MISSION LOG
トリニティでの第三次学力試験は無事合格に終わり、学園転覆を企てた聖園ミカは拘束された。
スネーク達は軟禁から解放されたが、D.U.にて異変が起こる。
D.U. サンクトゥムタワー エントランス
その日はアポイントも無しに、スネークがタワーを訪れた。
急ぎのようだが冷静さは変わらず、受付は顔パスで彼を通した。
会話は全て、競歩のように歩きながら。
「リンは居るか?」
「え、ええ、代行はおりますが……」
「至急取り次いでくれ、『
「どうされたんですか?」
「…緊急で発表をする。連邦生徒会でだ。」
「えっ……?」
統括室の生徒は戸惑う。
「…
「しかしそれでは……!」
「エデン条約に関する重要なことだ。」
スネークは引かなかった。
その生徒は仕方なくカヤに取り次ぎ、会議室の一つを用意させた。
カメラや諸々の機材も求められたので、揃えることに。
彼はエレベーターで上層階まで昇っていった。
「…………もしもし、リン代行でしょうか?……ええ、先生が会議室を貸せと。…はい。───」
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同じく上層階、防衛室 室長室。
監視カメラの映像を眺めながら、彼女、カヤはコーヒーを嗜む。
「あら……。」
午前10:00 連邦生徒会公式アカウントにて
配信が開始された。
フォローしていた生徒のデバイスには通知のポップアップが出るし、そうでない生徒も人伝てにそれを知る。
いつも見慣れた司会者台。そしてまだ新しい、シャーレのロゴ入りのバックボード。
そこにスネークが立っている。
いつもより改まった着こなしのスーツ。
彼が口を開く。
「生徒の皆様、おはようございます。」
「突然ではございますが、本日は連邦捜査部シャーレよりご報告がございます。」
本当に突然の会見に、学園の生徒たちは困惑する。
この時点で邪推をする者も少なくなかった。
「近々、トリニティ総合学園とゲヘナ学園という大規模な学園どうしで結ばれる『エデン条約』についてのご報告です。」
「我々シャーレは、…今回の条約調印についての方針を発表いたします。」
中々センシティブな話題だ。開放されたコメント欄は流れを増してきた。
「では、結論から申し上げます。」
「我々は先述の二学園に対して、全面的な宣戦布告と制裁をいたします。」
その過激な発音に、コメント欄だけでなくサンクトゥムタワーに居る生徒たちも大きく混乱した。
「この決断はシャーレにおける独断であり、ここに至った理由といたしましては───」
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「先生は何をおっしゃって…!?発表を止めさせろ!」
「第二会議室です!拘束に向かいましょう!」
上へ移動しようとする各室の生徒。
しかし。
「ぐっ……!?」
「撃たれました!撃たれた!」
「誰がやった!?」
エレベーターと非常階段から迫る、黒い装備の生徒。
P90を構え、見せしめとばかりに何人かへ腰だめで集中砲火した。
「なっ……!?何者ですか!」
「…………」
ガスマスクの呼吸音だけが響く。
何人かはナイフに持ち替え、人質にした数人の首にナイフを掛ける。
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「───我々の持論は、独断での武力介入および戦略レベルでの攻撃、殲滅によるキヴォトスの治安維持です。」
「顧問の一人がゲヘナにて軍事演習に巻き込まれ負傷、また私はトリニティにて生徒会長に軟禁されるという由々しき事態を踏まえての判断です。」
「……これにて、本日の発表配信を終了とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。」
午前10:58 シャーレビル前
建物の周辺は、既に人だかりができ始めていた。
サンクトゥムタワーへ向かおうにも、車すら出せないうえに出ることが難しい。見つかってはいけないにしろ、こんな時間の街中では不可能に近い。
「ソリダス……!」
「……このままじゃ不味い、『シャーレの方向に向かう先生』見失ったって投稿がSNSにいくつか、そこについてる写真から見ても、絶対に君じゃない。」
「これのせいだ、シャーレに人が集まってるのは。」
「……アロナには下の入口にロックを掛けさせた。」
「それも悪手かも。余計怪しまれるだろうし。」
アロナの協力も得ながら、スネークもニュースを確認していた。
そこに流れたのは。
『せっ、先生!』
「どうした?」
『タワー内と周辺の無事なカメラや、通信機をハッキングしてみているんですが……』
『先生に対して、発見次第射殺の命令が出されたようです……』
「…射殺だって!?」
アロナの断片的に得た情報だが、タワー前で待機中のヴァルキューレ本部機動隊の通信及びタワーの内部映像から、スネークの射殺とオタコン───メタルギアmk4の破壊、雷電の捕縛が命じられたそうだ。
何故、雷電のみ殺害や破壊でないのかは不明だが、生きて連れてくるように命令されている様子だったと。
「それが本当なら、ヴァルキューレが来たら僕らは…」
「雷電はどこに?」
『ジャック先生の体内ナノマシンから、位置をトラッキングします!これが一番早いです!』
…アロナの顔色が変わった。
「……今度は?」
『ジャック先生の反応、ビルまで五メートル程度しか離れてませんね……?』
そこへ、ビルの壁面を叩きつけるような轟音がした。
窓が割れる。
『ジャック先生!?どうやって……』
「登ってきた。」
『登るってなんですか!?』
「……それより、二人とも。」
「……ああ。」
「ほとんど閉じ込められたような状態だよ。僕らの命は保証されない。」
「事態も事態だ、連邦生徒会が俺たちを贔屓しないことは分かってる。」
「ここから出るプランがある。2分で終わる内容だ。」
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ドゴォォォッ!!
少し下の階で、再びシャーレビルの壁面ガラスが割れる。
目を向けずともギャラリーの騒ぐ様子が見て取れるが、そんなことは今どうだっていい。
ビルの上を駆ける。
「学区の出入りが厳しくならないうちに、D.U.を出る。」
『この方向で外だと……ゲヘナの方ですか?』
「いや、ブラックマーケットだ。」
「……連邦生徒会もお目溢ししてくれるってわけか。」
程なく、雷電は一人と一機を抱えて地上に降りた。
エデン条約2章相当の部分、終了です。