらしい、何をどうすればそうなるのか見当もつかなかったがそのせいで次の武道会は当分先になってしまった。
師匠に免許皆伝をもらい、それから私はサタンと名乗り各地の格闘大会などに手当たり次第に参加し経験を積んで行った。美人歌手のミゲルと結婚し、子供にも恵まれ順風満帆な日々を過ごしていた。だが、エイジ762年のある日、とある都で開催される大会に参加しに来ていたが突如大爆発が起き私はそれに巻き込まれ意識を失った。
真っ暗な空間でぼんやりと浮かんでいた私の前に光り輝く何者かに話しかけられる夢を見た。と言っても言語がわからず何を言っていたのかはわからなかったが、その何者かは光り輝く何かを私に渡し消えていった。
その夢を見た後に私は目覚めた。目覚めた私を見た看護師が腰を抜かすほど驚いていたのを今でも覚えている。医者が言うには私は1か月ほど眠っており目覚める前の私は、全身の皮膚が焼けただれ内臓も弱り足の骨がばっきりと折れていたらしい。
しかし、目覚めたときにはそんな怪我はなくむしろ力が漲るほどであった。私の体に何が起こったのか精密な検査がおこなわれたが医学的な異常は何もなく、これ以上無いほどに健康らしい。医者は神が奇跡を起こしたのだと匙を投げた。
それから暫くは心配をかけてしまった家族と休暇を過ごしつつ体に何が起こったか調べたが、私の体は1か月前とは比べ物にならないほどに力があふれていた。軽くジャンプをすれば10mを軽々と飛び、岩にパンチをすれば岩が粉々になったのだ。この力があれば天下一を取るのも夢ではない、そう確信した私はすぐに大きな武闘大会に出場し一か月前ならば苦戦していたであろう名のある選手を驚くほどあっさりと倒し優勝してしまったのだ。舞い上がった私は次々と大会を制覇し、今まで雑誌の端っこに名が残る程度の名が雑誌一面に載るほどに人気を上げていった。
そのころになって気づいたのだ、あれなんか前よりさらに力上がってない?と。明らかに調べた時よりも桁違いに力がついていたのだ。そのころからすでに本気を出してジャンプをすればビルどころか空高く舞い上がり大気圏まで突入しかけ、本気でパンチをすれば岩どころか海を割り雲を切り裂いた。明らかに生物に使っていい威力ではない、なぜこれ程までに力が上がっていたのかわからないが今まで以上に力に慎重に向き合った。
そして、とある地方を訪れた際に銀行強盗を鎮圧したのをキッカケにかつてピッコロ大魔王を倒した彼のようなヒーローを目指そうとヒーロー紛いな活動を始め、こうしてヒーロー兼格闘技世界チャンピオンMr.サタンが出来上がったのだ。
ドンッ!
セルとサタンの凄まじい攻撃と攻撃のぶつかり合いによる衝撃音が周囲一体に響き渡る中、岩陰に隠れて撮影に挑んでいるアナウンサーとカメラマンは必死に状況を世界に届けていた。
「ついに世界の命運をかけたミスターサタン対セルとの戦いが幕を開けました! 既に私のような一般人には到底追いつけない凄まじい戦いを繰り広げています! カプセルコーポレーション製の超高性能ハイスピードカメラであっても残像を追うのがやっとのハイスピード勝負! 実況が追いつきません!」
リングの至る所が攻撃の余波でひび割れ、踏み込みや攻撃の余波で陥没している。
「ぬぉぉおおッ!」
「ぶるぁぁあッ!」
ズガアンッと互いの拳が頬に突き刺さる。セルの反撃の拳をサタンが受け止めサタンの反撃の拳をセルが受け止めてそのまま力の押し合いへと発展する。
「ククククッ、貴様の
セルが突如脱力したことで前のめりにバランスを崩したサタンの顎をセルの膝蹴りが捉え、さらに蹴り飛ばすがサタンはその場に踏みとどまり逆にセルの足をつかみあげて地面に叩きつける。
「ガッ!」
「ぬおりゃッ!!」
リングにめり込んだセルにサタンは拳を打ち下ろすがセルはギリギリの所で交わしサタンの真横に立ったセルはサタンを蹴り上げ空中へ飛ばす。
「ぐぅ!?」
「ふはははっ! 貴様が気を使えないことは既に見抜いているぞ! 舞空術を使えん貴様は空ではカカシ同然だ! さぁ、どうする?」
