MISSION LOG
首謀者であったニャン天丸を確保し、誘拐されたイズナを探す修行部と雷電。
一方、市街地では一座の残党が直接の妨害を開始。
オタコンが指揮する忍術研究部とお祭り実行委員会、雷電の指揮する修行部の掃討が始まろうとしている。
「イズナさん!」
イズナは一座のアジト近く、物置の中で拘束され、気を失っていた。
四人で必死に拘束を解き、肩を揺すって声を掛ける。
「もう大丈夫だ、動けるか?」
「......ぅ」
「!」
「...はっ!?」
「い、イズナはどうなって...」
「もう大丈夫だ。あの男は確保したし、他の座員ももういない。」
「......また、みなさんに助けていただいて...」
「ありがとうございます。それとごめんなさい、ご迷惑をおかけして。」
「イズナが無事ならいい。」
「忍者が仲間に助けられるのも、悪くないだろ?」
「......」
「お身体は?」
イズナは何発が撃たれていたが、丈夫な身体のおかげて耐えられた。
「...問題ないです!」
「よし、会場の方に向かおう。残党が暴れてるそうだ。」
「了解です!」
「よし、行こう!」
カエデが先陣を切って逆方向に走り出すのを、ミモリが引き留めて市街地へ向かった。
◇
「数が多いな...」
オタコン達は祭の会場である市街地で防戦に徹していた。民間人達が逃げているとはいえ、建造物や設備を大きく破壊してしまえば損害は洒落にならない。
「ミチル、オートマタの注意を引き付けてもらえないかな?」
「……どうやって!?」
「…………分身って、できる?」
「……えっと、うーん……」
「…とりあえず!私とフィーナで足止めをするので!」
「お願い。」
「ぶ、部長…確か、信号弾がありませんでしたか?」
「えっ……あ!」
彼女の
「撃つよーーー!!」
ミチルは信号弾を発射し、オートマタ達の注意を逸らすことに成功した。
こういったことで簡単に反応してしまう辺り、安物だと言っているようなものである。
「……よし、二個小隊壊滅。あと40体くらいか。」
「このペースなら余裕ー!」
そこに、聞き覚えのある
「「「まもなく 爆発します」」」
「……!?」
これほどの軍勢をマサムニェが動員できていることには、単純な理由があった。
キヴォトスにおける犯罪の温床、ブラックマーケット。そこには払い下げの末に横流しされた火器兵器類、安物のセンサーや回路を積んだオートマタやジャンクパーツ。
その中には、拾い物やそのコピー品も多い。
そこに、自爆型月光があった。
自爆型という使い方の限定された兵器であること、そして本来はPMCが提供するはずのメンテナンス環境が無いことによって、鉄板を貼る程度の修理の後に安売りされたのだ。
他のオートマタも同じく、
最高のタイミングを見計らって、今放たれた。
「うわあああああああああっ!?」
「委員長!どうか落ち着い……」
「爆発するって言ってんのよ!?」
頑丈とはいえ、月光の爆発を喰らえば負傷は免れない。
オタコンは撤退を選んだ。
「全員、撤退!爆発する!!」
その声を聞いて、特に根気強く応戦していたシズコとフィーナも後退、そして撤退した。
「……月光たちも来る!」
最悪の事態としか言いようがないが、月光と残ったオートマタも追ってきた。
「うわッ!?」
「フィーナ!」
フィーナは脚を撃たれ、その衝撃で転んでしまった。
「爆発します」
「…………ッ!」
「イズナ流忍法!」
「人間弾丸の術!!」
自爆型月光の脚が、というより
イズナに投げ飛ばされた雷電は、勢いそのままに三機の月光を断ち斬った。
「待たせてすまないな、お前たち。」
刀を携えた雷電が前に立ち、オタコンは指揮権を彼に譲る。そして支援の体勢にシフトした。
「全員居るな。」
「ああ。」
「……銃を構えろ。」
OBJECTIVE:オートマタの排除
「……行こう。」
彼は跳ぶ。
隊列の前方からオタコン達が、後方から修行部が。
そして中央付近の建物の屋根に、雷電とイズナが。
雷電が飛び出すと、イズナはそれを足場にして跳び降りる。下方へ向けて手裏剣を投げる。
続いてツクヨもクナイを投げた。
「ぜ、全弾?命中しました……!」
流れるように捌き、無駄な動作を挟まない。
後衛に回ったシズコとフィーナ、そしてミモリの援護射撃もアドバンテージとなり、雷電を主体にオートマタを倒す。
斬奪のできないところが少々ネックだが。
「盾持ちは俺が相手をする!全員それ以外を狙え!」
大型オートマタを盾ごと切り裂きながら、通信回線に叫ぶ。
この場には集団を回復できる生徒がいない。そのためオタコンは全員のメディカルチェック及び回復の指示を担当。撃墜されずに残ったドローンで医療キットを投下する姿は、アヤネのそれに近い。