セルは空中に打ち上がったサタンを追いかけ次々と攻撃を繰り出す。サタンはガードを固めて耐えるが、セルが縦横無尽飛び回って攻撃する為ガードが間に合わない。
「そら!そらそらそらそらそらッ!!」
「くっ! グゥッ!」
セルのラッシュが次々とサタンの体に突き刺さるが、サタンもただやられてばかりではない。サタンが僅かにガードを緩めた隙をついて飛び込んで来たセルをサタンは掴み止める。
「なに!?」
「あまり、調子に乗るなぁ!」
セルの頭を万力が如き握力で握りしめて頭突きをし空中を蹴って下へと加速する。その勢いのままリングへとセルを叩きつける。あまりの衝撃にリングが耐えきれず粉々に粉砕され地面を抉るが、そこにさらに馬乗りになってセルへと拳を打ち下ろす。
「うりゃりゃりゃりゃりゃッ!」
「グヌゥゥゥウッ! ぬぁッ!!」
「ッ!?」
堪らずセルが気を解放し衝撃波でサタンを吹き飛ばす。サタンが空中で体勢を整えてもはや原型を留めていないリングへと降り立つ。セルもクレーターから飛び上がり降り立った。
「フフフフ、まさかここまでやれるとはな。さすがの私も驚いたぞ。」
「こちらも、驚いたよ」
自分のパワーにと心の中でつぶやくサタン、彼自身自分が使っている力をいまだ十分に扱えておらず全力で使ったことがない。ゆえにこの戦いの中で力の使い方を学習しながら戦っているのだ。誤算はセルが想定よりずっと強く戦いが巧いということ、しかしゆえに彼から学べる事は多い。
「さて、準備運動はこれくらいでいいだろう…。ぶるぁぁぁぁあッ!」
「ッ!」
セルがその巨大な気を開放する。その強力な気が発する圧力によりあたりの景色が歪んで見える。
「な、なんてでたらめな気だ…!」
「くっ!?」
「桁が違いすぎる!」
観戦しているZ戦士たちが巨大な気に恐れを抱くが
「では、私も本気を出すとしよう…ぬぉぉぉおお!ふん!
サタンが上着を脱ぎ捨て腰だめに構えて吠えると胸から中心に白く光るラインが体中に一瞬走ったかのように見え、なぜかラットスプレッドのポーズを取った瞬間、青白い稲妻が迸り凄まじい気の奔流がサタンからあふれ出す。
「何!?」
「嘘だろ!?」
「どうなっていやがる!?奴は本当に地球人か!?」
「あんな人、未来にもいたのか!?」
対面するセルからも思わずといった様子から驚愕の声が放たれ、Z戦士からも驚きの声が上がる。サタンも自身からあふれ出す力に驚愕する、今まで普段使いしていたのは2~3割程度の力なのだが一気に7割の力を開放したら待っていましたと言わんばかりに放出されたのだ。たとえるならば、我慢しまくっていたおならが尻の力をちょっと緩めたら一気に放出された感覚に似ていた(汚ねぇ)
「さぁ、第二ラウンドだ。」
「…」
互いに迸るオーラを散らしながら構えを取る。先に動いたのはやはりサタン、一瞬にしてセルの背後に回り込むとパンチを放つがそれを読んでいたセルは体をそらして避け、セルも反撃に裏拳を放つが体を反らして避けられる。
「せい!」
「ふん!」
ドガガガっと音を立てて地上から空へと応酬を繰り広げられる。サタンは巧みに空を蹴ることで武空術にも負けない空中殺法を披露するサタン、しかし小回りの利く舞空術には一歩及ばずやはりなかなか攻撃が届かない。
(落ち着けサタン!このままでは負ける、よく観察しろ!奴の力の使い方を学ぶんだ、奴だけでなく彼らだって使っているのだ!ならば、私が使えない道理はない!!)
サタンは防御に徹してセルの動きや気の使い方を観察する。サタンは観察眼には自信があり、一度見た動きや力の入り具合も瞬時に理解してトレースできるほどにセンスがあった。
(力の入り具合いからして、足や腕や背中など特定の部位から放出しているわけではなさそうだ。となると全身から気を放出してそこからコントロールする仕組みか、気は先ほど力を開放したときに何となくわかっている。ならば、後は実践あるのみ!)
攻撃を仕掛けてくるセルを捉えながら自身に流れる気に集中する。
(こうか!)
サタンはセルの攻撃を舞空術を利用して背後に回り込むように避ける。
「何!?」
「せい!」
驚愕するセルの顔面を殴り飛ばし、空を蹴って加速して追いかける。
「とりゃあ!!」
ドカンとサタンのかかと落としが炸裂しセルが地上へと落下する。ズシンと着地するセルと追いかけてセルの近くへとサタンも着地する。
「今まで舞空術を使えないと演技していたわけではあるまい…この戦いの中で身に付けたのか、なんて奴だ。」
戦いの流れを分析していたピッコロがそうごちる、Z戦士たちも心の中で同意する。舞空術とは決して簡単な技ではないことを理解しているが故である。
「さぁ、反撃開始だ!」
「舐めるなぁ!」
本気で気を開放するセルとさらに力の出力を上げたサタンのパンチがぶつかる。力において互角かと思われたが
「ぬぉぉぉぉおお!!!」
「ぐぅぅぅぅうう!!!」
拳のラッシュの応酬が繰り広げられるが徐々にサタンがセルのスピードを上回り、セルの体に傷をつける。
「馬鹿な!?」
「ぬりゃあ!!」
「ぐあ!?」
動揺したセルの顔面に右ストレートが叩き込まれて吹き飛ぶ。そのセルの後を追いかけるサタン、完全にリングの外へと出てしまっているが当のリングは攻撃の余波で粉々になっており形を成しておらず誰も突っ込まない。
セルは体勢を整えて迫るサタンに拳を突き出しサタンも同じく突き出しまたもや拳がぶつかるが、今度はセルが完全に押し切られて拳が砕ける。
「なっ!?」
「はぁあ!!」
「ガっ!?」
セルの拳を砕いたサタンは続け様にアッパーで空中へと吹っ飛ばす。
「ぐう!なぜだ!なぜ貴様にそれほどの力が!?」
セルは距離をとって気弾で削る戦法をとろうと跳んでくるサタンへ連続で気弾を放つ。
「貴様と私では背負っているものが違うのだ!」
サタンは放たれる気弾を次々と弾きさらに受け止めて投げ返し相殺するという離れ業を披露する。
「ここに来るまでに何千何万もの人の声を聴いたよ。彼らは様々な思いで私を応援してくれた、そのさまざまな想いが応援が私に力をくれる!!」
「そんなもので!!」
「特に娘の応援が一番でね!!!」
「そんなものは聞いていない!!」
セルが突然四人に分身すると二人がサタンへと向かい残り二人が技の溜めに入った。
「なに!? そんなのありか!?」
サタンは突然四人に分かれたセルに驚きつつも攻撃してくる二人のセルを捌く。
「くらえ!!「魔貫光殺砲!!!」」
「いかん!避けろ!」
残り二人のセルが魔貫光殺砲を放ち技の持ち主であるピッコロが叫ぶ。しかし、二人のセルにギリギリまで足止めされたサタンに避ける暇はない。
「ぬん!!!」
そこでサタンは突如大胸筋を突き出すようにマッスルポーズをとると二つの魔貫光殺砲を受け止める。そして、なんとその魔貫光殺砲を跳ね返して足止めしてきた方のセルたちを貫いた。
「なんだと!?」
セルが動揺したすきに残り一体の分身を吹き飛ばし、本体へと殴り掛かる。
「くそ、化け物めぇ!!」
「君に言われたくはないなぁ!!」
セルが距離を取りつつ気弾を無数に放つが、サタンはもはや避けることなくセルへと突撃する。
「せい!!」
「ガァ!?」
「ドララララララァッ!!!!」
超スピードで近づいたサタンの一撃がセルを捉え、続けて凄まじいラッシュがセルに叩き込まれる。
「ぶるぁぁぁああッ!!!!」
「く!」
耐えかねたセルがエネルギーバリアを張ってサタンを吹き飛ばす、とっさのことで舞空術の制御が間に合わず地面へと着地するサタン。上を見るとセルが気を最大まで高めて両手を腰だめに構えた
「私の全力のかめはめ波を放つ!避ければ地球は吹き飛ぶ!!受けざるをえんぞ!!!」
「!?」
「あ、あの野郎…!」
「ふざけやがって…悟空!手を貸そう!1対1にこだわっている場合じゃないぞ!」
「…大丈夫さ、それにオラたちが行っても邪魔になっちまう。」
「か…め…は…め…」
「ならば…こちらも本気の技で迎え撃とう」
セルが凄まじい気をためる中、サタンも大きく腰を落とし右腕を抱え込むように引き絞り力を100%引き出す。体中に白く光るラインが走り右腕に集中して集まり光り輝く。さらに、凄まじい気が拳に集まり気の幕が拳を大きく覆う。
「波ぁぁぁああ!!!
そして、セルのかめはめ波が完成し一足先に放たれた。特大のかめはめ波がサタンに迫りくるが、サタンは目前まで迫ったかめはめ波に向けて大きく右腕を振りかぶる。
「ビックバン…ダイナマイトパンチィ!!!
閃光が走る。勝負は一瞬、サタンの拳にセルのかめはめ波は消し飛び、放たれた凄まじい気の奔流がセルを飲み込んで空へと消え去った。
「…やった…のか?」
「…はは、すげぇな」
「や、やりましたぁ!!サタンがミスターサタンがついに、ついにセルを倒しました!!!」
いつの間にか悟空一行に回収されたアナウンサーが喜びの声を上げる。サタンもカメラに向かって右こぶしを上げて雄たけびを上げる。徐々に状況に追いついたZ戦士たちも喜びの声を上げる。しかし、一部の者たちの表情は未だ険しいままである。いち早く気が付いたのは悟空である。
「油断するなぁー!セルはまだ、生きて」
「そう、生きているさ」
突如、突風が巻き起こり次の瞬間に閃光が迸りサタンを貫いた。
次でセル編は終わらそうかと思います。