「カエデ、全員にシールド展開!」
「りょーかい!」
その場の全員にシールドが付与され、保険としてツクヨが煙幕を投下、シズコによって全員の命中値が引き上げられると同時に遮蔽となる屋台が出現した。
「残りは少ない!畳み掛けよう!」
「先生、
「了解。ミチル、ツクヨ。合わせてくれ!」
「イズナ流忍法!」
「!」
「ミチル流忍法!」
「ツクヨ流忍法!」
「…」
「…ジャック流忍法!」
「「「「火焔斬の術!!」」」」
3人が文字通りの
そして雷電は壁を蹴って、
オートマタの抵抗をシノギでいなした。
しかし急所は外したため、爆発することはなかった。
COMBAT SCORE
クリアタイム: 00:39:58.56
獲得BP: --
斬奪回数: --
連続HIT数:39
撃破数: 48
RANK A
◇
そうして、オートマタの排除は終了した。
オートマタはできるだけ市街地の端に抑えられたこと、爆発が起こらなかったこともあり、祭自体は継続できる状況に収まった。
「…どうにかなったね。」
「まあ良かったが…商店街はどうなるんだ?」
「…私もその件は聞きました。私でできる業務は私が引き継ぎますし、役員の方は他にもいらっしゃるので。そこから新しい会長が決まると思います。」
「そうか……。フィーナの怪我は?」
「あの時は驚いただけで、数発掠っただけだそうです。」
「…イズナは無事です!」
イズナは治療も受けたが、軽傷と判断されたため湿布と絆創膏だけ貼られて戻ってきた。
「りんご飴、いるか?」
「ありがとうございます!」
「ツクヨ、ミチルも。」
「?あ、ありがとう。」
「いただきます。」
シズコにも渡そうと思ったが、誰かに呼ばれて去ってしまった。
修行部の三人も警備に戻っている。
「僕…は食べられないのか。なんだか勿体ないや…」
「データ化すれば食べられるんだったか?持ち帰るからそれでいいな。」
「ありがとう。」
「…そろそろ花火の時間だったね。それでシズコが行ったのか。」
「イズナ、あの高台ってどこだ?」
「こっちです!着いてきてください!」
雷電が提案したのは、初めにイズナと来た高台だった。
「…オタコン、見えるか?」
「あー…考えてなかった。今度追加のアタッチメントを作ろう。」
「なら、私が…!部長!」
ツクヨはミチルを肩車し、ミチルがメタルギアmk4を掲げる。邪魔になると思ったのか、すぐに抱き抱える形に変えた。
街を一望できる空に、本物と遜色ないホログラムが上がる。
「おお………!」
雷電やオタコンが見た事のある花火とは違い、映像ながらも風情のあるものだった。
「…これがホログラムなの?」
「らしいね。こんなところもデジタル化できるのか…」
ミチルも、その場に居る全員が、昇っては咲いて散る花火を眺めていた。
「…先せ……いえ、主殿。」
「主?」
「はい。先生はイズナの主殿です!」
「……そうか。嬉しいな。」
「先生や皆さんには、たくさん迷惑を掛けてしまいましたが……」
「気にしないでくれ、俺たちも助けられたんだ。お互い様だろ。」
「先生殿に同じく!」
「私も、です。」
「もちろん僕も。」
横に居た…厳密には上向きに並ぶ三人からも同様の答えが返ってくる。
「……これ、二人にしてあげた方がいい感じかな?」
「その方が良さそう……?」
二人の意見に応じて、ツクヨは忍び足でその場を離れた。
木陰に移り、二人の様子を見たり花火を観たりする。
「ここに宣言します!」
「……先生方は、イズナの夢を応援してくれる方。」
「イズナは今後、先生方と忍術研究部のみなさんに、忠誠を誓います!………」
「……居ないな。」
「どうしてででしょうか……?」
「どうしてだろうな……?」
「……改めて、」
「これからも末永く、イズナをよろしくお願いいたします!」
「……よろしく。」
「よろしくね!」
少し遅れて、ミチルも飛び出す。
「…………ミチル部長。イズナ、お願いがあります。」
「あたしからもお願いがあって……お先にどうぞ。」
「では…」
「どうか、を忍術研究部に入部させていただけませんか!?」
「あたしからも、忍術研究部に入ってほしいな……って思ってて……」
「もちろんです!」
「いいよ!」
即答だった。
「部長も、ツクヨ殿も。よろしくお願いします!」
「イズナは、これからも修行を続けて参りますので!!」
『聞こえるか。』
「ええ。通信状態は良好です。」
『部品は全て集まった、上出来だ。技術者も間もなく揃う。』
「あとはあの
『……後ほど説明するが、3人とも諜報機関や特殊部隊員の経歴がある。』
「……対象者を回収しました。これより車両での輸送に移ります。」
「……